村の花嫁
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| フランス語: L'Accordée de village 英語: The Village Bride | |
| 作者 | ジャン=バティスト・グルーズ |
|---|---|
| 製作年 | 1761年 |
| 素材 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 92 cm × 117 cm (36 in × 46 in) |
| 所蔵 | ルーヴル美術館、パリ |
『村の花嫁』(むらのはなよめ、仏: L'Accordée de village、英: The Village Bride)は、18世紀フランスの画家ジャン=バティスト・グルーズが1761年にキャンバス上に油彩で制作した風俗画である。1782年に国王ルイ16世に購入され[1]、現在、パリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][2][3]。1761年のサロン・ド・パリで『結婚、花嫁の父親が婿に持参金を渡す瞬間』(けっこん、はなよめのちちおやがむこにじさんきんをわたすしゅんかん、仏: Un mariage, et l'instant où le père de l'Accordée délivre la dot à son gendre)という題名で[1][2]初めて展示され、哲学者で美術評論家でもあったドゥニ・ディドロを初めすべての批評家に称賛された。一躍グルーズの名を高めた作品である[2]と同時に教訓画の最初の作例で、グルーズはこのジャンルにしばしば立ち戻ることになった。
1761年のサロンで、ディドロは、グルーズが本作で「家庭史」という新しい絵画のジャンルを作り上げたと述べている。それまでの絵画で、模範的な行いや道徳的行為を伝えるのは歴史上の英雄であったが、グルーズは、自分と同じ時代を生きる平凡な人々にその役割を与えたのである[3]。
本作は、当時の風俗の正確な描写となっている[2]。情景はありふれたもので、右手前の公証人と家族が見守る中、花嫁の父が婿となる若者に娘の持参金を渡す場面である[3]。中央に白い花嫁衣装の若い娘と村の若者が立ち、若者は片手で持参金の袋を握っている[2]。小さな財布に入った金は、せいぜい結婚式の費用をまかなえる程度であろう。室内や農民たちの服装は質素である[3]。
画面には、様々な登場人物たちの心理的ドラマが描かれている。花嫁は喜びに溢れながらどこか淋しそうな表情で、その隣では妹が寄り添って別れを悲しんでいる。花嫁の手をしっかりと握る母親の表情にも、淋しさは隠せない。一方、父親の背後から花嫁を見つめる姉の視線には、嫉妬と羨望の色がうかがわれる。左下の隅で無邪気に鶏に餌をやる子供や背後の見物人まで含めて、結婚のもたらす様々な心理的反応が巧みに暗示されている[2]。グルーズが人間に対する深い知識と優れた観察眼を持ち、細部にまで愛情を込めて描いたことがうかがわれる[3]。
グルーズは、自分が歴史画家ではなく「単なる」風俗画家としてしか王立絵画彫刻アカデミーに受け入れられなかったことが不満で、道徳的な意味を持つ風俗画の価値を高めようとして、新古典主義の手法を用いている[3]。造形的に見ても、人物たち1人1人に変化を与えながら全体を大きな三角形の構図にまとめ上げており、グルーズの優れた構成力が見て取れる。当時のある批評家は、「彼 (グルーズ) の筆は、農村の風俗の本質的な真実を少しも損なうことなく、それを高貴なものたらしめた」と述べている[2]。