極悪女王
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| 極悪女王 The Queen of Villains | |
|---|---|
| ジャンル | 配信ドラマ |
| 企画 | 鈴木おさむ |
| 脚本 |
鈴木おさむ 池上純哉 |
| 総監督 | 白石和彌 |
| 監督 |
白石和彌(1〜3話) 茂木克仁(4〜5話) |
| 監修 | 長与千種(プロレススーパーバイザー) |
| 出演者 |
ゆりやんレトリィバァ 唐田えりか 剛力彩芽 えびちゃん(マリーマリー) 隅田杏花 水野絵梨奈 根矢涼香 鎌滝恵利 安竜うらら 堀桃子 戸部沙也花 鴨志田媛夢 芋生悠 仙道敦子 野中隆光 西本まりん 宮崎吐夢 美知枝 清野茂樹 赤ペン瀧川 音尾琢真 黒田大輔 斎藤工 村上淳 |
| 音楽 |
木村秀彬 鈴木俊介 石塚徹 Teje 田井千里 |
| オープニング | ゆりやんレトリィバァ「Dump the Heel」 |
| エンディング | Awich「Are you serious?」 |
| 国・地域 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 時代設定 | 1980年代(昭和50年後半) |
| シーズン数 | 1 |
| 話数 | 5 |
| 製作 | |
| エグゼクティブ・プロデューサー | 高橋信一 |
| プロデュース | 鈴木おさむ |
| 制作 | Netflix |
| 配信 | |
| 配信サイト | Netflix |
| 配信国・地域 | 全世界190か国 |
| 配信期間 | 2024年9月19日 - 全話配信済 ※5話同時配信 |
| 配信サイト | |
『極悪女王』[1][2][3][4][5](ごくあくじょおう)は、鈴木おさむの企画・脚本・プロデュース[3][6][7][8]、白石和彌総監督により[3][9] [10][11][12][13][14][15][16][17][18][19]Netflixで 製作され[1][2]、2024年(令和6年)9月19日より世界独占配信されている配信オリジナル連続ドラマ[2][9][5][19]。主演はゆりやんレトリィバァ[1][2][3][9][5][10][6][4][20][21][22][23][24][19]。
プロレス好きの少女であった松本香が、なぜ1980年代に熱狂的な女子プロレス旋風を巻き起こし、「日本中から嫌われた」日本女子プロレス史上最も有名なヒール「ダンプ松本」になったのか[22][23][11][25]。仲間たちとの友情と闘い。様々な葛藤や代償。そして救済。その知られざる物語を描く[2][9][22][10][23][11][6][4][26][19]。
タイトルの「極悪女王」は元々はダンプ松本の愛称ではなく、「極悪同盟」創始者として再評価され始めた2010年代に一部のメディアが用いたキャッチコピーである[要出典]。
本作品はダンプ松本や[27]クラッシュギャルズたち[28]女子プロレスラーたちと、伝説のダンプ松本対長与千種の「敗者髪切りデスマッチ」を代表とする [29][30][31]80年代の「狂気の女子プロレス」を作り上げた「全日本女子プロレス」[11][12][28]をモデルとした[19]「事実に基づいたフィクション」であり[26][32][33]、本編及び参考資料などでもたびたび断り書きが掲示されている[26][32][34][33]。その一方で制作過程の影響により、ノンフィクションやドキュメンタリーの要素が多分に含まれた配信ドラマとなっている[21][11][12][34][19]。
前段
総合格闘技ブームなどの影響で、2000年代以降の日本のプロレス界は男女ともに低迷期を迎えていた。その状況を打開するため、一旦は引退したものの、2003年(平成15年)に現役復帰していた[要出典]ダンプ松本や、友人でもあったジャンボ堀が、ジャンボ堀の知人である元力士・鈴木昌平が店長を務めるちゃんこ鍋店(2012年開業[35])の経営者であり、大のプロレスファンでもあった放送作家の鈴木おさむに会って飲む度に相談していた[36][37]
企画
2019年(令和元年)[6][7]、当時放送作家だった鈴木おさむが[6][7][5]構成スタッフとして入っていたテレビ朝日のバラエティ番組「すじがねファンです!」で、11月7日と[38][39]11月14日の前後編[38][40]、及び12月7日に放送された「特別編」に[41]ゲストで登場した元女子プロレスラーのダンプ松本[5][42][38][39]と長与千種[5][42]の回で[41]、収録現場でダンプ松本対長与千種の「伝説の一戦」である「敗者髪切りデスマッチ」[29][30][31][12][4][43]の映像を流した[6][7]。長与千種の長年のファンはこの映像をこれまで一度も観たことがなかったし、二度と観たくなかった[7]。そしてその映像を観ながらファンは収録現場で悔し涙で号泣した[6][7]。その様子をみた鈴木おさむは、今の時代にこの熱量を持つものはなかなかない。この当時はプロレスなどの娯楽と真剣に向き合っていた時代であり、当時の女子プロレスを描くことで[6]その「狂気の時代」を全力で生き抜いた人たちをテーマとして扱いたいと考えた[7]。
そして鈴木おさむは、ダンプ松本と長与千種の「敗者髪切りデスマッチ」の写真と、「極悪女王」のタイトルを付けた表紙の数ページの企画書を作成し[34]、Netflixに持ち込んだ[6][7][44]。これはドラマですか?と聞かれた鈴木は「はい、ドラマです」と答えた。担当者の坂本和隆はこの企画を面白がり採用され[6][44]、この企画書を読んだ坂本の部下である高橋信一が「やりたい」と手を上げた[34]。
そして高橋は映画「孤狼の血」シリーズなどで知られており、80年代当時の「全日本女子プロレスの熱狂」も把握していたほどの[10][11][12]大のプロレス好きであった[45][10]映画監督の白石和彌[5][11][12][19]を監督として迎えた[9][45][10][34]。人間の心の奥底にあるドロドロとした感情を描き出す事に長けた作家性を持つ白石により、元女子プロレスラーへの取材を通して見出された、リングに立つ少女たちの妬み嫉み葛藤を軸とした物語として、ダンプ松本と同期レスラーたちの物語として、「闘う少女たちの物語」として、「極悪女王」の制作が始まった[34]。
オーディション
本作にキャスティングされた女子プロレスラー役の俳優はほぼ全てオーディションにより採用された[5][11][6][46][15][43][47][48][34][19]。それは身体作りも含めて事前準備が必要な作品であり、その覚悟を確認する必要がある作品だ、と白石たち製作陣が考えたからであった[11]。
「ダンプ松本を演じられる人がいなければこの企画は成立出来ない」と考えられていた[49]。ゆりやんレトリィバァはマネージャーからダンプ松本が主役のドラマで、主演のオーディションが行われる事を聞いた[22]。将来はアメリカで活動する事を考えていたゆりやんは、Netflixはアメリカの企業だし、鈴木おさむと白石和彌が制作する作品で主演を務めれば[6]自分のキャリアにプラスになる[22][21][19]。極論言えば「アメリカで売れる」[45][21][6]。そんな私利私欲からオーディションに参加した[45][22][21][10][6][19]。そしてダンプ松本を演じたゆりやんレトリィバァの芝居で制作側の様々な懸念は払拭された[49][6]。2020年(令和2年)秋[10][50]、ゆりやんレトリィバァがダンプ松本役に採用された[49][51][6][46][52][53][4][21]。けれども採用が決まった後は「こんなにありがたい事は無い」と、「極悪女王」完成に向け全力で取り組んでいった[45][21]。
そして2021年(令和3年)、他の女子プロレスラー役12名のオーディションが行われた[54][21][55]。俳優たちはそれぞれの事情に基づいた決意によりオーディションに参加した[15]。その顔は、後々まで白石監督の脳裏に残った[9][45][15][15]。そして剛力彩芽がライオネス飛鳥役、唐田えりかが長与千種役など[45][54][15][28][56][57][21][2][19]、それぞれ配役が決まっていった[15][55][58][59][47][2]。そして俳優たちは文字通り「人生の一部」を捧げて「極悪女王」の制作に参加した[9][45][5]。
キャスティングは公に明らかにされていなかったのにも関わらず、特に唐田の配役は2022年(令和4年)2月頃に記事にされてしまった[15][34]。そして同時に「極悪女王」という作品が世間で話題になり始めていった[34]。
身体作りとプロレストレーニング
女子プロレスラー役の俳優は、撮影前に体重増量込みの身体作りと、プロレスのトレーニングを行った[5][60][54][53][43][48][58][59][47][56][21][23][4][61][62][63][64][65][2][19]。
ゆりやんレトリィバァは3年掛けて45Kgのダイエットをした直後であったが[45][22][10][19]、自分のパーソナルトレーナーである岡部友[19]と相談しながら約2年を掛けて筋肉量の増量を目指しながら約40kg体重を増やし[60][51][45][21][53][23][50][22][6][47][65][19][注釈 1]ダンプ松本役をこなせる強靱な身体作りを行った[60][22][21][10][19]。
唐田や剛力など他の俳優に対しては、同じくNetflixの配信ドラマである相撲を題材として制作された「サンクチュアリ -聖域-」の身体作りを参考として、制作統括の長谷川晴彦プロデューサーがこのノウハウをプロレス仕様にアレンジさせたサポート体制が取られた[34]。
栄養管理士や[54][21][43]整体師や[21]専門医[59]、そして専任トレーナーの指導の元[54][21][43][34][59]、各々、約10kgの体重増加を目指しながら[56][53][21][50][48][58][注釈 1]、2022年(令和4年)1月から[70]コロナ禍に配慮されNetflixにより作られた専用ジムで[21]週3回の筋肉トレーニングと[70][65][2]、「極悪女王」のプロレススーパーバイザーを務めた「極悪女王」のもう1人の主役である長与千種本人[60][42][50][61][11][62][43][59][71][72][73][12][74][2][75][19]が主宰するプロレス団体「Marvelous」[74][63][54][22][10][61][11][43][64][70][2][19]所属選手である彩羽匠や[74][63][76][77][78]桃野美桜[74]、Maria [79][80]、川畑梨瑚[80]たちによる[74][63]指導により[62][11][43][12][48][63][75][81]、受け身や[82][43]ロープワークの練習から始めた[64][58]皆がそろってほぼ「入門」に近い形での[12][64]週2回の実践プロレストレーニングの[60][54][21][61][11][62][43][47][48][22][75][70][65][19]、合わせて週5回のトレーニングが[54]撮影開始の半年前から始まり[10][23][19]撮影中も課せられ[23]自主練も行い[11]、合わせて1年と半年もの間トレーニングを行った[54][53][46][21]。
白石和彌は俳優自身によるプロレス試合の再現、ましてや「80年代の全日本女子プロレスが作り上げた熱狂」の再現は難しいのではないか、と常に不安を持っていた[11]。けれども練習開始から数日後に見学に行った時には俳優たちの気持ちは「出来上がっていた」[11]。そして撮影前の、そして撮影の進行とともに、前向きな姿勢で成長していく俳優たちに手応えを持つようになった[11]。
みんなで一緒にご飯を食べに行った[59]。悔し涙を流しながらプロレスの練習に取り組んだ[23][50][43][34][19]。そして高度かつ危険なプロレス技習得への挑戦を厭わなかった[9][10][43][58][70][76][83][77][82][34][19]。トレーニングに参加した「負けず嫌いな俳優たち」にとっては「まるで部活動のようだった」青春の日々となった[21][23][22][10][61][84][59][67][65][70][85][86][34][87][88]。そして女子プロレスラー役の俳優たちは、練習を通じてその仲を深めていった[22][23][6][70][34][87][88]。
身体作りに必要な食費はNetflixから出され、様々な料理や飲み物がケータリングとして常に用意され[67][89]、また身体に負担を掛けずに増量させるために毎月の血液検査などの健康診断が行われ[54]、メンタルケアも導入されるなど、Netflixによる徹底した体調管理のサポート体制が取られた[46][53][21][22][10][6][70][34]。
撮影
2022年(令和4年)6月30日[20][1]、Netflix公式サイトでダンプ松本役にゆりやんレトリィバァが配役されることが告知された[1]。
同年7月[50][70]にクランクイン[50][70][89]。試合のシーンを主にして「順撮り」で撮影されていった[54][43][12]。
プロレス試合のシーンはプロレススーパーバイザーに就任した長与千種がプロレス技の組み立て構成から担当し[71][72][73][21][50][12][75][84][59][2][19]、ほぼ代役無しで[54][6][43][12]「99.9パーセント、役者が演じた」と太鼓判を押すほど[注釈 2]、感情がぶつかり合う血みどろの激闘でさえもほぼ全て[5]女子プロレスラー役の俳優が自らの身体を張って演じた[9][5][21][11][6][62][12][84][17][90][19]。また長与は「松永兄弟」を演じた松永高司役・村上淳、松永国松役・黒田大輔、松永俊国役・斎藤工への[75]「松永3兄弟」[11][75]の言動や行動や仕草」や[91]、ゆりやんレトリィバァに対してはダンプ松本の当時の行動やジェスチャーなど[60][6][91]、自分と関わり合いのあった実在の登場人物たちの演技指導を行った[12][6][91]。
白石監督と付き合いが長く、またかつて芸能活動をしていた長与千種が主演を務めた映画版「リング・リング・リング」制作にも関わっていた美術担当の今村力を中心として[12][92][2]、東京都目黒区にあった全女自社ビル[93]の外観セットを、現在は駐車場となっている[75][94]実際にビルのあった場所に再現して建てられたり[92][75][95][83]、凶器などの小道具[6][96][65]、試合で着用する水着や歌唱ライブの衣装や[96][92][65]キャストとエキストラの服装や[50]髪型[6]、全女の道場や[50]移動バスや[50]トラックのデザイン[95]、そしてダンプ松本の当時の実家を一軒まるごと建てて[6][83]ダンプ松本や長与千種本人たちが「そのまんまだ」と感心するほどに[22][50][6][96]、80年代当時の再現にこだわった[50][6][92][97][96][65][34]。
クランク・イン前にはNetflixで導入されている「リスペクト・トレーニング」[98]と呼ばれるパワハラ・セクハラ防止の為の講習会[98]が開かれ、スタッフやキャストも含めて撮影に参加する全員が受講した[89]。またインティマシーコーディネーターの浅田智穂も制作に関わり、水着姿でのプロレス試合シーンでの俳優たちの身体の見え方などの心理的なサポートを行った[22]。
そして各試合の撮影ごとに何千人もの[21]、場内が満員になるほどのエキストラが参加し、エキストラが白熱し過ぎてダンプ松本役のゆりやんに本当に全力で物を投げ付けてくるなど[19]熱狂的な試合の演出に貢献した[9][6][64][42][19]。エキストラの中には「80年代の全日本女子プロレス」を試合を生で観戦していた人や[19]、何度も試合の撮影に参加したエキストラもおり、ゆりやんは「お前、強くなったな」と常連のエキストラから声を掛けられた事もあった[54][21]。まるでエキストラたちも「成長していく女子プロレスラーたち」を見守っているかのようだった[19]。そして「極悪女王」撮影時のエキストラの総数はNetflix史上最大となる約2万5千人以上に上った[2][92]。
鈴木おさむがプロデューサーの資金繰りの苦悩ぶりを見て曰く、Netflixは「いいものを作るために必要なものにはお金を出す」[6]。そのため、これらの道具や衣装やセットやエキストラ、そして前述した俳優たちへのサポート体制なども含め、多種多様かつ様々な費用が掛かったため、1話につき約1億円、5話全て合わせて約5億もの制作費が掛かったと言われている[95]。
俳優たちは試合の撮影に行く時には「試合に行ってきます」と言い合っていた[17][12][10][21][91][22][19]。段取りをしても段取り通りにいかないため、現場に入ってとにかく「試合を撮影しよう」という、半ばドキュメンタリーのような撮影の仕方になっていった[11]。試合シーンに登板していない俳優はリングの下でセコンド役を「実際の通りに」務め、選手役の俳優たちのサポートを行った[11][12]。座長であるゆりやんはキャストやスタッフにも気配りで接し[47][70][99]、撮影が長引いた時にはリングに上がり、ネタを披露し現場を笑いで和ませていた[70][99]。また剛力は差し入れをしたり[47]、唐田は新入りの俳優にも謙虚な姿勢で接していた[47]。その一方でゆりやんと唐田はダンプ松本本人からの提案で、ダンプ松本と長与千種の関係の悪化を体感するために、敢えて仲の良い友だちとしての交友を絶つ期間を設けることまでした[60][54][21][23][22][6][84][47][67][65][19]。こうした俳優たちの頑張りもあり、臨場感のあるプロレスの試合シーンが撮影されていった[11]。
同年10月、ゆりやんレトリィバァが撮影中に受け身を取り損ねてしまい[49][13][22][100]頭と背中を打ち[13][100]、撮影が中断された[13][51][1][62][22]。しっかりとした治療のためゆりやんには2週間の絶対安静期間が与えられ[51][1][100]、その後、インターバルを取るための[62]半年間の追加練習期間を経て[21]、翌年の2023年(令和5年)に入ってから[14]再び撮影が再開された[21]。そして俳優たちは自分の体調を互いに遠慮無く語り合うようになり、サポート体制も更に整えられた[13][22][21]。その一方で、この時期に悪評を煽る中傷記事が出てしまった[13][21][22][100]。しかしこの報道が、記事に抗議出来ない悔しさと[13][22][21]、「作品の出来で見返してやる」という反骨心に繋がり[21]、俳優たちや現場の結束を高めることになった[21]。
本作の主要エピソードでありクライマックスシーンとなる「敗者髪切りデスマッチ」[29][30][31][43][12][63][83][17][19][101][102][103][104]は約1ヶ月間掛けて撮影された[21]。長与千種役の唐田えりか自身の髪を[54][19]ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァがバリカンで切るシーンは[21][19]、同年7月7日に[21]一発撮影で行われた[12][105]。「髪切りデスマッチ」の当事者であるダンプ松本と長与千種も撮影に立ち会い、二人揃ってモニターの前に座り、撮影が始まる前から涙を流していた[6]。ゆりやんは唐田の髪を剃った直後には、手が震えて涙が止まらなくなった[21][19]。撮影現場は凄まじい空気に包まれた[6]。とあるスタッフが「これを企画したのは誰だ?」と口にした[6]。それを聞いた当の鈴木おさむは「わかりません」ととぼけていたという[6]。
そして同年6月某日[92][83][106]、後楽園ホールで行われた[83][48][92][106]本作品ラストの試合シーンとなった「ダンプ松本引退試合」[43][48][17][64][89][107][19][108][109][110]の撮影は、長回し長尺のほぼノンストップで一気に撮影された[91]。そしてダンプ松本や長与千種だけではなく、ライオネス飛鳥やブル中野などの全日本女子プロレスに所属し「極悪女王」に登場した元女子プロレスラーたちが集結した[48][111][112]。撮影中は、試合会場がまるごとタイムスリップしたかのような、「その時代」にいたかのような[19]感覚に陥り[21]、撮影終了時には、参加したエキストラやスタッフ、キャストが皆、全員泣きながら総立ちし、拍手を贈っていたという[91]。
女子プロレスラー役の俳優たちは、自分の人生の一部と、命を懸けて「闘い」に挑み[19]、「女子プロレスラーの人生」を疑似体験した[17]。そして撮影終了後には皆、女子プロレスラーに「成っていた」[43]。
長与千種は「極悪女王」の撮影を通して「自分たちが経験した80年代の全日本女子プロレスの熱狂」を追体験した[12][28]。そして撮影終了後、長与はことあるごとに「あの時代から始まった自分たちの物語が全て完結した」と[28]、スタッフとキャストと「極悪女王」という作品そのものへの感謝の言葉を述べた[71][72][73][12][28][113][2][114]。
プロデューサーの長谷川晴彦はキャスト陣やスタッフ陣が報われて欲しいと強く思いつつも、「極悪女王」が世間に評価されるかどうか不安に思っていた。しかし、制作途中の段階で観てもらった女子プロレスラー役の俳優たちが感動する様を見て、少しずつ自信を深め、「極悪女王」は凄いことになるかもしれないと思うようになった[34]。またエクゼクティブプロデューサーを務めた高橋信一も「極悪女王」は自分の中で特別な作品になったと考えるようになった[34]。
配信前
2023年
2023年(令和5年)10月1日[115][33]、横浜武道館で「クラッシュギャルズ 40周年記念ライブ」が開かれ[15][115][33]、長与千種役に唐田えりか、ライオネス飛鳥役に剛力彩芽がキャスティングされた事が公式発表された[15][116][117][118][34]。そしてダンプ松本も登場し6人揃って記念撮影をしたあと、クラッシュギャルズの代表曲「炎の聖書」を長与、飛鳥、ゆりやん、唐田、剛力の5人で熱唱した[116][117][118][119]。
2024年
2024年(令和6年)2月8日[120]、Netflixラインナップ発表イベント「Next on Netflix 2024」で、ゆりやんレトリィバァが演じる主演のダンプ松本のメインビジュアルと、本編映像が公開された[120]。
7月17日、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽の3人で、Netflix公式Instagramアカウントでインスタライブが配信され、「極悪女王」配信開始日が9月19日に決定した事がサプライズで発表された[121][122][123][124]。そしてティザーアート第一弾が発表されたほか[121][122][123][124]、ライオネス飛鳥がインスタライブを視聴している事が判明し3人が歓喜したり、またゆりやんが興奮のあまり思わず斎藤工の出演を発表してしまう一幕もあった[121][122][123][124]。また唐田えりかが「極悪女王」Instagramアカウントを開設[87][注釈 3] 。唐田の手により、唐田えりか本人撮影による「青春の日々」の写真を主にして、「極悪女王」の情報を続々と発信していった[121][123][87]。
8月14日、ティザー予告がYouTubeに配信され、追加ティザーアートも公開[71][72][73][2]。仙道敦子が松本香の母・里子役に[71][2]。また「全日本女子プロレス」創業者一族「松永兄弟」の松永高司役に村上淳、松永国松役に黒田大輔、そして先だって出演が発表されていた斎藤工は松永俊国役、音尾琢真が「極悪レフェリー」阿部四郎役[71][72][73][2]。またえびちゃん(マリーマリー)、隅田杏花[55]、水野絵梨奈、根矢涼香、鎌滝恵利、安竜うらら、堀桃子、戸部沙也花、鴨志田媛夢、芋生悠、野中隆光、西本まりん、宮崎吐夢、美知枝、清野茂樹、赤ペン瀧川の出演も発表された[71][2]。そして本作の登場人物の1人であり「もう1人の主役」でもある長与千種本人がプロレススーパーバイザーとして参加している事が発表され[71][72][73][2][74]、長与と[12]ダンプ松本、それぞれのコメントも公開された[71][72][73][2]。
8月20日、『FIGARO japon』2024年10月号の斎藤工の連載記事「齊藤工 活動寫眞館」[125]86回に、「極悪女王」の「敗者髪切りデスマッチ」と「ダンプ松本引退試合」の撮影時に、斎藤工が撮影したゆりやんレトリィバァの写真が掲載された[126]。そして翌8月21日、『FIGARO japon』WEBサイトにて[125]コラム記事が掲載された [127]。
8月20日[128][129]、ゆりやんのダンプ松本や唐田の長与千種と剛力のライオネス飛鳥の「クラッシュ・ギャルズ」[128][129]、そして上述した全女レスラーや松永3兄弟や全女スタッフ、そして松本香と長与千種の家族たちメインキャストの場面写真がそれぞれ公開された[128][129]。
8月21日[130]、1984年(昭和59年)にクラッシュギャルズの名曲「炎の聖書」が発売されてから[130]40周年となるこの日、長与千種役の唐田えりかとライオネス飛鳥役の剛力彩芽による「クラッシュギャルズ」の場面画像が公開された[131]。8月28日、ゆりやんレトリィバァが演じるダンプ松本の場面画像が公開[132]。9月2日、メイン予告とメイン動画が公開され、プロレス試合シーンが初公開された[133][134][135]。また以前からゆりやんと音楽制作などを通して親交を深めていたAwichが[22]「極悪女王」のために書き下ろした新曲「Are you serious?」が主題歌[22]に決定したと発表された[133][134][135]。
9月7日、長与千種役の唐田えりかがダンプ松本役のゆりやんにサソリ固めを掛けるシーンや「髪切りデスマッチ」などの当時のプロレスの試合を再現したシーンが公開された [136][137]。9月11日、「Are you serious?」が配信開始され、「極悪女王」とのコラボムービーが公開された[138][139][140]。
9月12日[9][5][45]午前[141]、「極悪女王」配信直前 緊急完成報告会が東京都[5]後楽園ホールビル内「後楽園飯店」で行われ、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽、白石和彌総監督が登壇した[5][141][45][142][143][9][144]。会見終了間際にはゆりやんが「大ヒットの為の験担ぎ」として、堀江ガンツ[145][146]他、希望した記者に竹刀打ちをお見舞いし[146][5]、そして自ら志願した白石和彌を竹刀でしばき倒しながらも声を震わせ号泣しながら白石監督に感謝する一幕もあった[5][45][142][143][21][9][144]。
同日夜[141][78][147][148][115][33]、配信記念イベント[141][149][144][148][115]「ネトフリ極悪プロレス」[149][89][150][151][78][147][148]が後楽園ホールで開催された[81][78][147][148][115][33]。会場では撮影で使われた小道具などを配した小部屋が設置され「極悪女王」の世界観が再現され[148]、劇中に登場した「松永高司全女社長の焼きそば」屋台が出店し[148]、Netflixとファッションブランド「JUN」のコラボによる「極悪女王」がデザインされたTシャツや帽子などのアパレルグッズや [152]キーチェーンやパイプ椅子まで「極悪女王」グッズが会場内で販売された[152]。満員の観客が観戦する中[78]、ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァ率いる「ゆりやん軍団」[149][150][147][148]:ドレイク森松、永島千佳世、DASH・チサコ[150][151]、ZAP-Tと[144][149][150][147][148][153]、クラッシュギャルズ:長与役の唐田えりかとライオネス飛鳥役の剛力彩芽率いる「唐田・剛力軍団」[149][147][148][154]:「Marvelous」[74]所属である彩羽匠[74][63][76][77][78]、桃野美桜[74][155]、Maria[74][63]、川畑梨瑚[74][63][153]によるプロレスの試合を行った[78][141][156][149][157][147][148][144][148][81]。試合前にはVIP席にダンプ松本と長与千種本人が並んで座ると[149][158][115]会場内にダンプコールと長与コールが起こり、2人は手を取り合い両手を上げてコールに応えた[156][149]。またVIP席にはブル中野、クレーン・ユウ、ジャガー横田、そして元ビューティペア・マキ上田[159]たち「極悪女王」に登場した元全女女子プロレスラー本人たちも多数集結した[141][156][149][158][157][144][160][81]。また松永国松役の黒田大輔も列席し、同じくNetflix配信ドラマ「サンクチュアリ -聖域-」に出演していた一ノ瀬ワタルやお笑い芸人のめっちゃ、そして世界的ダンサーの菅原小春も招かれた[141][158]。そして試合終了後、ゆりやんがダンプ松本への感謝の言葉を述べ、ダンプ松本は涙を流しながらその言葉に聞き入った[157][148][81][89][161]。そしてゆりやん、唐田、剛力、白石和彌監督によるトークショーが行われ[147][148][157][81]、終盤にはVIP席で観戦していた[158]全女女子プロレスラーを演じたクレーン・ユウ役のえびちゃん(マリーマリー)、大森ゆかり役の隅田杏花[162][160][86]、デビル雅美役の根矢涼香[163]、ラブリー米山役の鎌滝恵利、ジャンボ堀役の安竜うらら、ブル中野役の堀桃子、影かほる役の戸部沙也花[164]、「ビューティペア」・ジャッキー佐藤役の鴨志田媛夢[165]、マキ上田役の芋生悠[159]がリングに上りそれぞれコメントを述べ[141][158][157][147][166][148][81][153]、最後にはゆりやんの呼び掛けにより、全女元女子プロレスラーたちもリング上に上がり、キャストと本人とで並び、皆で記念撮影を行った[157][148][144][147][81][153]。
9月16日から、渋谷センター街を中心に「極悪女王」の広告が掲示展開された[167][168][169]。フラッグ広告の他、店舗のシャッターが閉まるとゆりやん扮するダンプ松本「悪態広告」のシャッター広告が展開された[167][168][169]。この広告は9月29日まで実施された[168]。
配信開始日前後には、Netflix公式Xアカウント及びFacebookで、元「クラッシュギャルズ」親衛隊であり、後にプロレス記者となり、「3人目のクラッシュ」と呼ばれたライター・伊藤雅奈子[43][104][170][171]筆による「日刊極悪女王プロレス」と題された記事が連続で投稿された[33]。
配信開始日の前日となる9月18日、[172][84]、大阪府にあるなんばグランド花月で行われた吉本新喜劇の本公演に[84]、ダンプ松本役・ゆりやんレトリィバァと長与千種役・唐田えりかとライオネス飛鳥役・剛力彩芽がサプライズで[84]ゲスト出演した[173]。3人は揃って出演者たちとともに「ズッコケ」を披露し[84]、ゆりやんは座長の吉田裕と「乳首ドリル」芸を息ぴったりに行った[172][84]。
配信開始当日
2024年(令和6年)9月19日[9][45][173][174][26][175]、長与千種役の唐田えりかの誕生日[173][174] のこの日の日本時間16時から[86]「極悪女王」全5話が配信開始された[45][173][174][175]。
また同日、本作品の主要エピソードとなるダンプ松本対長与千種の「敗者髪切りデスマッチ」[63]の場面写真も公開された[176]。
同日配信開始後に、ゆりやんレトリィバァ公式Instagramから、唐田えりかと剛力彩芽と共に「配信開始記念インスタライブ」が行われ[175]、主題歌「Are you serious?」を歌ったAwichも途中で参加し「極悪女王」配信開始を祝った[175]。そして同日夜20時から第1話と第2話を鑑賞しながら、他の視聴者とNetflix公式Xアカウントで感想を共有する「ウォッチパーティー」が行われ[173]その後、Netflix公式XアカウントとInstagramアカウントでアフタートークも行われた[173][177]。
配信開始後
配信開始以降、視聴した人々から大きな反響が上がり、SNSではハッシュタグ「#極悪女王」がトレンド入りし[84]、「極悪女王」は大きな話題となっていった[178][89]。そして小泉今日子や[179][180][181]有吉弘行[182][183]、千鳥ノブ[184][185]、チョコレートプラネット [186][187][188]、みちょぱ:池田美優 [189][190][191]、NON STYLE・井上裕介 [192][193]、平成ノブシコブシ・吉村崇[194]、ベッキー、ポルノグラフィティ・岡野昭仁、倖田來未、ジェーン・スー[62]、爆笑問題[61][100][195][196][197]、糸井重里などの様々な著名人たちがラジオ番組やインタビュー記事、YouTube配信動画、SNSなどで賞賛のコメントを上げた[92][178]。そしてNYタイムズにも評論記事が掲載された [198][92][178]。また「ジャパンタイムス」には「ダンプ松本役を演じたゆりやんレトリィバァ」へのインタビュー記事が掲載され、「極悪女王」制作の話や、アメリカ移住への決意を含めたゆりやんの心情が語られた[199]。
視聴者の中には20回以上も観たという人もいた[95]。また長与千種が海外へ行った時に、「極悪女王」を観た当地のレスラーたちから「素晴らしい!!」と絶賛され、「極悪女王」が海外にも広まっていっている事を実感した[95]。
そして配信第一週目にNetflix週間日本国内ランキング第1位となり[200][26][84]、三週連続日本国内ランキング第一位となった[97][201][89]。
第1週目の9月25日には先日行われた「ネトフリ極悪プロレス」で解説を行った「野性爆弾」・くっきー!と「レイザーラモン」のHGとRGたちプロレス大好き芸人と、そして本編で全女女子プロレスラーのクレーン・ユウ役を務めたえびちゃん(マリーマリー)による「感想会」動画が配信[200][69]。第2週目の10月3日にはゆりやん、唐田、剛力、白石和彌監督、そして長与が制作逸話を語るドキュメンタリー動画と[202][99]、「プロの戦いに挑む」ゆりやん、唐田、剛力を映し出した「プロだから」動画[203][注釈 4]。第3週目の10月9日には、ゆりやん、唐田、剛力による、ダンプ松本とクラッシュギャルズをイメージしたスペシャルフォトが公開され[201][96]、またゆりやんによる撮影現場案内「セットツアー」動画が[206][96][65]それぞれ配信された [201][96][65]。
Netflixのサポートにより[6]配信開始の時期には約30kgの体重減量をしていた[45][50]ゆりやんレトリィバァは、「極悪女王」から発案した「ダンプ松本雄叫び芸」や[91][81][45][84]「竹刀振り回し芸」[45][53][196][84][207][208][209][210][91][211][212]、「Netflix起動音芸」[177][91][213][175]、そして「頭にフォークを刺してデリシャス!芸」を用いて[177][196][46][207][209][210][91][212]、先の「緊急記者会見」や[142][143][9]「ネトフリ極悪プロレス」 [141][156][157][148]のみならず、出演したラジオなどの様々な番組や[53][196][46][214][215][207]、9月29日に愛媛県西予市で開催された松永俊国役の斎藤工発案による移動映画館イベント「cinéma bird」[216][217][208][209][210]。そして10月5日にはTBS系列の特番「オールスター感謝祭 2024秋」に霜降り明星・粗品の代打で登場したゆりやんが、同番組司会の今田耕司や参加していた霜降り明星・せいや、そして同じく参加していた斎藤工にフォーク芸で襲いかかるなど[218][219]、公式非公式問わずに様々な場所で暴れ回り、宣伝活動を行った[97][201][207][212]。
10月4日[220][221]、NHKの朝の情報番組「あさイチ」にゆりやんレトリィバァが登場した[220][221]。例の如く竹刀芸で一暴れし司会の博多大吉から制止された後[220][221]、松永俊国役の斎藤工と[222]ダンプ松本本人からの賞賛のコメントが紹介された[223][224][225]。
11月18日[226][227][228][229]、日本テレビ系列で放送されたトーク番組「しゃべくり007」で「昭和の女子プロレスSP」と題し[226][227][228]、ダンプ松本[229]、長与千種、ライオネス飛鳥、ジャガー横田、ブル中野らが登場[226][227][228]。「極悪女王」の実録裏話として「極悪同盟」や「クラッシュ・ギャルズ」などの「80年代の全日本女子プロレス」の数々の逸話が語られた[226][227][228]。そして番組内では、表舞台から退いていたデビル雅美がサプライズで登場し、約20年ぶりにブル中野と再会した[227][228]。またダンプ松本も大先輩であり恩人であるマミ熊野と再会した[228][229]。そして他にも「ななにー 地下ABEMA」にはダンプ松本、ライオネス飛鳥、剛力彩芽が[230]、「探偵!ナイトスクープ」にはダンプ松本と鈴木おさむが[231]、「突然ですが占ってもいいですか?」にはダンプ松本、長与千種、ライオネス飛鳥が [232]、そして他のテレビ番組にも「極悪女王」関係者がゲスト出演し、「極悪女王」の様々な裏話を披露した[230][231][232]。
11月21日、44年の歴史の中で2回目であり、30年ぶりとなる「女子プロレス」を特集した[170]雑誌『Number』が発売された[233][234][235][236]。長与千種とライオネス飛鳥の「クラッシュギャルズ」対談記事や[237]、ダンプ松本のインタビュー記事[238]、そしてNetflix配信ドラマ「極悪女王」制作の舞台裏など[34]、様々な「秘話」記事が掲載された[233][234][236]。
10月27日には唐田が「Marvelous」の名古屋大会を訪れ、リング上で長与千種と交流し[239][240][241]、11月18日には[242][243][244][245]ゆりやん、えびちゃん、斎藤工と「極悪女王」スタッフたちが「神取忍還暦祭」を観戦しに訪れ[243][244][245]、出場していたダンプ松本からは、ゆりやんはダンプ松本役の熱演を賞賛され、斎藤工はダンプからのマイクパフォーマンスの洗礼を受けた[242][244][245]。12月1日[113][246]には、後楽園ホールで「Marvelous」主催による『長与千種還暦祭』が開催された[247]。この時に「極悪女王」の制作スタッフやキャストが招待された[113][246][91]。ゆりやん、唐田、そして「ビューティペア」・ジャッキー佐藤役の鴨志田媛夢から[248]長与にリング上で花束が贈られた[113][246]。またその中には斎藤工と松永国松役の黒田大輔もいた[247][249][250][251][252]。そして長与千種はリングの上で、松永兄弟と松永国松、松永俊国への謝辞を述べた[247][113][246]。
12月6日[246][253][254]、「東京コミコン 2024」アンバサダーを務めた斎藤工がコミコン事務局に打診し企画された[255][256]「極悪女王」コラボイベントが開催された[255][253][246][254][91][211][212]。「極悪女王」のプロレス練習に協力した「Marvelous」所属の彩羽匠や[74][63][76][77][78]桃野美桜やMariaたち、そして「STARDOM」による試合が行われた後[254][253][211][212][257][91]、ゆりやん[258]、斎藤工[259]、長与千種[253]、そしてダンプ松本から後継者として指名された「STARDOM」所属のヒールレスラー・刀羅ナツコ[253][260]が参加したトークショーが行われた[254][253][91][211][212]。
そして12月10日[261][262][263]。ゆりやんレトリィバァはかねてより宣言していた[199][264][261]、そして「極悪女王」出演の動機の一つであった[127][22][10][21][6][19]アメリカへ活動拠点を移すべく[199][263][262][265]ロサンゼルスへと[45][262]出立した[261][265]。
各賞受賞
「プロレス大賞」話題賞
2025年(令和7年)1月8日[266][267]、ダンプ松本が「極悪女王」の大ヒットによる女子プロレス及びプロレス界全体の活性化に貢献した功績により、東京スポーツ新聞社制定の「プロレス大賞」話題賞を受賞した [268][266][267][269][270]。
ダンプ松本は「私は「極悪女王」を制作してくれたスタッフと、演じてくれたゆりやんを初めとした女優さんたちのおかげでここに立っています」と[266][269][270]、ダンプ松本、長与千種、ライオネス飛鳥にそれぞれ扮したゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽が描かれたTシャツを着て壇上に上がりコメントした[266][269][270]。そして「若いお客さんがプロレスを観に来てくれてプロレス界が盛り上がれば、「極悪女王」だった甲斐があります」とも告げた[266][267][270]。「Netflixへの入り方がわからない人は若い人に聞いて、まだまだ「極悪女王」を観て下さい」とアピールし[267][269][270]、「ゆりやんバンザーイ!!」と賞賛した[267][269][270]。
「放送文化基金賞」ドラマ部門奨励賞
2025年(令和7年)6月6日[271]、第51回 (2024年度)「放送文化基金賞」の受賞者が発表され[271][272][273][274]、「極悪女王」がドラマ部門奨励賞を受賞した[272][273][18]。
膨大な費用と時間を掛け、俳優たちが身体を張り、圧倒的な熱量で1980年代の「全日本女子プロレス」の熱狂を再現し「女子プロレスラーたちの人生を生き直し」ドラマを作り上げた事が評価されての受賞だった [275]。
企画立案及び脚本の鈴木おさむは「あの時代に生きた女性たちの“命の熱”を受け取ってくれた証」[273]、そして監督の白石和彌は[18]「女子プロレスラーを演じた俳優たちと、今も闘い続けているダンプ松本さんや長与千種さんたち女子プロレスラーの皆さんを讃えて下さい」とコメントした[273]。そして根矢涼香たちキャスト陣と[276][277][278]、プロレススーパーバイザーを務めた長与千種を代表とした関係者たちがSNSで感謝の言葉を述べた[171][114]。
7月9日[279][280][281][282][283][284]、「公益財団法人 放送文化基金」は第51回(2025年)「放送文化基金賞」贈呈式を開催した[279][280] [281][282][283][284]。そして監督を務めた白石和彌と、ライオネス飛鳥役の剛力彩芽、そしてダンプ松本役のゆりやんレトリィバァが出席し登壇した[285][280][281][282][283][284][18][286]。
剛力は「オーディションを受ける時には相当な覚悟が必要だった」「環境の変化もあり何かにチャレンジしたいと思った」「“あの作品は素晴らしかった”と言って頂けて幸せ」「役者を辞めずに踏ん張って良かった」とコメントした[284][286]。
そしてゆりやんは、定番芸の一つである「授賞式で沈黙し顔芸炸裂芸」を披露し[280][281][282][283][284][286]「サプライズ!!」とひとボケをかまして締めて[283][284][286]終えようとしMCから止められる一幕もあった[280][281][282][286]。
そしてゆりやんはキャストやスタッフ、そしてNetflixや長与千種やプロレス団体「Marvelous」たち関係者、視聴者、そしてダンプ松本など様々な人たちに対して感謝の言葉を述べ[283][284][286]、派生芸の一つである「Netflix起動音芸」でボケた[284][286]。また「ネガティブな苦労や大変さは無く、人生のうちの何年かをみんなで楽しく一緒に歩いた。撮影というよりは、間違いなく私たちの人生だった」と述べた[280][281][282][286]。そしてダンプ松本本人から「遠慮したらダメ。絶対に怖くするんだよ」とアドバイスされたこと[280][282][283][284]、それでも「自分の感情を出すのは勇気が要りなかなか難しかった」と語ったが[281][282][283][284]、突如「今ならなんでも出来ますよ!!」と絶叫し、「極悪女王」のトレードマークともなった凶器のフォークを取り出し白石和彌に攻撃を仕掛け「フォークを刺してデリシャス芸」を披露した[18]。役割を全うした白石へは温かい拍手が送られ[284]、会場は爆笑に包まれ大盛り上がりとなった[280][281][282][283][18][286]。
アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード
2025年(令和7年)9月30日、「アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード」は2025年の「アジア各国の代表者:各賞の優秀賞のノミネート日本代表」を発表した[287][288]。「極悪女王」からは優秀編集賞に 加藤ひとみ[42]と脇本一美、優秀脚本賞に鈴木おさむと池上純哉、優秀監督賞 フィクション部門に白石和彌、優秀助演女優賞に唐田えりか[289]、そして優秀主演女優賞にゆりやんレトリィバァが [290]それぞれノミネートされた[288][291]
同年12月4日(日本時間)、シンガポールで第8回「アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード」授賞式が行われた[292][293][294]。優秀編集賞にノミネートされた加藤[42]と脇本、プロデューサーの長谷川晴彦[34]、そしてそれぞれ助演女優賞と主演女優賞にノミネートされた唐田とゆりやんが出席した[292][293]。最優秀監督賞 フィクション部門を白石和彌が受賞し[293][295]、欠席した白石の代理としてプロデューサーの長谷川が[34]スピーチを行った[294]。そして最優秀主演女優賞:アジアン・アカデミー・クリエイティブ・アワード最優秀主演女優賞をゆりやんレトリィバァが受賞した[292][293][294][295][296]。受賞式中に一度登壇し「フォーク芸」を披露していたゆりやんは[294]会場中から万雷の拍手喝采を浴びながら再び登壇し、お馴染みである「授賞式で沈黙し顔芸炸裂芸」を披露し、「“Surprise”:驚いたわ」の言葉をコントのネタではなく本当の意味で用いた[293][294][297]。そしてゆりやんは「私たちは演技をしていたのではなく、カメラの前で『生きていました』」と述べ、白石と、同じく監督を務めた茂木克仁、脚本担当の鈴木おさむと[297]池上と、プロデューサーの長谷川と、編集担当の加藤[42]と脇本、そして長与千種役を演じた唐田へと、そして全てのキャストとスタッフと、ダンプ松本と[298][299]長与千種へ[300]、Netflixへ、世界中の全ての人たちへ、大粒の涙と共に感謝を[295][293]、これらの言葉を全て英語で述べた[296]。そして最後はこれまたお馴染みとなった「Netflix Sound:Netflixの起動音」で締め[295][293]、会場中を大きな笑いと拍手で包んだ[292][293][294][296]。
あらすじ
1974年、松本香は母と妹と貧乏な生活を送りながら生活していた。時々金をせびりに帰ってくる父親は酒乱で暴力をふるい、香の給食費を取り上げる。翌日、母と香は父のいるアパートへ赴くも、そこには愛人と幼い赤ん坊がいた。母と父が争っているなか、愛人の赤ん坊の名前も「カオル」だと知り、その場を走って飛び出す香。その際、転んで手をケガしたところ、プリティ・アトムに声をかけられる。手当てをしてもらうため入れてもらった場所は、全日女子プロレスが興行を行う体育館であった。そこで見たレスラーたちの練習風景を目の当たりにしたことでそれ以来女子プロレスファンになる。
1979年、自らもプロレスラーになりたくて密かにオーディションを受けようと思っていたが、母親の紹介で地元の太陽パン屋へ就職することが決まる。貧しい生活と母親のためにもと決意し初出勤した。
登場人物
スタッフ
- 企画・脚本・プロデュース - 鈴木おさむ[1][3][6][7][2][292][293]
- 総監督 - 白石和彌[1][3][2][10][11][12][292][293][19][13][14][15][16][17][18][99]
- 監督 - 白石和彌(1〜3話)、茂木克仁(4〜5話)[3]
- プロレススーパーバイザー - 長与千種[54][72][22][10][50][11][43][6][12][84][28][74][63][13][17][91][48][111][95][19][99][114]
- 脚本 - 池上純哉[3][292][293]
- 音楽 - 木村秀彬[2]、鈴木俊介、石塚徹、Teje、田井千里[要出典]
- エグゼクティブ・プロデューサー - 高橋信一[1][3][2][34]
- プロデューサー - 長谷川晴彦[2][292][293][34]、千綿英久[2]
- ライン・プロデューサー - 井上潔[2]
- アソシエイト・プロデューサー - 成瀬保則[2]
- 音楽プロデューサー - 田井モトヨシ[2]
- 美術監督 - 今村力[92][2]
- 撮影監督 - 鍋島淳裕[2](J.S.C.)
- 撮影 - 馬場元[2](4〜5話)
- 照明 - かげつよし[2]
- 録音 - 浦田和治[2](J.S.A.)
- 装飾 - 京極友良[2]
- キャスティング - 南谷夢[2]
- 衣裳デザイン - 高橋さやか[2]
- 衣裳統括 - 加藤優香利[2]
- ヘアメイク - 有路涼子[2]
- スクリプター - 松本月[2](1〜3話)、堀菜々子[2](4〜5話)
- 編集 - 加藤ひとみ[2][292][293][42]、脇本一美[2][292][293]
- 音響効果 - 柴崎憲治[2]
- リレコーディングミキサー - 田中修一[2]
- ポストプロダクションスーパーバイザー - 山川健太郎[2]
- VFXプロデューサー - 川瀬基之[2]
- VFXスーパーバイザー - 朝倉怜[2]
- 助監督 - 渡辺圭太[2]
- 制作担当 - 篠宮隆浩[2]
- 製作 - Netflix[2]
- 制作プロダクション - KADOKAWA[206][2]
受賞
エピソード
- 脚本を担当した鈴木は、オーディション当時に俳優活動を自粛していた唐田を述懐して、「自粛中で初めてのオーディションだったと思うんですけど、そこですごかったのが『この2年間で自分と向き合った』とか、『事務所の社長さんが見捨てることなくやってくれた』とか自分で言うんですよ。普通言わないじゃないですか」と驚きを語った[440]。
- 史実とは異なる点もあり、本作品では試合進行に関する取り決め(台本)の存在を示唆する「ブック」の言葉が多用された[441]。しかし、ジャガー横田は「ブック」という言葉自体の存在を根本から否定している[442]。また、ジャッキー佐藤が世界タイトルに挑戦した際に会長の松永高司から対戦相手のジャガー横田に対して「負けろ」と指示する場面があるが、ジャガーは「指示されたことは無かった」と否定していることをジャガーの夫である木下博勝が明らかにしている[443]。
- ダンプ松本本人は、2024年11月16日、ラジオ番組『サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー』(ニッポン放送)に出演した際にこの映画を「70%くらいはホントかな」「あんなもんじゃないですよね」と評しており、いじめやシゴキなどの映画で描写できないような過激な行為が実際にはもっと存在したと証言している[444]。
- 実際の全女のロゴマークは使用せずオリジナルのデザインとし、劇中では「全日女子(ぜんにちじょし)プロレス」となっている。
関連書籍
80年代の女子プロレスと「極悪女王」の秘話を特集した雑誌『Number』で紹介された解説本を、関連書籍を含めて記載する[445]。
- 井田真木子『プロレス少女伝説 新しい格闘をめざす彼女たちの青春』かのう書房、1990年10月。国立国会図書館サーチ:R100000002-I000002073756, R100000001-I1423245597, R100000136-I1130282269018986752, R100000001-I43111129037883。
- 井田真木子『プロレス少女伝説』文芸春秋〈文春文庫〉、1993年10月。ISBN 4167554011。
- 平塚雅人『ダンプ松本『ザ・ヒール』』小学館、2021年1月。ISBN 9784093887939。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 1巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2022年3月。ISBN 9784098612499。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 2巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2022年7月。ISBN 9784098613236。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 3巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2022年12月。ISBN 9784098614776。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 4巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2023年4月。ISBN 9784098615933。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 5巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2023年9月。ISBN 9784098625550。
- :原秀則による『ザ・ヒール』のコミカライズ作品。
- 柳澤健『1985年のクラッシュ・ギャルズ』文藝春秋〈文春文庫〉、2014年3月。ISBN 9784167900625。
- 柳澤健『1985年のクラッシュ・ギャルズ』光文社〈光文社未来ライブラリー〉、2023年12月。ISBN 9784334101688。
- 吉田豪『吉田豪の"最狂"全女伝説 女子プロレスラー・インタビュー集』白夜書房、2017年7月。ISBN 9784864941396。