ピンチランナー調書
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単行本の帯には「著者の言葉・大江健三郎」と題して以下のコメントがある。
- 「死をおしつけてくる巨大なものへの最後の抵抗として、なにもかもを笑いのめし、価値転倒させる道化。文化人類学やラブレーや金芝河に学んだ道化の力をかり、僕自身のなかにつねにある哄笑への熱望もときはなって、僕はこの核時代のかげのもとにある、再生への希求を表現したいとねがった。」
また帯には次の惹句が記された。
- 「核時代の《終末》を拒絶する諷刺・哄笑の純文学長編!」「地球の危機を救うべく「宇宙?」から派遣されたピンチランナー二人組!「ブリキマン」の核ジャックによる民衆の核武装?……内ゲバ殺人から右翼パトロンまでを、奇想天外・変幻自在な暗黒ユーモアで描き、読者に希望と大笑いをもたらす!」
1990年代半ばの「大江健三郎小説」刊行時、その販促用のパンフレットにおいて、大江は自作解説として「私は、この世界の終り、という強い予感にとりつかれていたのだった。『洪水はわが魂に及び』は、ひとつの悲劇として、『ピンチランナー調書』は、喜劇として、しかしそれぞれに迫ってくる緊張感の中で書いた」と回想している[1]。