新百人一首

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新百人一首(しんひゃくにんいっしゅ)は、室町幕府第9代将軍足利義尚撰による私撰和歌集。いわゆる異種百人一首のひとつである。

文明15年(1483年)10月に成立[1]藤原定家撰の小倉百人一首に漏れた著名な歌人の歌を、勅撰和歌集から百首選定したものである。

詠み人出典備考
1文武天皇龍田河もみぢみだれてながるめりわたらばにしき中や絶なむ古今和歌集
2聖武天皇いもにこひ吾のまつばらみわたせばしほひのかたにたづなきわたる新古今和歌集
3大織冠 玉くしげみむろどやまのさねかづらさねずはつひにありとみましや続古今和歌集藤原鎌足
4式部卿宇合山しろのいは田のをのゝはゝそ原みつつやきみが山路こゆらむ新古今和歌集藤原宇合
5源当純谷風にとくるこほりのひまごとにうちいづる浪やはるのはつ花古今和歌集
6藤原菅根朝臣あきかぜにこゑをほにあげてくる舟はあまのとわたるかりにぞありける古今和歌集
7亭子院立かへりちどりなくなりはまゆふのこゝろへだてゝおもふものかは新拾遺和歌集宇多天皇
8忠義公みのうさを思ひしりぬるものならばつらき心を何かうらみむ続古今和歌集藤原兼通
9清慎公いけ水にくにさかえける卷もくのたまきの風は今ものこれり続古今和歌集藤原実頼
10忠仁公としふればよはひはおいぬしかはあれど花をしみれば物おもひもなし古今和歌集藤原良房
11中納言長谷雄わがためは見るかひもなしわすれぐさわするばかりのこひにしあらねば後撰和歌集紀長谷雄
12大伴池主神な月しぐれにあへるもみち葉のふかば散なむかぜのまにまに新勅撰和歌集
13八代女王みそぎするならのをがはのかはかぜにいのりぞわたるしたにたえじと新古今和歌集
14大納言旅人いさやこらかしひのかたにしろたへのそでさへぬれてあさなつみてむ新勅撰和歌集大伴旅人
15僧都玄賓山田もるそほづの身こそかなしけれ秋はてぬればとふひともなし続古今和歌集
16源信明朝臣ほのぼのとあり明の月のつきかげにもみぢ吹おろす山おろしのかぜ新古今和歌集
17藤原忠国われならぬくさばもゝのは思ひけり袖よりほかにおける白つゆ後撰和歌集
18増基法師かみな月しぐれ計を身にそへてしらぬ山路に入ぞかなしき後撰和歌集
19蔵内侍誓ひてもなほおもふにはまけにけりたが爲をしきいのちならねば後撰和歌集
20源順おいにけるなぎさの松のふかみどりしづめるかげをよそにやはみる新古今和歌集
21平祐挙むねはふじ袖は清見がせきなれやけぶりも浪もたゝぬ日ぞなき詞花和歌集
22安貴王あきたちていくかもあらねどこのねぬる朝けのかぜはたもとすゞしも拾遺和歌集
23藤原為頼朝臣おぼつかないづこなるらむむしの音をたづねばくさの露やみだれむ拾遺和歌集
24具平親王世にふるにものおもふとしもなけれども月にいくたびながめしつらむ拾遺和歌集
25藤原仲文あり明の月のひかりをまつほどに我よのいたく更にける哉拾遺和歌集
26橘忠幹わするなよほどは雲ゐに成ぬともそらゆく月のめぐり逢まで拾遺和歌集
27山田法師よし野やまもみぢのいろやいかならむよそのあらしのおとぞはげしき続後拾遺和歌集
28安法法師よをそむく山の南の松風にこけの衣や夜寒なるらむ新古今和歌集
29藤原惟成しばしまてまだよはふかしなが月のあり明の月はひとまどふなり新古今和歌集
30善滋為政朝臣ほとゝぎす鳴やさ月にうゑしたを鴈がねさむみあきぞくれぬる新古今和歌集
31三条院女蔵人左近大ゐがはそま山風のさむければたついはなみを雪かとぞ見る新拾遺和歌集
32沙弥満誓世間を何に譬む朝朗漕ゆく舟の跡のしらなみ拾遺和歌集
33藤原長能あられふるかたのゝみのゝかりころもぬれぬやどかすひとしなければ詞花和歌集
34藤原範永朝臣あり明の月もし水にやどりけりこよひはこえじ逢坂のせき千載和歌集
35堀河右大臣さくら花あかぬあまりにおもふ哉ちらずは人やをしまざらまし後拾遺和歌集藤原頼宗
36大納言公実思ひあまりいかでもらさむ奧山の岩かきこむるたにのした水金葉和歌集藤原公実
37馬内侍こよひきみいかなる里の月を見てみやこにたれをおもひ出らん拾遺和歌集
38藤原元真なみだ河身もうくばかりながるれどきえぬはひとのおもひ也けり新古今和歌集
39花山院あきの夜の月に心のあくがれて雲ゐにものを思ふ比哉詞花和歌集
40源道済おもひかね別しのべをきてみればあさぢがはらに秋かぜぞ吹詞花和歌集
41土御門内大臣朝ごとにみぎはのこほりふみ分て君につかふる道ぞかしこき新古今和歌集源通親
42大宰大弐高遠あふさかのせきのいはかどふみならし山たち出る霧原の駒拾遺和歌集藤原高遠
43源頼実木の葉ちる宿は聞わくかたぞなきしぐれするよもしぐれせぬ夜も後拾遺和歌集
44橘為仲朝臣あやなくもくもらぬよひをいとふかな忍のさとの秋の夜の月新古今和歌集
45修理大夫顕季しぐれつゝかつちる山のもみぢ葉をいかにふくよのあらしなるらむ金葉和歌集藤原顕季
46白河院にはのおもは月もらぬまでなりにけりこずゑになつのかげしげりつゝ新古今和歌集
47神祇伯顕仲かもめゐる藤江の浦のおきつすに夜舟いさよふ月のさやけさ新古今和歌集源顕仲
48後九条前内大臣あらし吹ゆつきが嶽に雲消てひばらの上に月わたるみゆ続古今和歌集藤原基家
49三条入道左大臣いそがれぬ年のくれこそあはれなれ昔はよそに聞し春かは新古今和歌集藤原実房
50法性寺入道前関白家堀河契おきし人もこずゑの木のまよりたのめぬ月のかげぞもり來る金葉和歌集
51瞻西上人いほりさすならの木陰にもる月のくもるとみればしぐれ降也詞花和歌集
52僧都清胤君すまばとはましものを津のくにのいくたのもりの秋のはつかぜ詞花和歌集
53登蓮法師歸來むほどをやひとにちぎらまししのばれぬべきわが身なりせば新古今和歌集
54源三位頼政淡海ぢやまのゝ濱べに駒とめて比良の高ねの花をみるかな新続古今和歌集
55左近中将公衡狩暮しかたのゝま柴をりしきてよどのかは瀬の月を見るかな新古今和歌集藤原公衡
56大炊御門右大臣我こひはちぎのかたそぎかたくのみ行あはでとしのつもりぬる哉新古今和歌集藤原公能
57大宰大弐重家後の世をなげくなみだといひなしてしぼりやせましすみ染のそで新古今和歌集藤原重家
58寂然法師秋はきぬとしもなかばに過ぬとやをぎふく風のおどろかすらむ千載和歌集
59刑部卿範兼月まつと人にはいひてながむればなぐさめがたきゆふ暮の空千載和歌集藤原範兼
60大江維順女忘らるゝ憂名はさてもたちにけり心のうちはおもひわけども千載和歌集
61後徳大寺左大臣母しひしばのつゆけきそではたなばたもかさぬにつけてあはれとやみむ千載和歌集藤原俊忠女
62前大納言忠良山ふかきくさのいほりのよるの雨におとせでふるはなみだなりけり風雅和歌集藤原忠良
63鴨長明いし河やせみのをがはのきよければ月もながれをたづねてぞ澄新古今和歌集
64中納言国信春日のゝしたもえわたるくさのうへにつれなくみゆるはるのあわ雪新古今和歌集源国信
65後久我太政大臣武藏野や行ども秋の果ぞなき如何なる風の末に吹らむ新古今和歌集源通光
66藤原秀能そでのうへにたれゆゑ月はやどるぞと餘所になしても人のとへかし新古今和歌集
67大倉卿有家春の雨のあまねき御世をたのむかなしもにかれゆく草葉もらすな新古今和歌集藤原有家
68大納言通具影きよきよもぎがはらの秋の月しもをてらさばすてずもあら南新後拾遺和歌集源通具
69八条院高倉うき世をばいづる日ごとにいとへどもいつかは月の入かたを見む新古今和歌集
70右大将頼朝みちのくのいはでしのぶはゑぞしらぬかきつくしてよつぼのいし文新古今和歌集源頼朝
71勝命法師あめふればを田のますらをいとまあれやなはしろ水をそらにまかせて新古今和歌集
72皇太后宮大夫俊成女夢かとよ見し面かげも契しもわすれずながらうつゝならねば新古今和歌集藤原俊成女
73小侍従しきみつむ山路の露にぬれにけりあかつき起のすみ染の袖新古今和歌集
74宮内卿きくやいかにうはの空なる風だにもまつにおとするならひありとは新古今和歌集
75中宮大夫師忠山ざとのいなばのかぜにねざめしてよぶかくしかの聲をきくかな新古今和歌集源師忠
76藤原資宗朝臣いかだしよまてことゝはむ水上はいかばかりふく山のあらしぞ新古今和歌集
77法橋行遍あやしくぞかへさは月のくもりにしむかしがたりに夜やふけぬらん新古今和歌集
78正三位知家淺茅原色變ゆく秋風にかれなで鹿の妻を戀らむ新勅撰和歌集藤原知家
79恵子内親王みなひとのそむきはてぬる世中にふるのやしろの身をいかにせむ新古今和歌集実際には徽子女王の歌
80宜秋門院丹後やまざとはよのうきよりも住わびぬことのほか成嶺のあらしに新古今和歌集
81従三位行能かきながすことのはをだにしづむなよ身こそかくてもやまかはの水新古今和歌集藤原行能
82源季景おなじくはあれな古へおもひ出のなければとてもしのばずもなし新古今和歌集
83平忠度朝臣たのめつゝこぬよ津もりのうらみてもまつより外のなぐさめぞ無新勅撰和歌集
84前大納言為家高砂のやまの山どりをのへなるはつをのたれをながくこふらむ続古今和歌集藤原為家
85藤原隆祐朝臣夕日さすとほ山もとのさとみえてすゝき吹しくのべのあきかぜ風雅和歌集
86藤原光俊朝臣いかにせむしなばともにとおもふ身のおなじかぎりのいのちならずは続古今和歌集
87入道二品道助親王荻の葉に風のおとせぬあきもあらばなみだの外に月はみてまし新勅撰和歌集
88高弁上人松の下いはねのこけに墨染の袖のあられやかけししら玉新勅撰和歌集
89藤原雅顕里のあまのかりそめなりしちぎりよりやがてみるめのたよりをぞとふ新後撰和歌集
90藤原信実朝臣つたへこし我道しばのふゆがれにまよはむあとの名こそつらけれ新千載和歌集
91従二位成忠女夢とのみおもひなりにし世中をなに今さらにおどろかすらむ拾遺和歌集小倉百人一首の「儀同三司母」と同一人物
92安嘉門院四条さきのよにたが結びけむしたひものとけぬつらさを身のちぎりとは玉葉和歌集阿仏尼
93天台座主澄覚をぎのはに有ける物を花ゆゑにはるもうかりしかぜのやどりは続古今和歌集
94光明峯寺入道前摂政左大臣神代よりみちある國につかへけるちぎりもたえぬせきの藤かは風雅和歌集九条道家
95常磐井入道前太政大臣うらがるゝあしの末ばにかぜすぎて入江をわたるあきのむら雨続拾遺和歌集西園寺実氏
96中務卿宗尊親王いつよりかあきのもみぢのくれなゐになみだのいろのならひ初けむ続千載和歌集
97土御門院あきのいろを送むかへて雲のうへになれにし月もゝのわすれすな続後撰和歌集
98後嵯峨院あり明の空に別れしいもがしまかたみのうらに月ぞのこれる続古今和歌集
99伏見院わすれずよみはしの花の木のまよりかすみてふけし雲の上の月玉葉和歌集
100花園院蘆原やみだれしくにのかぜをかへてたみの草葉もいまなびくなり風雅和歌集

注解刊行本

  • 『日本歌学大系』別巻6、風間書房、1984年
  • 丸谷才一『新々百人一首』新潮社、1999年

脚注

参考文献

外部リンク

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