オデッサ戦車
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生産と実戦

開発は1941年8月に始まり、市内に多数存在したSTZ-5装軌式農業トラクターを流用する形で、オデッサ自動車工場の技師により開発された[1][2]。トラクターの上部を切断し、そこに箱型の装甲車体を載せるという設計である[1][2]。装甲は最大20ミリで、銃弾や榴弾片への防御には十分であった[2]。車体上部には全周旋回式の砲塔を搭載しており[1][2]、搭載兵器はDT機銃の他、1-K 37mm対戦車砲、19-K 45mm対戦車砲などまちまちであった。
既存のトラクターに多少手を加えたに過ぎないため、生産は容易であった。製造数は、68両とする資料[1]や、55から69両とする資料[2]などがある。
とはいえ、その分構造的に相当無理をしている感じは否めない。速度は7km/hしか出ず、元々戦闘用ではない車体に装甲や兵器を搭載して無理矢理動かしており、稼動の度に酷い騒音が生じた。
しかし実戦に投入されると、いざ侵攻してきたルーマニア陸軍は本車の存在に驚き、一部の部隊を後退させることに成功した。元より本車は生産後も戦闘よりも敵軍に重戦車のように見せての威嚇、擬装が主目的であったため、限定的には目的を達成したと言える。 装甲はトラクターの馬力を辛うじて妨げないレベルのものであったが、小火器程度であれば耐えることが出来た。さらに包囲戦での主敵たるルーマニア軍には対戦車火器が不足しており、本車の存在は十二分に脅威となった。 そのため、ルーマニア軍は数少ない戦車部隊をオデッサ包囲戦に投入することとなり徒に戦車部隊の損耗を拡大させてしまう結果となった。