人形を抱く少女
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| ロシア語: Девочка с куклой 英語: Girl with a Doll | |
| 作者 | ジャン=バティスト・グルーズ |
|---|---|
| 製作年 | 1750年代 |
| 素材 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 65 cm × 55 cm (26 in × 22 in) |
| 所蔵 | エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク |
『人形を抱く少女』(にんぎょうをだくしょうじょ、露: Девочка с куклой、英: Girl with a Doll)は、18世紀フランスの画家ジャン=バティスト・グルーズが1750年代にキャンバス上に油彩で制作した肖像画である。1922年に芸術アカデミーから移管されて以来[1]、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている[1][2]。

18世紀半ばに、フランスの画家たちは、職人や働く家族や貧しい人々など一般大衆の肖像を描き始めた[1]。グルーズは17世紀オランダ絵画黄金時代の風俗画の影響下に「教訓的風俗画」を創始したが、彼の本領はむしろ肖像画にあったといえる[2]。グルーズの肖像画は大変に魅力的であると同時に、モデルの人物の真の姿を表わしているように見える。そして、彼の肖像画中で子供を描いたものは、特に重要な位置を占めていたようである[2]。
本作は、単純な構図や茶系統の色調、明暗の配分、几帳面な細部描写などの点でジャン・シメオン・シャルダンの作品を思わせる。しかし、グルーズの方がはるかに感傷的である[2]。作品は、パリの貧しい地域の少女を表している[1]。質素な服を纏った彼女は子供らしからぬ目に思わせぶりともいえる、ただならぬ気配を漂わせ[2]、胸に自分のわずかな宝物の1つである人形を抱きしめている。その姿は、実際のモデルを写生しているか、モデルを写生した素描にもとづいている[1]。
グルーズが比較的初期に描いた本作に見られる硬質な抒情性は、後に甘美で煽情的な雰囲気へと変質していった。シャルダンを詩人に譬えるならば、グルーズは通俗小説家だったのである[2]。