サブジ

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オクラのサブジー日本製 調理時間約10分 現地食堂一人前の量

サブジーヒンディー語:सब्जी sabzī,[1] ウルドゥー語: sabzī سبزی)と現地では語尾を伸ばして発音される。日本では「サブジ (Sabji, Sabzi)」となぜか語尾を縮めて表記されることが多いが、カタカナ表記では「サブジー」の方がより正確である。直訳すると「野菜」の単数形。北インド料理パキスタン料理の一種で、野菜の蒸し煮炒め煮のことである。これに肉や魚介類や玉子などの動物性食材が入るとサブジーではなく違う料理になる。また、日本の調味料のような動物性食材やアルコール類を使ったもの(麺つゆコンソメ、鶏がらスープの素、ワイン料理酒みりんなど)を入れると、現地でのサブジーではなくなる。ベジタリアンは動物そのものはもちろん動物性の加工品も食べないし、イスラム教徒はアルコール類を使った料理を食べることが宗教的に許されていないからである。現地でのサブジ―とは、ベジタリアンでもイスラム教徒でも安心して食べられる野菜料理である。そのため、一般の日本人が現地の人を自宅に招いて御馳走する場合には、このことを留意しておかなければならない。一方、乳製品には動物の殺生が伴っていないので、ホウレンソウカッテージチーズの料理はサブジーに分類されることがある。また、大粒のひよこ豆料理はダールではなくサブジーに分類されることもある。また、ジャックフルーツ果物だが、これもサブジーにされる。日本のカレーのように具を何種類も入れるのではなく、具は一つの料理に1 - 2種類のものが普通である。

蓋のある一つの鍋を使い、主にマスタードオイルなどの多めの植物油によって香辛料(スパイス)と香味野菜と塩を炒め、具の野菜を蒸し煮か炒め煮にして作る料理である。日本のようにタマネギもナスもジャガイモも水にさらすことはない。変色や雑味には香辛料の方が勝つので、その必要がないからである。ビタミンCカリウムの流失になるので、これらの野菜は水にさらさない方が栄養面では有効である。日本ではカレーのじゃがいもをシチューのような大きさに切るが、現地では小さめに切るので、伝統的な作り方では下茹で電子レンジの使用はしない。また、ホウレンソウはこまかく切るだけで下茹ではせず、伝統的な作り方では電動調理器具の使用はしない。と熱によって出た野菜の水分だけでできるので、素材が焦げるようなときを除いて基本的にはほとんど加えない。そのため、日本のカレーのような「ルー」はないし長時間煮込まない。店や家庭では一度の食事で複数のサブジ―を作るために、一つの料理を作るのに時間をかけていられないからである。主に使われる香辛料は調理に使用される順で、クミンシードまたはパウダー、コリアンダーパウダー、唐辛子粉、ターメリックパウダー、仕上げにガラムマサラ。主に使われる香味野菜はニンニクショウガタマネギトマト(この二つ、いずれも調味料であって具ではないので、細かく切って調理のはじめの方で形がなくなるまで炒める)。各配分は作る人によって異なり、店や家庭によって味は千差万別である。たとえば、クミンシードではなくクミンパウダーを使う店や家庭、ショウガは使ってもニンニクは使わない家庭、タマネギは使ってもトマトは使わない家庭、ガラムマサラを使わない店や家庭、クミン6:コリアンダー4の比率の店、クミン3:コリアンダー7の比率の家庭、フェヌグリークカルダモンシナモンクローブなど他の香辛料を加える店や家庭などなど。また、具の野菜を何にするかによって、これらの配分の比率は各店や家庭によってまた違ってくる。そのため、これらの素材の部分ではかなり自由度の高い料理であると言える。

現地ジャングル奥の洞窟に住む(電気やガスはないほぼ原始生活)聖人から、宿泊施設付きのヨーガの道場、農村部や大都市の一般家庭や食堂などにまで幅広く、日常的に作られて食べられている主菜である。現地の大衆食堂では、日本のカレーライスのように単品で注文するのではなく、2 - 3種類のサブジーを汁物ダール)漬物アチャール)と共にそれぞれ小皿で注文し、これも別皿で注文したロティチャパティご飯などの主食と共にあれこれ食べて味の違いを楽しむのが普通である。そのため、食堂でのサブジー一人前の量は、日本のカレー一人前の量の半分以下である。定食を注文すると、それらが一枚の大皿(ヒンディー語:थाली:thaalee:ターリー)に乗って出てくることもある。料理名に「サブジー」を付けなくても、ただ野菜名を言うだけで現地の食堂では通じる。ベジタリアンの多いインドと共に、肉食が一般的なパキスタンでもキーマなどの肉料理と共に副菜としてよく食べられている。ネパールでもサブジーと同じようなものがあるが、ネパール語ではそれを तरकारी:Tarakārī:タルカリーと言い、これも直訳すると「野菜」の単数形。日本のインド・ネパール料理店では、「タルカリ」と銘打って肉類を混ぜているところもあるが、それは日本人特有の発音と食材の好みに対する配慮であり、現地の「タルカリー」に肉類は一切入っていない。

脚注

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