オブセッション 災愛
2025年のアメリカ映画
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『オブセッション 災愛』(オブセッション さいあい、原題:Obsession)は、2025年に製作されたアメリカ合衆国のホラー映画。監督は本作が長編デビュー作となる20代のカリー・バーカー。主演はマイケル・ジョンストンとインディ・ナバエレッテ。原題は「強迫観念」の意味。
ヘイリー・ニコール・ジョンソン
クリスチャン・マーキュリー
ロマン・ヴァリス
レオノーラ・ダービー
マーク・レイン
デビッド・ハリング
ルザンナ・ケゲヤン
| オブセッション 災愛 | |
|---|---|
| Obsession | |
| 監督 | カリー・バーカー |
| 脚本 | カリー・バーカー |
| 製作 |
ジェームズ・ハリス ヘイリー・ニコール・ジョンソン クリスチャン・マーキュリー ロマン・ヴァリス |
| 製作総指揮 |
ジェイソン・ブラム レオノーラ・ダービー マーク・レイン デビッド・ハリング ルザンナ・ケゲヤン |
| 出演者 |
マイケル・ジョンストン インディ・ナバエレッテ クーパー・トムリンソン メーガン・ローレス |
| 音楽 | ロック・バーウェル |
| 撮影 | テイラー・クレモンズ |
| 編集 | カリー・バーカー |
| 製作会社 |
ブラムハウス・プロダクションズ キャップストーン・スタジオ ティー・ショップ・プロダクションズ アンダー・ザ・シェル |
| 配給 |
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| 公開 |
|
| 上映時間 | 108分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $750,000[1] |
| 興行収入 |
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日本公開時のキャッチコピーは“「最愛」のあの子が、「災愛」に変わる――”
概要
ストーリー
楽器店でアルバイトをしている冴えない青年ベアは、同じバイト仲間であり片思いをしている女性ニッキーに愛されたいと思っているが、気弱なベアは彼女に自分の気持ちを告白する勇気すらない。二人の共通の友人イアンとサラはベアの恋の悩みを見守っていたが、サラも密かにベアに想いを寄せていた。
ベアはうっかりネックレスを失くしてしまったニッキーに、新しいアクセサリーを買ってあげようと向かったニューエイジ系の雑貨店で、珍しい商品に興味をそそられた。それは“ワン・ウィッシュ・ウィロー(願いの柳)”という、2つに折ると1度だけ願いごとが叶う小さな魔法の玩具だった。ニッキーの心を射止めるため、ベアは6ドルで買った謎めいたアイテムに手を出す。
「世界で誰よりも僕を愛してほしい」というロマンチストな若者の祈りは届いたかのように思われたが、願いごとには「暗く恐ろしい代償」が伴うことを次第に知らされる。まじないの効果で性格が豹変したニッキーは、危険なほど彼に執着するようになり、恐ろしい結果を招くことになる。
キャスト
スタッフ
- 監督、脚本 - カリー・バーカー[11]
- 製作 - ジェームズ・ハリス[11]、ヘイリー・ニコール・ジョンソン[11]、クリスチャン・マーキュリー[11]、ロマン・ヴァリス[11]
- 製作総指揮 - ジェイソン・ブラム[11]、レオノーラ・ダービー[11]、マーク・レイン[11]、デビッド・ハリング[11]、ルザンナ・ケゲヤン[11]
- 撮影 - テイラー・クレモンズ[11]
- 編集 - カリー・バーカー[11]
- 美術デザイン - ヴィヴィアン・グレイ[11]
- 特殊メイキャップ - アリー・シェホーン[9]、アリッサ・ホルブルック[9]
- 視覚効果スーパーバイザー - ドリュー・ルイス・ゲラ[9]、ピーター・ティンバーレイク[9]
- 衣裳デザイン - ブレア・ジェームズ[11]
- 小道具 - ルーク・カル[9]
- スタント・コーディネーター - ジェン・アルバート[9]
- キャスティング・ディレクター - スカイラー・ザーン[11]
- インティマシー・コーディネーター - ジェン・アルバート[9]
製作

映画監督を志望する、当時24歳の青年カリー・バーカーは、短編映画を撮って映画祭に出品することが監督への道だと思っていた。だが、YouTuberのダニー&マイケル・フィリッポウ兄弟がA24の目に留まり、ホラー映画『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』(2022年)を監督して成功を収めた例があったので、バーカーは注目を集めるため自分のYouTubeチャンネルに短編『The Chair』をアップロードした。2023年のことだった[12]。映画製作会社ティー・ショップ・プロダクションズのプロデューサー、ジェームズ・ハリスはYouTubeこそ未開拓の才能を探す場所のひとつと考えていたため、視聴した『The Chair』を気に入り、チャンネルの主バーカーに連絡をした。ハリスはバーカーに長編映画の脚本を書いたことはあるかと訊いてきたが、バーカーは既に人に見せられるシナリオを書き上げていた。「実は今、『Obsession』というタイトルの、凄く面白い企画に取り組んでいる所なんです。もし宜しければ話を聞いていただけませんか?」というバーカーにハリスが興味を示したことで、企画を売り込めることになった[13]。
『オブセッション』のアイデアは、バーカーが友人たちと一緒にコメディドラマ『フィラデルフィアは今日も晴れ』を観ていた時に訪れた。番組冒頭で『ザ・シンプソンズ』の古いエピソードが再放送され、バート・シンプソンが“猿の手” [注 1]を入手して大混乱が起きる内容だった。「“願いごとには気をつけろ”という教訓的な寓話はこれまで沢山観てきましたが、狂気をはらんだストレートなホラーでこのアイデアを使えないかと考え始めたんです」とバーカーは語っている[14]。バーカーはティー・ショップ・プロダクションズとやりとりを進めながら、8カ月かけて映画のシナリオを完成させた。内容の詳細は伏せられていたが、早ければ2024年の10月から撮影に入る予定だとされた[15]。
映画の中に登場する印象的なキー・アイテム「ワン・ウィッシュ・ウィロー(願いの柳)」は、バーカーが子どもの頃に遊んでいた、いたずら用玩具のペンから着想を得た部分がある。美術デザイン担当の女性ヴィヴィアン・グレイと小道具係のルーク・カルは、現存するそのペンを探し出して分解し、ギミックの一部をワン・ウィッシュ・ウィローに組み込んだ[10]。この商品を収めるパッケージは、モダンでクールな色調の物から曲線的なデザインまで、様々な形式が検討された結果、細長い三角柱に落ち着いた。コンセプトとしては、個人経営のジョーク・グッズ店で売られているような、怪しいジョーク玩具を彷彿とさせ、不気味な使用用途をより一層不穏なものに感じさせるというものだ[10]。パッケージはバーカーがグラフィックデザイナーの母親と共同でデザインした。「ずっと昔からある、とても親しみやすくて、ちょっと不気味な雰囲気の物にしたかったんです。デザイナー業の母に協力してもらって、1950年代から1980年代あたりの、いつ頃作られたのか分からないようなレトロな感じのパッケージを狙いました」[13]。バーカーは「ワン・ウィッシュ・ウィロー」に関する詳細な設定やルールは決めておらず、観客の解釈に委ねたいと話している。バーカーが唯一断言しているのは「基本的に“ワン・ウィッシュ・ウィロー”は善でも悪でもなく、願いごとそのものと、使用者の言葉遣いによってのみ効力を発揮する」というものだ[10]。
キャスティング

沢山の俳優がオーディションを受けに来てくれたが、狂気的な演技が上手くても日常の芝居が良くない人、あるいはその逆のケースの人もいて、両方の世界のバランスを取れる役者を探し出すのに時間を要した。そんな中で見つけたマイケル・ジョンストン は、まさにバーカーにとって理想的な俳優だった。単にイケメンというだけでなく、バーカーは彼の声に惹かれた。「実生活でのマイケル(ジョンストン)は自信家で、自分の意見をハッキリ言う男でしたが、オーディションでは優柔不断で内気なベアの人物像を見事に演じてくれました。それで迷うことなく、彼に決めました」と、バーカーは話した[13]。
2011年のテレビドラマ『ティーン・ウルフ』の出演経験を持ち、ホラー・ジャンルに馴染みがあったジョンストンだが、『オブセッション』は多層的な主人公を通して、暗く不気味なホラーの世界に足を踏み入れる初めての挑戦となった。「このベアという役柄を演じるにあたって、共感できて他人から好感が持たれる人物像を維持するのは、凄く難しいだろうなと思っていました。特にベアが(観客から見て)間違った決断を下そうとする時はなおさらです」とジョンストンは、自分が演じるキャラクターへの感想を述べた[16]。「ベアを演じて、彼の現実逃避的な態度がずっと気になっていました。おそらく祖母が亡くなったことで家を相続し、大事なペットを失い、多くの喪失感を経験したベアは祖母が服用していた薬を飲んで気持ちを紛らわせているのかも知れない。彼は多くの問題を抱えているのに、そのどれにも向き合おうとしません。ベアは自分が崇拝する女性が全てを解決してくれるだろうと信じている、勇気をふり絞ることも、責任を持つこともできない男なんです」[16]。
悪い結果を招く“恋の呪い”をかけられるベッキーにふさわしい女優を探すのは容易ではなかった。ベッキーには恐怖と強さの他に、儚さも表現してもらう必要があったためだ。バーカーの脚本には多くの曖昧なニュアンスが含まれていたが、その意図をインディ・ナバエレッテは鮮やかに捉えていた[17]。
他のキャストを探す時と同じように、ニッキー役を見つけるのにも少し時間がかかりましたが、インディにはある種の自然さがあったんです。このキャラクターを“フリーキー(変態的な)ニッキー”と“普通のニッキー”のふたつに分けて考えた時、インディは本当にユニークな何かをもたらしてくれました。この役柄に彼女が持ち込んできたのは、何というか…「私も男友だちよ」という、ちょっと生意気っぽい感じの態度です。それを見て私は「ああ、こりゃ最高だ。ベアが完全に“友だちゾーン”にいるような気分にさせてくれるな」って思ったんです。 — カリー・バーカー[17]
映画の中でニッキーが見せる不気味な微笑みなど数々の表情は、CGIやAI技術に頼らずにインディ本人が演じた。ニッキーが突然あげる大声と奇声も、「出来る限り人を不快にさせること」―つまり、どうすれば他人を不愉快な気持ちにさせられるかを念頭に置きながら取り組んだという[18]。彼女はニッキーを演じるにあたって、『ヘレディタリー/継承』(2018年)のトニ・コレットと、『Pearl パール』(2022年)のミア・ゴスからインスピレーションを得たと語っている[19][20]。
撮影
新人監督のバーカーにとって初めての大作かつ長編映画への挑戦だったため、撮影開始当初は試行錯誤を重ねた。物語の大部分を占めるベアのアパートは、深みが感じられる部屋にしたいと思ったが、これまで部屋のセットをカスタマイズした経験がないバーカーは苦労した。幸いにも自宅付近で、改修すれば撮影に使えそうな本物の家を見つけ、美術監督ヴィヴィアン・グレイと一緒に、バーカーは自分の希望を伝えながら壁紙やソファを選んでいった[13]。
撮影を始めた頃の総予算は65万ドルしかなく、20日間の撮影期間は苦労が多かった。その後、追加撮影の必要が生じて、少しだけ予算も追加された。特にオープニングシーンは完全に撮り直すことになった。この映画の初期オープニングは、ベアの部屋で彼の飼い猫が死んでいる場面だったが、観客はいきなりのことで何が起きているのか話についていけないだろうと思われ、ダイナーでベアとイアンが会話するシーンを新たに撮影した[13][21]。
あくまで作品規模はインディーズ映画だったため、ロサンゼルスとその周辺のロケで使えるものは限られ、追加撮影も含め26日間という急ピッチなスケジュールで進められた[18][21]。ベアたちがアルバイトで働いている楽器店は、『ウェインズ・ワールド』(1992年)の撮影でも使われた「Cassell's Music(キャッセルズ・ミュージック)」で、ニッキーとベアが夕食を採るレストランは、カリフォルニア州バーバンクにあるピザ店リトル・トニーズ。ベアがニッキーのためにパワーストーンを買いに行く、スピリチュアルなアクセサリー店「グリーンマン・ストア」と、映画序盤に出てくるバーの「ローライク・タバーン」もバーバンクにあり、映画に登場する店はセットではなく、全て実在する店舗を撮影に使わせてもらった。最終的な総製作費は75万ドルだった[1][21]。
撮影中のバーカーは、役者の芝居を長回しで撮ることにこだわっていたので、編集段階で大きな課題に直面した。それは撮影時に多くのカットを撮っておかないと、ポストプロダクションで映画のテンポを上手く調節するのが難しいということだ。彼はこの映画の経験を通して、撮影中に物語のテンポを見つけ出すことの重要性を知った[10]。
これまでYouTubeの動画制作を1人でやっていたバーカーは、メイク担当、衣装担当、美術担当など、各部署の責任者を探すプロセスに関わったことがなかった。本作のプロデューサー ヘイリー・ニコール・ジョンソンはバーカーと同い年で、皆で何かを成し遂げなければならないといった共同意識と、この作品は大きなチャンスになるだろうという思いがあった[21]。「この映画製作を通して、より多くの人と協力する方法を学びました」とバーカーは撮影後の印象を述べた。「自分のビジョンをとても大切にしているので、これまで多くの人を巻き込むことを恐れていたんです。でも、自分のビジョンや情熱を相手に伝えられれば、相手もそれに応えてくれるのだと今回のプロジェクトで知りました。同じことに情熱を注ぐ人々の強力な連帯感が、強いチームを生むのです」[14]。
ジョンストンは「ベアのような役を演じるのは、身体への負担も大きくて大変だった」と話した。「全てをセットの中に置いて家に帰れるようなタフさがあれば良かったんだけど、僕は毎日このキャラクターと一緒に生きていたと思う。この映画のほぼ全てのシーンで、ベアは恐怖を感じているか、あるいは強いストレスに晒されているかのどちらかだ。撮影期間中、僕はその不快感を全部楽しもうと思って、ちょっと変になってしまったよ」と、撮影の印象を語った[16]。
公開
完成した映画は2025年9月5日のトロント国際映画祭・ミッドナイト・マッドネス部門で上映されることになった。今まで国外に出たことがなく、大きな映画祭に参加したこともないバーカーは夢のような気持ちだった[13][14]。トロント映画祭の2日後、ホラー映画情報サイトの「Deadline.com」は、フォーカス・フィーチャーズが映画祭での大型買い付け作品として『オブセッション』と交渉中だという独占情報を掲載した。まだ確定はしていないが、米国内と海外での配給を併せて契約は1,500万ドル以上になるのではないかと予測されている[22]。
その後の続報で、フォーカス・フィーチャーズはフランス、ニュージーランド、ロシアを除く全世界での本作の配給権を獲得し、2026年5月15日の劇場公開を予定していることが発表された。国際配給はユニバーサル・ピクチャーズが担当する[23]。
アメリカ国内での公開後、『バラエティ』は2026年5月17日付の記事で「新作映画の中でも好調なスタートを切った『オブセッション』は、2,615館で1,600万ドルの興行収入を記録し、『プラダを着た悪魔2』に次いで興行3位にランクインした」と報道した。映画の観客を対象とする市場調査会社CinemaScore(シネマスコア)の出口調査では「A-」の平均評価で、興行収入の長期的成功が期待された。この時の記事で、フォーカス・フィーチャーズは前年のトロント映画祭で本作の権利を1,400万ドルで獲得したと明かされている[24]。
興行
2,615館の劇場で公開された『オブセッション』は、予想されていた興行収入800万ドルから900万ドルを大きく上回って上映3日間(2026年5月18日時点)で興収1,720万ドルとなった。映画祭で買い付けられた作品の大半がストリーミング配信に直行して劇場公開されないか、アート系作品として公開規模が制限されることが多い中、この興行収入のスタートはかなり印象的だと指摘されている[25][26]。製作費75万ドルながら公開初週末に1700万ドル超の興行収入を記録し、北米興行収入ランキング1位を獲得したのは、21世紀の全米興行ランキング1位作品としては、最も低予算で達成された事例の一つとなった[27]。
公開第2週目の週末(5月22日〜24日)には上映館が新たに40館増えて2,655館に拡大し、初登場から39%増の興収2,390万ドルを記録した[28]。公開初週から39%もチケット売り上げが上昇したのは異例の増加率と捉えられ、特にホラー映画は第2週目以降、興収が急激に落ち込む傾向が強いため、こうした記録は非常に珍しい。これも21世紀では初のこととなった。 2025年の大ヒット作『WEAPONS/ウェポンズ』を含め、2019年以降に観客から「A-」の高評価を獲得したホラー映画は3作品しかない。30年以上にわたり、映画興行収入の分析を行なっている会社コムスコアの市場動向責任者ポール・ダーガラベディアンは「これは本当に前代未聞です。公開2週目にこれほど急上昇した映画は、これまで見たことがありません。観客がこの映画を高く評価している証拠でしょう」と語り、口コミの強さも見逃せないと考えられた[29]。
公開 3週目で2,640万ドル、累計興行収入は1億470万ドルとなり、ユニバーサルの専門レーベル、フォーカス・フィーチャーズの配給作品としては米国で史上最高の興行収入を記録した。2週目の週末に大規模公開の映画でこのようなことが起こったのは、同じユニバーサル配給の『E.T.』(1982年)以来の出来事だという。全世界興行収入は、ユニバーサル配給と非ユニバーサルの地域を合わせて1億4,800万ドルに達していた[30]。3週末目にも10%増加し、予算の200倍以上の興行成績となったのは、予算が100万ドル未満の映画として史上最高の収益である。
6月28日には、世界興行収入で3億7120万ドルを稼ぎ、『罪人たち』を抜いて、2020年代で最も高い興行収入を記録した実写オリジナル映画となった。7月7日には、4億400万ドルを記録し、『燃えよドラゴン』を抜いて、正式に映画史上最高収益を上げた予算100万ドル未満の作品となった。7月12日には、世界興行収入が4億2000万ドルとなり、『シックス・センス』を抜いて、史上最高の興行収入を記録したオリジナルホラー映画となった。
フォーカス・フィーチャーズは、この予想外の大ヒットを受けて『オブセッション』のデジタル配信開始までの期間を延長することに決めた。映画はアメリカ国内で1億570万ドル、海外で480万ドルを稼ぎ出し、全世界の興行収入は1億5050万ドルに達していた。当初の予定では2026年6月2日からVODなどでデジタル配信される予定だったが、好調な興行成績を受け、配信を先延ばしすることを決定した。デジタル配信開始は6月下旬開始になる見込みだが、劇場公開が好調を維持すればさらに延期される可能性もある[31]。製作会社ブラムハウス・プロダクションズのCEOジェイソン・ブラムは、この映画の成功で1,700万ドルの報酬を得たと報道されている[10]。
評価
レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは、261人の批評家レビューで95%の支持率を集め、平均評価は8.1/10点となった。同サイトの総評は「不快な設定に巧みなひねりを加え、巧妙に観客の心を掴む結末へと導いた『オブセッション』は、圧倒的な不気味さを放ちつつも、時に笑いを誘い、スリル満点な作品となっている」というものだった[32]。IMDbの評価では8.1/10点と、平均より高いスコアを集めている[33]。加重平均を用いるMetacriticは、35件の批評家レビューに基づいて100点満点中77点を与え、「概ね好意的」の評価を示した[34]。
『ハリウッド・リポーター』の記者フランク・シェックは「この映画は、ベアを同情すべき被害者として描くのではなく、ニッキーの愛情が偽りものだと知りながらも、最初はそれを享受する共犯者として描くことで、物語に複雑さを加えている。ジョンストンは、無理に好感を持たれるわけでもなく、時に哀れな人物として見られることを厭わない、見事な演技を見せている」と、ベアの人物造型を肯定的に評した[35]。
『バラエティ』誌のガイ・ロッジは、「『オブセッション』は、古くからある“猿の手”の比喩を現代的に焼き直した、単純な、それでいて少し馬鹿げたものに見える。しかし、その軽率な願いの結果のように、それは不気味なほどに忘れがたいことがわかる。バーカーは笑いを誘う場面と同様に衝撃的な場面も慎重に選び、その効果を最大限に引き出すようなタイミングを計り、不必要な説明や背景設定にエネルギーを浪費することはない」と監督の巧みな演出に言及した[36]。
『IGN』のマット・ドナートは「これはサイコパス的な要素を持つ、究極のアンチ・ロマンティック・コメディだ」と述べた。「ベアは猿の手を使ってニッキーの気を惹くことに成功するが、彼女の愛は雪だるま式に膨れ上がり、彼が制御することの出来ない破滅に向かって突き進む。ニッキーの執着は悪化の一途を辿り、まるでスティーヴン・キングがシェイクスピア悲劇を書いたような、胸をえぐる結末を迎える。『オブセッション』は、計り知れないほど陰鬱な教訓的な物語ではあるが、同時に非常に見応えがあり、かつエンターテイニングな作品でもある」と、ドナートは映画を絶賛した[37]。
イギリスの大手新聞『ガーディアン』は、「『オブセッション』は、後悔することになる願いごとをした男の物語で、おなじみのホラー映画の定番テーマ“願いごとには気をつけろ”を、これまで見てきたものよりも巧妙に練り上げた形で描いている」とレビューに書いた。「設定の馬鹿馬鹿しさから想像されるよりも深刻な作品だが、バーカー監督はそれでも、真面目ぶったトラウマ・ホラーの退屈な哀歌に溺れることは避けている。片思いの相手が、突然あなたを好きになってくれたら、どんな気分になるだろうか? 欲望には代償が付きまとう、というテーマは『サブスタンス』と間接的に類似しているが、こちらは血みどろの陰鬱さを描き出している。ニッキーが次に何をするのか、その予測不可能性が私たちを不安な緊張状態に陥れる」と好評価を寄せて、映画に4/5点を与えた[38]。
この映画の副次的でユニークな出来事として、本編でベアが購入する魔法のアイテム「ワン・ウィッシュ・ウィロー」の通販サイトがWEB上に出現したことが挙げられる。NBCユニバーサル公式が仕掛けた手の込んだジョークで、ご丁寧にCM動画による使用法や、メーカー側のQ&Aが説明されている。だが、申し込もうと思っても“SOLD OUT(売り切れ)である[39]。
受賞とノミネート
| 映画賞 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| トロント国際映画祭 | ミッドナイト・マッドネス観客賞 | 『オブセッション 災愛』 | 準優勝 | [40] |
| シッチェス映画祭 | 最優秀長編映画賞 | ノミネート | [41] | |
| 審査員特別賞 | 受賞 | [42] | ||
| SOFC観客賞 | 受賞 | |||
| カルネ・ジョーヴェ賞最優秀映画賞 | 受賞 | |||
| サウス・バイ・サウスウエスト | フェスティバル観客賞 | ノミネート | [43] | |
| 2026シアトル国際映画祭 | 最優秀演技賞 | インディ・ナバエレッテ | 受賞 | [44] |
| マイアミ映画祭 | ジョーダン・レスラー新人賞 | カーリー・バーカー | ノミネート | [45] |
| パニック・フェスト | フェスト最優秀作品 長編映画 | ジェームズ・ハリス クリスチャン・マーキュリー ロマン・ヴァリス |
受賞 | |
| 最優秀監督賞(長編映画部門) | カリー・パーカー | 受賞 | ||
| 第9回アストラ・ミッドシーズン映画賞 | 作品賞 | 『オブセッション 災愛』 | ノミネート | [46] |
| 監督賞 | カーリー・バーカー | 次点 | ||
| 主演女優賞 | インディ・ナバエレッテ | 受賞 | ||
| 脚本賞 | カーリー・バーカー | 次点 | ||
| ホラー映画賞 | 『オブセッション 災愛』 | 受賞 | ||
| 第6回クリティクス・チョイス・スーパー・アワード | ホラー映画賞 | 『オブセッション 災愛』 | 未決定 | [47] |
| ホラー映画男優賞 | マイケル・ジョンストン | 未決定 | ||
| ホラー映画女優賞 | インディ・ナバエレッテ | 未決定 | ||
| 悪役賞 | マイケル・ジョンストン | 未決定 |