デトロイト・メタル・シティの登場人物

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若杉公徳の漫画『デトロイト・メタル・シティ』に登場する人物の一覧。

  • 「声」はOVA版の担当声優、「演」は実写映画版の担当俳優。

インディーズ界でカリスマ的人気を誇る悪魔デスメタルバンド。メンバーはヨハネ・クラウザーII世(Gt,Vo)、アレキサンダー・ジャギ(Ba,Vo)、カミュ(Dr)の3人構成。キッス聖飢魔IIなどを彷彿とさせるフェイスペイントと衣装が特徴。熱狂的な信者(ファン)の間でクラウザーを中心とした各メンバーの数々の「伝説」がまことしやかに語られている。

デビュー初期よりその過激なライブパフォーマンスで話題を集めていたが、ブラックメタル帝王ことジャック・イル・ダークから伝説のギターを託されたことで知名度を拡大。それを快く思わない他アーティストから次々と対バンを申し込まれるも、ことごとく勝利を収める。また、ゲリラライブ中に止めに入った警察官を暴行する[1]など、実際に犯罪を犯しているが、事件現場からうまく逃げ出し、本当に本物だったのかどうか誰も確認できないため、逮捕はおろか事情聴取さえされることなく活動を続けており、ネット上においてもその人気は過熱の一途を辿っている。

一方で、雑誌『アモーレ・アムール』で行われた「ゲテモノバンドランキング」で1位に選ばれたり、週刊誌で「子供には聞かせたくないアーティスト」として認識されたり、「ファンになった」と語られただけで友人と絶交する者が出るなど一般人にはほとんど受け入れられておらず、楽曲の差別的内容に反発も多いため「メンバーは薬物中毒者や連続レイプ犯らしい」などの批判的なも流れている。また、実際に(故意・過失を問わず)彼らの活動によって人生を台無しにされたり物理的な被害を受ける人間も少なくない。

代表的なパフォーマンスは「DMC地獄の人文字(でぃー・えむ・しー じごくのひともじ)」。これを見た全ての者は皆呪われるという。ジャギがD、クラウザーがM、カミュがCのポーズをそれぞれ担当するが、多彩なバリエーションがある。

根岸 崇一(ねぎし そういち)
声 - 岸尾だいすけ[2] / 演 - 松山ケンイチ
本作の主人公。大学進学に伴い犬飼町(現豊後大野市)から上京してきた、心優しい青年。初登場時点で23歳、童貞。身長170cm、体重58kg、血液型A型。
大学の同級生の相川に自作曲を誉められたことがきっかけで、プロを目指すことを決意。卒業後にインディーズレーベル「デスレコーズ」と契約したが、本人の意に反し、DMCのフロントマン「ヨハネ・クラウザーII世」として活動していくことになる[3]
ポップミュージシャンを目指し、クラウザーとしての仕事の傍ら、事務所には秘密で路上でギター片手に自作曲を歌っているが、相川と佐治以外の大多数からのウケは芳しくない。一方でクラウザーとしては常に天才的なパフォーマンスを発揮し、とりわけギターテクニックは非常に高いのだが、普段の生活においてそのテクニックが発揮されている様子は見られない。
マッシュルームカット[4]・痩せ型で「ゴボウ」と揶揄されるひ弱そうな外見だが、農業を手伝っていたためか、の世話や草刈りトラクターの運転など、高い農業スキルを持ち、体力もそれなりにある。は飲めるが、あまり強い方ではない。大学ではフランス語専攻していたため、フランス語で会話ができる。紅茶を飲みながら、カヒミ・カリィのホームページと、加藤ローサと山野花江(後述)のブログをチェックすることが日課。好きな映画は『アメリ』。
いわゆる渋谷系のアーティストを信奉しており、特にカヒミ・カリィは全てのアルバムを所持するほどの大ファン。スウェーディッシュポップやフレンチ・ポップスなども嗜好する。映画版での携帯着信音フリッパーズ・ギターの『恋とマシンガン』であった。
嫌々クラウザーを演じている身だが、怒り嫉妬心などでテンションが上がった時は、自然にクラウザーの人格が顔を出す。この状態では罪悪感がなくなっているため、周囲の者が被害を被ることも多い[5]。またファミレスで3日間かけて相川のバストサイズを計算するなど、クラウザー化していなくても追い込まれた時は特に超人的な能力を発揮する。
基本的にクラウザーとしての自分を嫌悪していることからライブ後の打ち上げにもほとんど顔を出さないが、メンバーとの信頼関係は強く、対バンなどを通じアーティストとして純粋に対抗心を燃やすなど、本質的には「バンド野郎」である。
サタニック・エンペラー以降は徐々に人格がクラウザーと同化しつつあり[6]、日常生活でも頻繁にクラウザー的な言動が出るようになったり、自らの犯したクラウザーとしての悪行をあまり反省しないようになった[7]
北原に勝負を申し込まれた際、一度は断ろうとするも、北原のレベルの高い演奏に触発されたことで対抗心が生まれ勝負を請けるが、敗れて伝説のギターを奪われ、「メタルで負けた」ことにクラウザーとして初めて挫折を味わい自信を喪失。立ち直った後はメタルとの決別を決意し、一時的に行方をくらまし、オシャレなアーティスト志望の人々が集うシェアハウス「アートキワ荘」に身を寄せていた。しかし根岸の居場所を突き止めたデスレコーズ社長が送り込んできたメタルミュージシャン志望の男たちの影響によって復活、DMCとブラックデスDMCの対バンが行われている会場に駆けつけ、クラウザーI世との直接対決で見事雪辱を果たす。
それから暫くして、カールス秀喜のゴッドとしての振る舞いを客観的に見た結果、今の自分に不信感を抱き、再びメタルとの決別を決意。音楽修業のためフランスに留学するが、路上ライブでは日本のように罵声を浴びせられることさえなく、ただひたすらに無視され、「何でもいいから反応が欲しい」と思うあまり、「駄目だった時にぶつけてもらうために」とを用意するほど錯乱していく。
その後、和田からの手紙でデスレコーズ社長が倒れたこと、ゴッドに世界のデスメタルバンドが全滅させられたことを知り、「メタルをやりたくない」という本心とは裏腹に半ば本能的に日本に帰還。ゴッドとの対決に勝利した後、改めて相川に自分の正体を明かしてプロポーズをしようとしたが、当人には全く信じてもらえず、結局最後まで正体が露呈することはなかった。
映画版では、相川がクラウザーの正体に勘付く場面があり、ジャックとの対バンで勝利を収めた直後にクラウザーの姿で自作のポップソングを披露したことから偶然取材に来ていた相川に正体を勘付かれたものの、その時の根岸は完全にクラウザー化していたため、彼女の言葉を否定した。
前日譚では大学卒業直後、路上で歌っていたところ近くのラーメン店の店主から騒音扱いされギターを壊された恨みを晴らすため、自分の犯行だと思わせないよう誰かがトイレに忘れていた下品な衣装とギターを着用、店の前で騒音をかき鳴らすことで復讐を行う。だがそのラーメン店はメタルファンが集まる店であり、カリスマ的プレイヤーと誤解されデスレコーズ社長にも目をつけられてしまう。結果、衣装とギターを盗難したことの被害を届け出ないことと引き換えにDMCに加入することになったという経緯が明らかとなった。
ヨハネ・クラウザーII世(Johannes Krauser II)
声 - うえだゆうじ[2] / 演 - 松山ケンイチ(歌 - 冠徹弥
DMCのリーダーで、ギター&ボーカルを担当。頭に金髪フルウィッグ、顔に白塗り・隈取りのメイクを施して額に「殺」の字を書き込み、「覇獣の鎧」と呼ばれる銀色のコスチュームマントを纏う。後にジャック・イル・ダークよりSGタイプの通称「伝説の悪魔のギター」を譲り受けた(クラウザーII世が3代目)。
DMC信者からは「クラウザーさん」と慕われ[8]、崇拝されると同時に恐れられている。
当初のキャラ設定は「魔界出身の悪魔で、幼き頃に両親を殺害してレイプしたため服役していたが、バンド活動のために刑務所から出てきた」というデビュー曲の歌詞から派生したものだけだったが、その後、人権無視・女性蔑視などの非人道的言動、曲の歌詞や宣伝文句、数々の奇行を経て、時に根岸当人さえ全く知らない虚虚実実な逸話がファンを中心に広まっていった。
優れたギターテクニックを生かし、ギターを歯で弾くウィンドミル奏法といった奏法を得意とする[9] 他、1秒間に10回「レイプ」と「イ」の半分を叫ぶ[10]1秒間に10回レイプ発言」、相手の尻を平手でひたすら叩く「スパンキン風林火豚[11]」など多くの得意技を持つ。また、魔の刻印(サイン)はアーティストにありがちな凝ったものではなく、単に日本語名前を書いただけのもの。『ノ・ビーレ』という恋愛映画で役者デビュー(事実上の主演)も果たし、作品の題字も手掛けた。
ゴッドがメタル界を席巻する直前から再度行方をくらましていたが、日本武道館での式典ライブに乱入し、「メタルをやりたくない」という強い思いをゴッドとぶつけ合う。伝説のギターの弦が切れてゴッドに敗北しそうになった時、客席奥のデスレコーズ社長が持っていたクラウザーのギターを見て衝動的に伝説のギターを破壊し、自身が新たな伝説となった。その後もデスメタル界の生ける伝説として名を轟かせてゆくこととなる。
和田 真幸(わだ まさゆき)
声 - 中野裕斗[2] / 演 - 細田よしひこ
女のこととなると気が利く、細身で長髪の青年。メンバー中唯一、素でもバンドマン気質かつ常識人。身長174cm、体重63kg、血液型AB型。埼玉県出身。
お調子者だが、「ビッグになる」という夢のために日々指が動かなくなるまでベースの練習をしたり、新しいステージパフォーマンスの研究としてジャグリングの練習をしたりする努力家としての一面も持つ。素顔もイケメンでモテるが、メンバーとの合コンホストのような服装で参加するなど、ややズレた感性の持ち主でもある。
カラオケの持ち歌はL'Arc〜en〜Cielの『HONEY』やGLAYの『HOWEVER』『口唇』など。『HONEY』で95点を出したこともあるらしい[12]。また知り合いのビジュアル系バンドへの加入[13]や引き抜きにも応じるなど、デスメタルよりもビジュアル系バンドを好んでいるようである。
将来はソロ活動も考えており、「ジャギ With エメラルドファイア」という名のビジュアルを意識したバンドを結成する計画も持っているが、最初にデスレコーズ社長にそのアイディアを披露した際は、回し蹴りを食らわされる羽目になった。キャバクラでその話をした際は、ネーミングやスタイルがhide with Spread Beaverと似ているということで、X JAPANのファンであるキャバクラ嬢に好評を得たこともある。
根岸とは逆にアドリブセンスがなく、ステージ上以外でジャギとして振る舞うことも苦手。そのため、一度ステージに上がれば必ずファンを熱狂させる根岸の才能を高く評価しており、クラウザーとしての根岸をひそかに「メタルモンスター」と呼んで尊敬を捧げている。
DMC信者が騒動を起こした際には根岸(クラウザー)に責任を押しつけようとする小心な面がしばしば見られるが、DMCでの活動には誇りを持っていて、売れるためには手段を選ばない。PV撮影でも根岸が嫌がるほどの拷問めいたアイディアを積極的に出したりするが、義理堅い一面もあり、社長が倒れた際に食事が喉を通らなくなるほど心配したり、フランスへ渡った根岸に手紙と航空券を送り「中途半端なままDMCを辞めていいのか」と説得したりと、世話になった人への恩義を欠かさない。
そのルックスとベーステクはビジュアル系としても通用し、ポップス志向ながらその方面では全く認められない根岸とは対照的である。
DMC加入の経緯はオーディションであり、唯一普通の経緯で加入した人物。
アレキサンダー・ジャギ(Alexander Jagi)
ベースギター担当。一部楽曲ではボーカル、コーラスも兼任。信者からは「ジャギ様」とメンバー中唯一様付けで呼ばれている。
中分けしたロングヘアーのフルウィッグ、白塗りの顔、全身タイツの背中にデビルマンのような羽、という出で立ち。衣装やベースのストックがクラウザーに比べて非常に多く、ベースはサンダーバードプレシジョンベーススティングレイ東海楽器・Talboなどが確認されている。
「クラウザーII世との殺し合いの末バンドに加入したミュージシャンであり、連続放火魔」という設定。最初は単にジャギという表記だけだったが、後に登場したサタニック・エンペラー参加の契約書でフルネームが判明。
口から火を吹くパフォーマンスを得意とし、ライブ中で多用。これを披露すると、熱い信者から「焼き殺して」という物騒な声援が入る[14]。金玉ガールズとの対バンではこの火吹きが原因でライブハウス「渋谷ルタファー」を全焼させる事態を引き起こした。他にも火のついた松明でのジャグリングや側転などを器用にこなす。しかし、クラウザーやカミュのキャラがあまりに濃いためになかなか目立たず、社長から活を入れられることもしばしば。
解散ライブではソロで『グロテスク』を歌った。
西田 照道(にしだ てるみち)
声 - 保村真[2] / 演 - 秋山竜次ロバート
大まかな特徴はステレオタイプオタク像そのもの。眼鏡に豚鼻、背が低く小太り。常に上着をケミカルウォッシュジーンズに入れている。身長162cm、体重76kg、血液型B型。東京都出身。
『くいこみ戦隊ブルマちゃん』などアニメキャラクターを好む。また着用しているTシャツやトレーナーも『くいこみ戦隊ブルマちゃん』のロゴが入ったものが大半であることから、この作品に対して異常なまでに執着心を持っていることがわかる。
非常に口数が少なく、ボソボソした小声ながら大変な毒舌家で、メンバー(特に根岸)に対しても「能ナシが」「黙れカス」など、刺すような台詞が多い。また、女性に対しては卑猥な言葉しか話さない。笑う時に「ギィ」とを軋ませるような不気味な音を立てる。
行動も非常識的で、楽屋での自慰容疑、自宅での監禁容疑、指名手配容疑[15]など、様々な疑惑を抱える。だが、メンバーとは一定の交流を持っているようで、根岸とも個人的にゲームソフトの貸し借りなどをしている。一度だけ、根岸に借りた『ぼくのなつやすみ』の返却を巡って根岸と険悪な関係に陥り、DMC解散の危機を迎えたが、和田の尽力もあって結局和解した[16]
精神的に変身前と後がほとんど変わっていない真性の変質者であり、ある意味では公私共に最もメタルな生き方をしている。剃毛を性的に好むようである。
DMC結成前からゲームセンターの太鼓ゲームを荒らし回る人物として有名であり、その光景を見た社長に攫われる形で加入した。
カミュ(Camus)
ドラム担当。逆立てた金髪のフルウィッグにピエロを連想させるマスクを着用する[17]。信者からの尊称は「カミュさん」。
死体マニアで、そのドラムプレイは昔、特殊警棒で人をタコ殴りにしていた頃に身に付けた」という設定。また、デスメタルバンドでは珍しくワンバスである[18]
卑猥な妄想をエネルギーに、鬼畜的なドラムテクニックを発揮する。叩いて音が鳴ればキーボードでも叩き、ジャック・イル・ダークとの対バンでは、ジャックのペット「メタルコブラ」をスティック代わりにドラムを叩くという荒技を披露。金玉ガールズとの対バンでライブハウスが火事になった時にも周りが燃え盛る中で避難せずにドラムを叩き続けるなど、本来小心な根岸や常識人の和田と異なり、相当肝が据わっている。
ドラムスティックで女性の性感帯をピンポイントで刺激する「絶対性感」という得意技を持つ。サタニック・エンペラーの対パイパニック・チェーンソー戦ではレイをこの技でKO、さらにとどめにストリップショーのように札まで握らせ、ほとんど単独でDMCを勝利に導いた。

デスレコーズ(Death Records)

雑居ビルの雀荘とテレクラの間にある、DMCの所属事務所兼所属レーベル。DMC以外の所属アーティストは確認されていない。

梨元 圭介(なしもと けいすけ) / 資本主義の豚
声 - 松山タカシ[2]
デスレコーズに雇われたライブ時のサポートメンバー。身長165cm、体重72kg、血液型O型。鳥取県出身。好きな歌手は前川清。特技は目隠しをしてもクラウザーの臭いを嗅ぎわけること。達筆。加齢臭がキツいらしい。
楽器を演奏するのではなく、ライブ中にクラウザーに舞台上で暴行を受けて悦ぶM男役のパフォーマーである。素の根岸は申し訳ないと思っているが、梨元自身は真性のM男なので全く気にせず、やがて根岸もプロとしてプライドを持って豚を演じきる梨元に尊敬を覚え、お互いが厚い信頼で結ばれるようになった。根岸が帰省し、長期間ライブが行われなかった折にもライブハウスで帰りを待ち続け、「忠豚ブタ公」として銅像が立てられたこともある。
年齢ゆえにスタミナ不足が否めないが、暴行が限界まで達すると思わぬ力を発揮するようで、サタニック・エンペラー用に自分の衣装を新調してくれたデスレコーズ社長の期待に応えて、ポアゾンとの競豚対決では勝利に貢献。「豚が私を濡らせるとは思わなかったぜ!」との賞賛を賜った。
バツイチの中年男性で、別れた女性との間に中学生の子供がおり、年に一度だけ面会できるが、見習い豚の品川が企画した「豚イベント」と面会日が重なった時にはイベントを優先した。
パフォーマーとしての収入だけでは生活が苦しいらしく、DMCのライブが終わった直後ですらコンビニエンスストアアルバイトをしている。そこで出会い仲良くなった女性・上村(26歳、バツイチ)のため、一度だけ根岸の計らいで「資本主義の英雄」としてDMCのボーカルを務めたことがある。『家路』というタイトルのオリジナルソングも披露し、最初は上村も感動していたが、苛立ったクラウザーに邪魔されていつも通りの豚としてのパフォーマンスを披露する結果になってしまい、上村からは幻滅され実を結ばなかった。
クラウザーからもらったギャグボールを大切にしており、SMクラブの支配人に「汚いギャグボールだから買い直してやる」と奪われた際には足に噛み付き神奈川から東京まで走って帰ってきた。
映画版ではDMC信者のセリフで触れられているだけで直接登場しない。
デスレコーズ(ブラック&デスレコーズ)社長
声 - 小林愛[2] / 演 - 松雪泰子
DMCの所属事務所の女社長。本名は不明。身長165cm。金髪と右目の泣きボクロ、革ジャンファッションがトレードマークの中年女性。また、ピアスをしている。
タバコの火を自分の舌に押し付けて消したり、昼間から飲酒喫煙はもとより麻薬覚醒剤すらやっているような描写もあるなど、生き方そのものがデスメタルを地で行く女性。サディスティックかつ短気で気性が荒く、本気で怒ると常備しているバタフライナイフを容赦なく投げ付けるなど、身体能力の高さも相まってかなりの危険人物だが、意外にも甘いもの(生八つ橋)好きという面もある。また、根岸に敗北した元気を「豚なら雇ってやる」など面倒みが良い。バー「サンズ・オブ・サタン」を愛用しており、このバーには留学したケニーも訪れている。
物事の良し悪しを全て股間が濡れるか否かで判断しており、機嫌がいい時には「濡れさせてくれるじゃねぇか」、悪い時には「怒りで股間がヘソまで裂けた」といった突飛な発言をたびたび行う。また、「ユー達」など英語交じりの妙な喋り方をするが、連載が進むにつれてそのような台詞は少なくなっていった。
事務所の看板であるDMCのことは何より大事にしていて、彼女自身も熱狂的なファンである。その情熱が行き過ぎて、根岸の生活を普段からデスメタルに染めるために、グリとグラを引き連れてアパートに上がり込んで部屋を滅茶苦茶にしたり、反抗的な態度を取ったクラウザーに火を吹きかけ「DMCは私のものだ」と断言したこともある。そのため、根岸はクラウザーになりきっていても彼女だけは苦手である。 前日譚では「史上最濡のスリーピースメタルバンド」を作るため3匹のメタルモンスターを探す中、和田は普通にオーディションに来たところを採用し、西田はゲーセン荒らしをしていたところを攫い、そして根岸はグリとグラがトイレに忘れたギターと衣装を無断で着用して暴れていたため、窃盗として警察に突き出す代わりに自分のバンドに入るよう強要することでDMCを結成したことが明らかとなった。
ジャック・イル・ダークをデスメタルに目覚めたきっかけとして尊敬している。彼の自伝『ジャック・イル・ダーク 帝王の真実』をバイブルとし、携帯の着信音も彼の代表曲『ファッキンガム宮殿』。ジャック同様「ファック」が口癖で、気に入ったものに対しても「オーウ、ファ~ック」と発言するなど、すでに意味の崩壊が起こっている[19]
かつては「DEATH」という集団を率いてレベルの低いメタルバンドを襲撃していたが、当時ブラックカオスのリーダーだった北原元気の演奏に触発されて意気投合し、彼と共にブラック&デスレコーズを設立した。しかし後述の北原の逮捕の一件が原因で、現在は顔を合わせれば一触即発の関係になっている。
ゴッドが日本を席巻し始めた頃、根岸の脱退宣言を前に溜め込んでいた疲労が限界に達し「DMCは解散だ」のひと言を残して吐血、意識不明の重体に陥ってしまう。しかし、帰還したクラウザーとゴッドの最終決戦に病み上がりの状態で応援に駆けつけ、クラウザーの勝利のきっかけを作った。
グリとグラ
社長のデスメタル仲間。身長190cm、体重84kg。本名かどうかは不明。ボンデージファッションで大型バイクを乗り回す。
それぞれ片眉を剃っており、髪型はロード・ウォリアーズのそれを思わせるモヒカン&逆モヒカンヘアー。屈強な体で一言も喋らず、無言で笑うことも多い。社長の命令で根岸を拘束するなど、社長の忠僕である様子。パフォーマンスとして、黒のビキニパンツ一丁になり、頭の後ろで手を組み下半身をカクカクと前後させる卑猥なダンスを踊る。
映画版では犬(社長のペット?)として登場。
名称は児童絵本の『ぐりとぐら』が元ネタ。
ロザドニエゴリ・ボサラバロドス
声 - うえだゆうじ
社長がクラウザーII世の影武者として用意した、野球好きなラテン系外国人。身長178cm、体重74kg、血液型O型。ドミニカ共和国出身。
DMCを逃げ出した根岸の代わりにクラウザーの代役を務めるも、クラウザーのキャラクターを尊重しないパフォーマンスに怒った根岸に制裁されてしまう。その後、根岸が行方をくらましている間に再び代役としてステージに上がり、ブラックデスDMCとの対決では偶然にもクラウザーI世の「1秒間に12回レイプ発言」の秘密を暴き出した。DMCメンバーとの初顔合わせ以降、メンバーたちには「ロザド」という愛称で呼ばれている。
陽気な性格の好人物だが、額の「殺」の字を「投」と間違えて書いたり、歌詞にもメタルに無関係な改変を施すなど、代役としての技量には疑問が残る。音楽自体は好きだと言い、自前のラジカセを常時持ち歩いている。
彼が作中で歌った『グロテスク』の替え歌が自身を題材にしたものだとすれば、9人兄弟の長男で出稼ぎのために日本へ来たらしく、今でも野球が諦めきれない様子。野球では左投げ、ギターは右利きの持ち方で持つ。
品川 勇次(しながわ ゆうじ)
作中ではメジャーレーベルとされているナーフ・ミュージック・エンターテイメントの元社員。身長174cm、体重68kg、血液型A型。東京都出身。
DMCの話題性に目を付け、メタル以外の曲調の開拓やメンバーのソロデビューなど多方面展開の確約をエサにDMCを自社に引き抜こうと画策。兼ねてよりメジャー志向の強かった和田がその話に食いつき、根岸と西田も巻き込んでデスレコーズ社長に内緒で接触するも、接待に使用したキャバクラが社長の行動エリア内だったことが災いし、鉄拳制裁を喰らうこととなった。
その後、社長によって豚見習いとしてデスレコーズに移籍。パフォーマーとしての豚の生き様に次第に心酔するようになる。
チェン・ミンシク
DMCの面々が地方公演の帰りに列車事故に巻き込まれて東京でのライブに間に合わなかったため、ロザドと共に代役として呼ばれた中国人の男。ジャギの代役担当だが太り気味。普段は中華料理店で働いており、得意料理はチャーハンらしい。
ダルハム
DMCの面々がライブに間に合わなかったため、ロザドと共に代役として呼ばれたインド系の男。カミュの代役担当。ヨガやヘビ操りが得意な模様。

クラウザーI世とその関係者

北原 元気(きたはら げんき) / ヨハネ・クラウザーI世(Johannes Krauser I)
かつてデスレコーズがブラック&デスレコーズだった頃に所属していたアーティスト。身長168cm、体重70kg、血液型B型。静岡県出身。
デスメタルバンド「ブラックカオス」のリーダー「死神G」として活躍し、殴り込みに来た若き日のデスレコーズ社長と意気投合。圧倒的な楽才と暴力で日本のメタルシーンを席巻した。その後社長に片想いするようになったが、気持ちを抑えきれず彼女の尻を触ったことで痴漢扱いされ逮捕され、社長からも「レイプならともかく、痴漢などというちっぽけな性犯罪に手を染める男などもう悪魔ではない」と縁を切られる。服役中にも数々の問題を起こし、長らく刑期が延長されていたが、出所後はクラウザーI世を名乗り、自身の想いとプライドを踏みにじった挙句、弁解の余地すら与えず見捨てた社長に復讐を果たすべく、DMCとデスレコーズに対して様々な妨害を仕掛けていく。
クラウザーII世の「1秒間に11回レイプ発言」を超える「1秒間に12回レイプ発言」などの技を持ち、対バン企画を潰す、デスレコーズの事務所を荒らすなどの妨害を次々に仕掛け、さらにDMCに恨みを持つ人物を集めてDMCと同名のバンド(後に「ブラックデスDMC」に改名)を結成して一気にDMCの人気を奪い、ついには自らの演奏で根岸をクラウザーとして覚醒させた上で打ち負かして伝説のギターを奪い、「メタルで負ける」挫折を味わわせた。
DMCとの対バンでは当初は優位に立っていたものの、復活したクラウザーII世が会場に現れたことで形勢が逆転。『恨みはらさでおくべきか』に相当する『祟り』という新曲で投獄時代の恨みを歌うが、器の小さいクラウザーにそのエネルギー差で圧倒され、さらに「1秒間に12回レイプ発言」は実は口の中にバネを仕込むという工夫により行われていたインチキ技であったことを観客の前で暴かれてしまい、挙句に実際の姿までもを晒され、敗北することとなった。
前述の逮捕の一件で社長を恨んでいたが、実際は社長に対する想いを捨て切れていなかった。本家DMCに敗れた後、観客の前で社長に自らの想いを告白し、101回のプロポーズを敢行するも鉄拳制裁により玉砕。その後「元気BAND」を新たに結成し、デビューシングルをDMCやデズムのニューシングル発売予定日に合わせて発売した。
その後はデスメタルバンドを潰して回るゴッドと対決するがあえなく敗北。この時、懲りもせずにまた口の中にバネを仕込んでいたことが判明する。
「元気」という名前は東宝の映画『DMC』広報担当者の川村元気から。
ブラックデスDMC
北原がDMC打倒のために結成したバンド。メンバーはヨハネ・クラウザーI世(Gt,Vo)、ナオキ(Gt)、レモン(Dr)、鈴木(Ba)の4人で、この他に北原がブラックカオス時代に倒したアーティストのエンマ加藤を牛(資本主義の豚に相当するパフォーマー)として擁する。
鈴木以外は全てDMC関係者に恨みを持つ人間で構成されている[20]。かつてDMCの成し遂げた偉業をことごとく完遂してファンを奪い、関係者(普段の根岸)を襲って伝説のギターをも強奪、本家DMCに真っ向勝負を挑んだ。
ナオキ
DMC信者の1人で、非凡なギターテクの持ち主。DMC脱退を目論んだ根岸から後釜に勧誘されるが、それを知った社長が根岸に制裁を加えたため、結果的に一方的に約束を破棄されたことになり恨みを抱く。
その一部始終を見ていた北原に拾われ、彼と手を組みブラックデスDMCに加入。その後は北原と行動を共にするようになり、本家DMCとの対決でブラックデスDMCが敗れた後も北原についていった。
レモン
秋葉原のゲームセンター「シリウス」の頂点に君臨する凄腕オタクゲーマー。ニートであるが故の膨大な空き時間を使って腕を磨いていることから、「ニートの皇帝」の通称で知られる。頭髪はカツラである。
リズムゲーム『太鼓の超人』を自慢の十八番とし、驚異的なドラムテクと持久力を身に付けている。パフォーマンスを交えながらのプレイで、普通にプレイしている有名リズムゲーマーとの対戦を圧勝するほどの腕前を持つ。
秋葉原のオタクたちにアイドル扱いされるシリウスの美人女性店員の独占を狙ったため、オタク仲間から阻止の依頼を受けた西田扮するカミュと『太鼓の超人』で対決しようとする。しかし、その風体から入店拒否されて不戦敗になりかけたことを焦ったカミュによる「本人への直接攻撃」という反則技でノックアウトされた上にカツラの秘密まで暴露され、地位を失う。その後北原に拾われ、彼と手を組みブラックデスDMCに加入した。
全裸の男
ブラックカオスの元メンバーの1人で、常に全裸で演奏していた男。I世とII世の戦いを観戦し、北原の101回のプロポーズを『SAY YES』を歌って盛り上げた。現在はサラリーマンをしているらしい。

DMCの支援者

DMC信者

メンバーのあらゆる行動を好意的に解釈(勘違い)してくれる妄信的・狂信的、かつ熱狂的なオーディエンス。フリーター、映画監督から根岸の肉親まで、様々な分野に存在する。ほぼ全員が悪魔的な化粧を施したり、露出度が高い服またはゴスロリボンデージ系ファッションを着ているのが特徴。

DMCのためならば時間、予算、職業などの全てを投げ打ってどこにでも駆け付け、X JAPANファンの「We are X!!」を彷彿とさせる「Go to DMC!!」の掛け声の下、非常に高い団結力でDMCを力の限り応援する。

一方で、DMCを罵倒したり蔑んだりする者には子供であろうと容赦なく制裁を下し、他のアーティストのファンと抗争を起こすなど、社会的に問題になりそうな行動も数多く行っている。

ほとんどが名無しのモブキャラクターだが、クラウザーの奇行を強引に正当化する重要な存在として扱われており、

  • クラウザーさんに○○なんて関係ないんだ!
  • 出たー、クラウザーさんの○○だ~!
  • キサマSATSUGAIするぞ!
  • それはクラウザーさんに対する冒涜か!

などの名言(迷言)を次々と生み出している。

DMC伝説の半分以上は彼らが勝手に妄想した末に吹聴し広まったもので、その都度根岸が事態を収拾するためクラウザーとなって活動するも、皮肉にもその意図とは逆に逸話の裏付けを作ってしまい、毎回火に油を注ぐ結果になっている。

ファンの鑑/レッド[21]
声 - 前田剛[2] / 演 - 大倉孝二
普段からクラウザーを真似て額に「殺」の字を入れている、体格のいい長髪の青年。本名は不明。劇中でも一度も名前を呼ばれることはなかったが、ヒーローショーで「レッド」の役を演じていたため、作者も「レッド」と呼称していたことを明らかにしている。一緒に行動している友人らしきインディアンヘアに鼻チェーンの青年(声 - 矢部雅史[2] / 演 - 岡田義徳[22]と共に、根岸からは「いつもライブに来るファンの人」と認識されている。
DMCのコピーバンドをやっている姿や、ヒーローショーのスーツアクターなど多数のアルバイトをしている姿が描かれるなど、登場回数・台詞いずれも多く、事実上DMC信者の中心人物となっている。
腕っぷしも相当強く、クラウザーに殴りかかったアサトを一撃で失神KOさせ、元プロボクサーのKIVAクルーを傷一つ負わずに倒し、フットサルの試合でインターハイ出場経験者をあっさり抜き去り「レベルが違う」と言わしめるなど、各所で無駄に優れた能力を発揮する。また、バイト先でクラウザーに遭遇すると、バイトそっちのけでクラウザーのサポートに回っては、更に事態を混乱させることも少なくない[23]
長らく「ファンなのにクラウザーに犯られていない」ということにコンプレックスを持っていたが、ゴッドとの最終決戦後のライブでクラウザーの手招きを受けてついにステージに上がり、尻を叩かれるという最高の栄誉を授かったことでコンプレックスを乗り越えた。
サタニック・エンペラーで俊彦と知り合い、クラウザーとゴッドの最終決戦の時点ではいつの間にか親しい関係を築いていた。
彼の他、中華料理店「ラーメン 満」で働く辮髪の男、『キン肉マン』の登場キャラクター(バッファローマンブロッケンJr.[24]など)にそっくりな風貌の男たち[25]、帽子を被りクラウザー風のメイクをした小太りの女(演 - 小林きな子)、頭の半分を剃りあげた神奈川県内のSMクラブに勤める女などが準レギュラー的存在として登場する。
前日譚では元々はメタルファンが集まるラーメン店に勤めていた強面の男で、店の前で演奏していた根岸を営業の邪魔だとして突き飛ばし、ギターも破壊する。これにより根岸は初めてクラウザーとしての邪悪な内面を発露させ、グリとグラがトイレに忘れていた衣装とギターを使い営業妨害のために店の前で騒音をかき鳴らす。だがその悪魔的パフォーマンスは彼とメタルファンの客、そしてデスレコーズ社長を心酔させ、結果的にDMC誕生のきっかけを作ることになった。
深津 良太(ふかつ りょうた)
声 - 浜添伸也
病で床に臥せっているDMC信者の青年。イベントに赴く際は髪型をモヒカン刈りにしている。
クラウザー宛にファンレターを送り、そこに「手術が失敗したら生きていけない」と書かれていたことで、クラウザーがわざわざ果物を持って自宅に来訪。クラウザーはレコーディング中だったことから「もしお前が明日手術を受けると約束するのなら、お前のために1秒間に11回レイプ発言を達成してみせる」と宣言、その後宣言通り見事達成するが、病気は風邪で、受ける手術は包茎手術だった。
クラウザーたん
声 - 伊瀬茉莉也
番外編「デトロイト・モエ・シティ」に登場した幼女。クラウザーと同じメイクを顔に施し、額には「しゃちゅ(殺)」と書かれている。本名は戸澤ルナ(とざわ ルナ)。
ライブ会場のロビーでDMCの『メス豚交響曲』を歌い、白い液体(ミルク)を飲み、父親に襲い掛かった(抱きついた)ことで、多くの信者仲間から「将来有望」と称賛を受けた。
戸澤(とざわ)
「極東プロレス」所属のプロレスラーで、クラウザーたん(ルナ)の父親。一家揃ってのDMC信者で、デスレコーズに直接自分の試合への観戦招待を掛け合っている。
一方、ライブ会場のロビーで根岸に「小さい子にはDMCよりもっと違う曲を聴かせてあげた方がいいのでは」と指摘された際には「SATSUGAIするぞ」と凄んでみせた。
YASU
インターネットでDMCのファンサイトを立ち上げている管理人。本名他、正体不明。
サイトでは電子掲示板を開設し、まるでチャットのような賑わいを見せている。「最新情報」「ライブスケジュール」「管理人プロフィール」という定番コンテンツの他に「クラウザーさんの伝説とお言葉」「ジャギ様の放火現場」「カミュさんの惨殺ルーム」というアーカイブ的なコンテンツがある。
仁村(にむら)
帰国子女のDMC信者。本業はプロレスラーで、極東プロレスの若きエース。
積極的に盛り上げるようなリスペクト法(クラウザーを呼び捨て、演奏中に乱入しオリジナルの歌詞を挟むなど)で当初は他の信者の反感を集めていたが、上記の「ファンの鑑」との対決の末迎え入れられる。ちなみに、「ファンの鑑」を作中でファンの鑑と呼んだのは彼。
倉本 一樹(くらもと かずき)
富山県出身のDMC信者。信者仲間の女性・(あおい)に告白したいというファンレターを受け取った根岸は、彼の恋を実らせるため、デスレコーズ社長からの鉄拳制裁を喰らいながらも「猫が憑依」「地獄の人文字で富山県章を出す」といった滑ったパフォーマンスを行う。しかし彼も「スランプなのでは」と思い込み、葵に「クラウザーさんの唾を取ることができたら付き合ってほしい。最近のクラウザーさんはスランプ気味だから簡単」という旨のプロポーズをしたため、それを聞いた根岸の怒りを買ってしまう。
最終的にクラウザーの唾を取ろうとして捕まり、資本主義の豚にレイプされる「豚の種付けの刑」を受ける。これを見た葵は幻滅し、彼と別れてしまった。
モデルは実際に作者の元に届いたファンレターの内容であり、人物名も本人のもの。

その他の支援者

シゲおじちゃん
声 - 矢部雅史
根岸の住むアパートの管理人。身長163cm、体重52kg、血液型O型。茨城県出身。本名は不明。
心優しく親切な老人で、お菓子を差し入れするなど、根岸のことを何かと気にかけている。根岸にとっては東京での父親のような存在。口癖は「オロロロロ~」。
暴走したデスレコーズ社長とグリ・グラによって振り回されるうちに若い頃の勢いを取り戻し、DMCのファンになってしまった。DMCを「デー・エム・セー」、CDを「ドーナツ盤」と呼び、根岸の演技を「裕次郎の再来」「勝新の域に達してる」と評価するなど、時代を感じさせる発言も多い。
沢井“スペルマン”剛(さわい スペルマン たけし)
声 - 李闘士男
アンダーグラウンドでカルト的な人気を持つ、「B級映画界の奇才」と呼ばれる映画監督。身長168cm、体重64kg、血液型B型。山形県出身。代表作は『撲殺コップ』『殺戮のパンダ鮫』など。
熱狂的なDMC信者であり、デスレコーズ社長に自ら新作映画『ノ・ビーレ』の脚本を売り込み、クラウザーの出演を取り付けた。撮影中にクラウザーがアドリブを取ったのを受けて急遽独断で内容を変更、傑作となったことを確信するが、俳優側の事務所から訴えられあえなく公開は無期延期となる。
本官
交番勤務をしている警察官。本名は不明。普段は至って温厚な性格で、職務に忠実。以前上司がクラウザーの「ポリ殺し」[26] による被害を受けて以来、クラウザーを逮捕しようと執拗に追い続けているが、CDショップでの万引きや八百屋でのレタス盗難といった通報を受けても事あるごとに犯人がクラウザーであると決めつけるなど、どこか抜けている。
あくまでDMC信者ではないものの、捜査のためという建前でDMCのアルバム『魔界遊戯』を発売日に並んで購入し、先着限定特典のステッカーまで手に入れるなど、DMC信者に近しい行動も多く、クラウザーとゴッドの最終決戦の舞台となったライブ会場にも姿を見せていた。

根岸の家族・親族

根岸 俊彦(ねぎし としひこ)
声 - 加古臨王 / 演 - 加藤諒
根岸の弟で高校3年生。身長174cm、体重63kg、血液型O型。
兄と同じくポップスが好きで家族想いの心優しい少年だったが、根岸が上京した後ラジオで聴いたDMCの曲の虜になり、不良化。学校をサボり、肉親にも反抗的な態度をとるようになる。根岸が帰郷した頃には、勉強で問題を出されてもDMCに関連付けた回答しかできないほどのDMC信者になっていた。しかし、他の家族同様に天然ボケの気があるようで、実兄扮するクラウザーと対面した時も全くその正体に気付かなかった。
クラウザーの、DMCにかこつけた農作業の指南[27]と説教を受けて改心したかに見えたが、後にピンクのマッシュルームカットという暴走した姿でサタニック・エンペラーに来場。クラウザー(のふりをした根岸)からその髪型について「貴様の公然猥褻カット[28]は童貞丸出しの『思春期早漏ヘア』」と意にそぐわなかった旨の指摘を受けたことで、その償いとしてヘルヴェタのファンに喧嘩を売り、危うく生贄にされそうになった。根岸が朋子の結婚式のために実家に帰省した時には髪の毛の色を黒に戻している。
高校卒業と同時に同級生の女の子から告白され、その彼女が上京しているため遠距離恋愛中。その彼女に会いに行くために根岸と再会した際にはかなり更生した様子を見せた。
DMC解散騒動があった時期は、ファンであるにもかかわらず解散ライブに駆けつけずに彼女と過ごして童貞を喪失したことが根岸への手紙の中で明らかになっている。また、サタニック・エンペラーで上記のピンクのマッシュルームカットの自慢を通じて「ファンの鑑」と知り合い、クラウザーとゴッドの最終決戦の時点ではいつの間にか親しい関係を築いていた。
根岸 啓子(ねぎし けいこ)
声 - 井関佳子 / 演 - 宮崎美子
根岸の母。東京で一人暮らしをしている根岸を何かと心配して、たびたび野菜や米、吉四六漬など食べ物や手紙を送ったり、電話をかけてくるなどしている。少し心配性な、どこにでもいる農家のおばさんである。
突如家に現れたクラウザーを見ても一切うろたえず、「地獄から来た」という自己紹介を聞き違え、逆に「四国からわざわざ悪いねぇ」と歓迎し「クラちゃん」と呼んで朝食を振る舞う度量の広さを持つ。その際もクラウザーが実の息子であることにまるで気付かなかった、かなりの天然ボケ。また、俊彦が大事にしているDMCのTシャツを断りもせずに着て農作業を行うなど、あまり細かいことは気にしない性格である。
俊彦が「変な音楽(DMC)」に入れ揚げて不良化していることを一応悩んではいるが、根が大らかなのか、あまり深刻に捉えている様子はなく、俊彦がDMCに感化されて酷い言葉を浴びせても「あらあら」と和やかに返す。
サタニック・エンペラー時には、農作業中に田んぼから溝に落ちて足を怪我し2週間ほど入院していたことが俊彦の口から語られたが、根岸はその連絡を受けておらず、息子に余計な心配をかけまいという母の気遣いに胸を打たれ、代わりに自らの分身が引き込んでしまった俊彦を更生させることに苦心する。
映画版では、「もしクラちゃんに会ったなら渡してほしい」と根岸にお守りを託す場面がある。
根岸 一則(ねぎし かずのり)
演 - 菅原大吉
根岸の父。七三分けで眼鏡をかけ、農業従事者らしい逞しい体格をしている。根岸がまだ幼少の頃から農業のスキル(シイタケ栽培用の薪割りなど)を叩き込んでおり、それが後にDMCでのライブパフォーマンスに生かされることになる。
東京で定職に就かずミュージシャン活動を続けている根岸を心配し、コンバインの販売企業への面接を斡旋するなど、厳しさと優しさを併せ持つ古き良き日本の父親といった人物。他の家族同様、クラウザーの正体が実の息子であることには気付かなかったばかりか、クラウザーと共に朝食を楽しみ、帰りも少し残念がっていた。
一方、根岸が朋子の結婚式にてサプライズで自作した祝福曲を歌い始めた時には酔っ払ってふざけたと勘違いし、鉄拳で一喝した[29]
根岸 康一(ねぎし こういち)
根岸の祖父。どこにでもいる心優しい老人だが、痴呆の傾向があり、周囲に対しては「あべよし」(近所のスーパーマーケット)に行くことを誘う発言を繰り返している。
荒れ果てていた根岸家の土地を一から手作業で耕して立派な農場に復活させた苦労人で、根岸には尊敬する立派な先達として非常に慕われている。
後に家の屋根から落ちて怪我を負い、その連絡を受けた根岸は祖父を心配して実家へ戻ろうとしたが、運悪くその日に社長がライブの日程を決めてしまったため実家に帰れなくなってしまう。その後、根岸は彼が亡くなったとばかり思い込んでいたが、後に母からの連絡で彼は足をひねっただけで助かったと知らされた。
根岸 朋子(ねぎし ともこ) / 河野 朋子(かわの ともこ)
演 - 池澤あやか
根岸の妹で俊彦の姉。俊彦からは「朋ちゃん」と呼ばれている。職業は会社員で、根岸家の3兄弟の中ではある意味一番の常識人。しっかり者だが、寂しがりな一面もある。俊彦と同じく東京に上京した兄を尊敬している。
後に河野と結婚するが、結婚披露宴の最中にクラウザーが乱入し、悪魔なりの破滅的かつ暖かい祝福を受け思わず涙する。他の家族と同じくクラウザーの正体が崇一であることには全く気付いておらず、クラウザーのことを「クラちゃん」と呼ぶ。
根岸 信子(ねぎし のぶこ)
康一の妻で、根岸の祖母にあたる。作中では既に故人。康一との馴れ初めはお見合い。
河野 亮(かわの あきら)
朋子の夫だが、朋子からは挙式中にも「河野くん」と呼ばれていて、劇中では披露宴の司会者に一度下の名前を呼ばれたのみである。
地元の役場に勤務しており、顔が大きいため俊彦からは「顔デカ」と呼ばれる。大きいのは顔だけではないらしく、温泉で俊彦がその黒さ、太さ、グロテスクに光る存在感から「彼こそクラウザーの正体である」と決め付けて思わずDMCコールを連呼してしまうほどの股間のブツや、結婚式の披露宴にてクラウザーから数多くの恥辱的な拷問を受けても、心配して駆け寄る朋子に対して「みんなが楽しんでくれてよかった」と笑顔で言ってのける度量の大きさも持ち合わせる好漢。
モデルは映画にも携わった、豊後大野市役所勤務の同姓同名の人物である。

根岸をとりまく人々

相川 由利(あいかわ ゆり)
声 - 長澤まさみ[2] / 演 - 加藤ローサ
根岸が想いを寄せている大学時代の同級生であり、本作のヒロイン。現在は根岸が愛読するオシャレ系雑誌『アモーレ・アムール』の編集者をしている。身長162cm、体重48kg、血液型O型、のサイズは86cm(Dカップ)。東京都出身。
外見は美人でスタイルも良いが、性格は真面目なようでいてオトボケ気味。かなりの鈍感で、クラウザーの正体が明確にわかってしまうような場面でも全く気付いている様子がない。
根岸が発売されたばかりの新曲『グロテスク』の売れ行きを確認しに入ったCDショップ「JOWER RECORDS」で、根岸と大学卒業以来の再会をする。その後、雑誌取材でDMCのライブを訪れた際、『メス豚交響曲』の歌詞にショックを受け、さらにクラウザーに「豚の黒パンツの刑(スカートめくり)」をされた[30]ことで、「豚」という言葉に敏感に反応するほどのトラウマを負わされてしまった。
根岸と同じくスウェーディッシュポップが好きで、メタルなどの過激な音楽が嫌い。彼女が「ギターも上手いし、プロになれる」と誉めたことで根岸は本格的にプロのアーティストになる決心をしたので、路線が違うとはいえ、ある意味ではDMCとクラウザーII世の生みの親と言ってよいのだが、上記の最初の事件後もクラウザーによって数々の被害を受けたため、当人はDMCを最低のバンドと思っている。
クラウザーとしての人格が表面化した根岸からも「マンカス」「顔面クリトリス[31]」「エコノミックメス豚」など、あらぬ言葉で罵倒されたり辱めを受けたりすることが多いが、根岸の機転で関係の悪化には至らずに済んでいる。
根岸本人は片想いだと思い込んでいたが、最終話にて実は両想いだったことが判明。しかし、根岸が愛の告白と同時に自分の正体も打ち明けようと思い、クラウザーの姿で正体を明かしたところ、彼女はクラウザーに酷い目に遭わされ続けたこともあって「クラウザーの」嘘だと思い込み信じなかった上、根岸の方も自分自身がフラれたと勘違いしたため、暴走したクラウザーが彼女の口に自分の性器を押し込んだのち逃走という形に終わってしまい、結局最後の最後までお互いがそれぞれの気持ちを知ることはなかった。
山野 花江(やまの はなえ)
声 - 加藤ローサ
業界でも注目されている若手女優。映画『ノ・ビーレ』でヒロインのユウコ役を務める。根岸は彼女をデビュー時から応援しており、初主演の舞台『ブルーの構図のブルース』、映画『学園☆スカッシュ』など、出演作は事細かく観ている。
ベッドシーンがあることに悩みつつも事務所の契約通りにこなそうとするが、クラウザーのアドリブのおかげでヌードは見せずに済んだ。しかし、当初の脚本とは全く違う滅茶苦茶な内容に絶句してしまい、訴訟を起こす。
関 祐太郎(せき ゆうたろう)
相川が大学時代に付き合っていた元彼。サタニック・エンペラー開催日前日に根岸たちがフリーマーケットを出していたところに偶然通りかかり、相川と再会。そのまま居座り根岸の知らない相川との思い出話に花を咲かせたことで、嫉妬に狂った根岸は彼がフリーマーケットで買ったメタルのCDを流して幻滅させようとした挙句、曲を聴いているうちにクラウザー化し、ネクタイで自らの首を絞め上げながらその場を去った。
ちなみに彼の兄が聴いているバンド「ヘルヘッド」はタイムテーブルでは確認できないものの、サタニック・エンペラーに出場していることが観客の台詞でわかる。
メルシー
声 - 柊瑠美(映画版)
根岸がギター練習をしていた公園に捨てられていた子犬。根岸の弾くスウェーディッシュ・ポップが気に入ったらしく、懐いてきたことで根岸は「ありがとう」の意味を込めてメルシーと命名した。
後日、根岸が自らのもう一つの顔であるクラウザーの姿を見せたところ、威嚇された上に噛み付かれて見捨てられる。しかし置き去りにしたメルシーのことが気になったクラウザーがライブを途中で放り出して嵐の中を公園まで探しに行ったところ、今度は股間に噛み付いた上で何処かへ去っていった[32]。このことがきっかけで根岸は犬嫌いになってしまう。

東京オシャレ四天王

ライバルやその他の出演バンドたち

脚注

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