近鉄1420系電車

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1420系電車(1420けいでんしゃ)とは、近畿日本鉄道(近鉄)が1984年に導入した大阪線向け一般車両(通勤形電車)で、VVVFインバータ制御試作車である。近鉄のVVVFインバータ制御車第1号であり、また日本の架線電圧1500V鉄道線では初めての新製VVVFインバータ車両である[4]。登場時の形式は1250系であったが、1986年に1251系となった後、1990年に1420系となった。

製造所 近畿車輛 [1]
編成 2両編成
最高運転速度 110 km/h
編成定員 340名 (新造時) [1]
概要 基本情報, 製造所 ...
近鉄1420系電車
近鉄1420系電車
(2006年6月 高安検車区)
基本情報
製造所 近畿車輛 [1]
主要諸元
編成 2両編成
最高運転速度 110 km/h
編成定員 340名 (新造時) [1]
編成長 41,440 mm
自重 Tc車:35.5t (新造時) [1][2]
Mc車:39.0t (新造時) [1][2]
車両定員 170名 (新造時) [1][2]
車体長 20,720 [1][2][3] mm
車体幅 2,740 [1][2][3] mm
全高 4,150 [3] mm
車体高 4,015 (クーラキセ上部まで) [1][2] mm
車体 普通鋼 [1][2]
台車 近畿車輛 KD-88B・KD-88A [1][2][3]
主電動機 MB-5014-A [1][2][3]
主電動機出力 165 kW×4 [1][2][3]
駆動方式 WNドライブ [1][2][3]
歯車比 5.73 (86/15) [1][2]
編成出力 660 kW
制御方式 GTOサイリスタ素子VVVFインバータ制御
制御装置 三菱電機製 SIV-G135[1][2][3]
制動装置 HSC-R [1][2][3]
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1250系で採用されたVVVFインバータ制御は、近鉄では東大阪線(後のけいはんな線)用7000系京都線3200系を皮切りに本格的な導入が開始された。以後の例として南大阪線では6400系、大阪線では1422系・1220系(1422系は登場時2代目1250系)や5200系が、また標準軌線共通仕様車の1430系1230系がそれぞれ登場している。

なお、解説の便宜上、宇治山田鳥羽側先頭車の車両番号+F(Formation=編成の略)を編成名として記述(例:モ1421以下2両編成=1421F)する。

構造

車体は1200系に準じて裾絞りのない普通鋼製車体で、制御装置は三菱電機製のGTO素子VVVFインバータ制御を採用した。

車体デザイン

1420系のステンレスプレート式VVVFロゴ。

同時期に落成した界磁チョッパ制御車の1200系1211F・1212Fなどと同じ普通鋼製の片側4扉車体を持つため[1][3][* 1]6400系以降のGTO-VVVF制御車両と異なり裾が絞られていない形状をしており[1]、側面方向幕は当初から装備している。空調関係も1200系と同等のものを採用し[5]運転台は青に塗装されている。

車内デザインも1200系などに準じた暖色系で、側面化粧板と妻面は淡いベージュを基調とした「サンドウェーブ柄」[1]、天井化粧板は白を基調とした「こもれび柄」とされた[1]。登場時はマルーンレッド一色の塗装で登場し、3200系登場後にシルキーホワイトとのツートンカラーに変更されている。

また、5800系を除くGTO-VVVFインバータ制御車は、車体側面の運転室扉と乗降扉間に「VVVF」と三相交流をデザイン化したシンボルマークが銀色のシールで貼り付けられているが、本形式のシンボルマークは立体のエンブレム式が乗降扉側に寄せて取り付けている[1][5]

走行機器・性能

制御システムには1984年当時の世界最大の高耐圧である三菱電機4,500V、2,000AのGTOサイリスタ素子を使用するVVVFインバータ制御が採用された[6][1][4]。主制御器はSIV-G135形を使用[1][3]

主電動機三相交流誘導電動機である三菱電機製MB-5014A(165kW)を装備し[6][1][3]、従来の直流直巻電動機と比較して整流子やブラシが無いためにフラッシュオーバーの危険が無くなり[1][4]、点検部分を大幅に低減させたためメンテナンス・フリーを実現している。

また、直流電動機複巻電動機よりも約30%の重量削減を実現し[1]誘導電動機の特性上粘着率が高く取れるため従来の抵抗制御車に比べて加減速度の向上を実現し、回生制動の作用範囲も拡がっている[1]。上り勾配での起動時でも周波数を一定に電圧のみを制御する方式で最急33‰勾配でも円滑な起動を可能とし[1][4]、連続勾配下降時でも抑速回生で下降するが回生失効を考慮し[1]、回生失効時は自動的に発電制動に切り替えるために抵抗器を搭載して急勾配区間での保安性も確保している[1][4]

制動装置抑速ブレーキ回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ(HSC-R)方式を採用し、従来の界磁チョッパ車や抵抗制御車との混結も考慮している[1][4]。電空演算システムを採用し、本来Tc車が受け持つべき制動力の一部をMc車電力回生制動力に分担させている[1]

MGはHG-77463-Oir形(70kVA)をTcに設置している[1]CPはTcに当初D-3-F形を設置していたが[1]、後にHS-10形に変更している。車両性能では最高速度は110km/hを確保している。

台車は車体直結式のスタビライドを使用した両抱き踏面制動方式の近畿車輛製KD-88シュリーレン型横剛性空気ばね台車で[1][7]、Tc車は1400系と同一のKD-88Aであるが、Mc車は新開発のKD-88Bを装備する[3]

製造当初はモニタ装置を搭載していたが[1]、現在は撤去されている。

形式変更

1987年に登場した大阪線用VVVF量産車1250系(2代)1252F(現在の1422系1422F)はアルミニウム合金製の広幅車体を採用したことから、試作車は区別のため、1986年10月1日付で形式名のみを1251系に改番した[7][3][8]

標準軌線区のGTO-VVVF車の形式は、2両編成の場合は日立製制御装置の搭載車が1200番台、三菱製制御装置の搭載車が1400番台に分けられた。量産車で日立製制御装置車の1230系が増備されると番号が重なるため、三菱製制御装置を搭載する1251系は1990年に1420系に再変更されている[9][3]

電算記号は製造当初はVC51であったが、1420系に改番した際にVW21に変更されている[10]

改造

車体更新

2008年4月に車体連結部の転落防止幌設置と車体の内装材交換および各車両の車椅子スペース整備を中心とする車体更新が高安検修センターにて行われ、営業運転に復帰した[11]

さらに見る 車体更新, 転落防止幌設置 ...
  車体更新 転落防止幌設置 廃車
1421F(VW21) 2008年4月[11] 車体更新時[11] 運用中
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運用

1984年9月3日1250系(初代)の1251Fとして製造された[5][3][7][12]。落成から約1ヶ月半にわたる試運転の後、1984年10月31日より営業を開始した[13]。本形式の登場により、試作高性能電車のモ1450形が引退している[1]

2410系1422系・1220系1230系とともに2両編成運用に使用されており、他形式との併結もある。1420系は1編成2両のみの試作車のため、車体更新までは不慮の故障発生時を想定して青山町駅以西の普通列車で使用されることが多いが、運用の都合で山田線および鳥羽線名古屋線にも入線したこともある。

2016年9月3日には、同日で本形式の落成から32周年となったことを記念して「32th Anniversary VW21ガタンゴトンツアー」が中部学鉄連により実施され、営業運転開始以来初めて湯の山線湯の山温泉駅に入線した[12]

2019年4月1日現在は高安検車区に所属する[14]

 
大阪上本町・近鉄名古屋
 
系列 編成名 電算名 Tc
ク1520
Mc
モ1420
1420系 1421F VW21 1521 1421

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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