ブゴニア

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ブゴニア
Bugonia
監督 ヨルゴス・ランティモス
脚本 ウィル・トレイシー英語版
原作 チャン・ジュヌァン英語版
地球を守れ!
製作
製作総指揮
  • マーク・バーン
  • チャン・ジュヌァン
  • カーン・クォン
  • イ・ハンデ
  • ユン・サンヒョン
  • セブ・ショア
  • クリスチャン・ヴェスパー
出演者
音楽 イェルスキン・フェンドリックス英語版
撮影 ロビー・ライアン
編集 ヨルゴス・モヴロプサリディス
製作会社
配給
公開
  • イタリアの旗 2025年8月28日 (VIFF)
  • アメリカ合衆国の旗 2025年10月24日
  • 日本の旗 2026年2月13日
上映時間 118分[3]
製作国
言語 英語
製作費 $45–55 million[4]
興行収入 $41.6 million[5][6]
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ブゴニア』(原題: Bugonia)は、ヨルゴス・ランティモス監督、ウィル・トレイシー英語版脚本による2025年のブラック・コメディスリラー映画である[注釈 2]チャン・ジュナン英語版の2003年の韓国映画『地球を守れ!』の英語リメイクであるこの作品は、2人の若者からその正体が地球を破壊しようとしている宇宙人であると疑われ、誘拐される有力なCEOが描かれる。イギリスアイルランド韓国アメリカ合衆国の合作であるこの映画は、エマ・ストーンジェシー・プレモンスエイダン・デルビス英語版スタヴロス・ハルキアス英語版アリシア・シルヴァーストーンらが出演する。

映画の企画は2020年に始まり、チャンが監督、トレイシーが脚色、アリ・アスターがプロデューサーに就任した。その後チャンが健康上の懸念を理由に監督を降板し、エグゼクティブ・プロデューサーの立場となった。2024年2月までにチャンの後任としてランティモスが監督となり、さらに、ストーンが主演兼プロデューサーとしてプロジェクトに加わった。同年5月にプレモンスがキャストに加わり、その直後にフォーカス・フィーチャーズ第77回カンヌ国際映画祭中に配給権を獲得した。主要撮影は7月にイングランドのハイ・ウィッカム英語版ジョージア州アトランタで始まり、その期間中に残りキャストも発表された。また2025年5月にギリシャのミロス島での追加撮影が行われた。『ブゴニア』の推定製作費は4500万ドルから5500万ドルであるが、これはランティモス史上最高額である[4][16]

『ブゴニア』は2025年8月28日に第82回ヴェネツィア国際映画祭の主要コンペティション部門でプレミア上映され、さらに同年10月24日にアメリカ合衆国でフォーカス・フィーチャーズ配給により一般公開された。批評家の反応は概ね良く、ストーンとプレモンスの演技も高く評価された。両名は第83回ゴールデングローブ賞英語版第32回アクター賞で候補に挙がり、さらに第98回アカデミー賞でこの作品は作品賞主演女優賞を含む4部門で候補となった。

キャスト

※括弧内は日本語吹替。

製作

企画と脚本

チャン・ジュヌァン英語版の韓国映画『地球を守れ!』の英語リメイクの企画は、ウィル・トレイシー英語版が脚色し、チャンが監督を務めるという布陣で2020年に始まった[23]。プロデューサーとしてアリ・アスターと契約を交わしており、彼はトレイシーの起用と主人公から男性から女性に変更するというプロセスで重要な役割を果たした[18]。トレイシーは脚本に取りかかる前に『地球を守れ!』を一度しか鑑賞しておらず、2本の映画が互いに独立したものとなることを望んだため、脚本上でオリジナル版のストーリーを忠実に再現しようとはしなかったと述べている[24]

チャンは健康上の問題を理由として監督から退いたが、エグゼクティブ・プロデューサーとしてプロジェクトに引き続き参加した[19]。2024年2月、ヨルゴス・ランティモスがリメイク版の監督を務め、エレメント・ピクチャーズ英語版が製作チームに加わることが明らかとなった[25]。チャンはランティモスの起用を喜び、彼を映画の監督に「非常に適任」と評した[19]。またエマ・ストーンへの出演交渉も行われ、これで彼女はランティモスとの4度目のコラボレーションとなった[26]ジェシー・プレモンスは5月にタイトルが『Bugonia』に変更され、カンヌ映画マーケット英語版に出品された段階で正式にキャストに加わった[2][27]。10月にはアリシア・シルヴァーストーンがキャストに加わった[28]。2025年5月、エイダン・デルビス英語版スタヴロス・ハルキアス英語版の出演が明らかとなった[1]

この映画の題名は、ウェルギリウスの『農耕詩』を含む古代地中海の文献に記されている民俗儀式の名称である。この儀式では、ウシを犠牲に捧げることで、その死骸からミツバチ自然発生するを信じられていた[29]

撮影

ランティモスは『ブゴニア』に最後の場面をアテナイのアクロポリスで撮影するつもりだったが許可が得られず、代わりにサラキニコ海岸英語版で実施した。

主要撮影は2024年7月にイングランドのオックスショット英語版ハイ・ウィッカム英語版で始まった[30]。撮影はジョージア州アトランタでも行われ、10月に修了した[31]。作品中のオーキソリス本社の撮影場所として、ディットン・パーク英語版の共同ワーキングスペースであるボタニカ・ディットン・パークが使われた[32]。ランティモスは、『ブゴニア』の結末の場面をアテナイのアクロポリスで撮影することを希望したが、ギリシャ中央考古学評議会英語版が拒否したことで叶わなかった。代替地として、ミロス島サラキニコ海岸英語版が選ばれ、2025年5月に撮影が行われた[33]。製作費は4500万ドルとされていたが、『Deadline Hollywood』は実費は5500万ドルに達すると報じており、『哀れなるものたち』を上回ってランティモス作品で最高額となった[4]

これがランティモスとの4度目の共作となるアイルランド人撮影監督のロビー・ライアンは、ビスタビジョンカメラを用いて8パーフ-35ミリフィルムで撮影した[34][35]。ライアンの推定によると、この映画の約95%がビスタビジョンで撮影されており、これは『片目のジャック』(1961年)以来最も同フォーマットを多用した作品となっている[36]。頭を剃る場面は、カメラが止まりやすいという性質を考慮し、4台のビスタビジョンカメラを同時に稼働させてワンテイクで撮影された[37]

音楽

イェルスキン・フェンドリックス英語版が映画音楽を作曲・指揮し、ロンドン・コンテンポラリー・オーケストラ英語版が演奏した。フェンドリックスとランティモスの共作は、『哀れなるものたち英語版』(2023年)と『憐れみの3章英語版』(2024年)に続いて3度目である[38]。音響デザイナーのジョニー・バーン英語版によると、ランティモスはフェンドリックスに「ハチ」、「地下室」、「宇宙船」という3つのキーワードを基にスコアを書き上げるように依頼した。また彼はスコアを聞くまで、脚本やその他の映像素材を一切提供しなかった[39][40]

公開

マーケティング

2025年4月2日、シネマコンにおけるユニバーサル・ピクチャーズ/フォーカス・フィーチャーズのパネルで、ランティモスとストーン不在の中で映画の映像が初公開された[41]。6月26日には、グリーン・デイの曲「バスケット・ケース」を使用したティーザー予告編がオンライン上で公開された[42]。ヴェネツィア国際映画祭でのプレミア上映前日の2025年8月27日、初のポスターが公開された。翌日にはチャペル・ローンの楽曲「Good Luck, Babe!」のリミックスが使用された最初の公式予告編が公開され、映画で丸刈りになるストーンの姿が明らかとなった[43][44]

アメリカ合衆国の限定公開の1週間前には、作品世界観に基づくウェブサイト「Human Resistance HQ」が公開され、これはストーンが演じるミシェル・フラーのキャラクター解説、映画のプロットに関連する記事とファイル集、作中の企業であるオーキソリス社のLinkedInページのリンクが掲載された。さらにロサンゼルスニューヨークにオーキソリスの広告看板が設置され、それぞれに「アンドロメダ人の汚物」("ANDROMEDAN FILTH")と「人類抵抗軍に参加せよ」("JOIN THE HUMAN RESISTANCE")と落書きされた[45]

アメリカ合衆国での限定公開の4日前、ロサンゼルスのカルバー・シアターで事前無料試写会が開催され、会場に理容師が待機して頭を剃るサービスが行われ、観客全員が丸刈りで入場した[46]

劇場公開

2025年10月、ロンドン映画祭での英国プレミアで『ブゴニア』のプロモーションをするヨルゴス・ランティモス(左)とエマ・ストーン(右)[47]

『ブゴニア』は、2025年8月28日に第82回ヴェネツィア国際映画祭でプレミア上映された[48][49]。2024年5月のマルシェ・ドゥ・フィルム英語版にて、フォーカス・フィーチャーズCJ・ENMフィルムズ&テレビジョン英語版が権利を保有している韓国を除く全世界での配給権を獲得し、その親会社であるユニバーサル・ピクチャーズが国際配給を担うこととなった[2]。アメリカ合衆国では2025年10月24日に限定公開され、その1週間後の10月31日に拡大公開された[1]。当初の公開予定日は2025年11月7日であった[50]。アイルランドでは2025年10月31日、韓国では11月5日に公開された[51]。デジタル上映に加え、一部劇場では35ミリで上映された[52]

ホームメディア

2025年11月25日にビデオ・オン・デマンド(VOD)での配信、12月23日にDVDBlu-rayUltra HD Blu-rayの発売が始まった[53]

評価

脚注

外部リンク

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