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オクソコ

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オクソコ(学名:Oksoko)[1]は、モンゴル国で化石が産出したオヴィラプトロサウルス類オヴィラプトル科(英語版)に属する獣脚類の恐竜の属[2]。ホロタイプ標本はゴビ砂漠に広がるネメグト層から産出しており、生息した時代は後期白亜紀のマーストリヒチアン期前期と推定されている[2]。タイプ種はOksoko avarsan[2]。近縁のオヴィラプトルが前肢に3本の指を持つのに対し、本属は前肢が小型でかつ指が2本しか存在しておらず、ティラノサウルス科やアルヴァレスサウルス科を彷彿とさせる前肢の退化を示している[1]。

オクソコの化石はFunston et al. (2020)時点で複数発見されており、モンゴル国のネメグト盆地(英語版)で産出している[2]。具体的な産地が判明しているものはブギンツァフとグリリンツァフ[注 1]から産出しており、これらの産地はいずれもネメグト層の露頭が分布している[2]。

ホロタイプ標本に基づき、古生物学者のグレゴリー・F・ファンストン[注 2]、ツクトバートル・チンゾリッグ、ヒシグジャウ・ツクトバートル[注 3]、小林快次、コーウィン・サリバン[注 4]、フィリップ・J・カリーが2020年にタイプ種Oksoko avarsanを記載・命名した[2]。属名はホロタイプを含む群集に3個の頭蓋骨が保存されていたことから、アルタイの神話に登場する3個の頭部を持つワシにちなんでOksokoと命名された[2]。タイプ種の種小名avarsanはモンゴル語で「救出された」を意味する"аварсан"に由来しており、密売業者や密輸業者から化石が回収されたことを反映している[2]。

標本

オクソコの標本はFunston et al. (2020)時点でホロタイプ標本を含めて6個知られており、その全てがモンゴル科学アカデミー(英語版)古生物学地質学研究所に所蔵されている[2]。特にホロタイプ標本を含む3個体が1つの母岩に埋まっており、これらは纏めてMPC-D 102/110の標本番号を与えられた上で、a, b, cの枝番号が付与された[2]。MPC-D 102/110の3個体はいずれも体重45キログラム程度と推定されており、ホロタイプ標本MPC-D 102/110aが最も完全で、MPC-D 102/110bで右半身、MPC-D 102/110cで骨盤付近のみが保存されている[2]。MPC-D 102/110aとMPC-D 102/110bには、他のオヴィラプトロサウルス類にも見られる、休息姿勢に類似した姿勢が確認されている[2]。6個の標本全てを統合すれば、オクソコは全身の骨が保存されていることになる[2]。

プレパーレション前のホロタイプ群集(MPC-D 102/110a, b, c)
MPC-D 102/110a(ホロタイプ)
ほぼ完全な幼若個体の骨格。尾椎の後側半分が失われている[2]。
MPC-D 102/110b
ほぼ完全な幼若個体の骨格[2]。
MPC-D 102/110c
部分的な幼若個体の体骨格[2]。
MPC-D 100/33
亜成体の部分的な体骨格[2]。1974年にブギンツァフで回収された[2]。
MPC-D 102/11
頭蓋骨を伴う部分的な幼若個体の骨格[2]。MPC-D 102/110aやMPC-D 102/110bと同じくかがみこんだ姿勢が確認されている[2]。
ホロタイプの群集に由来すると思われる、別個体の頭蓋骨要素(後眼窩骨・方形骨・方形頬骨)が付随している[2]。
MPC-D 102/12
成体の体骨格[2]。1998年にグリリンツァフで回収された[2]。

特徴

ホロタイプ標本の頭蓋骨

Oksoko avarsanは小型のオヴィラプトル科恐竜である[2]。本種を特徴づける形質状態としては、鼻骨と前頭骨が同程度に構成する頂部が厚い頭部のドーム状の鶏冠、窪みの中に位置する鼻骨の凹部、背側に向いた前頭突起を持つ後眼窩骨、発達したepipophyses (en) が存在する頸椎、機能指が2本である手、腸骨のbrevis fossaに存在する装飾稜、前側に湾曲する恥骨、遠位第IV足根骨に存在する大型の近位背側突起がある[2]。このうち、鶏冠と腸骨の装飾稜、および2本の機能指は固有派生形質と見なされている[2]。

オヴィラプトルのような近縁な恐竜に機能指が3本存在しており、また手の指の退化傾向がオクソコの属する亜科において進行していることから、オクソコが機能指を2本しか持たないことは注目されている[1]。指の退化・前肢の小型化はティラノサウルス科やアルヴァレスサウルス科にも通じるものであり、こうした他の分類群の進化の過程にも視座を与える可能性がある[1]。

分類

オクソコの前半身の体骨格要素。2本の機能指を持つ手はd。

オクソコはオヴィラプトル科のうちHeyuanninaeというヘユアンニアに近縁な亜科に分類された[2]。42分類群246形質を用いたFunston et al. (2020)の系統解析でオクソコはHeyuanninaeのうち派生的な位置に置かれており、ジアングシサウルスとの姉妹群をなし、また本属とジアングシサウルスの2属からなる分岐群はバンジとの姉妹群をなす[2]。オクソコに見られる前肢の退化はHeyuanninaeの分岐群内で進行したことが示唆されている[2]。

以下はFunston et al. (2020)に基づくクラドグラム[2]。

オヴィラプトル科(英語版)
 

Nankangia

 
 
 

Oviraptor

 
 
 

Yulong

 
 
Citipatiinae
 

Wulatelong

 
 
 
 

Rinchenia

 
 

Tongtianlong

 
 
 
 

Ganzhousaurus

 
 
 
 

Citipati

 
 

Zamyn Khondt oviraptorid

 
 
 
 

Huanansaurus

 
 

Corythoraptor

 
 
 
 
 
 
Heyuanninae
 

Shixinggia

 
 
 

Khaan

 
 
 

Conchoraptor

 
 
 

Machairasaurus

 
 
 
 

Nemegtomaia

 
 
 

Heyuannia huangi

 
 

Heyuannia yanshini

 
 
 
 
 
 

Banji

 
 
 

Jiangxisaurus

 
 

Oksoko

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

古環境

脚注

関連項目

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