コア (ゲーム理論) From Wikipedia, the free encyclopedia コア (英: core) とは協力ゲーム理論における代表的な解の概念である[1]。 1953年にGilliesの学位論文の中で初めて定義された[2]。アルバート・タッカーらによる編著書『ゲーム理論論文集第4巻』(1959年)の中でマーティン・シュービックが一般均衡理論における契約曲線をコアとして一般化できることを証明して以来、経済学におけるコアの重要性が広く知られるようになった[2]。 提携形n人ゲーム ( N , v ) {\displaystyle (N,v)} を考える[† 1]。このゲームにおける実現可能な利得ベクトル x = ( x 1 , . . . , x n ) {\displaystyle \mathbf {x} =(x_{1},...,x_{n})} の内で提携合理性と呼ばれる条件を満たすベクトルの集合をコアという[1]。 提携合理性 Σ i ∈ S x i ≥ v ( S ) {\displaystyle \Sigma _{i\in S}x_{i}\geq v(S)} なお、提携合理性は以下に定義されるパレート最適性や個人合理性と呼ばれる条件を一般化したものであるから、コアに属する配分はそれらの条件を満たす[4]。 パレート最適性 Σ i ∈ N = v ( N ) {\displaystyle \Sigma _{i\in N}=v(N)} 個人合理性 任意の i ∈ N {\displaystyle i\in N} に対して x i ≥ v ( i ) {\displaystyle x_{i}\geq v({i})} したがって、 n = 2 {\displaystyle n=2} のとき、提携合理的な配分は「パレート最適かつ個人合理的な配分」として定義することも可能である[5][† 2]。 ワルラス均衡とコア 一般均衡理論において、ワルラス均衡がコアに含まれることが知られている[6]。 投票理論におけるコア この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)出典検索?: "コア" ゲーム理論 – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2009年10月) 選択肢が配分 (消費バンドルのリスト) であるときは、どのような非空の提携も配分をブロック (拒否) できると仮定するのは自然である。 しかし選択肢が (公共財の供給レベルなど) 社会的に決定すべきものであるときは、十分に人数の多い提携のみが与えられた選択肢をブロックできると仮定するのが適切である。そのような多人数の (「勝利」) 提携の集まりを「シンプルゲーム」( 単純ゲーム,投票ゲーム) と呼ぶ。「選好プロファイルにおけるシンプルゲームのコア」は、勝利提携のみが選択肢 x {\displaystyle x} を拒否して y {\displaystyle y} を実現することができるという考えに基づく概念である。このコアがすべての選好プロファイルに対して非空となる必要十分条件は、そのシンプルゲームの中村ナンバーによって与えられている。[† 3] 脚注 注釈 ↑ 集合 N = { 1 , 2 , . . . , n } {\displaystyle N=\{1,2,...,n\}} はプレイヤーの集合を表している。また、特性関数 v : 2 N → R {\displaystyle v:2^{N}\to \mathbb {R} } において、各提携 S ⊆ N {\displaystyle S\subseteq N} に対して実数値 v ( S ) {\displaystyle v(S)} は提携 S {\displaystyle S} のメンバーが協力することにより獲得できる便益の合計を表している[3]。 ↑ n = 2 {\displaystyle n=2} すなわち N = { 1 , 2 } {\displaystyle N=\{1,2\}} のとき、提携全体 2 N {\displaystyle 2^{N}} の非空な部分集合は { 1 } , { 2 } , { 1 , 2 } {\displaystyle \{1\},\{2\},\{1,2\}} である。 S = { 1 } {\displaystyle S=\{1\}} のとき Σ i ∈ S x i ≥ v ( S ) {\displaystyle \Sigma _{i\in S}x_{i}\geq v(S)} はプレイヤー1にとっての個人合理性 x 1 ≥ v ( { 1 } ) {\displaystyle x_{1}\geq v(\{1\})} を表しており、 S = { 1 , 2 } {\displaystyle S=\{1,2\}} のとき Σ i ∈ S x i ≥ v ( S ) {\displaystyle \Sigma _{i\in S}x_{i}\geq v(S)} はパレート最適性 x 1 + x 2 ≥ v ( { 1 , 2 } ) {\displaystyle x_{1}+x_{2}\geq v(\{1,2\})} を表している。 ↑ この節は、英語版ウィキペディア記事のCore(game_theory). Wikipedia: Free Encyclopedia. en:Core (game_theory) - 17 May 2011からの抄訳に基づいて作成された。 出典 1 2 岡田 2008, p. 224. 1 2 鈴木 1999, p. 191. ↑ 岸本 2015. ↑ 岡田 2008, pp. 222–224. ↑ 奥野 2008, p. 166. ↑ 奥野 2008, p. 167. 引用文献 岡田章『ゲーム理論・入門:人間社会の理解のために』有斐閣〈有斐閣アルマ〉、2008年。ISBN 978-4-641-12362-5。 奥野正寛『ミクロ経済学』東京大学出版会、2008年。ISBN 978-4130421270。 岸本信「協力ゲーム理論入門」『オペレーションズ・リサーチ』、343-350頁2015年。 鈴木光男『ゲーム理論の世界』勁草書房、1999年。ISBN 978-4326550371。 表話編歴ゲーム理論定義 非協力ゲーム 協力ゲーム 標準型ゲーム 展開型ゲーム ベイジアンゲーム 簡潔ゲーム(英語版) 情報集合 信念の階層 選好 進化ゲーム ハイパーゲーム(英語版) 行動ゲーム 解概念と精緻化 ナッシュ均衡 部分ゲーム完全均衡 Mertens-stable equilibrium(英語版) ベイジアン・ナッシュ均衡 完全ベイズ均衡 摂動完全均衡 プロパー均衡 ε均衡 相関均衡(英語版、ドイツ語版) 逐次均衡 準完全均衡 進化的安定戦略 リスク支配 コア シャープレイ値 パレート効率性 質的応答均衡 自己確証均衡 強ナッシュ均衡(英語版、ヘブライ語版) マルコフ完全均衡(英語版) 戦略的補完性 合理化可能性 直観的基準 戦略 支配戦略 混合戦略(英語版) しっぺ返し戦略 トリガー戦略 共謀(英語版) 後ろ向き帰納法 前向き帰納法 マルコフ戦略(英語版) 主人と奴隷 ゲームのクラス 対称ゲーム(英語版) 完全情報 完全情報ゲーム 完備情報 不完備情報ゲーム 確実情報 同時手番ゲーム 逐次手番ゲーム(英語版) 繰り返しゲーム シグナリングゲーム チープトーク ゼロ和 非ゼロ和 メカニズムデザイン 交渉問題(英語版) 確率ゲーム(英語版) 大ポアソンゲーム(英語版) 非推移的ゲーム グローバルゲーム(英語版) 特性関数型ゲーム 二人零和有限確定完全情報ゲーム ゲーム 囚人のジレンマ 旅人のジレンマ(英語版) 協調ゲーム(英語版) チキンゲーム ムカデゲーム(英語版) ボランティアのジレンマ(英語版) ドル・オークション(英語版) 男女の争い(英語版) スタグハントゲーム マッチングペニー(英語版) 最後通牒ゲーム じゃんけん 海賊ゲーム(英語版) 独裁者ゲーム(英語版) 公共財ゲーム(英語版) Blotto games(英語版) 消耗戦(英語版) エルファロル・バー問題 公平分割 行き詰まり(英語版) 割り勘のジレンマ Guess 2/3 of the average(英語版) クーン・ポーカー 交渉問題(英語版) スクリーニングゲーム(英語版) 囚人と帽子のパズル(英語版) Trust game(英語版) Princess and monster game(英語版) モンティ・ホール問題 クールノー競争 ベルトラン競争 シュタッケルベルグ競争 定理 ミニマックス法 ナッシュの定理 純化定理 フォーク定理 顕示原理(英語版) アローの不可能性定理 主要人物 ケネス・アロー ロバート・オーマン ケン・ビンモア サミュエル・ボールズ メルヴィン・ドレッシャー(英語版) メリル・フラッド(英語版) ドリュー・フューデンバーグ(英語版) ドナルド・ギリース ジョン・ハーサニ レオニード・ハーヴィッツ デイヴィッド・レヴァイン(英語版) ダニエル・カーネマン ハロルド・クーン エリック・マスキン ジャン=フランソワ・メルタン(英語版) ポール・ミルグロム オスカー・モルゲンシュテルン ロジャー・マイヤーソン ジョン・ナッシュ ジョン・フォン・ノイマン アリエル・ルービンシュタイン トーマス・シェリング ラインハルト・ゼルテン ハーバート・サイモン ロイド・シャープレー ジョン・メイナード=スミス ジャン・ティロール アルバート・タッカー ウィリアム・ヴィックリー ロバート・ウィルソン ペイトン・ヤング(英語版) 関連項目 コモンズの悲劇 Tyranny of small decisions(英語版) All-pay auction(英語版) ゲーム理論におけるゲームの一覧(英語版) Confrontation analysis(英語版) ゲーム理論家の一覧(英語版) 数学 経済学 進化論 集団遺伝学 オペレーションズリサーチ 社会生物学 環境社会学 クープマンモデル カテゴリ Related Articles