ジェルメ
From Wikipedia, the free encyclopedia
ジェルメの父親のジャルチウダイはイェスゲイに古くから仕えた人物で、『元朝秘史』には、ふいごを携えた老人と書かれる。テムジン(後のチンギス・カン)が生まれた時、ジャルチウダイはテムジンに黒貂の産衣(ネルケイ)を献上し、そのとき産衣にくるまれていたジェルメをテムジンに仕えさせたいとイェスゲイに申し出た[3]。長じてボルテと結婚したテムジンがトオリル・ハンと義父子の関係を結んだ後、ジェルメはジャルチウダイに伴われてテムジンに仕える。弱小だったころのテムジンがメルキトの襲撃を受けた時、ジェルメはテムジンのブルカン岳への逃亡を助け、テムジンがチンギス・カンに即位すると、ボオルチュとともにケシク(宿衛)の統率を命じられた。
タイチウト部との戦いの中でチンギス・カンが負傷した時、ジェルメは意識を失ったチンギス・カンに常に付き添って血を口で吸出した。夜半にチンギス・カンが目を覚まして喉の渇きを訴えたとき、ジェルメは単身敵陣に忍び込んで馬乳と水を運び出した。翌朝回復したチンギス・カンはジェルメの献身的な看護と命がけで敵陣に忍び込んだ勇気を称え、これにブルカン岳での奮戦を合わせた三つの恩は決して忘れないと述べた。
ナイマンとの戦いでは、ジェベ、スブタイ、クビライら他の四狗と共に先鋒を務めた。1206年のチンギス・カンの第二次即位では第9位の功臣として顕彰され、罪を九度まで犯しても罰せられない特権と千戸長の地位を与えられる[4]。のち、チンギス・カン存命中にジェルメは没した[1]。