(805998) ユウノン

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仮符号・別名2016 LM106[1]
見かけの等級 (mv)23.1[2]
(2016年の発見時、yバンド)
分類小惑星
ユウノン
805998 Yunon
仮符号・別名 2016 LM106[1]
小惑星番号 805998
見かけの等級 (mv) 23.1[2]
(2016年の発見時、yバンド)
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯(外側)[3][4]
発見
初観測日 2011年9月28日[2][3]
発見日 2016年6月11日[2][3]
発見者 COIAS[2][3]
発見場所 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ハワイ州マウナケア山[2][3]
発見方法 すばる望遠鏡の観測データの解析
軌道要素と性質
元期:JD 2,460,800.5(2025年5月5.0日[3]
軌道長半径 (a) 3.037 au[3]
近日点距離 (q) 2.825 au[3]
遠日点距離 (Q) 3.248 au[3]
離心率 (e) 0.0697[3]
公転周期 (P) 1932.750 日[3]
(5.292 [3]
軌道傾斜角 (i) 10.233°[3]
近日点引数 (ω) 258.399°[3]
昇交点黄経 (Ω) 179.151°[3]
平均近点角 (M) 142.975°[3]
ティスラン・パラメータ (T jup) 3.213[3]
物理的性質
絶対等級 (H) 17.77[2]
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(805998) ユウノン英語: Yunon)は、小惑星帯公転する小惑星の一つである[3][4]ハワイ島にあるすばる望遠鏡において2016年に得られた観測データ内から、未発見小惑星解析アプリケーションCOIASによる市民科学プロジェクトでの捜索を通じて新天体として検出され、2025年11月24日に命名が発表された[1]

太陽からの軌道長半径が約 3.037 au(約4億5494万 km)離れた、軌道離心率が約 0.07 の楕円軌道を約4.88年(約1,783日)の公転周期公転している、小惑星帯内に位置する小惑星の一つである[2][3]。軌道は黄道面から約10.23度傾いており[3]、小惑星帯の中では比較的外側付近を公転している[4]ため、地球には最小でも1.861 auまでしか接近しない[3]絶対等級は約17.77等級とされる[2][3]。この絶対等級を基にアルベドを 0.15 と仮定すると、直径は約 960 m と推定される[注釈 1]

観測と登録

すばる望遠鏡によって得られた観測データの一部は、未発見の小惑星や太陽系外縁天体などの天体の探索を研究者に限らず一般市民からでも行えるようにするために開発され、2023年7月末から運用されているアプリケーション・このアプリを用いた市民科学プロジェクトであるCOIASによる解析が行われている[6]

ユウノンは2016年6月11日ハワイ島マウナケア山山頂にあるすばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ (HSC) によって撮影された画像から、COIASのユーザーによって初めて検出・測定・報告された[2][3]。この日のデータは2023年7月のCOIAS運用開始当初は組み込まれていなかったが、当初のデータの解析が進んだため2024年7月に画像データの追加がなされた際に加わり、ユウノンの最初の発見も画像追加のメンテナンス明け初日である2024年7月17日に行われた[7]。COIASからはその日のほかに、同年7月3日7月5日7月29日7月31日の画像からも検出され報告されている[2]。その後の精査により、2011年9月28日にアメリカアリゾナ州レモン山天文台で行われているレモン山サーベイによって観測されていたのが最も古い観測記録であると判明し[2]、正式な発見年として認められている2016年までにはCOIAS以外にこの初観測日の3回の観測記録がある[2]。また、COIASで最後に測定された撮影日より後にも番号登録までの時点で、ハワイのハレアカラ山山頂で行われているパンスターズが行ったものなど、43回の観測記録がある[2]

小惑星の観測を一元管理する国際天文学連合所属機関である小惑星センター(MPC)に同一の未知天体の観測報告が同じ年(衝期間)に複数夜で集まると、MPCはその天体に仮符号を与え仮登録を行う[8]。COIASによる解析で、2016年夏に撮影された複数夜の画像からこの天体が検出・報告された結果、レモン山サーベイやパンスターズが行っていた過去の観測と連結された状態でMPCが2024年8月29日に公開した Minor Planet Supplement (MPS) にて仮符号 2016 LM106 が付与された[9]。仮符号付与時点でCOIAS以外の観測は1年に1夜だけしか報告されていなかったため、これらの観測が同一天体と気づかれず孤立した状態でMPCにストックされており、すばる望遠鏡の2016年の観測が契機で連結されている。

仮符号状態では小惑星は正式に登録されたわけではなく、正式な番号登録には多くの観測が集まり軌道が正確に確定する必要がある[10]。仮符号登録後に、チリセロ・トロロ汎米天文台にある口径 4 m のビクター・M・ブランコ望遠鏡に搭載されたDECam2017年2019年に撮影した画像にこの天体が写っていたことが報告されたり[11]、2025年に入って4月末と5月初めにパンスターズが計4夜にわたり再び観測したことで[12][13]、軌道がさらに精査された結果、2025年5月22日付で小惑星センターより公開された小惑星回報「MPC 181535-183282」にて、小惑星番号805,998番が与えられた[14]。 番号登録と同時に、それまでの観測報告者から小惑星の発見者が決定されるが、ルール上最初に複数の観測報告が集まった衝期間を対象に、その中で最初の報告(報告日が基準で観測の先後は関係ない)を発見観測、報告者を発見者とすることになっており、この天体の発見者はCOIASと決定された[15]。これで、COIASが発見者として登録された7例目の確定番号小惑星となった[16]

命名

発見者にはその小惑星への命名提案権が与えられるも、測定・報告者よりも観測者が優先されるためCOIAS発見天体の命名権を持つのは原初的にすばる望遠鏡HSCの観測チームだったが、このチームはCOIAS開発チームによる命名を快諾していたため、COIASでこの天体を測定したユーザーと開発チームの話し合いで提案する名前を決定することができた[17]

そして国際天文学連合の小天体の命名に関するワーキンググループ (WGSBN) より2025年11月24日に発行された『WGSBN Bulletin』にて命名が公表され[1]、ユウノンと命名された。 この名前は、『恋する小惑星[注釈 2]を連載していたまんがタイムきららキャラットの系列誌、まんがタイムきららMAXに『初恋*れ〜るとりっぷ』などを連載していた永山ゆうのんに因んで命名された。この天体を測定していた3人のユーザーのうち1人が以前から永山と関わりがあったことからこの命名が実現した[7]

命名が認められるには商業的な成功ではなく、社会貢献や社会に与えた影響が考慮されるため、代表作の初恋*れ〜るとりっぷが叡山電鉄京都府)、阿武隈急行福島県)、かつてのくりはら田園鉄道宮城県)とコラボイベントを行っていたことを前面に出すことになった[7]。さらに命名の審査員に分かりやすくするため・商業的要素を排するために命名時にはこれら3鉄道の名前を出さず「京都、福島、宮城の地方鉄道」として表現することとなった[7]。また、命名文とは別に審査員への補足として提出する文書では、初恋*れ〜るとりっぷが失われつつある地方の鉄道文化や地域の風景を描き多くの人を共感を呼んだ結果、地域とのコラボレーションで文化継承や観光振興にも寄与したことなどを、永山とその作品の文化的貢献としてアピールされた[7]。 なお、申請時には初恋*れ〜るとりっぷの英語表記を永山に確認を取ったうえで"HATSUKOI*RAIL TRIP"としていたが、小惑星センターがこれを書き換え"Hatsukoi*Rail Trip"として登録された[7]

その後同年12月31日には、この日開催されていた第107回コミックマーケット(C107)に自身のサークル「すたーだすとくれいどる」から出展しスクール水着の同人誌やタペストリーなどを販売していた永山のブースをCOIAS開発チームが直接訪れ、命名の記念パネルが贈られた[19]。さらに、同日の同会場ではこの小惑星の発見者の1人で「Yunon」の命名を発案したユーザーの1人が命名までの道のりをまとめた同人誌を頒布した[20][7]

脚注

関連項目

外部リンク

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