チープ・スリル

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リリース
録音 1968年3月2日  5月20日
ジャンル
時間
『チープ・スリル』
ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー英語版スタジオ・アルバム
リリース
録音 1968年3月2日  5月20日
ジャンル
時間
レーベル コロムビア
プロデュース ジョン・サイモン
ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー英語版 アルバム 年表
ファースト・レコーディング英語版
1967年
チープ・スリル
1968年
Be a Brother
1970年
ジャニス・ジョプリン 年表
ファースト・レコーディング英語版
1967年
チープ・スリル
1968年
コズミック・ブルースを歌う
1969年
『チープ・スリル』収録のシングル
  1. 心のカケラ英語版
    リリース: 1968年8月
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チープ・スリル』(Cheap Thrills)は、コロムビア・レコードから1968年8月12日に発売された、アメリカのロックバンド、ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー英語版の2枚目のスタジオ・アルバム。『チープ・スリル』は、リードシンガーのジャニス・ジョプリンがソロ活動のためにバンドを離れる前の最後のアルバムとなった。プロデューサーのジョン・サイモンは、ライブ・アルバムのような印象を与えるために聴衆の雑音を録音したが、多くのリスナーがこれを誤解した。唯一、「ボール・アンド・チェイン」のみが1968年3月8日のフィルモア・イーストのグランドオープニングのコンサートでライブ録音された。

『チープ・スリル』は批評面でも商業面でも成功し、ビルボード・トップLPチャートで間に2位を挟んで合計8週間1位を獲得した。2007年、本作はグラミーの殿堂入りを果たした[2]ローリング・ストーン誌は本作を、2003年の歴代最高のアルバム500選英語版の338位に位置付けた[3]。2020年のリストでは372位に変更された[4]

ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー(以下、ビッグ・ブラザー)は1967年のモントレー・ポップ・フェスティバルでの演奏で大きな注目を集め、同年メインストリーム・レコード英語版からデビュー・アルバム英語版をリリースした。その後、コロムビア・レコードはビッグ・ブラザーにニューアルバムのレコーディング契約をオファーしたが、メインストリーム・レコードとの契約解除に数か月を要した[5]。1968年に発表された大きな成功をおさめ、2位を挟んで8週間でチャート1位に留まった。

本作には「サマータイム」、「心のカケラ英語版」、「ボール・アンド・チェイン」という3曲のカバー曲が収録されている。「ふたりだけで」冒頭のバンド紹介でビル・グラハム英語版の声を聞くことができる。アルバム全体の生々しいサウンドは、バンドのエネルギッシュで活気に満ちたコンサートの雰囲気を効果的に捉えている。

このLPはステレオとモノラルの両方のフォーマットでリリースされ、オリジナルのモノラル盤は現在では希少なコレクターズ・アイテムとなっている。このアルバムは1970年代初頭に4チャンネル・フォーマットでのリリースが検討され、2002年に「心のカケラ」の1分38秒のエンディングが含まれたソニーのマルチチャンネル SACDとしてリリースされた。オリジナルの4チャンネル・ミックスは未発表である。

アートワークとタイトル

バンドによるジャケットのオリジナルデザインはメンバーが全裸でベッドに居る写真だったが、コロムビア・レコードに拒否されたので、アンダーグラウンド・コミックス作家のロバート・クラムによってジャケット絵が描かれた。クラムは当初、ジャケット裏面に自分の作品、表面にはジョプリンのポートレイトを配するつもりだった。しかしクラムの大ファンであるジョプリンが、コロムビアに対してクラムの作品を表面にするように要求した。このジャケットは、ローリング・ストーン誌の歴代最高のアルバムカバー100の9位に位置付けられている[6]。クラムは後に表紙のプリントの販売を許可し、その一部には販売前にサインもした。

コロムビア・レコードのアートディレクター、ジョン・バーグは、「(ジャニス・)ジョプリンが依頼し、彼女は『チープ・スリルズ』をオフィスの私に直接届けてくれました。R・クラムには一切変化がありませんでした。彼は『コロムビアの汚い金は要らない』と言って、報酬を拒否しました」と述べている[7]

少なくとも初期の版の1つには、ターバンを巻いた男性の吹き出しの中に「HARRY KIRSHNER! (D. GETZ)」という文字がかすかに見えており、これは最終シーンから削除された曲を指していると思われる。代わりに「ART: R. CRUMB」という文字が使われている。

アルバムのタイトルは当初『Sex, Dope and Cheap Thrills』になる予定だったが、コロムビア・レコードによって却下された[8]

このアートワークのパロディが2012年にリリースされたロード・オブ・アシッド英語版のアルバム『Deep Chills』のカバーに使用された[9]

発売と評価

本作はビッグ・ブラザーのデビュー・アルバムが発表されてから一年後の1968年夏に発売され、10月8日の週にはビルボード誌トップLPチャートで1位を獲得した。シングル「心のカケラ英語版」が大ヒットとなる中、本作は合計8週間1位を獲得し、同年の終わりには100万枚近くを売り上げ、年間で最も成功したアルバムとなった[要出典]。しかしジョプリンがソロ活動のために同年12月にグループを脱退したため、この成功は短命に終わった[要出典]

当初収録される予定だったアウトテイクは、ジョプリンのコンピレーション・アルバム『白鳥の歌[注釈 1][10](1982年)や、オリジナルのスタジオ録音とライブ音源全曲を収録したコンピレーション・ボックスセット『ジャニス英語版』(1993年)などに収録されている。1999年の再発盤には「フラワー・イン・ザ・サン」と「ロードブロック」のアウトテイクと、「マジック・オブ・ラヴ」と「キャッチ・ミー・ダディ」のライブ音源がボーナストラックとして収録されている。2018年、コロムビアは本作のセッションからのアウトテイクとその他の音源を集めたSex, Dope & Cheap Thrillsをリリースした[11]

批評家の反応

専門評論家によるレビュー
懐古的レビュー
レビュー・スコア
出典評価
AllMusic5/5stars[5]
Encyclopedia of Popular Music4/5stars[12]
Entertainment WeeklyA−[13]
Q4/5stars[14]
The Rolling Stone Album Guide3.5/5stars[15]

当時の批評では、ローリング・ストーン誌のジョン・ハーディンは『チープ・スリル』を「このレコードは、1) 良く制作された良質なロックンロールの録音ではない。2) ジャニス・ジョプリンの最高潮で最も激しい瞬間の録音ではない。3) 昨年発売された主流のレコードよりも優れているわけではない」と酷評した[16]

ロバート・クリストガウエスクァイア誌の自分のコラムでこれよりは熱中しており、このアルバムをビッグ・ブラザーの「最初のまともな努力」と呼び、「ジャニスの声をうまく表現しているだけでなく、常に過小評価され、常に成長を続ける彼女のミュージシャンたちに正義を与えている」と評した[17]。彼はジャズ&ポップ誌の批評家投票でこのアルバムを1968年の3番目に優れたアルバムに選んだ[18]

2000年台の回顧的レビューでは、AllMusicのウィリアム・ルールマンは『チープ・スリル』をジョプリンの「最高の瞬間」と称賛し、「(今日では)音楽のタイムカプセルのように聞こえ、ロック界で最も特徴的な歌手の一人を紹介する場であり続けている」と述べた[5]

エンターテインメント・ウィークリー誌のマーク・ワインガーテンは本作をブルースロックの最高峰と呼び[13]、ポール・エヴァンスは『ローリング・ストーン・アルバム・ガイド英語版』(2004年)の中で「その混沌とした疑似サイケデリックな栄光のすべてにおいて」アシッド・ロックの典型だと評している[15]。本作はローリング・ストーン誌の「史上最高のアルバム500選」で338位にランクインし、2020年版で372位にランクインしている[19][20]。同誌は1987年の「過去20年間で最高の100枚のアルバム」リストで50位にランクインさせた[21]。『死ぬ前に聴くべき1001枚のアルバム』にも収録された[22]。2013年3月22日にはアメリカ議会図書館によって「文化的、歴史的、または美的に重要である」と判断され、2012年の登録のために全米録音資料登録簿に保存された[23]。また『ピッチフォーク』によって1960年代のベストアルバムの163位に選ばれた[24]

収録曲

サイド1
#タイトル作詞・作曲原題時間
1.「ふたりだけで」サム・アンドリュー英語版Combination of the Two
2.「愛する人が欲しい」アンドリュー、ジャニス・ジョプリンI Need a Man to Love
3.サマータイムジョージ・ガーシュウィンアイラ・ガーシュウィンデュボーズ・ヘイワード英語版Summertime
4.心のカケラバート・バーンズ英語版ジェリー・ラゴヴォイPiece of My Heart
サイド2
#タイトル作詞・作曲原題時間
5.「タートル・ブルース」ジョプリンTurtle Blues
6.「オー、スウィート・マリー」ピーター・アルビン、アンドリュー、デヴィッド・ゲッツ、ジェイムズ・ガーリー英語版、ジョプリンOh, Sweet Mary
7.ボール・アンド・チェインビッグ・ママ・ソーントンBall and Chain
再発版のボーナストラック
#タイトル作詞・作曲原題時間
8.「ロードブロック」(スタジオアウトテイク)ジョプリン・アルビンRoadblock
9.フラワー・イン・ザ・サン英語版(スタジオアウトテイク)アンドリューFlower in the Sun
10.「キャッチ・ミー・ダディ」(1968年3月2日、デトロイトのグランド・ボールルームでのライブ)アルビン、アンドリュー、ゲッツ、ガーリー、ジョプリンCatch Me Daddy
11.「マジック・オブ・ラヴ」(1968年3月2日、デトロイトのグランド・ボールルームでのライブ)マーク・スポールストラ英語版Magic of Love

パーソネル

ビッグ・ブラザー・アンド・ザ・ホールディング・カンパニー

その他

チャート順位

チャート(1968年) 最高順位
Billboard Top LPs 1

認証

脚注

参考文献

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