CM12
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中華民国は、1960年代にアメリカからM48A1戦車の供与を受け、軍の主力戦車として配備した[2]。アメリカが台湾と国交を断絶した後も防衛分野での協力は継続されたことから、1980年代初頭にはM48A3水準への近代化改修も行われたが、それでも1990年代にはすでに能力不足となっていた[2][3]。
このため、中華民国では新型のCM11戦車を開発・生産することになったが、この際にCM11の生産数よりも多くの射撃統制装置を購入し、既存のM48A3に組み込んで近代化改修を行うことにした[2][4]。この改修されたM48A3の名称がCM12である[1][2]。一部資料ではM48A5の派生型とされることもあるが、前述のとおりこれは誤りである[3]。
CM12への改修作業は1992年までに完了した[2]。改修数は多くの資料で100両とされるが[1][2][3][4][5]、一部資料では250両とするものもある[6]。
設計
火力
主砲は、原型のM48が装備していた90ミリ口径のT139/M3A1ライフル砲から、105ミリ口径のM68A1ライフル砲に換装されている[2][3]。
上述のとおり射撃統制装置(FCS)はCM11と共通で、アメリカ軍のM1エイブラムスのFCSから派生したデジタル/アナログ複合式の弾道コンピュータ、AN/GVS-5レーザー測距儀、AN/VGS-2赤外線画像装置、2軸砲安定装置を搭載している[1][2][3]。これにより原型のM48から射撃精度や夜間交戦能力が向上したが、M60系の車体を使ったCM11とは違い、旧式のM48系の車体を使ったCM12では、同レベルの射撃精度を得ることはできなかった[2]。また、CM11でしばしば発生した、砲塔容量の狭さに起因する放熱不良や機器故障は、CM12でも発生している[3]。
防御力
砲塔がCM11と同型のものに換装されているが、装甲は1970年代に開発されたM48A5と同水準にすぎず、CM12の弱点であるとされている[3]。
機動力
老朽化していたエンジンは、CM11やM60パットンなどと同型のコンチネンタル AVDS-1790-2Cディーゼルエンジン(750馬力)に換装された[1][2]。またギアボックスも国産のものに換装されている[1][3]。ただし換装の際に燃料タンクの一部が取り外されたため、燃料搭載量は650リットルとCM11やM60パットンの半分以下しかなく、航続距離も203キロメートルと短い[1][2][3]。なお、エンジン換装はCM12への改修時ではなく、1980年代に行われたM48A3への改修時に行われたとする資料もある[3]。
運用
CM12として改修された後は、大半が中華民国陸軍の第95独立装甲旅団に配備され、残る一部が訓練部隊にまわされた[1]。その後、第95旅団は再編と統廃合により第395装甲歩兵旅団、第298機械化歩兵旅団と変更され、CM12の配備数も徐々に減少していった[1]。2007年には残っていた1個中隊14両が離島の守備隊に移転された[1]。2000年代末の現役数は訓練部隊とあわせてわずか25両にまで減少していたが、2010年に陸軍から海軍陸戦隊にM60パットンを移管した埋め合わせとして、若干数のCM12が保管状態から現役に復帰した[1]。
30年以上にわたって陸軍の主力戦車として運用されてきたCM12だったが、2018年頃からは状態の悪化により保管状態に移行する戦車が増え、2024年頃には部品の枯渇により大半が保管状態となった[2][5][7]。2024年12月の自由時報の記事によれば、CM12はまもなく退役予定であり、維持費の問題からCM11と違って予備保管も行われないとされる[5]。2025年5月の顧立雄国防部長のインタビュー記事によれば、CM12はすでに前線から引き揚げられており、2026年から順次廃止され、分解されてCM11の予備部品となる予定だという[8]。