ヘリセン
化学物質
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概要
ヘリセンは1955年、「ニューマン投影図」の考案者として有名なメルヴィン・ニューマンらによって初めて合成された。不斉炭素を持たずとも、芳香環の混み具合によってキラリティが発現することを示した歴史的業績とされる。その後スチルベン型前駆体を光で異性化させ、ヨウ素などで脱水素芳香化して合成される手法が開発され、さらに長いヘリセンも合成が確認された。また最近ではビナフチル骨格からオレフィンメタセシスによってヘリセン骨格を合成する方法も報告されている。前者の手法で1975年に合成された[14]ヘリセンが長らく最長のものであった[1]が、2015年、スチルベン型前駆体を酸化的光環化させることで[16]ヘリセンが合成され、記録が塗り替えられた[2]。
ベンゼン環のみから成るヘリセンのうち、室温でもらせん構造のキラリティーを安定に保持し、かつ最も環の数が少ないものは[6]ヘリセン(別名ヘキサヘリセン)である。末端の芳香環同士の立体障害により、右巻きと左巻きのらせん型の異性体は入れ替わることができず、これら二つは互いにエナンチオマー(光学異性体)の関係にある。なお、環が一つ短い[5]ヘリセンもらせん型をとるが、これは室温において徐々にラセミ化する。
ヘリセンには、比旋光度が高いものが多く知られ、[6]ヘリセンの[α]Dは 3640°にも達する。[6]ヘリセンの最初の光学分割は、その結晶をピンセットで選り分け、旋光度を測ることで行われた。
