オクトレオチド

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オクトレオチド
臨床データ
販売名 Sandostatin
AHFS/
Drugs.com
monograph
胎児危険度分類
  • AU: C
    投与経路 Subcutaneous, intramuscular, intravenous
    ATCコード
    法的地位
    法的地位
    薬物動態データ
    生体利用率 60% (IM), 100% (SC)
    タンパク結合 40–65%
    代謝 Hepatic
    消失半減期 1.7–1.9 hours
    排泄 Urine (32%)
    識別子
    CAS登録番号
    PubChem
    CID
    IUPHAR/BPS
    DrugBank
    ChemSpider
    UNII
    KEGG
    ChEMBL
    CompTox
    Dashboard

    (EPA)
    化学的および物理的データ
    化学式 C49H66N10O10S2
    分子量 1019.24 g/mol g·mol−1
    3D model
    (JSmol)
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    オクトレオチド(Octreotide)はソマトスタチン模倣オクタペプチドである。ソマトスタチンよりも成長ホルモングルカゴンインスリン阻害作用が強い。商品名サンドスタチン

    腫瘍

    筋注(筋)と皮下注(皮)で効能・効果が異なる[1][2]

    • (筋・皮)消化管ホルモン産生腫瘍(VIP産生腫瘍、カルチノイド症候群の特徴を示すカルチノイド腫瘍、ガストリン産生腫瘍)の諸症状の改善
    • (筋・皮)先端巨大症・下垂体性巨人症(外科的処置、他剤による治療で効果が不十分な場合または施行が困難な場合)における成長ホルモン、ソマトメジンC分泌過剰状態および諸症状の改善
    • (筋のみ)消化管神経内分泌腫瘍
    • (皮のみ)進行・再発癌患者の緩和医療における消化管閉塞に伴う消化器症状の改善

    オクトレオチドは成長ホルモン産生腫瘍(先端巨大症および巨人症)、甲状腺刺激ホルモン産生脳下垂体腫瘍、カルチノイド症候群英語版による下痢および潮紅英語版血管作動性腸管ペプチド産生腫瘍(VIPオーマ英語版)による下痢の治療に使われる。

    食道静脈瘤出血

    オクトレオチドはしばしば肝硬変門脈圧が亢進している場合食道静脈瘤からの急性出血の治療に静脈注射で用いられるが、効果は限定的であり生存率の向上には繋がらない[3]

    放射線標識化

    オクトレオチドにキレート剤を結合して111Inを担持させた薬剤はソマトスタチン受容体を発現している神経内分泌腫瘍などの非侵襲的シンチグラフィに用いられる[4]。最近は11C[5]68Gaを用いたポジトロン断層法(PET)も実施され、解像度や感度の改善に寄与している。

    オクトレオチドは90Y177Luなどの種々の放射性核種をキレートして切除不能の神経内分泌腫瘍の放射性核種標識ペプチド治療(Peptide receptor radionuclide therapy、PRRT)に応用されている[6]

    標的受容体

    オクトレオチドはSRIF受容体とも呼ばれるソマトスタチン受容体に結合する。SRIF受容体は神経内分泌腫瘍(NET)等で特に過剰発現している。SRIF受容体には5種類(SSTR1〜SSTR5)が知られており、腫瘍のタイプ毎にどの種類が発現しているかが異なる。例えば胃腸膵管系神経内分泌腫瘍(GEP-NET)ではSSTR2の発現が多く、SSTR1とSSTR5は少ない[7]

    禁忌

    オクトレオチドの小児・妊婦・授乳婦に対する影響は検討されていない。これらの患者には、危険便益分析英語版で便益の方が高いと判断された場合にのみ使用すべきである[8][9]

    副作用

    添付文書に記載されている重大な副作用は、アナフィラキシー(頻度不明)と徐脈(0.1%)である[1][2]

    10%以上の患者に、頭痛、甲状腺機能低下症刺激伝導系変化、消化器系症状(腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、便秘等)、胆石インスリン分泌低下、高血糖症[10]低血糖症、(一過性の)注射部位反応が発生する。また1%以上の患者に徐脈瘙痒などの皮膚反応、ビリルビン上昇、甲状腺機能低下症眩暈呼吸困難が発生する。稀な副作用としては、アナフィラキシー膵炎肝炎が知られている[8][9]関節リウマチとの関連を示唆した研究もある[11]脱毛の報告もある[12]。ラットも用いた1998年の実験では、勃起不全が見られた[13]

    QT時間延長が報告された事があるが、薬剤の反応か疾患によるものかは定かではない[8]

    識別子
    略号 N/A
    OPM superfamily 167
    OPM protein 1soc
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    相互作用

    オクトレオチドは消化管でのシクロスポリン吸収を減少させるので使用時はシクロスポリンの投与量増加が必要となることがある[14]

    糖尿病患者はインスリン経口血糖降下薬の必要量が変化(増加または減少)し得る。

    ブロモクリプチン生物学的利用能は増大する[9]。ブロモクリプチンは抗パーキンソン病薬であるが、先端巨大症の治療にも用いられる。

    内分泌への影響

    オクトレオチドのソマトスタチン様作用によって次の様な影響がある。

    オクトレオチドは鎮痛剤様の作用を持ち、μ-オピオイド受容体部分作動薬である[15][16]

    薬物動態

    筋肉内注射

    筋注時、オクトレオチドの血中濃度は25〜34日で最高血中濃度Cmaxに達し、その前後でCmaxの80%以上であった期間は17〜19日間であった[1]

    皮下注時、オクトレオチドは速やかに完全に吸収され、およそ0.6時間後にCmaxに達した。その後の血中半減期 t1/2は平均1.78時間であった[2]

    点滴静注した際には、オクトレオチドの消失は2相性を示し、それぞれの半減期は10分と90分であった[8][9]

    適応外使用等

    出典

    関連項目

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