吉田保 (レコーディングエンジニア)
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サウンド
吉田のミックスダウンの特徴としては、まず「古典的な三点定位」が挙げられる。三点定位とは、音源を中央に配置するか、完全に右か左に振ってしまうか、というかたちで各音源を定位させる手法で、これはステレオミックスでも最も基本的なものである。現在は楽器の空間配置を考慮して細かく各音源の定位を定めることが多いが、吉田は基本的な定位を未だにこの三点定位で配置する。ドラムスを例に挙げると、バスドラム・スネアドラム・ハイハットはいずれも中央に、タムもゆっくりしたフィルインの場合以外は中央に配置する。クラッシュシンバル・ライドシンバルは完全に左右に振ってしまうことが多い。
次に、吉田の音場を最も特徴付けているのがリバーブの使用法である。吉田のミックスは際立った深みを持つことで知られているが、それは各音源にかなり深いリバーブをかけていることによる。一般に、過剰なリバーブの付与は音場を濁らせ、リズムを不明瞭にする弊害があるのだが、吉田はアタックを抑制し、長いリリースの残響を付与することでこれらの弊害を減らし、深い残響を与えている。これには以前は専らプレートリバーブの代名詞的存在であった「EMT 140」を用いていたが、80年代以降は良好なプレートエコーのシミュレーションが可能なソニー製の「DRE-2000A」、「DPS-R7」の使用を経て、現在はSonnox社のプラグインである「Oxford Reverb」を愛用している。
様々なアーティストのレコーディングに参加しているが、とりわけ大滝詠一と山下達郎の諸作品でのエンジニアリング・ワークが有名である。
レコーディング参加作品
- 『PINUP GIRL』
- 『NIAGARA TRIANGLE Vol.1』※86年盤「ドリーミング・デイ」「パレード」「遅すぎた別れ」「新無頼横町」「フライング・キッド」リミックス
- 『GO! GO! NIAGARA』※86年盤リミックス
- 『NIAGARA CALENDAR』※86年盤リミックス
- 『A LONG VACATION』
- 『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』※「A面で恋をして」「オリーブの午后」「白い港」「Warter Color」「♥じかけのオレンジ」
- 『EACH TIME』
- 『DEBUT SPECIAL』
- 「幸せな結末」(カップリングの「Happy Endで始めよう」も)
- 「恋するふたり」
- 「愛のバラード」※大野雄二とファンタスティック・ブルー名義
- 『BAD GIRL』
- 『BEST REMIX』※ミキシングのみ
- 『natsuko』
- 「無視線」
- 「片想いを殺したい」
- 「第三者」
- 「ローレライ」
- 「BLACK CHRISTMAS/ゆらり」
- 『SONGS』※86年盤リミックス
- 『夢で逢えたら』※87年盤リミックス
- 『あなただけI LOVE YOU』
- 「夢で逢えたら (Single Mix)」
- 「12月の雨の日(シングル・バージョン)」※未発表
- 「はいからはくち(シングル・バージョン)」※小坂忠コーラスバージョン
- 『Illumination』
- 『MIND SCREEN』
- 『君が人生の時…』
- 『Sand Castle』
- 『MY DEAR』
- 「WOMAN」
- 「モンロー・ウォーク」
- 「スローなブギにしてくれ」
- 『SPACY』
- 『IT'S A POPPIN' TIME』
- 『GO AHEAD!』
- 『RIDE ON TIME』
- 『FOR YOU』
- 『MELODIES』
- 『BIG WAVE』
- 『POCKET MUSIC』
- 『COZY』
- 『SONORITE』
- 『TWILIGHT ZONE』
- 『MONOCHROME』
- 『MONSTERS IN TOWN』
- 『LIGHT'N UP』
- 『IN MOTION』※ライヴ・レコーディングのみ
- 『BELLS』(1986)
- 『EXTREME BEAUTY』
- 『声を聞かせて』
- 『MINAKO YOSHIDA GLORIOUS CONCERT "calling"』
- 『夢で逢えたら2018』※『EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3 「夢で逢えたら」』
- 「夜明け/素敵な君」
- 渡辺満里奈