ブリオッシュ (シャルダンの絵画)
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| フランス語: La Brioche 英語: La Brioche | |
| 作者 | ジャン・シメオン・シャルダン |
|---|---|
| 製作年 | 1763年 |
| 素材 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 47 cm × 56 cm (19 in × 22 in) |
| 所蔵 | ルーヴル美術館、パリ |
『ブリオッシュ』(仏: La Brioche、英: La Brioche)は、18世紀フランス・ロココ期の巨匠ジャン・シメオン・シャルダンが1763年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。「Chardin 1763」という画家の署名と制作年が記されている。おそらく1763年のサロン・ド・パリに出品された[1]。1869年にルイ・ラ・カーズから対作品の『ブドウとザクロ』[2]とともに遺贈されて以来[1]、パリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][3]。
ヴェルサイユ宮殿で華麗なロココ趣味の世界が展開されていた時代に、シャルダンは生涯パリの町をほとんど離れなかった[4]。そして、身近な物ばかりを描いて、流行を追うようなこともなかった[5]。

シャルダンの静物画は、厳しい造形と深い色調によって豊かな詩情を湛えている。彼は独特の厚塗りの技法を使ってあらゆる質感を描き分けたが、単なる技術を超えて、それぞれの事物が固有の生命感を持つ、不思議に静謐な世界を創造した[5]。シャルダンは自分の仕事ぶりを誰にも見せず秘密にしていたので、人々は「彼は魔法のような秘密の技法を持っている」と噂したほどであった。シャルダン自身、「私は絵具を用いて仕事をするが、心で描く」といっている[5]。
本作の構図の中心には、大きな黄金色のブリオッシュが置かれている[3]。そのやわらかく、おいしそうな表面が食欲をそそる。シャルダンの細部への関心は、このブリオッシュの表面に明らかである。ブリオッシュの左横には花柄の模様のある陶器の砂糖入れがあり、その蓋はやや開いている。贅沢な感覚を添えている、右側にあるワインの優雅な瓶の暗色は、ほかの事物の明るい色合いと対照をなしている[3]。
シャルダンの見事な明暗法は、画面中に感じられる。テーブル上のブリオッシュとほかの事物はやわらかな拡散する光に浸されており、それらの質感と形態が明らかにされている。左から差し込む光はそれぞれの事物の輪郭を表す微妙な影を投げかけ、奥行き感を生み出している。一方、背景は意図的に暗く、曖昧にされ、ブリオッシュとほかの事物を主役として引き立てているのである[3]。