攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL
From Wikipedia, the free encyclopedia
背景
あらすじ
西暦2029年[2]。サイボーグの草薙素子は内務大臣のもとへ行き、特殊部隊の創設を要求する。その後、部隊の予算が承認されたため、洗脳装置を持っているとされる「救済センター」という施設へ任務に赴くと、施設が子どもを虐待しているさまを目にする。そこで救済センターを攻撃し、警備員を逮捕する[5]。だが、内務大臣は部隊解散の判断を下し、代わりに「攻殻機動隊」が設立されることになる[6]。
3か月後、バトーは監視業務に就く。バトーは荒巻から草薙素子を呼ぶよう指令を受けるが、休暇中の草薙素子は性的な行為をしている。バトーはそこで、ナメクジかよお前は
と述べる。休暇を終えた草薙素子は、ウイルスに感染した外務大臣の通訳のもとへ行く。草薙素子は、トグサとともに、そのウイルスに感染させた犯人を追う。任務中、草薙素子とトグサは、妻に関する情報を得ようとする男を見かける[6]。
登場人物
制作
| 原作 | 士郎正宗『攻殻機動隊』 |
|---|---|
| 監督 | モコちゃん |
| シリーズ構成・脚本 | 円城塔 |
| キャラクターデザイン | 半田修平 |
| 美術監督 | 片野坂恵美 |
| 美術監修 | 増山修 |
| 色彩設計 | 橋本賢 |
| 撮影監督 | 伊藤ひかり |
| 編集 | 廣瀬清志 |
| 音響監督 | 丹下雄二 |
| 音響効果 | 八十正太 |
| 録音 | 太田泰明 |
| 音響制作 | 東北新社 |
| 音楽監督 | 岩崎太整 |
| 音楽 | 岩崎太整、小西遼、YUKI KANESAKA |
| 音楽プロデューサー | 内田峻 |
| 音楽制作 | フライングドッグ |
| プロデューサー | 阿部研吾、笹大地、崎田康平、谷口博邦 |
| アニメーションプロデューサー | 進藤嵩平 |
| アニメーション制作 | サイエンスSARU |
| 製作 | THE GHOST IN THE SHELL COMMITTEE[注 1] |
制作の契機
サイエンスSARUに本作の制作が依頼された際、監督候補としてモコちゃんの名前が挙がった。モコちゃんは原作と押井守の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』両作をほぼ同時期に認知しており、作品のファンであったことから、監督を希望した[7]。
両作に対する評価として、押井版についてはその歴史的重要性を認識して作画に感銘を受けたと語り、原作については絵のすばらしさを感じたと述べている。本作の制作にあたっては、期待値の高さゆえのプレッシャーはあるものの、尽力したいとの意向を示している[7]。
作画
モコちゃんは、従来の『攻殻機動隊』を、原作の要素を抽出して独自の解釈を加えたものと捉えていた。対して本作では、作り手の理解が及ばないという理由で要素を削れば、作品の重要な部分まで欠落しかねないと考え、可能な限り原作に忠実なアプローチをとっている[3]。ただし、映像的な誇張は許容しており、第1話において樹木がより高く描かれている点などにそれが表れている[8]。
また、モコちゃんは、原作のアクション描写は物理法則に従っていると分析し、本作でもそのリアリティを重視した。これは表現上の制約となり、結果としてアニメーション特有の見栄えのする作画を減らすことにも繋がったが、その分、モコちゃんは空間的な構図の工夫によって面白さを出そうと試みている。例えば、草薙素子と荒巻の出会いの場面では、カメラ位置の調整によって両者の接近を表現した[9]。
一方で、本作は手描きの手法を重んじつつもデジタル処理を併用しているため、どうしても作画が冷淡になりがちであった。この質感における課題は、音楽の演出力を活用することで補われた[9]。
キャラクターデザイン
キャラクターデザインは半田修平が務め、特に体型に気を配った。士郎正宗が描く女性はお尻がちっちゃくて肩幅のほうが広い
ので、半田は、肩幅のほうがお尻より狭いという常識にとらわれずにデザインした。半田は、健康的なアメリカ女性をイメージしながらデザインしたとも述べた[10]。
また、原作やテレビシリーズが発表されたころ半田は保育園児か小学生であり、周囲にハイカラな見た目の人がいなかったため、半田はファッションについてよく知らなかった。そこで半田はファッションについて調べた。例えば、半田は『あぶない刑事』を見た[11]。また、半田はサブキャラクターデザインの担当者に、基本的に服装のデザインを依頼した[12]。
脚本
脚本は円城塔が務めた。円城塔は脚本執筆にあたり、原作を文字に起こして最適な話数を検証[13]。そして、モコちゃんとの検討のうえ、本作を全10話で構成することが決まった[14]。また、円城塔は本作の制作にあたって、『攻殻機動隊』の解説役・用語辞典の役割も務めた[15]。
円城塔は執筆の結果、草薙素子を殺人機械だと捉えるようになった。また、荒巻の仕事はしたくないとも感じた[16]。
演技
草薙素子は坂本真綾が演じた。坂本は草薙素子をコミカルだと捉え、それを目新しく感じていたため、演じるのは困難だったという。また、坂本は以前草薙素子を演じていた田中敦子に思いをはせた[17]。
フチコマは金田朋子が演じた。金田は、現代であれば機械のフチコマをAIが演じることもできると指摘し、そのなかで自身が演じる意義について考えた。その結果、シーンによってフチコマの機械らしさを変えるようにした。また、金田は複数のフチコマを1人で演じ分けた[18]。
トグサは中村悠一が演じた。中村は、トグサには「刑事の経験値があって、そこに対して自分なりの自負やプライドがある」と考えた[19]。
プロモーション
評価
Anime News Networkのレベッカ・シルヴァーマンは、第1話と第2話に星4.0をつけ、本作のアートスタイルは豪華で、ポップかつアクションも派手だと述べた。また、本作には馬鹿っぽいところがあるといい、コメディが気に入らなかったり、性的描写が議論を呼んだりするかもしれないとしながらも、本作を推薦した[28]。
同じくAnime News Networkのジェームズ・ベケットは、『AKIRA』のアキラスライドに触れつつ、草薙素子が窓から飛ぶシーンをイコニックだと評した。ベケットによると、このような描写が本作を素晴らしいものにしているという。またベケットは、草薙素子について、哲学的というより騒々しくて元気な人物だと述べた。一方、ベケットは第1話のペースについて苦言を呈した[28]。
同じくAnime News Networkのボルツは、第1話に星4.5、第2話に星4.0をつけた。ボルツもペースの早さに苦言を呈している。特に文字情報で表現する場面でその傾向が顕著だったとし、あまりの早さに再生速度の設定が間違っていないか確かめたという。一方、本作は視聴者がこれを何とか消化できるという前提で作られているとも述べている[28]。
同じくAnime News Networkのリチャード・エイゼンベイスは、第1話と第2話に星4.0をつけた。エイゼンベイスも本作は情報過多だと述べ、ペースを落としてほしいとした。また、エイゼンベイスは第2話のレビューで、出来があまり良くないとはっきり述べた[28]。
Anime Trendingのメルヴィン・タンは、本作のペースのはやさが、救済センターのような重大な問題の取り扱いをいい加減なものにしていると述べた。タンは本作にあまり惹かれなかったものの、アニメーションを称賛した。キャラクターデザインはレトロだとし、特に草薙素子に茶目っ気を感じたという。総合的には、タンは本作を良い作品だと締めている[29]。
Anime Feministのトニー・サン・ピケットは、本作をこれまでの経緯を知らない人にも勧めた。ピケットは、本作から政治的な要素を感じたという。ピケットによると、本作は、この政治的な要素のうち特に警察における正義を取り上げている。草薙素子の力は限られており、問題を完全に解決することはできないため、ピケットは草薙素子を「英雄的な警察」ではないと評した[30]。
IGNのラファエル・モトメイヤーは、本作の作画は鮮やかかつ暴力的であるとし、その素晴らしさをほめたたえた。特に、ピクセルによる表現が本作をユーモラスにしていると述べた。またモトメイヤーによると、そのビジュアル面を支えるのが音楽であり、その結果、本作は古めかしくなっているという。モトメイヤーは実際、本作には古めかしいもの、例えばVCRが出てくると指摘した[31]。
Real Soundのタニグチリウイチは、本作を原作漫画にそっくりだと評した。タニグチによると、キャラクターの作画やストーリーが原作に沿っているという。さらにタニグチは、2026年現在では古臭い描写まで温存されているとも指摘した。タニグチはこれを「原作全部盛り」と表現し、ファンは欣喜雀躍するだろうと述べた[32]。
一方、同じくReal Soundのしげるは、原作の説明不足を補うために描写が足されている箇所があると指摘した。性的描写についても、原作をそのまま再現するのではなく、ちょっと前のアニメっぽいお色気要素
程度にとどめられていると指摘した。また、バトーの能力の高さを示すシーンも、本作では「シンプルな流れ」に落とし込まれていると述べた{[33]。
同じくReal SoundのYuki Kawasakiは、本作の未来像は古いが、制作陣はその部分を更新していないと述べた。Yuki Kawasakiによると、同様の現象は『サイバーパンク エッジランナーズ』、『銀河特急 ミルキー☆サブウェイ』、『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』にもみられた[34]。そして、Kawasakiはこのレトロブームについて以下のように考察した[34]。
現代のクリエイターや消費者にとって、「今日的な未来観」――AIやメタバース、Web3といった言葉で語られる、リアルタイムに更新され続ける未来像――は、必ずしも創作やファッションの起爆剤として魅力的に映っていないのではないか。むしろ、一度「終わった」はずの過去の未来像を経由することでしか、いまの閉塞を突破する想像力を立ち上げられない。そうした状況が「レトロフューチャー」の同時多発を生んでいるように見える。—Yuki Kawasaki、[34]
主題歌
- 「GO GHOST」[35][36][37]
- King Gnuによるオープニングテーマ。作詞・作曲は常田大希、編曲はKing Gnu。
- 「Blue」[35][38]
- MILLENNIUM PARADEによるエンディングテーマ。作詞はSaya GrayとDaniel Caesar、作曲は常田大希とSaya GrayとDaniel Caesar。
各話リスト
| 話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| EPISODE 01 | PROLOGUE + SUPER SPARTAN i | モコちゃん |
| 半田修平 | 2026年 7月7日 | |
| EPISODE 02 | SUPER SPARTAN ii + JUNK JUNGLE i |
| 蓮谷トヲル |
|
| 7月14日 |
| EPISODE 03 | JUNK JUNGLE ii + MEGATECH MACHINE i + ii | Bahi JD[注 2] | 半田修平 | 7月21日 | ||
| 井分詢也 |
| ||||
| EPISODE 04 | ROBOT RONDO |
|
|
|
| 7月28日 |
| EPISODE 05 | PHANTOM FUND | 甘浩天 |
|
| 8月4日 | |
| EPISODE 06 | DUMB BARTER | 田中宏紀 | 半田修平 | 8月11日 | ||
| EPISODE 07 | BYE BYE CLAY | 横山彰利 |
|
| 8月18日 | |
| EPISODE 08 | INTERMISSION + BRAIN DRAIN i | 山田加余仲 |
|
| 8月25日 | |
| EPISODE 09 | BRAIN DRAIN ii |
| 鈴木孝聡 |
|
| 9月1日 |
| EPISODE 10 | BRAIN DRAIN ⅲ + GHOST COAST + EPILOGUE | モコちゃん | 金子貴弘 |
|
| 9月8日 |
放送局
| 放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 [40] | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年7月7日 - 9月8日 | 火曜 23:00 - 23:30 | 関西テレビ(製作参加) ほかフジテレビ系列フルネット全26局 | 日本国内[注 3] | 字幕放送[41][42] / 『火アニバル!!』枠 |
| 2026年7月10日 - 9月11日 | 金曜 23:30 - 土曜 0:00 | チャンネルNECO | 日本全域 | CS放送 |
| 2026年7月15日 - | 水曜 0:54 - 1:24(火曜深夜) | 山口放送 | 山口県 | |
| 2026年7月25日 - | 土曜 21:30 - 22:00 | アニマックス | 日本全域 | BS/CS放送 / リピート放送あり |
BD
| 巻 | 発売日[44] | 収録話 | 規格品番 |
|---|---|---|---|
| BOX | 2026年12月23日予定 | 第1話 - 第10話 | BCXA-2098 |