永歳橋

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神奈川県道76号標識
永歳橋

永歳橋(えいさいばし)は、神奈川県足柄上郡山北町にあり、酒匂川水系の丹沢湖に架かる道路橋である[1]神奈川県道76号山北藤野線を通している。

丹沢湖のシンボル的存在として、多くの観光客に親しまれており、1991年平成3年)1月にかながわの橋100選に選ばれている[2]

千代の沢園地展望台からの景観に含まれる永歳橋

三保ダムの建設に伴い、それまで県道が経由していた三保地区は丹沢湖の湖底に沈むことになった。このため県道は付け替えられ、その一環として建設されたのが本橋である[1]。現橋は1977年昭和52年)に竣工した[1]。橋の名称は、湖底に沈んだ旧県道に架けられていた名称を引き継いでいる[1][3]

設計・施工

現橋は、全長235 m、単塔2面吊りの2径間連続鋼斜張橋である[1]。中央の高さ58 mの橋脚の上に、逆V字形の主塔(高さ49 m)が立ち、主塔からは前後に特殊な斜張ケーブルが張り出し、1,700の橋桁を支える[4]

短支間側の90 mは支保工を用いて架設し、その上で主塔を寝かせた状態で組み立てたのち、一気に引き起こして主塔を建てた[1]。長支間側は橋桁をブロックに分け、それを順々に延ばしていく「張り出し架設工法」が日本で初めて採用された[4]

また、耐風性能を高めるため入念な模型実験が行われ、橋の高欄外側には幅1 mのフラップが、桁下にはスタビライザーが設けられた[1]

景観・意匠

中央橋脚上の逆V字形主塔から多数のケーブルが張り出す外観を特色とし、橋桁の色には「限りなく黒に近いブルー」が採用された[4]。これは周囲の山並みや湖面との調和を意図したものとされる。橋上からは湖面や三保ダムを望むことができ、丹沢湖の新名所として紹介された[4]

諸元

  • 種別:鋼道路橋[1]
  • 形式:単塔2面吊り・2径間連続鋼斜張橋[1]
  • 橋長:235 m[1]
  • 支間:90 m + 145 m[1]
  • 幅員:11.6 m[5]
  • 車線数:2
  • 施主:神奈川県
  • 橋梁設計:新日本技研
  • 竣工:1977年(昭和52年)[1]

歴史

橋名の継承元となる旧永歳橋は、中川川玄倉川の合流点下流、世附川との合流点上流の落合地区にあり、地元では落合橋とも呼ばれた。中川方面や世附方面へ向かう交通の要地であったが、水害のたびに流失と架け替えを繰り返した[3]

『丹沢湖』 (1978)によれば、旧橋は1882年(明治15年)10月、長さ24間(約43.5 m)、幅8尺(約2.4 m)の木製吊橋として完成した。1900年(明治33年)には工費2,600円を投じて鉄橋に架け替えられたが、翌年の大水害で流失した。1918年(大正7年)に木橋として復旧したのちも水害や震災で失われ、1930年(昭和5年)に長さ43.2 m、幅4 mの鉄製吊橋となった[3]

この昭和5年の橋は、地元住民だけでなく、中川温泉の来訪者や西丹沢の登山者にも親しまれ、三保地区を象徴する橋であったという。しかし老朽化のため1972年(昭和47年)3月に鉄橋へ架け替えられた直後、同年昭和47年7月豪雨で再び流失し、「裏目になった近代橋」と騒がれた[3]。翌1973年(昭和48年)3月に同地点で再建されたが、三保ダム建設に伴ってのちに丹沢湖の湖底に沈んだ[3]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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