幕末残酷物語
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キャスト
- 江波三郎:大川橋蔵
- 沖田総司:河原崎長一郎
- さと:富司純子
- 近藤勇:中村竹弥
- 土方歳三:西村晃
- 山南敬助:大友柳太朗
- 山崎蒸:内田良平
- 河品隆介:木村功
- 松永主膳:菅貫太郎
- 島田魁:那須伸太朗
- 花井豪:五里兵太郎
- 尾関等:島田秀雄
- 竹内弥兵衛:汐路章
- 相原源吾:明石潮
- 森蔵又次郎:穂高稔
- 野村甲之進:片岡栄二郎
- 堀田清助:中村錦司
- 中西登:博多淡海
- 奥沢栄助:千葉信男
- 大石鍬次郎:上杉高也
- 新井忠雄:藤木錦之助
- 橋本皆助:末広恵二郎
- 岸本安次:神木真寿雄
- 三田兵衛:阿部九洲男
- 永倉新八:小山田良樹
- 斎藤一:尾形伸之介
- 松原忠司:加藤浩
- 武田観柳斎:堀正夫
- 井上源三郎:関根永二郎
- 谷三十郎:加賀邦男
- 藤堂平助:河村満和
- 阿部十郎:小田真士
- 原田左之助:青木義朗
- 芹沢鴨:原田甲子郎
- お梅:ナタリー春川
- 御倉伊勢武:脇中武夫
- 楠小十郎:唐沢民賢
- 忠助:高松錦之助
- 豊平:安藤薫
- キヨ:美松艶子
- マサ:小島恵子
- 薩摩浪人:山本麟一
- 大阪浪人:月形哲之介
- 大阪浪人の朋輩:村田天作
- 守護職使者:香月涼二
- 水戸浪士:波多野博
- 平山五郎:時田一男
スタッフ
製作
作品の評価
興行成績
橋蔵の主演映画はかつては興行収入ベストテンに毎年2、3本が入り[6]、コンスタントに2億5000万から3億円を叩き出す東映のドル箱であったが[6]、本作が公開された1964年頃から興行不振が目立ってきた[6]。1964年の正月第二弾『人斬り笠』(併映『地獄命令』)、第二弾『風の武士』(併映『 図々しい奴』)、3月の『紫右京之介 逆一文字斬り』(併映『二匹の牝犬』)とも成績が悪く[6]、橋蔵の極めつけ『新吾番外勝負』(併映『君たちがいて僕がいた』)ですら1億5000万に届かなかった[6]。8月に公開された『御金蔵破り』は、橋蔵噂の人・朝丘雪路との共演という話題性もあり[6]、併映『日本侠客伝』との釣り合いもとれて[2]、1億5000万に届くヒットとなった[6]。しかし9月の『大喧嘩』(併映『忍者狩り』)がダメで、続く本作も不入りだったとされる[6]。
批評家評
- 岡田茂東映京都所長も内容を褒めたが[6]、大川橋蔵を支援する映画評論家・南部僑一郎が週刊誌上で、「『座頭市シリーズ』は勝新が坊主になって目を剥くのがいいんだ。それを『幕末残酷物語』みたいなもので橋蔵があんな役をやって、どこに意味があるというんだろう。橋蔵は何でああいう斬り死の役柄に乗せられてしまうのか。『オレはいままで大義名分で生きてきたが、これじゃまるで派閥の地獄じゃないか』といって逃げるなら君が生かされる。むしろ女と逃げた方があの時代には残酷な話になる。それをどうして君は言い出さないのか。君の最近の仕事にはゲンナリしている。『幕末残酷物語』みたいなものはぼくはてっきりオクラになると思っていたら、京都では岡田所長以下、良いといってるのはどういうわけだ。ぼくは京都に行く記者連に『あんなもので客に来いとは言語道断だと伝えてくれ』と言ってやったくらいだが、橋蔵君、君はいったいどういうつもりであんな仕事をするんだ」[6]、「橋蔵のイメージを変えるという会社のやり方は間違っている。妙なリアリズムに熱を上げたりね。『幕末残酷物語』はいけないよ。ああいう仕事が将来のための授業料になるという人もいるが、スターは授業料を払う必要はない。橋蔵は求めて汚れなくても、きれいなままでいくらでもやれるんだよ」などと、岡田の橋蔵のプロデュース力が悪いと批判を繰り返した[7]。
- 穂積純太郎は「橋蔵の真価は白塗りできれいなところにある。『幕末残酷物語』や『天草四郎時貞』などの"意欲作"で、わざわざ"黒塗り"の橋蔵を見せるのは何か錯覚してるんじゃないかとしか思えない。橋蔵は悲劇と紙一重の正喜劇をやれる数少ない役者ではないか。とにかく大スターでありながら未開拓の分野が多く、いろいろな可能性を秘めている役者も珍しい」などと評した[7]。
- 大川橋蔵は「ぼくとしては『幕末残酷物語』で、はじめてといって良いようなリアルな演技で、いわば素顔(すっぴん)で出たようなもんで、ぼく自身、すごく楽に演技が出来た。自然(ナチュラル)に自分の感情のままやって、それが極めて適切に画面に出たと思う。演技的にはちっとも苦労してないけど、世間の人は『幕末残酷物語』の演技はよかったと言ってくれる。だけど、従来の娯楽作品は、大衆受けはしても、演技的にあまり褒められたことはない。しかしぼくは娯楽作品に演技的に苦労しているわけです。つまり娯楽作品がいかに難しいか…それがよく分かった気がします」などと述べている[8]。
受賞歴
- 第15回ブルーリボン賞
- 脚本賞(国弘威雄)
影響
本作公開の翌週、1964年12月24日から公開された橋蔵の次作『黒の盗賊』(併映『博徒対テキ屋』)は少し持ち直したが[6]、1965年2月公開の愚連隊を演じた『バラケツ勝負』はかなり落ち込んだ[4][6]。女性ファンからも橋蔵のヨゴレ役に反撥を食らったため[9]、岡田茂東映京都所長は「女性ファンは"美男の橋蔵"がお好きなようだから、今後はご要望に応えて、その線を通していく」と表明し[4]、橋蔵が難色を示していた大阪を舞台としたスリの話『飛びっちょの鉄』を製作中止させ[4]、1965年5月公開の『大勝負』では水も滴る美男やくざに設定を変えた[4][9]。岡田は「1965年秋に橋蔵主演で『源氏物語』を企画している。橋蔵源氏を取り巻く女性に佐久間良子、三田佳子、岡田茉莉子、有馬稲子、山本富士子といった絢爛たるキャストを組みつもりだ」と話していたが、「但し、結婚問題をきちんと収束させることが条件」と述べ[10]、結局、『源氏物語』は製作されることはなかった。