櫻の園 (漫画)
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| 櫻の園 | |
|---|---|
| 漫画:櫻の園 | |
| 作者 | 吉田秋生 |
| 出版社 | 白泉社 |
| 掲載誌 | LaLa |
| レーベル | ジェッツコミックス 白泉社文庫(文庫版) 花とゆめコミックススペシャル(完全版) |
| 発表号 | 1985年5月号 - 1986年7月号 |
| 巻数 | 全1巻(ジェッツコミックス) 全1巻(文庫版) 全1巻(完全版) |
| 話数 | 全4話 |
| その他 | 不定期連載 |
| 映画:櫻の園 | |
| 監督 | 中原俊 |
| 制作 | ニュー・センチュリー・プロデューサーズ |
| 封切日 | 1990年11月3日 |
| 上映時間 | 96分 |
| 映画:櫻の園 -さくらのその- | |
| 監督 | 中原俊 |
| 制作 | 「櫻の園」製作委員会 |
| 封切日 | 2008年11月8日 |
| 上映時間 | 102分 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画 |
| ポータル | 漫画 |
『櫻の園』(さくらのその)は、吉田秋生による日本のオムニバス漫画。『LaLa』(白泉社)にて、1985年5月号から1986年7月号まで連載された。
1990年にじんのひろあき脚本、中原俊監督で実写映画化された。2008年11月、中原監督がふたたびメガホンを取り、福田沙紀を主演に迎えてリメイクされた。また、じんのの脚本と堤泰之の演出で舞台化され、2011年までに5回上演されている。 これらの映画・公演についてもあわせて解説する。
登場人物
中野、杉山、志水、倉田の4名は、それぞれ「花冷え」「花紅」「花酔い」「花嵐」各章の主役となっている。
- 中野敦子(なかの あつこ)
- アーニャ役。付き合って1年になる彼氏のシンイチとそろそろHするべき時期なのかと悩んでいる。
- 杉山紀子(すぎやま のりこ)
- ヤーシャ役。何人もの男の子と付き合っており(肉体関係はない)、クラスメイトからは何となく遠巻きにされている。俊一という彼氏がいる。
- 倉田知世子(くらた ちよこ)
- ラネフスカヤ夫人役。敦子とは中等部からの親友。背が大きいことが悩みで、今までずっと男役ばかりだったので初めての女性役に戸惑う。男女のことについてとても奥手。
- 志水由布子(しみず ゆうこ)
- ドゥニャーシャ役。演劇部の新部長。同学年の敦子からはなぜか敬語を使われてしまう。男嫌いで、知世子に好意を持っている。
- 井上志摩子(いのうえ しまこ)
- 敦子とは中等部からの親友。男女のことについては耳年増。
- 中野綾子(なかの あやこ)
- 敦子の10歳年上の姉。桜華学園の卒業生。間もなく結婚する。
- 坂田シンイチ(さかた しんいち)
- 敦子の彼氏。別の高校のラグビー部。
書誌情報
単行本
- 吉田秋生『櫻の園』白泉社〈ジェッツコミックス〉、全1巻
- 1986年10月1日初版第1刷発行、ISBN 978-4592130963
文庫版
- 吉田秋生『櫻の園』白泉社 〈白泉社文庫〉、全1巻
- 1994年12月18日初版第1刷発行、ISBN 978-4592883210
完全版
- 吉田秋生『櫻の園【完全版】』白泉社 〈花とゆめコミックススペシャル〉、全1巻
- 2013年9月10日初版第1刷発行、ISBN 978-4592197485
映画(1990年版)
| 櫻の園 | |
|---|---|
| 監督 | 中原俊 |
| 脚本 | じんのひろあき |
| 原作 | 吉田秋生 |
| 製作 | 岡田裕 |
| 出演者 | [2] |
| 音楽 | 熊本マリ |
| 撮影 | 藤沢順一 |
| 編集 | 冨田功 |
| 製作会社 | |
| 配給 | アルゴプロジェクト |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 96分[注釈 1] |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 配給収入 | 9億5000万円[4] |
ニュー・センチュリー・プロデューサーズ、サントリーの製作により1990年11月3日公開[3][5]。配給はアルゴプロジェクト[2]。
原作に対して様々なアレンジが加えられており[6]、全体として大きく雰囲気の異なる作品となっている[6][7][1]。自身も演劇部出身の中原俊監督が[8]、舞台上演直前の少女たちの複雑な感情を繊細、かつリアルに静かに描き[8]、クオリティの高い作品として第64回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位をはじめ各方面で高い評価を受け[2][5][7][8]、同時に興行的にも成功した。
あらすじ(1990年版)
名門女子校桜華学園では創立記念日の4月14日に演劇部が「櫻の園」を上演することが伝統になっている。創立記念日の朝、部長の志水由布子は校則違反のパーマをかけて登校。部員たちも次々部室に集まり、上演準備が進むが、ヤーシャ役の杉山紀子が喫煙で補導されて上演中止になるかもしれないとの知らせが入る。部員たちは職員会議を見に行く。残された由布子の前に紀子がひょっこり現れる。紀子は他校の生徒と遊んでいて巻き添えで補導されただけで喫煙はしていないという。職員会議では演劇部顧問の里美先生の必死の意見が通り、上演が許可される。由布子たちは上演準備を急ぐ。長身の倉田知世子は初めての女役ラネフスカヤに悩んでいたが、由布子が励ます。舞台袖で今日が誕生日の由布子のため、部員たちは小声でハッピーバースデーを歌う。幕が上がり、部員たちは舞台へと出ていく。
キャスト
桜華学園・演劇部3年
聖華女子学園
知世子ファンの2年生
桜華学園・演劇部2年
その他
スタッフ
原作との違い
原作が3月初旬頃から桜吹雪の頃(学園の創立記念日=『桜の園』上演日)にかけてのストーリーであるのに対し[9]、創立記念日当日の朝8時前から開演までの2時間あまりを、映画的手法であるリアルタイム進行に近い形で描いている[2][3][5][7][1][9]。 校内以外のシーンはない[9]。
特定の数人にフォーカスして内面語りを多用する原作に対し、本作では内面描写や独白の類はほぼない。かわりに、演劇部員を演じるキャスト全員に役名とセリフがあり、「女子高の群像劇」として描かれる。「異性問題で悩む思春期」の様相は全く強調されず、一部員の雑談として簡単に触れられるのみ。冒頭で彼氏と濃厚なキスシーンを演じる「城丸香織」の描写が、他の人間関係との対比となっている[6]。原作では多くの男子と遊んでいた「杉山紀子」は「志水由布子」に一途な思いを寄せる設定に変更され、「杉山紀子」「志水由布子」「倉田知世子」の三角関係を主題とし[6]、「百合」的な要素を強調している[3][6]。
2年生で舞台監督の「城丸香織」は原作にないキャラだが準主演の位置づけ。「杉山紀子」「倉田知世子」の2名は、物静かでオーラのある人物として描かれ、原作とは印象が違う。演劇部顧問の「里美先生」(原作では無名のチョイ役)もセリフの多い重要な役どころとなっている。 重要な芝居を行なうのは、志水由布子(中島ひろ子)、杉山紀子(つみきみほ)、倉田知世子(白島靖代)、城丸香織(宮澤美保)、里美先生(岡本舞)の5人[3]。
製作
22人の演劇部員は[7]、全員オーディションで選ばれた[3][10]。出演者はほぼ新人ばかりのため、撮影前には異例の2か月に及ぶリハーサルを繰り返した[7]。
1990年8月20日に日比谷公園内の松本楼で完成報告記者懇談会が行われた[11]。
ロケ地
エンドロールにクレジットされているのは聖望学園のみ。なお、部室はスタジオセットである[注釈 2]。
- 聖望学園中学校・高等学校(埼玉県飯能市 / 屋上シーン、廊下シーン、教室内シーン 等)
- 関東学院中学校・高等学校(神奈川県横浜市 / 外階段シーン、杉山が他校の友人らと話すシーン 等。※後者の背景校舎は現存せず)
- 津田塾大学 小平キャンパス(東京都小平市 / 里美先生と中村先生が語り歩くシーン、予告編で流れるイメージ映像[注釈 3])
- 江東区立深川図書館(東京都江東区 / 進路指導室シーン。※建て替えにより当時の建物は現存せず)
作品の評価
行定勲は「この映画が描いた女子校の在り方は、男性が情景した女子の世界であり、男じゃなければ創りだせなかった男性目線の少女映画だと思う(中略)少女たちの割り切れない想いは何度観ても胸が締め付けられる。この映画の最大の魅力は少女たちの(そこに映し出されている若い女優たちの)瞬きをすれば過ぎ去ってしまうような尊い時間を余すことなく捉えているところに尽きる。その一瞬の輝きは永遠になった。秘めた恋を告白する演劇部の部長・志水役の中島ひろ子の凛とした仕草、美しいスタイルとは裏腹に緊張を隠せない倉田役の白島靖代、事件の当事者で志水に好意を抱く杉山役のつみきみほの存在感、もちろんあの場所にいた全ての女優たちが素晴らしかった。彼女たちは虚実の境目を越え、二度と訪れることのない青春の姿をカメラの前で曝け出し、それをフィルムに焼き付けることに成功した稀な映画だと思う」などと評価している[8]。
受賞歴
- 第14回日本アカデミー賞 作品賞・監督賞・脚本賞・編集賞・新人俳優賞[12]
- 第64回キネマ旬報ベスト・テン 最優秀作品賞[7]・監督賞・脚本賞
- 第45回毎日映画コンクール 日本映画優秀賞・女優助演賞
- 第15回報知映画賞 作品賞
- 第12回ヨコハマ映画祭 作品賞
- ゴールデンアロー賞 映画賞
ノベライズ
- 「桜の園」:深沢梨絵(1992年、角川ルビー文庫、1990年の映画版を小説化したもの、ISBN 978-4044339012)
その他
「平成名作特集」として2025年6月3日にBS松竹東急で放送された際[2]、冒頭に「この作品には、児童および青少年の視聴に対して配慮が必要と思われる表現がありますが、作品の意図を尊重し、オリジナルのまま放送します。また、演出として長時間無音になるシーンや、原版由来の音声ノイズ等が映像の一部にありますが、あらかじめご了承ください」とのテロップが流れた。
映画(2008年版)
| 櫻の園 | |
|---|---|
| 監督 | 中原俊 |
| 脚本 | 関えり香 |
| 原作 | 吉田秋生 |
| 製作総指揮 | |
| 出演者 | |
| 音楽 | 川井憲次 |
| 主題歌 | スピッツ「若葉」(ユニバーサルJ)[13] |
| 撮影 | 石井浩一 |
| 編集 | 冨田伸子 |
| 製作会社 | 「櫻の園」製作委員会 |
| 配給 | 松竹 |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 102分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
2008年11月8日全国公開[14]。「櫻の園」製作委員会(松竹=テレビ朝日=電通=G.T.エンターテインメント=木下工務店=集英社=白泉社=オスカープロモーション)、配給は松竹[15]。1990年版のリメイクではなく、リ・イメージとして、内容を一新[15]。福田沙紀初主演映画。次世代を担う若手女優共演による青春ドラマ[15]。監督は再び中原俊が務めたが、脚本は『自虐の詩』の関えり香が担当。現代的な青春ガールズムービーとなっている。名門お嬢様女子高、櫻華学園では、ある事情によりチェーホフ『桜の園』の上演が禁じられており、そこに転校してきた元ヴァイオリニストの女の子が、その上演を復活させようと仲間と共に奔走する話、という設定に変えられている。
キャスト
スタッフ
- 監督:中原俊
- 脚本:関えり香
- 音楽:川井憲次
- 撮影:石井浩一
- 照明:金沢正夫
- 録音:志満順一
- 美術:稲垣尚夫
- 編集:冨田伸子
- ビジュアルエフェクト:IMAGICA
- VFX協力:日本エフェクトセンター
- イメージポスター撮影:蜷川実花
- イメージポスターデザイン:印南貴行
- 演劇舞台協力:東京ノーヴイ・レパートリーシアター、京華学園、獨協学園
- 製作総指揮:古賀誠一・松本輝起
- エグゼクティブプロデューサー:関根真吾・石川薫
- プロデューサー:成田尚哉・池田史嗣・秋元浩之
- アソシエイトプロデューサー:東快彦・湊谷恭史・笹岡幸三郎
- 制作プロダクション:アルチンボルド
- 製作:「櫻の園」製作委員会(松竹、テレビ朝日、電通、GTエンタテインメント、木下工務店、集英社、白泉社、オスカープロモーション)
- 配給:松竹
- 上映時間:102分
ロケ地
- 武蔵野音楽大学入間キャンパスバッハザール(埼玉県入間市)
- 紅秀峰橋付近の道路(山形県寒河江市)
- 加藤学園御殿場キャンパス(静岡県御殿場市)
- 天鏡閣(福島県耶麻郡 外観のみ)
- 寒河江公園(山形県寒河江市)
- 山形県立寒河江高等学校(山形県寒河江市)
- 山形県農業総合研究センター(山形県山形市)
- 白石川堤一目千本桜(本編及び特典映像 宮城県大河原町)
- 山形駅前ペデストリアンデッキ付近(山形県山形市)
- create junction ULURU(神奈川県川崎市)
- 若宮公園(神奈川県厚木市)
- スタジオピアB福町(東京都杉並区 ハウススタジオ)
- 多摩川河川敷(東京都調布市 左岸)
- 川崎市市民ミュージアム(メイキング映像 神奈川県川崎市)
- 山形県立博物館教育資料館(特典映像 山形県山形市)
- 文翔館(特典映像 山形県山形市)
- 十思スクエア(ビジュアルブック 東京都中央区)
受賞
- 第32回日本アカデミー賞 新人俳優賞(福田沙紀)[16]
主題歌
オフィシャルビジュアルブック
- 「櫻の園」オフィシャルビジュアルブック:撮影 蜷川実花
ノベライズ
- 「桜の園」:深沢梨絵(1992年、角川ルビー文庫、1990年の映画版を小説化したもの、ISBN 978-4044339012)
- 「櫻の園」:かな(ケータイ小説。スターツ出版、¥1,080)