南海11000系電車
From Wikipedia, the free encyclopedia
| 南海11000系電車 | |
|---|---|
|
11000系電車 (2006年7月29日 帝塚山駅) | |
| 基本情報 | |
| 運用者 | 南海電気鉄道 |
| 製造所 | 東急車輛製造 |
| 製造年 | 1992年 |
| 製造数 | 4両 |
| 運用開始 | 1992年11月10日 |
| 投入先 |
高野線(難波駅 - 橋本駅間) 泉北線 |
| 主要諸元 | |
| 編成 | 4両編成(全電動車) |
| 軌間 | 1,067 mm(狭軌) |
| 電気方式 | 直流1,500 V(架空電車線方式) |
| 最高運転速度 | 100 km/h |
| 設計最高速度 | 120 km/h |
| 起動加速度 | 2.5 km/h/s |
| 減速度(常用) | 3.7 km/h/s |
| 減速度(非常) | 4.0 km/h/s |
| 編成定員 | 248人 |
| 車体 | 普通鋼 |
| 台車 |
S形ミンデン式ダイレクトマウント空気ばね台車 住友金属工業FS-552[1] |
| 主電動機 |
直流直巻電動機 MB-3072-B |
| 主電動機出力 | 145 kW(375 V時) |
| 駆動方式 | WNドライブ |
| 歯車比 | 83:18(4.61) |
| 編成出力 | 2,320 kW |
| 制御方式 | 超多段式バーニア抵抗制御 |
| 制御装置 | 日立製作所VMC-HTB-20H |
| 制動装置 |
発電ブレーキ併用 全電気指令式電磁直通ブレーキMBS-D (応荷重装置付) |
| 保安装置 | 南海型ATS |
南海11000系電車(なんかい11000けいでんしゃ)は、1992年(平成4年)11月10日に営業運転を開始した南海電気鉄道の特急形車両である。
車体
1992年(平成4年)11月10日に運行を開始した、高野線難波駅 - 橋本駅間の特急「りんかん」用の車両として、東急車輛製造(現:総合車両製作所)で4両編成×1本が製造された。10000系4次車(特急「サザン」増結用中間車)をベースに設計されている。
2015年(平成27年)12月5日からは、難波駅 - 泉北高速鉄道(現・泉北線)和泉中央駅間を結ぶ特急「泉北ライナー」としても運転されている。
10000系を基本とした20 m級の普通鋼製車体で、前頭部は同系のデザインを踏襲しつつ半流線形とし、スピード感を持たせている。側窓は10000系4次車と同様の複層ガラスを使用した大型連続窓である。出入口は折り戸で、各車片側1か所備える。列車種別・行先表示器は2000系と同様の個別表示式で、各車の出入口付近に設置している。前面貫通扉は当初非常用であったが、1999年(平成11年)の31000系登場に合わせて橋本方先頭車(モハ11201形)に幌受けアダプターを新設し、31000系との併結時のみ車内からの通り抜けを可能としている[2]。
落成当初のカラーデザインは、10000系に準じたメタリックシルバー塗装に青とオレンジの帯(■■■)であった。その後の変遷については後述する。
なお2021年(令和3年)1月には、前照灯をシールドビームからLEDに変更している[3]。
車内設備
客室照明はスリット入り半間接照明で、荷棚下には南海伝統の読書灯も設置されている。座席はフリーストップ式回転リクライニングシートで、センターアームレスト(中ひじ掛け)やひじ掛け内蔵テーブルのほか、足元には跳ね上げ式フットレストを備えている。シートピッチは30000系より30 mm拡大した1,030 mmとしている。車内案内表示器は10000系4次車と同型の3色LED式を装備する。
モハ11301形にはトイレと洗面所、モハ11101形の客室には車椅子スペースを設けている。モハ11101形の上り方には自動販売機を有するサービスコーナーがあり、かつては公衆電話やサービスカウンターも備えていたが、現在は撤去・閉鎖されている。
2014年(平成26年)以降には、天井照明と読書灯を昼白色LED照明に交換し、サービスレベルの向上が図られている[3]。
なお、本系列は車載型の自動放送装置を搭載しているが、これは「りんかん」運用時にのみ対応するものである。
- 車内
(2016年5月26日)
主要機器
制御方式は30000系と同じ抵抗制御であるが、制御装置は10000系4次車と共通設計とした超多段式バーニア制御の日立製作所製VMC-HTB-20H形を採用している。高速度遮断器には真空遮断器を使用し、故障時の保護機能を向上させている。ブレーキ装置は全電気指令式電磁直通ブレーキ、台車はS形ミンデン台車である。電動機出力は145 kWで全電動車編成を組んでいるが、20 m級車体であるため橋本駅以南の山岳区間には入線できない。
補助電源装置には、絶縁形GTOコンバータ/トランジスタインバータ装置(出力75 kVA)を採用している。システムはDC-DCコンバータ部とインバータ部で構成され、コンバータ部で直流1,500 Vから安定した直流330 Vを出力、インバータ部で直流330 Vを三相交流220 Vに変換する。冷房装置は、コンバータからの直流330 Vを電源とする、インバータ制御方式のユニットクーラーを各車3基ずつ搭載する[注 1]。
このほか警笛は、従来の空気式に加え電気式のものを併設している[注 2]。
1999年(平成11年)、30000系・31000系との併結対応改造として、制御装置の特性が変更された[2]。
形式・編成
全電動車方式で、難波方先頭車がモハ11001形(Mc1)、難波方中間車がモハ11301形(M2)、橋本方中間車がモハ11101形(M1)、橋本方先頭車がモハ11201形(Mc2)となっている。
← 難波 橋本・和泉中央 → | ||||
|---|---|---|---|---|
| 号車 | 4(8) | 3(7) | 2(6) | 1(5) |
| 形式 | ◇ ◇ モハ11001 (Mc1) |
モハ11301 (M2) |
モハ11101 (M1) |
モハ11201 (Mc2) |
| 搭載機器 | CONT | CP SIV | CONT | CP SIV |
| 定員[6] | 52 | 60 | 58 | 64 |
| 設備[6] | トイレ 洗面所 | 車椅子スペース サービスコーナー | ||
- 凡例
- CONT:制御装置(バーニア抵抗制御)
- SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
- CP:空気圧縮機
- ◇:集電装置(下枠交差式)
- モハ11001形
(2010年1月2日 橋本駅) - モハ11301形
(2010年1月2日 橋本駅) - モハ11101形
(2010年1月2日 橋本駅) - モハ11201形(幌アダプター付き)
(2010年1月2日 橋本駅)
運用
2025年(令和7年)4月1日現在、4両編成×1本の合計4両が小原田検車区に在籍している[4][5]。
本系列は高野線山岳区間に乗り入れ可能な17 m級車両(ズームカー)ではないため、高野線平坦区間の難波駅 - 橋本駅間を結ぶ特急「りんかん」に長らく運用されてきた。30000系の更新工事が完了した2000年(平成12年)12月23日ダイヤ改正からは、ラッシュ時に30000系・31000系を併結し8両編成でも運転されている[7]。
2015年(平成27年)12月5日のダイヤ改正からは難波駅 - 和泉中央駅間を結ぶ特急「泉北ライナー」が新設され、本系列が充当されるようになった[8]。ただし、毎年1月から2月の冬季閑散期の車両定期検査期間中には、本系列が「りんかん」運用に復帰し、「泉北ライナー」運用を南海12000系(サザン・プレミアム)で代走するのが通例となっている[9] 。
2017年(平成29年)1月も上記の代走体制が開始された[10]が、1月27日より泉北高速鉄道が自社発注の特急車12000系を「泉北ライナー」に投入したため、本系列は暫く「泉北ライナー」運用から離れていた。同年8月26日のダイヤ改正で「泉北ライナー」が増発され2編成による運用体制となることから、再び「泉北ライナー」に使用されるようになった[11][12]。
30000系の脱線事故に伴い、2022年(令和4年)11月3日から「りんかん」運用に臨時復帰した[13][14]。「泉北ライナー」運用へは、予備編成に余裕のあった50000系が投入された。30000系の復帰後も暫く代走体制が継続されていたが、2023年(令和5年)10月1日より本系列の「泉北ライナー」運用が再開された[15]。
車両カラーデザインの変遷
- 1992年(平成4年):メタリックシルバー地に青とオレンジの2色帯(■■■)で登場。
- 1999年(平成11年):31000系デビューに合わせて、白地に赤帯の塗装(■■)に変更[2]。「りんかん」8両編成運転に備える。
- 2015年(平成27年)12月:「泉北ライナー」用として、出入口付近に列車愛称ロゴ入りの識別ステッカーを貼り付け[8]。
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)
- 2018年(平成30年)
- 以降、毎年1月から2月の高野線特急車の定期検査時には「泉北ライナー」運用から離脱するため、ラッピングを剥離[19]。復帰時は3代目ラッピングを装飾。