病院へ行こう
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病院へ行こう
1990年の作品[2][3]。フジテレビジョン製作、東映配給[2][4]。薬師丸ひろ子・真田広之主演[4]。滝田洋二郎監督、一色伸幸脚本[4]。ある大学病院での医師と患者とそれらに携わる人々を辛辣に描くブラックコメディ[1][2][3][4][5]。
あらすじ
広告代理店のコピーライター・新谷公平は、妻の春子が夜中に見知らぬ男性を自宅に連れ込んでいる現場に鉢合わせし、男性と揉み合いの末、マンションの階段から転落する。そんな新谷が搬送された大学病院の新人研修医・吉川みどりは、救急患者が苦手で点滴の針すらもさせない有り様だった。
その結果、新谷は大腿骨骨折・全治1ヶ月間と診断され、同病院の大部屋で入院生活を送ることになる。だが、新谷の隣のベッドの患者は一緒に転落した男性・如月十津夫だった。新谷と如月の担当医になったみどりに対し、新谷は不安を如月は恋心を抱く。入れ替わるように面会に来た春子は新谷に離婚届を渡すと弁解もせず実家に戻ってしまう。
新谷は間男、妻の不倫・離婚、自分が抜けた仕事のことなどから胃潰瘍を併発するが、医師が胃癌であることを隠すために胃潰瘍と偽っているのではと思い悩む。
一方、新谷よりも軽傷だった如月の肺に影があり、肺癌なのか結核なのか判明せず、みどりも悩んでいた。如月には内緒で様々な検査をするが、結局、どちらなのか判明しない。外科医は手術して直接患部を見れば良いと言うが、不要な手術を嫌うみどりは納得しない。
最終的に、日数は掛かることになるが、如月の痰を培養検査へ提出する。その結果、みどりから胃潰瘍であると断言され、新谷の悩みは軽減される。しかし、如月への怒りは収まらない。復讐のためだけに如月が憧れるみどりを口説き落とし、新谷の意趣返しは成功する。
検査の前日、如月は新谷を誘い病院を抜け出し、2人は車椅子で夜の街へと繰り出す。そこで、新谷が仕事で多忙のために寂しい春子が、自身の誕生日に街で偶然出会った如月を家に入れただけで、不倫など何もなかったという真実を知る。酩酊した如月は解雇された花火工場に乗り込むが、怪我で利き手の右手が不自由になった職人まで雇う余裕がないと親方夫婦は弁解する。
朝帰りした二人が病院に戻ると、如月の帰りをいら立って待つみどり。如月の飲食していないとの自己申告を信じ検査を始めるが、検査途中で昨夜暴飲暴食したものを吐いてしまい検査は中止。検査した医師はみどりを叱責し、みどりは嘘をついた如月に怒りをぶつける。
新谷は如月の検査内容から肺癌だと気付き、みどりを問い詰めるが不自然に否定される。ある夜、 医局に忍び込んだ新谷と如月は、みどりの引き出しに如月のラブレターを入れるが、如月が目を離した隙に新谷は引き出しからラブレターを取り戻す。新谷はみどりが書いた風を装って返信を作成し、それを寝ている如月の枕元に置く。如月は返信の内容が好意的なものだったので、みどりが態度に出さないのは彼女の奥床しさだと誤解する。
ある日、みどりに呼び出された如月が意気揚々と診察室に向かうと、みどりから外科医を紹介される。その医師から開胸術による検査を勧められたことで、自分は肺癌で死が近いと思い込む。如月は死ぬ前に自作の打ち上げ花火を夢の島で試すため、新谷と実力行使で病院を抜けだそうと試みる。しかし、病院を抜け出すのが困難と判断した新谷は、行き先を屋上に変更し、屋上から火の付いた花火の玉を放り投げる。花火は夜空に大輪の花を咲かせ、如月の花火は大成功。
丁度、その頃、みどりの元に如月の検査結果が届き、癌ではなく服薬で完治する結核と判明する。みどりは如月には吉報を知らせ、新谷には喜びのあまり抱きつきキスをする。2人の関係を知らなかった如月は呆然と見守るだけだった。如月が内科病棟に移った数日後、新谷は如月がみどり先生に告白したが振られたことを噂で知る。
新谷の退院の日、新谷と偶然ロビーで再会した如月は不自由だった右手だけで折鶴を作ってみせる。新谷が病院の出口を抜けると、そこには新谷を待つ春子の姿があった。
スタッフ
出演
- 新谷 公平(しんたに こうへい) - 真田広之
- 広告代理店勤務。仕事人間で家庭を顧みない日々を送っていた。妻の浮気相手の如月と揉め合いの末にマンションの階段から転落し大怪我を負い入院するハメに。
- 吉川 みどり(よしかわ みどり) - 薬師丸ひろ子
- 整形外科の研修医。医大の入試成績は芳しくなく大学への寄付金の贈与額トップで合格した。患者に注射や点滴の針を刺すのが苦手。
- 如月 十津夫(きさらぎ とつお) - 大地康雄
- 春子の浮気相手。職業は花火師。新谷と共に大怪我を負い、彼と同じ病院に搬送されて隣のベッドに入院。怪我をした経緯から、病院職員らの間で「間男」とあだ名をつけられる。みどりに恋心を抱いている。
- 新谷 春子(しんたに はるこ) - 斉藤慶子
- 公平の妻。妻の誕生日にもかかわらず仕事にかまける夫に嫌気が差し、行きずりの如月を自宅に誘う。
- 笹蔵 - 尾美としのり
- みどりの交際相手。医大の研究室勤務。寄生虫の研究をしている。
- 定 - 螢雪次朗
- 新谷・如月と同室の入院患者。おかまバーに勤務。如月のみどりへの恋を後推しする。
- 韮崎 - 伊原剛志
- 病院の胸部外科医。結核の培養菌検査で時間をかけるよりも、手術で直接調べることを主張する。
- 牛丸 - ベンガル
- 新谷・如月と同室の入院患者。公務員。暇になると内科病棟を散策し、自分の健康を実感するのが日課。入院中も支払われる給料と入院保険で収入が倍になった。教授の回診では退院しないことに対し嫌味を言われる。
- 牛丸の強欲女房 - 三原世司奈
- 収入の面から、夫の入院が長引くことを夫婦で望んでいる。
- 幸吉 - 荒井注
- 新谷・如月と同室の入院患者。19歳の女房との結婚式で怪我をして入院中。
- 安西 - 嶋田久作
- 新入りの入院患者。治療器具で首を固定している。
- 親方 - レオナルド熊
- 如月の元勤務先の花火工場の親方。右手神経の後遺症を理由に、如月を泣く泣くクビにした。
- 親方の女房 - 絵沢萌子
- 零細な花火工場を夫とともに切り盛りしている。
- 春日野 - 角田英介
- 新谷・如月と同室の入院患者。女性の見舞客が多い若者。
- 五月 - 平栗あつみ
- みどりと仲の良い看護師。時にみどりに厳しく接することもある。
- 榊 - 加藤善博
- 新谷の執刀医。みどりの上司。
- 富田 - 米山善吉
- 新谷の広告代理店の後輩。入院した新谷に替わり仕事を仕切る。
- 優 - 井上彩名
- 新谷が担当するCMに出演するモデル。新谷の浮気相手。
- 婦長 - 田根楽子
- 新谷から杉良太郎のチケットを貰う。
- 内科医 - 西岡徳馬
- 新谷に胃潰瘍を宣告する。
- 清美 - 鍵本景子
- 新谷や如月を担当する准看護師。
- 手術室のおばはん - 橘雪子
- 手術前の新谷に医師や看護師への付け届けの重要性を説く。
- 小夜 - 水城蘭子
- 幸吉の付き添い。
- ミツコ - 桑田和美
- 幸吉の妻。
- 辰 - 飯山弘章
- 如月の後輩。
- みどりの下手な注射の被害者
- みどりから注射の実験台に誘われるがハッキリと断る。
製作
製作会見
1989年9月20日に製作発表会が東京プリンスホテルで行われた[4]。(1989年)10月上旬クランクイン、東映東京撮影所で撮影を行い、年内に完成[4]、来年4月7日に東映邦画系(本番線)にセットされる[4]、製作費4億円などの説明があった[4]。河井真也は製作費2億5千万円で、フジテレビが全額出資と述べている[1]。またエグゼクティブ・プロデューサーを三ツ井康フジテレビ取締役、村上光一フジテレビ編成局長、岡田裕介東映プロデューサーの3人が務めると発表された[4]。三ツ井フジテレビ取締役は「病院をテーマにした映画は少ないが、滝田洋二郎監督と脚本の一色伸幸氏は『木村家の人びと』のコンビですし、配役も面白いので楽しい映画になると期待している。当社は東宝さんとの提携が多く、東映さんとは過去に『1000年女王』がありますが、実写はこれが初めてになります」などと[4]、岡田東映プロデューサーは「配収目標は10億円。東映からもこういう路線が生まれるよう勉強させてもらいます」などと[4]、高岩淡東映専務は「当社で配給させてもらうことになりました。滝田監督は、ウチでは『コミック雑誌なんかいらない!』、一色さんは『恐怖のヤッちゃん』、主演の薬師丸ひろ子さん、真田広之さんは『里見八犬伝』以来の黄金コンビですし、若い、フレッシュな力で、落ち目の東映路線に新たな活力を与えてもらいたい」などと[4]、滝田監督は「患者の視点でとらえた明るいストーリー。イメージ通りのキャストですし、パワーを結集して面白い映画にする」などと[4]、脚本の一色は「脚本を書き上げるため1週間体験入院したら、何と十二指腸に小さな穴が開いているのが発見され、皆さんが映画を撮影している間、ボクは入院することになってしまいました」などと述べた[4]。
企画&キャスティング
前述のように河井真也が悪性腫瘍で東京女子医科大学病院に入院した際に病院のベッドの上でイメージしたアイデアがほぼそのまま作品の骨格になっている[1]。「笑いのセンスがピッタリ合う!」と滝田洋二郎監督と一色伸幸脚本で、主人公の患者役は、友人でもある真田広之に、最初に会った時から、この人がヒロインと感じた担当の女医に雰囲気がそっくりだった薬師丸ひろ子をキャスティング[1]。大地康雄など患者役の多くは女子医大病院の患者仲間がモデルになっているという[1]。[1]。河井がフジテレビの上司に企画を持ち込み、上司も前のめりで、驚くべきスピードの中で映画化が決定した[1]。
作品の評価
興行成績
受賞歴
- 第64回キネマ旬報ベスト・テン読者選出第9位[7]
- 第14回日本アカデミー賞最優秀編集賞(冨田功、『女がいちばん似合う職業』『櫻の園』『バカヤロー!3「へんな奴ら」』『香港パラダイス』と合わせて)[2]
病は気から 病院へ行こう2
第2作はがん患者の女性と担当医の恋愛模様を中心にした物語で、ホスピス患者とそこに携わる病院関係者のふれあいを描いた作品である。同時上映は『七人のおたく』。
あらすじ
美容師・安曇祐子は、酒を飲みすぎて病院に担ぎ込まれ、副院長・片倉一郎から胃潰瘍と診断された。しかし実際はスキルスといわれる末期の胃癌で、最も重症の部類に当たる病状と判明する。
「少しでも長生きできるよう延命処置を取るべきだ」と、一郎は主張する。しかし、弟であり同じく医師の片倉保は「患者に苦痛のないような死に方を理解し支えるのも医者の仕事」と考え、新設されたホスピス病棟の仕事に全力を傾け、意欲を燃やす。
そんな中、うかつな保の言葉から自らの病気を知った祐子は、動揺を隠しきれず病院を抜け出そうとする。結局、祐子は保の勧めでホスピス病棟に入るが、自身の余命を逆手に取り、芸能活動を始める。