壊れた甕 (グルーズの絵画)
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| フランス語: La cruche cassée 英語: The Broken Vessel | |
| 作者 | ジャン=バティスト・グルーズ |
|---|---|
| 製作年 | 1772年ごろ |
| 素材 | キャンバスに油彩 |
| 寸法 | 108.5 cm × 86.5 cm (42.7 in × 34.1 in) |
| 所蔵 | ルーヴル美術館、パリ |
『壊れた甕』(こわれたかめ、仏: La Cruche cassée、英: The Broken Vessel)は、18世紀フランスの画家ジャン=バティスト・グルーズが1772年ごろ、キャンバス上に油彩で制作した絵画である。画家の最も著名な絵画作品で、ルイ15世 (フランス王) の愛人であったデュ・バリー夫人の注文によって制作された[1]。フランス革命中の1794年にデュ・バリー夫人から接収され[2]、現在、パリのルーヴル美術館に所蔵されている[1][2][3][4]。
グルーズは、同時代のロココ様式の画家の作品とは大きく乖離した、独創的な芸術観にもとづく道徳的絵画を制作した。彼は美術愛好家、特にパリの知的サークルに属する美術愛好家にすぐに知られるようになり、なかでも哲学者で美術批評家でもあったドゥニ・ディドロに高く評価された。グルーズは、1769年に王立絵画彫刻アカデミーの正会員として認められている[5]。
本作では、髪に花飾りをさし、胸にピンクのバラの花をつけ、お腹に花束を抱えた少女が泉水の側にたたずんでいる。一見、平凡な風俗画に見えるが、左乳房を露にした少女が手にする割れた甕やむしり取られた花弁が、失われた処女性を表している。グルーズは、壊れた水甕と失われた処女性を結びつけた当時の風刺詩にのっとって、この作品を描いたと言われている[3]。
かすかな官能性を感じさせる少女の愛らしさと、道徳的、教訓的意味との結びつきがグルーズの人気のゆえんであった[3]。ドゥニ・ディドロもこの作品にすっかり魅了され、「なんと美しいのだろう! なんと興味深いのだろう! 私自身が彼女の悩みの種であってもかまわない」と述べた[4]。