MiG-9 (航空機・初代)
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MiG-9 «IKh» / МиГ-9 «ИХ»
(I-210 / И-210)
- 用途:戦闘機
- 分類:戦闘機
- 設計者:第1工場試作設計部門(ミコヤンOKO)
- 製造者:
- 初飛行:1941年7月23日(試作1号機)
- 生産数:5機 (I-210)、1機 (I-211)
- 運用状況:不採用
MiG-9(ミグ9;ロシア語:МиГ-9ミーグ・ヂェーヴャチ)またはI-210(И-210)・«IKh»(«ИХ»)は、 ソビエト連邦のミコヤン・グレヴィッチ設計局が試作したレシプロ戦闘機である。MiG-3の改良型として開発されたが、本格採用されずに終わった。
1941年、イリユーシン Il-2対地攻撃機に搭載するミクーリン AM-38 液冷エンジンの生産を優先するため、同系列のAM-35A 液冷エンジンの生産中止が決まり、同エンジンを搭載していたMiG-3の量産も中止されてしまった[1]。
ミコヤン・グレヴィッチ設計局(以下、ミグ設計局)では代替となるエンジンを模索していたが[2]、同年5月、航空産業人民委員部は戦闘機の開発を手掛ける各設計局に対し、発動機をシュベツォフ M-82A 空冷星型エンジン に換装した型の試作を命じた[3]。これは同エンジンが当時ソ連で最大級の出力を備えた空冷エンジンであり、量産体制が整いつつあったためである[1]。この指令に応じて試作されたのがラヴォーチキン設計局のLaGG-3 M-82(後のLa-5)[4]、ヤコヴレフ設計局のYak-7 M-82[5]、そしてミグ設計局のI-210(別名MiG-3 M-82)であった[1]。
空冷星型エンジンへの換装により胴体はMiG-3よりも太くなったが[1]、全長は短縮された[6]。また、胴体が太くなったことによりキャノピーも大きくなり、視界が改善されている。武装の機関銃はすべて機首に装備していた[1]。
I-210試作1号機は1941年7月23日に初飛行した[1]。しかし、最大速度630 km/h (高度6,500 m) という目標値に対し、試験では540 km/h (高度5,000 m) という結果に終わり[1]、空冷星型エンジンの機首形状に伴う空気抵抗が予想以上にあることが判明した[7]。また、M-82エンジンの排気ガスにより窒息のおそれがあるとして、キャノピーを閉め切って飛行することができない欠点もあった[7]。
その後試作2号機に続き、MiG-9 «IKh»と命名された前生産型が3機製作された[3][8]。MiG-9は1942年6月にカリーニン戦線へ送られ、第34戦闘連隊で実戦テストを受けたが、速度性能だけでなく運動性能もMiG-3に劣ると判定された[1]。
ミグ設計局はTsAGIの風洞実験を通して、低性能の原因がカウリングの設計にあることを突き止めた。そこで、空力的に洗練させた新設計のカウリングと、出力が向上したシュベツォフ M-82F エンジンを用いたI-211(別名、MiG-9Ye / МиГ-9Е)が新たに試作された[1]。I-211はI-210と比べて300 kg 軽量化されており、安定性向上のために尾翼を大型化したりするなど、各部に改良を加えていた[9]。また、カウリングの設計変更により武装も機首から機首下面に変更されている[1]。
I-211は1943年2月12日に初飛行し、速度性能も670 km/h (高度7,100 m) と、当初の目標値を満たす性能を発揮した[1]。I-211の飛行性能はLa-5やYak-9を上回っており[3]、ミグ設計局では1943年第1四半期にMiG-9Yeとして10機を製作する計画を立てた[9]。だが、試験に手間取っているうちに1944年を迎えてしまい、その頃にはLa-5の量産体制が軌道に乗っていたため、あえて生産ラインを切り替える必要性に乏しいとして、MiG-9Yeの生産は取りやめられた[9]。
スペック

出典:「I-200/MiG-3ファミリーの開発と各型」 16-17頁[10]
| MiG-9 «IKh» (I-210) |
MiG-9Ye (I-211) | |
|---|---|---|
| 全長 | 8.1 m | 8.0 m |
| 全幅 | 10.2 m | 10.2 m |
| 翼面積 | 17.44 m2 | 17.44 m2 |
| 自重 | 2,762 kg | 2,590 kg |
| 総重量 | 3,382 kg | 3,070 kg |
| 最大速度 | 475 km/h (海面高度) 565 km/h (高度6,150 m) |
670 km/h (高度7,100 m) |
| 上昇性能 | 高度5,000 mまで 6.7分 |
高度5,000 mまで 4.0分 |
| 実用上昇限度 | 8,700 m | 11,300 m |
| 離陸滑走距離 | 410 m | N/A |
| 着陸滑走距離 | 535 m | N/A |
| 航続距離 | 1,070 km | 940 km |
| エンジン | シュベツォフ M-82 空冷星型14気筒エンジン (出力 1,700hp) ×1 |
シュベツォフ M-82F 空冷星型14気筒エンジン (出力 1,850hp) ×1 |
| 武装[1] | UBS 12.7 mm機関銃×3 ShKAS 7.62 mm機関銃×2 |
ShVAK 20 mm機関砲×2 |