D1W (原子炉)

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D1WWestinghouse D1W Single-Reactor Plant[1]アメリカ海軍艦艇向け発電推進原子炉である。水上艦艇用の原子力機関として先行するD2Gを置き換えうる、より安価で軽量な単一の原子炉を中心とする原子力機関の実現により、水上戦闘艦艇の原子力化の推進を狙ったが、開発計画の検討段階にとどまり、原型炉含めて実機の建造には至らなかった[2]:3/11[3]:8/258。開発の方向性が途中から変更され、最終的には、ニミッツ級用の原子炉A4Wに結実した[3]:24/258

1950年代に艦艇の原子力化を巡って海軍艦艇局が出した答申では、原子力機関の搭載は航空母艦からフリゲイトまでは可能なものの、最小のフリゲイトでも全長150メートル、満載排水量8500トンを必要とし、駆逐艦には不可能というものであった[4]:72が、D1Wは排水量8000トンより小さい駆逐艦クラスに搭載することを念頭に置いた、低コスト、単純、軽量な1基の原子炉を中心とする推進機関の開発を目指すものだった[3]:20/258[注釈 1]

単一原子炉で駆動される小型艦艇のプロジェクトは1960年に承認された。エレクトリック・ボートの支援を得てベティス原子力研究所英語版ペンシルベニア州ウエストミフリン)によって行われた1961年の研究では、D2G型のような2基の原子炉を中心とする推進機関設計に比べて、スペースと重量の点で大きな利点を示すことができなかった[3]:20/258。非常に重量のかさむ原子力機関は、原子炉を中心に慎重に重量配分しなければならず、艦艇の設計を大きく制約する[5]:70だけでなく、原子力機関の大重量が招く重心の上昇は小型艦艇にとって不利なものであった[3]:20/258。しかも、D2G型などとちがって、1基の原子炉しか持たない推進機関は、単に高い出力が必要であるだけでなく、故障時の冗長性に乏しいため、高い信頼性も必要であり、非常に大きな技術的困難[1]に直面しなければならなかった。

このプロジェクトは1962年に、より大型の原子炉と、大型水上艦用に設計された2基の原子炉推進プラントへと方向転換された[3]:20/258。プロジェクトは1964年まで継続し、ベティス研究所は、フォレスタル級よりも小型の航空母艦(現代のニミッツ級空母と同程度の大きさ)向けの推進装置としてこの計画を検討した[3]:20/258

しかしながら、リッコーバーと海軍原子炉部は、原型炉や原子力艦艇の運用経験や各種の研究成果から、原子力推進機関の低コスト化のためには、加圧水型原子炉の改良と、炉心寿命の延長により燃料交換の間隔を長くすることに関心を持っており、低コストかつ軽量な原子力機関というアイディアには画期的な前進を期待しておらず[1]、海軍から資金と施設を引き続き投入するだけの原子力機関への関心を維持していることを公式に確認できた点が重要であった[1]

脚注

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