羽州ぼろ鳶組シリーズ

今村翔吾による小説のシリーズ From Wikipedia, the free encyclopedia

羽州ぼろ鳶組』(うしゅうぼろとびぐみ)は、今村翔吾による日本小説シリーズ。著者の作家デビュー作で、のちにラジオドラマ漫画テレビアニメ舞台など幅広いメディアミックスがなされている。

ジャンル時代小説
出版社祥伝社
発行日2017年3月15日
概要 羽州ぼろ鳶組, ジャンル ...
羽州ぼろ鳶組
ジャンル 時代小説
小説
著者 今村翔吾
出版社 祥伝社
発行日 2017年3月15日
巻数 既刊13巻(2024年1月現在)
ラジオドラマ:火喰鳥 羽州ぼろ鳶組
原作 今村翔吾『羽州ぼろ鳶組』
放送局 NHK青春アドベンチャー
発表期間 2018年7月23日 - 8月3日
その他 その他の作品は後述
漫画:火喰鳥 羽州ぼろ鳶組
原作・原案など 今村翔吾
作画 瀬口忍
出版社 秋田書店
掲載誌 週刊少年チャンピオン
レーベル 少年チャンピオン・コミックス
発表号 2025年21・22合併号 -
発表期間 2025年4月24日 -
巻数 既刊4巻(2026年3月現在)
アニメ:火喰鳥 羽州ぼろ鳶組
原作 今村翔吾
監督 八隅宏
シリーズ構成 森龍介
キャラクターデザイン BILBA(キャラクター原案)
音楽 高梨康治
アニメーション制作 SynergySP
製作 『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』製作委員会
放送局 CBCテレビTBS系列ほか
放送期間 2026年1月12日[注 1] - 4月5日
話数 全12話
舞台:舞台「火喰鳥-羽州ぼろ鳶組-」
脚本 吉村卓也
演出 吉村卓也
音楽 TAKEFLOW
製作 Tie Works
上演劇場 博品館劇場
上演期間 2026年1月23日 - 2月1日
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 文学ラジオマンガアニメ舞台芸術
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概要

江戸時代中期、かつて「火喰鳥」と称された火消し・松永源吾と彼のもとに集まったクセ者ぞろいの「ぼろ鳶組」が、次々と起こる付け火の謎を追う時代小説。

初出は2017年に祥伝社より文庫書き下ろしで刊行されたシリーズ第1作『火喰鳥』で、第2作『夜哭烏』が刊行されシリーズ化された。

2018年にNHK-FM放送青春アドベンチャー」にてラジオドラマ化され、その後、同放送枠で不定期で順次シリーズ作品がラジオドラマ化されている。

2025年からシリーズ第1作『火喰鳥』が漫画化され[3]、2026年1月から4月までテレビアニメが放送された[4]

2026年1月には舞台が上演された[5]

2026年1月時点で小説とコミカライズのシリーズ累計部数が100万部を突破している[6]

制作背景

今村がシリーズ第1作『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』を執筆する契機は、2016年の「九州さが大衆文学賞」授賞式における北方謙三の助言にあった[7]。北方は今村の受賞作「狐の城」を読み、その語り口に長編の資質を見いだして祥伝社の編集者へ長編執筆を促し、さらに今村に対し「三か月で書けるか」と厳しい条件を課したという[7]。今村はこれに「一か月で充分」と答え、実際に一か月で書き上げた作品がデビュー作となった[7]

題材選択の面では、今村はデビュー前に火消の世界に強い興味を抱き、江戸期の火消制度には多様な種別や独特の習慣がありながら、小説として扱われることが少ない点に着目した[8]。とくに江戸時代の火災原因の多くが放火であることに注目し、火消と火事を素材に「人間」を描くことで物語を成立させられると考えたという[8]

物語の舞台に羽州新庄藩を選んだ理由には、シリーズが長期化する可能性を見据え、江戸三大大火のひとつ「明和の大火」を起点としたいという構想があった[8]。そのうえで、江戸市中全域を活動範囲とする「方角火消」を扱うため、当時貧乏藩として知られながら複数期にわたり方角火消を務めた新庄藩・戸沢家に着目した[8]。また今村自身が東日本大震災以降に東北地方の人々の強さに触れていたことも、東北の藩を舞台とする動機となった[8]

シリーズ執筆にあたっては、消防博物館での調査や文献収集など、火消に関する継続的な調査が行われている。今村は歴史的事実を尊重しつつ、フィクションとのバランスによって物語の面白さを創出する姿勢を示し、歴史小説と時代小説の境界を意識しすぎる風潮への違和感を述べつつも、時代考証を重視する姿勢を明らかにしている[8]

あらすじ

"火喰鳥"の二つ名を持つ元火消の松永源吾は、ある事件をきっかけに火消を辞して浪人生活を送っていた。そんな折、新庄藩御城使の折下左門が現れ、壊滅状態に陥っていた新庄藩火消組の再建を命じられる。源吾は火消頭取として召し抱えられ、頭取並の鳥越新之助と共に火消組の立て直しに乗り出す。

新庄藩火消組は人手も資金も不足し、羽織も綻びだらけであったことから、江戸の人々に「ぼろ鳶組」と揶揄される。しかし源吾は元力士の寅次郎、軽業師の彦弥、風読みの才を持つ学者の加持星十郎らを仲間に迎え、未経験の鳶たちを鍛え上げていく。

やがてぼろ鳶組は火事場で実績を重ね、江戸の民からは揶揄ではなく愛着を持って「ぼろ鳶」と呼ばれるようになる。一方、江戸では怨恨や陰謀による火付けが相次ぎ、源吾たちは火事場での消火と並行してその真相を追い、事件を解決へ導きながら炎に立ち向かっていく。

1巻『火喰鳥』
妻の深雪と浪人生活を送っていた松永源吾は、新庄藩御城使の折下左門から火消頭取として召し抱えられ、壊滅状態の新庄藩火消組の再建を任される。源吾は頭取並の鳥越新之助とともに鳶集めに奔走し、元力士の寅次郎、軽業師の彦弥、学者の加持星十郎ら個性豊かな仲間を迎え入れる。
一方、江戸では「狐火」と呼ばれる連続火付け事件が発生しており、源吾自身も下手人ではないかと疑われる。火付盗賊改方長官の長谷川平蔵と協力して調査を進めた源吾は、花火師・秀助らによる組織的犯行を突き止める。
やがて江戸を揺るがす大火が発生し、ぼろ鳶組は他の火消と協力して炎に立ち向かう。奔走の末に火災は鎮まり、源吾は火付けの真相に迫るとともに、ぼろ鳶組は江戸でその名を知られる存在となる。
2巻『夜哭烏』
江戸では火事が起きても出動の合図となる太鼓が鳴らない事件が相次ぐ。新庄藩火消組による独自の調査の結果、火消の家族を人質に取り、出動を妨げる脅迫が行われていることが判明する。
新庄藩火消組の周辺でも誘拐事件が発生し、源吾たちは犯人の拠点を突き止めて人質を救出するが、直後に深川木場で大火が発生し、各火消組が脅迫を恐れて出動をためらう事態となる。
危うい状況の中、万組の武蔵が将軍しか打てないとされる半鐘を鳴らし、江戸中の火消を呼び集める。さらに巨大な弁財船を利用した消火作戦により火災は鎮火し、武蔵はぼろ鳶組の一員として迎え入れられる。
3巻『九紋龍』
江戸では、火事を起こしてその混乱に乗じて押し込みを働く盗賊・千羽一家の犯行とみられる事件が発生していた。源吾たちは平蔵の情報をもとに調査を進め、過去の事件の生存者である辰一の存在や、千羽一家が内部抗争によって乗っ取られていた可能性を知る。
一方、新庄藩では家老の六右衛門が病に倒れ、御連枝の戸沢正親が政務を代行することになる。正親は藩財政の窮状から火消の縮小を検討し、ぼろ鳶組の出動を制止するが、源吾たちは領民を守るため家禄返上も辞さない覚悟を示し、正親も火消の存続を認める。
その後、千羽一家による火付けとみられる火災が発生する。源吾は火消に変装した犯人をあぶり出すため、現場に集まった火消たちに喧嘩を仕掛けて混乱を起こし、逃げようとした者を捕らえて一味の存在を突き止める。
さらに新たな火災では、江戸最強と恐れられる町火消「に組」の頭で、背に九つの龍の刺青を持つ辰一が現場に現れ、ぼろ鳶組や他の火消と協力して消火にあたる。激しい戦いの末、火災は鎮火し、江戸の被害は最小限に抑えられる。
その後、新庄藩では六右衛門の不在のなかで国元の産物を売り出す重要な取引が行われ、深雪と正親がこれを成功に導き、藩政の立て直しに道筋をつける。
4巻『鬼煙管』
京都では突然人の体が燃え上がる怪事件が相次ぎ、民衆の間では「妖怪火車」の仕業だと恐れられていた。平蔵は火消の力が必要だと判断し、源吾を京へ呼び寄せる。源吾は星十郎や武蔵とともに京へ赴き、平蔵の息子である長谷川銕三郎や与力の石川喜八郎と協力して調査を開始する。
しかし銕三郎は源吾に対して強い反発心を抱き、独自に捜査を進める。一方で源吾たちは、事件の背後に火を使った連続殺人を行う人物の存在があることを突き止める。
やがて祇園祭の宵山の日、洛中各地で火災が同時に発生する大規模な事件が起こる。混乱のなかで源吾たちは「火車」と呼ばれる犯人を追跡し、その正体が水工の家に生まれた嘉兵衛であることを知る。嘉兵衛は、かつて妹が受けた被害の復讐として関係者を殺害していた。
六角獄舎で嘉兵衛と最後の標的である男を巡る対峙が起こり、源吾や武蔵は嘉兵衛を止めようとする。激しい火災が迫る中で平蔵も加わり、嘉兵衛はついに復讐を思いとどまる。
しかし脱出の際、平蔵は部下や源吾たちを逃がすため炎の中に残り、行方不明となる。後に焼け跡から平蔵の煙管だけが見つかり、銕三郎は父の志を胸に刻む。
事件後、嘉兵衛は処刑され、源吾たちは銕三郎らに見送られて江戸へ戻る。
5巻『菩薩花』
江戸では火消番付が人々の関心を集めるなか、火事場で手柄を奪おうとする火消同士の争いが起きていた。ある火災では仁正寺藩火消が他組の消口を奪おうと騒動を起こし、源吾はその異様な振る舞いに疑念を抱く。
その頃、火事を取材していた読売書きの文五郎が失踪し、息子の福助も何者かに追われる事件が発生する。調査を進めた源吾たちは、人気の高い定火消頭・進藤内記の周辺に不審な点があることを突き止める。内記は火災で親を失った孤児を集めて育てており、その慈悲深さから「菩薩」と称えられていた。
しかし調査の過程で、内記が孤児の一部を売り払っている可能性や、火事場で不審な遺体が見つかっていた事実が明らかになる。さらに仁正寺藩火消頭の柊与一も同様の疑念を抱き、内記の不正を追っていたことが判明する。
源吾たちは八重洲河岸定火消屋敷に踏み込み、捕らえられていた文五郎らの救出を図るが、その最中に火災が発生する。内記は証拠隠滅のため屋敷に火を放ち、孤児たちにも火付けを命じていた。
ぼろ鳶組は消火と人命救助に奔走し、屋敷は大きく焼失するものの被害の拡大を防ぐ。事件後、内記は蟄居処分となり、関係者にも処分が下された。
その頃、深雪は男児を出産し、子は平志郎と名付けられる。またこの事件の後、新庄藩火消組は方角火消大手組に任じられる。
6巻『夢胡蝶』
吉原で妓楼の火災が発生し、彦弥は逃げ遅れた花魁の花菊を救い出す。死を望んでいた花菊に対し、彦弥は彼女の願いを叶えると約束する。
その後、吉原では原因不明の火付けが相次いでおり、吉原火消頭の矢吉は源吾に助力を求める。源吾と彦弥、寅次郎は吉原に入り調査を開始するが、妓楼の主人たちは火災による仮宅営業で税を免れる利点があるため消火や調査に消極的で、事件の解明は難航する。
調査の過程で、火付けには複数の手口が使われていることが判明し、背後に事件を操る人物の存在が疑われる。やがて客として吉原に出入りしていた火消の鮎川転が火付けに関与している疑いが浮上し、彼と関係の深い遊女時里のもとで証拠を巡る攻防が繰り広げられる。
転は証拠を焼き捨てようと火事場へ逃げ込むが、彦弥が炎の中に飛び込んで証拠を取り戻し、転は捕らえられる。その後、一連の事件の背後には幕府内の政争が関わっていた可能性が明らかとなる。事件は幕府によって処理され、源吾はそのやり方に疑問を抱きつつも事態を収める。
事件後、花菊のもとを訪れた彦弥は、彼女との約束を果たすため行動を続けることを告げる。
7巻『狐花火』
春を迎えた江戸では、火消の雇い替えの時期となり、各組は新たな鳶を集めていた。そんな中、麹町で花火の技術を応用した火付け「朱土竜」による火災が発生する。その手口は、かつての秀助のものと酷似しており、既に処刑されたはずの秀助の影を思わせた。
その後も秀助の技術を思わせる火付けが続き、源吾たちは火付盗賊改方の日名塚要人と協力して調査を進める。やがて事件は、秀助の技術を記した帳面の行方を巡る争いと関係している可能性が浮上する。
江戸では大規模な火災も発生し、源吾は各組の火消を集めた「火消連合」を組織して消火にあたる。火付けには瓦斯を利用した特殊な方法が使われており、水では消えない炎に火消たちは苦戦を強いられる。
火事場の近くでは花火が打ち上げられ、秀助の後継者を誘き出そうとする者たちが現れる。源吾たちは犯人を追うが取り逃がし、事件の背後には幕府内の勢力争いが関わっている可能性が浮上する。
その後、秀助の知識を受け継いだ藍助の助言により火災は鎮火し、秀助の技術を記した帳面は既に失われていることが明らかとなる。
8巻『玉麒麟』
新之助は、豪商・橘屋で起きた一家惨殺と火付けの下手人として幕府から指名手配される。橘屋では十五名が殺害され娘二人が行方不明となっており、新之助はそのうちの一人を連れて逃走したとされた。さらに幕府の命により新庄藩には屋敷出入り禁止が命じられ、源吾も動きを封じられる。
しかし火消たちは新之助の無実を疑わず、加賀鳶など各組の協力のもと独自に調査が進められる。一方、平蔵も調査に乗り出し、事件の背後に幕府内の勢力争い、特に田沼意次派と一橋派の対立が関与している可能性に気付く。橘屋が狙われたのは、田沼意次と関係の深い商家であったためであり、火付盗賊改方の一部が事件に関与している疑いが浮上する。
新之助は連れ去られた娘を救い出すため単独で犯人を追っており、火事を利用して犯人をおびき出そうとしていた。源吾もまた新之助の行動を読み取り、仲間たちの協力を得て屋敷を抜け出し救援に向かう。
やがて新之助は火付盗賊改方の猪山らが関与する一味と対峙し、人質となっていた娘を救出する。そこへ源吾や火消たちも駆け付け、火災も鎮火されることで事件は収束する。
事件の背景には橘屋主人の日記を巡る思惑があったことが明らかになるが、その行方や目的は判然としないままとなる。救出された娘は田沼の国元である遠江で保護されることとなり、新之助に向けられていた嫌疑も晴らされる。
9巻『双風神』
大坂では火災の際に炎の旋風「緋鼬」が発生し、町に甚大な被害をもたらす異常事態が続いていた。京都定火消の野条弾馬は何者かがこれを意図的に起こしている可能性を疑い、風読みの力を借りるため源吾へ協力を求める。源吾は星十郎や武蔵らとともに大坂へ赴き、弾馬と合流して調査に当たる。
火災の現場では複数の火元が連鎖的に発生し、消火の過程で緋鼬が生じることが判明する。やがて星十郎は対策を導き出し、大坂火消五組の協力を得て緋鼬の発生を抑える作戦を実行する。一方で火付けを行っていた一味も姿を現し、火災を利用して混乱を拡大させようとしていたことが明らかとなる。
火消たちは風読みの指示のもと各所の火元を制御し、逆流する風を利用して緋鼬の発生を防ぐことに成功するが、その中で星十郎の師である山路連貝軒が命を落とす。
事件は収束し、源吾たちは江戸へ戻ることとなる。星十郎は師の遺志を胸に、人々のために戦う決意を新たにする。
零巻『黄金雛』
若き日の源吾がまだ十六歳の新人火消だった頃、江戸では同世代の火消たちが頭角を現し、「黄金の世代」と呼ばれていた。源吾や大音勘九郎、連次、秋仁、辰一らは互いに競い合いながら火消としての腕を磨いていく。
その頃、尾張藩火消組が火付けによる罠にかかり壊滅する事件が起こる。頭取の伊神甚兵衛は辛うじて生き延びるが、仲間を失った恨みから復讐を誓い、その後江戸で連続火付けを行うようになる。被害の拡大を防ぐため、火消の会合では若い火消を火事場から遠ざける決定が下される。
しかし源吾や勘九郎ら若手火消はこれに反発し、独自に事件の調査を開始する。やがて火付けの背後には尾張藩内部の陰謀があり、甚兵衛がその復讐のために火を放っていることが明らかとなる。
やがて林大学付近で大規模な火災が発生し、源吾たちは現場へ駆けつける。甚兵衛もまた仇敵を追って火事場に現れ、炎の中で対峙する。混乱の中で多くの人命救助が行われるが、激しい火勢の中で源吾の父・松永重内は命を落とす。
火災は府下の火消が総出で消火にあたり、後に「大学火事」と呼ばれる大火となった。
10巻『襲大鳳上』
市ヶ谷で屋敷が爆発する異様な火災が発生する。駆け付けた火消たちは炎の様子に違和感を覚え、源吾は十八年前に尾張藩火消組が壊滅した事件との関連を疑う。火消会合では再び連続火付けの可能性が指摘され、若い火消を現場に出さない決定が下される。
その後、尾張藩屋敷で同様の爆発火災が発生し、さらに各地で火柱が上がる異常事態となる。源吾は集結した火消たちを指揮して消火にあたり、江戸中の火消が動員される大規模な消火活動となる。
混乱の中、火事場に現れた男の姿を見て源吾は驚愕する。それは十八年前の尾張藩火消壊滅事件で死んだとされていた伊神甚兵衛だった。
甚兵衛は人質を取りながらも自らが火付けを止めると告げ、その場を去る。源吾は甚兵衛の言葉を受け止め、迫り来る炎に向き合うことを決意し、火消たちは総出で消火に当たる。
11巻『襲大鳳下』
尾張藩屋敷を狙った連続爆発火災を受け、火消たちは会合を開き対策を協議する。調査の結果、火災は特定の人物を狙った謀殺であり、背後には一橋家の策謀がある可能性が浮上する。源吾は伊神甚兵衛の真意を確かめるため、彼を捜索することになる。
やがて源吾は甚兵衛と再会し、彼が火付けの下手人ではなく、人質を取られて一橋家に利用されていたことを知る。人質が解放されたことで甚兵衛は一橋家と決別し、陰謀を止めるために源吾と行動を共にする。
その頃、一橋屋敷では甚兵衛の名を騙った火付け予告が出され、屋敷内に閉じ込められた人々を焼き殺そうとする罠が仕掛けられていた。火消たちはこれを阻止するため集結し、源吾や勘九郎らの指揮の下で屋敷へ突入する。
炎の中で救出と消火が行われる中、甚兵衛は自ら危険な役目を引き受けて人々を救い出すが、その代償として命を落とす。
源吾は甚兵衛の最期を見届けると、仲間たちと共に残る炎へ立ち向かう。江戸の火消たちは力を合わせて火災を鎮める。

登場人物

ここでは主要人物のみを紹介する。

松永 源吾(まつなが げんご)
新庄藩火消頭。特異な聴力と抜群の統率力でぼろ鳶組を牽引する。
深雪(みゆき)
源吾の妻。算勘に優れた倹約家で料理上手。
鳥越 新之助(とりごえ しんのすけ)
新庄藩火消頭取並。府下十指に入る剣の腕前で、一度見たものは忘れない記憶力を持つ。
加持 星十郎(かじ せいじゅうろう)
新庄藩火消の風読み。優れた天文の知識を有する。
寅次郎(とらじろう)
新庄藩火消の壊し手。『荒神山寅次郎』という名で活躍していた力士。
彦弥(ひこや)
新庄藩火消の纏師。抜群の身体能力を持つ現役軽業師。
折下 左門(おりしも さもん)
出羽新庄藩の御城使。壊滅した藩の火消組織を再建するために、新庄藩の火消頭取として登用する。
田沼 意次(たぬま おきつぐ)
足軽から老中まで登り詰めた。幕政に大きな影響力を持っている。
長谷川 平蔵
火付け盗賊改方長官。市井にも通じている慧眼の持ち主。

書誌情報

小説

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巻数タイトル目次解説者初版発行日ISBN備考
第一幕
1 火喰鳥 細谷正充 2017年3月15日[9] ISBN 978-4-396-34298-2
第一章 土俵際の力士
第二章 天翔ける色男
第三章 穴籠りの神算家
第四章 花咲く空の下で
第五章 雛鳥の暁
第六章 火喰鳥
2 夜哭烏 序章 大矢博子 2017年7月1日[10] ISBN 978-4-396-34337-8
第一章 鳴らずの鐘
第二章 魁の火消
第三章 加賀の牙
第四章 二翼標的
第五章 烏と鳳
3 九紋龍 序章 池上冬樹 2017年11月1日[11] ISBN 978-4-396-34375-0
第一章 鵺の住む町
第二章 龍出る
第三章 競り火消
第四章 余所者
第五章 江戸の華
第六章 勘定小町参る
4 鬼煙管 序章 北上次郎 2018年2月1日[12] ISBN 978-4-396-34397-2
第一章 火車
第二章 本所の銕
第三章 湧く焔
第四章 宵山
第五章 あの日の竜吐水
第六章 京都怪炎
第七章 隠れ鬼
終章
5 菩薩花 序章 末國善己 2018年5月1日[13] ISBN 978-4-396-34423-8 付録:安永二年版火消番付
第一章 番付火消
第二章 ころころ餅
第三章 菩薩二人
第四章 鬼は内
第五章 悪役推参
第六章 嗤いを凪ぐ者
第七章 父へ翅く
終章
6 夢胡蝶 序章 縄田一男 2018年8月1日[14] ISBN 978-4-396-34448-1
第一章 花の牢獄
第二章 不夜城
第三章 吉原火消
第四章 遊里の闇
第五章 転
第六章 女の夢
第七章 谺 彦弥
終章
7 狐花火 序章 東えりか 2018年11月1日[15] ISBN 978-4-396-34475-7 付録:目黒行人坂大火出火之次第
第一章 蠢く
第二章 多士済々
第三章 番付狩り
第四章 要人
第五章 狐を継ぐ者
第六章 青き狼
第七章 焔の火消
終章
8 玉麒麟 序章 菊池仁 2019年3月1日[16] ISBN 978-4-396-34504-4 付録:火消七つ道具図繪
第一章 消えた頭取並
第二章 加賀の評定
第三章 もう一人の銀煙管
第四章 真の下手人
第五章 関脇ふたり
第六章 出奔覚悟
第七章 転
終章
9 双風神 序章 吉田伸子 2019年7月1日[17] ISBN 978-4-396-34546-4
第一章 緋鼬
第二章 水の都
第三章 天理人欲
第四章 秘策
第五章 大坂讃歌
第六章 赤舵 星十郎
終章
黄金雛 序章 中本哲也 2019年11月1日[18] ISBN 978-4-396-34580-8 付録:「羽州ぼろ鳶組」登場人物之年表
第一章 炎聖
第二章 死の煙
第三章 ならず者たちの詩
第四章 親子鳶
第五章 火消の乱
第六章 鉄鯢と呼ばれた男
終章
11 襲大鳳(上) 序章 - 2020年8月1日[19] ISBN 978-4-396-34594-5
第一章 青銀杏
第二章 黒鳳の羽音
第三章 連合の系譜
第四章 蝗と龍
第五章 尾張炎上
12 襲大鳳(下) 第六章 鉄の意志 - 2020年8月1日[20] ISBN 978-4-396-34623-2
第七章 信
第八章 若き銀杏よ
第九章 大音の男
第十章 その名、伊神甚兵衛
終章
あとがき
幕間 恋大蛇 第一話 流転蜂 - 2022年3月1日[21] ISBN 978-4-396-34337-8
第二話 恋大蛇
第三話 三羽鳶
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ラジオドラマ

2018年に、シリーズ一作目となる『火喰鳥』がラジオドラマ化され、NHK-FM放送「青春アドベンチャー」にて放送された。好評を博し、その後も不定期に後続作品も順次青春アドベンチャーにて放送されている。

放送

  • 2018年7月23日 - 8月3日 火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 全10回
  • 2019年9月16日 - 9月27日 夜哭烏 羽州ぼろ鳶組 全10回
  • 2020年10月19日 - 10月30日 鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 全10回
  • 2021年11月15日 - 11月26日 菩薩花 羽州ぼろ鳶組 全10回
  • 2022年10月17日 - 10月28日 夢胡蝶〜羽州ぼろ鳶組 全10回
  • 2023年6月5日 - 6月16日 玉麒麟 羽州ぼろ鳶組 全10回
  • 2024年3月25日 - 4月12日 襲大鳳 羽州ぼろ鳶組 全15回

キャスト(ラジオドラマ)

スタッフ(ラジオドラマ)

  • 原作 - 今村翔吾『羽州ぼろ鳶組』
  • 脚色 - 丸尾聡
  • 演出 - 真銅健嗣
  • 技術 - 西田俊和、林晃広、木本耕平
  • 音響効果 - 今井裕、林幸夫、井上直美、野村知成、千本木真純
  • 選曲 - 石原慎介
  • 制作統括 - 藤井靖

漫画

2025年に漫画化され、『週刊少年チャンピオン』2025年21・22合併号から連載。作画担当は瀬口忍

テレビアニメ

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(ひくいどりうしゅうぼろとびぐみ)のタイトルでテレビアニメ化。2026年1月から4月までCBCテレビTBS系列アガルアニメ』枠ほかにて放送された[3][4][27]

キャスト(テレビアニメ)

スタッフ(テレビアニメ)

  • 原作 - 今村翔吾[3]
  • 監督 - 八隅宏[28]
  • 監督の御頭 - 亀垣一[28]
  • シリーズ構成 - 森龍介[28]
  • キャラクター原案 - BILBA[28]
  • サブデザイン - SIBATA、つよ丸、阪根賢司、高坂巧、谷林嵯弥、中野百合香
  • 色彩設計 - 山上愛子
  • 美術コンセプト・美術設定 - 阿部行夫
  • 美術設定 - 赤井紀文、北井真理江、相澤諒、谷林嗟弥、渡川優介
  • 美術監督 - 越膳滝美(第1、9話)、三宅昌和(第2、4、6、8話)、陳愛娜(第3話)、Choi Soungwook(第5話)、馬天健(第7話)
  • 3DCGディレクター - 眞田竹志[28]
  • 撮影監督 - 久保田淳
  • 編集 - 安達貴大
  • 音響監督 - 田中章喜[28]
  • 音響効果 - 倉橋静男小川大貴
  • 音響制作 - AUDIO PLANNING U
  • 音楽 - 高梨康治[28]
  • 音楽制作 - Team-MAX
  • チーフプロデューサー - 阿南史剛、今泉昌也、阿部知司
  • プロデューサー - 小林洋介、柴田知宏、市川湧、福永千夏、田中康太
  • アニメーションプロデューサー - 三浦俊一郎
  • アニメーション制作 - SynergySP[3]
  • 製作 -『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』製作委員会[3]アミューズクリエイティブスタジオCBCテレビ秋田書店、SynergySP)

主題歌(テレビアニメ)

「はみだし御免」[29]
ポルノグラフィティによるオープニングテーマ。作詞・作曲は新藤晴一、編曲は綿引裕太と田中ユウスケとポルノグラフィティ。
「陽炎」[30][31]
大泉洋によるエンディングテーマ。作詞は大泉洋と月光テツヤ、作曲は玉置浩二、編曲はトオミヨウ

各話リスト(テレビアニメ)

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話数サブタイトル脚本絵コンテ演出作画レタッチ初放送日
第一話再生の火種森龍介江口摩吏介八隅宏
  • SIBATO
  • 阪根賢司
  • 高原彩花
2026年
1月12日
[注 1]
第二話土俵際の力士
  • SIBATO
  • 阪根賢司
1月18日
第三話天翔ける色男福田晶平奥村よしあき神谷マキ1月25日
第四話孤高の天文家尾崎隆晴八隅宏2月1日
第五話瞬く星の如く阿宮正和神谷マキ阪根賢司2月15日
第六話火消の本分まついひとゆき八隅宏2月22日
第七話花咲く空の下で森龍介浅井幸信斉藤秀二3月1日
第八話妖狐の正体西村耕平木下大悟神谷マキ
  • 阪根賢司
  • SIBATO
3月8日
第九話不穏な火の粉冨田頼子檜垣賢一八隅宏
  • 阪根賢司
  • SIBATO
  • 高原彩花
3月15日
第十話猛火の鳴動まついひとゆき斉藤秀二
  • 阪根賢司
  • SIBATO
3月22日
第十一話明和の大火森龍介殿勝秀樹神谷マキ3月29日
第十二話火喰鳥西村耕平まついひとゆき八隅宏
  • 阪根賢司
  • SIBATO
  • 高原彩花
4月5日
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放送局(テレビアニメ)

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日本国内 テレビ / テレビアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』 放送期間および放送時間[32]
放送期間 放送時間 放送局 対象地域 [33] 備考
2026年1月12日[注 1] - 4月5日 日曜 23:30 - 月曜 0:00 CBCテレビ製作参加
ほかTBS系列全28局
日本国内[注 2] 連動データ放送[1][2] / 『アガルアニメ』枠
2026年1月13日 - 4月7日 火曜 20:00 - 20:30 AT-X 日本全域 CS放送 / リピート放送あり
全放送局で字幕放送を実施[1][2][34]
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日本国内 インターネット / テレビアニメ『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』 配信期間および配信時間[32]
配信開始日 配信時間 配信サイト 備考
2026年1月12日 月曜 1:00(日曜深夜) 更新 先行配信
2026年1月15日 木曜 1:00(水曜深夜) 以降順次更新 見放題配信
ABEMA 最新話期間限定無料配信
レンタル配信
木曜 3:00 - 3:30(水曜深夜) ABEMA アニメチャンネル リピート放送・見逃し配信あり
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CBCテレビ制作・ TBS系列 アガルアニメ
前番組 番組名 次番組
ガチアクタ(第1期)
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組
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舞台

舞台「火喰鳥-羽州ぼろ鳶組-」』のタイトルで、2026年1月23日から2月1日まで東京・博品館劇場で上演された[5][35]。主演は橋本祥平[5][36][37]

一部の公演ではライブ配信された[35]

キャスト(舞台)

スタッフ(舞台)

公演日程(舞台)

☆:ライブ配信[38][注 3]、★:アフタートーク開催[39]
さらに見る 2026年 公演『舞台「火喰鳥-羽州ぼろ鳶組-」』, 公演日 ...
2026年 公演『舞台「火喰鳥-羽州ぼろ鳶組-」』
公演日昼の部夜の部開催都市劇場アフタートーク出演者
2026年1月23日-18:00☆★東京博品館劇場橋本祥平 / 山根航海 / 古幡亮 (WATWING)
1月24日13:0018:00★山根航海 / 山本望叶 / 中村太郎
1月25日13:00★18:00古幡亮 (WATWING) / 中村太郎 / 伊崎龍次郎
1月26日-18:00★今村翔吾 / 吉村卓也 / 山根航海 / 古幡亮 (WATWING) / 高士幸也
1月28日-18:00★山本望叶 / 室田真宏 / 伊崎龍次郎 / 高士幸也
1月29日-18:00★吉村卓也 / 橋本祥平 / 山根航海
1月30日14:00★18:30★【14:00】橋本祥平 / 山本望叶 / 中村太郎
【18:30】橋本祥平 / 古幡亮 (WATWING) / 松田大輔 (東京ダイナマイト) / 中島弘輝
1月31日13:00★-山根航海 / 古幡亮 (WATWING) / 山本望叶 / 中村太郎
2月01日12:0016:00☆
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脚注

関連項目

外部リンク

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