伍と碁

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伍と碁』(ごとご)は、原作:蓮尾トウト、漫画:仲里はるなによる日本漫画。『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2025年9号より連載中[1]。話数カウントは「第○局」。囲碁を主題とした週刊漫画誌の連載作品は、『ヒカルの碁』以来21年ぶり[2][3][注 1]。制作には日本棋院が協力し、棋士井山裕太及び寺山怜が監修を務める。2025年12月時点で累計発行部数が15万部を突破している[4]

ジャンル囲碁[1]
原作・原案など蓮尾トウト
漫画仲里はるな
出版社講談社
概要 伍と碁, ジャンル ...
伍と碁
ジャンル 囲碁[1]
漫画
原作・原案など 蓮尾トウト
漫画 仲里はるな
出版社 講談社
掲載サイト 週刊ヤングマガジン
レーベル ヤンマガKCスペシャル
発表号 2025年9号[1] -
巻数 既刊5巻(2026年3月6日現在)
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あらすじ

小さい頃から何でも天才的な才能を見せた秋山恒星は小学6年生の時、囲碁教室に通い始めたが、そこにいる5人の子どもに0勝1000敗と負け続け、この挫折によって普通の高校生になっていた。そんなある日、恒星はまた囲碁をすることになり、5人の子どもたちと自分の棋力に気づき、自信を取り戻すべく囲碁の世界に舞い戻る。

登場人物

主人公

秋山 恒星(あきやま こうせい)
多泉高校1年生の男子生徒。短髪青髪。
1歳で逆立ちをして、小学校時代、野球・勉強・サッカーで年上相手に凌駕するなど神童と呼ばれ、本人も自信と承認欲求に満ちあふれていた。囲碁に興味を抱き、囲碁界の藤井聡太を目指して囲碁教室に通い始める。しかし1日10時間囲碁の勉強に費やしてなお5人の子どもたちに全く勝てず、3か月連戦連敗の0勝1000敗で囲碁を辞めた後はすっかり枯れた性格となり、中学時代は帰宅部だった。
ある日、母親の誘いでバイトで参加した町内会の祭りにて元院生の小金と囲碁で対戦したことをきっかけに、かつての自信を取り戻すべく再び囲碁に向き合い始める。5人の子どもたちが強すぎたために全く勝てず自分の棋力も分からなかっただけで、実際は物語開始時点で小金を一蹴するほどの棋力があった。
また何でもすぐできるようになるタイプであり、囲碁以外の雑用などをしても評価されることが多い。
囲碁に戻って以降、鍛錬を怠らずに着実に棋力を向上し、5人の子どもたちに肉薄していく。
5人の子どもたちのうち葉月と光士郎を倒した後、一夜に歯が立たずに挫折しかけるが、小金と再会して改めて研鑽に励み、頂点である榎本翠に挑むため、プロ試験に臨む。

5人の子どもたち

市原 葉月(いちはら はづき)
恒星を倒し続けた5人の子どもたちの一人で、短髪ピンク髪でドリルのような巻き髪を左右にしている女の子。制服で現れることが多く、学校は不明だが、多泉高校とは別。愛想よく振舞うが、本性は毒舌。恒星が囲碁教室を去ったときには落ち着かせるのが大変なほど怒っていたという。
布石が得意で、アマチュア登竜戦の優勝者相手でもハンデを出さないと圧倒してしまうほどの実力者。
プロを目指したこともあったと言うが、現在はアマチュアのままSNS総フォロワー数385万人の囲碁インフルエンサーで囲碁を広めるためにモデルタレントになっている。囲碁を広めるためなら何でもすると豪語しており、実際に葉月の影響で囲碁を始めた人物もいる。
アマチュア登竜戦優勝の恒星と二子のハンデ付きのエキシビションで対戦。序盤でハンデを帳消しにする打ち回しを見せるが、恒星の粘りから来たミスが発端となって敗れる。負け続けても何度も対戦を求める恒星を雑魚呼ばわりしていたが負けたことで名前呼びとなり、恒星も葉月の普及に向けた活動に敬意を抱くようになった。
その後、光士郎との高校団体戦での勝負を求める恒星の求めに毒づきながらも応じ、山田を鍛えつつ助っ人参戦(一人他校生徒の助っ人が認められていた)するなど、何かと恒星を気にかけることが多い(本人曰く、「囲碁に真摯に向き合う人には優しい」)。
桐生 光士郎(きりゅう こうしろう)
恒星を倒し続けた5人の子どもたちの一人で、たくましい体躯の清光学院高校3年生(恒星の2歳上)。
全国高校囲碁選手権大会2連覇中の名門校の囲碁部部長で生徒会長でもある。完全実力主義の囲碁部で1年から主将を務め、無敗を保つ高校囲碁界の王者で、院生の間でも知られていた。「ハンマー」と言われる、相手の大石を取るのに特化した棋風。
囲碁を相手と高め会う機会と捉える性格。恒星も正義感が強くまっすぐでリーダー気質と認めている。
囲碁棋士を志望していたが名門企業グループの御曹司として跡を継ぐ立場のため、高校卒業をもって囲碁を諦めざるを得ない立場にある。
教室に通っていた頃の恒星を非常に高く評価し「自分の夢を叶えてくれる存在」とその成長に期待しており、その挫折を悲しんでいた。団体戦での恒星との対局に敗れたが、自分自身が夢を諦め、一方的に夢を押し付けていたことに気づき、改めて自身の道を模索することを決めた。
後に、一夜に敗れた恒星と、共に現れた小金に清光学院囲碁部を訓練場所として提供する。
御厨 一夜(みくりや ひとよ)
恒星を倒し続けた5人の子どもたちの一人。天真爛漫で飄々とした人当たりのよい性格で、恒星の1歳上。「宇宙流」といわれる中央の模様を重視した棋風。
光士郎を倒した恒星と偶然再会。再会を喜ぶと同時に恒星の対局申込を快く受けるが1局も勝たせなかった。
恒星に対しての評価は高く、恒星に「執念が足りない」という言葉を伝えると同時に、恒星が自身という敵を得たことで更に強くなってプロの世界に上がることを期待している。
榎本 翠(えのもと みどり)
恒星を倒し続けた5人の子どもたちの一人で、短髪白髪の14歳(恒星の2歳下)の男の子。端正な容姿で人気もある。
恒星が囲碁教室に通い始めた頃、多く対戦して全勝で彼に挫折を味わわせた。当時から光士郎すら「別格で学ぶことすら難しい」と認める実力者。
その後プロ入りし、史上最年少タイトル挑戦者になって十段戦では天原七冠を追い込んだ。既にトッププロに肉薄しており、その若さから囲碁界の藤井8冠と呼ぶ声も少なくない。基本的に無愛想な態度だが、天原七冠に挑発的とも取れる言葉を向ける一面もある。

高校囲碁界

山田 虎之助(やまだ とらのすけ)
多泉高校の男子生徒で、登場時3年生。ガーデニングが趣味。囲碁部だが、部員が一人なので部長となっている。囲碁に対しての熱意はあり、桐生光士郎との対決を望む恒星のために、清光学院との対抗戦に協力する。棋力はさほどでもないが、葉月との特訓で力をつけ、清光学院戦では副将として起死回生の一手を放つなど善戦。敗退するも、清光学院の月例検討会に誘われるなど高く評価された。
川井 周(かわい しゅう)
清光学院の男子生徒。囲碁部所属で、光士郎の一学年下。
小さい頃から囲碁で頭角を現していた実力者だが光士郎には敵わず、その光士郎を追って清光学院に入学している。
囲碁部の№2格であることに自負を持つ。団体戦では副将として山田と対局、勝利したものの山田の成長を高く評価した。
大山 楠理(おおやま くすり)
清光学院の女子生徒。囲碁部副部長にして、生徒会書記。葉月のファンという一面も持つ。
企業社長の令嬢であるが、慣れないパーティーで自分を勇気づけた光士郎に恋をしている。
団体戦では三将として葉月と対局。葉月の棋譜研究をしていたこともあり葉月の得意な序盤で互角に渡り合うが、未知の局面に持ち込まれて敗北した。

プロ試験受験生

白山 小金(しらやま こがね)
男性で恒星と同い年。長髪黒髪。一人称はワシ、関西弁で話す。4歳から囲碁を始めて中学1年生で院生になったがDクラス(最下位)で小学生相手に毎日負けて院生を辞めさせられ、外来から囲碁棋士を目指している。親からも半ば勘当され、一人暮らしをしている。
恒星がバイトで参加した町内会で道場破りとして大人相手に9連勝していたが、恒星に敗れた(恒星曰く、5人の子どもたちより全然弱かった)。恒星と再戦した時は勝つと誓って別れる。
後に一夜に歯が立たずに挫折した恒星と再会、共に研鑽に励む仲となって棋力を向上。恒星と共にプロ試験を受験する。
池田 勇一郎(いけだ ゆういちろう)
棋士採用試験の外来受験者で院生経験者。22歳。銀行職員。
大上 瑠夏(おおうえ るか)
工場労働をしているたくましい体躯の女性。22歳。体を壊して引退せざるを得なかった元柔道選手。仕事場で囲碁を覚えてまだ2年だが、プロ棋士と対局の機会に恵まれ、才能を評価されたことをきっかけに棋士採用試験を受験する。

プロ棋士

天原 慶宗(あまはら けいそう)
男性。短髪長髪で関西弁を使う。囲碁棋士で七大タイトルを全て保有している。翠と十段戦挑戦手合で対戦し、追い詰められながらも勝利する。恒星対葉月のエキシビションマッチを見ており、恒星を「昔のオレを見てるよう」と評した。
四元 村雨(しげん むらさめ)
強くなることを主眼とした碁会所「鼠」の代理席亭。囲碁棋士八段で日本トップクラスの実力者。ぶっきらぼうな態度だが、恒星に適確なアドバイスをする。
村上 悠人 (むらかみ ゆうと)
囲碁棋士九段。十段戦第1局の解説担当。
相楽 憲明 (さがら のりあき)
囲碁棋士九段。村上と同じく十段戦第1局の解説担当。

その他の関係者

恒星の母親
氏名は不詳。既に夫とは離婚しており、恒星にはその分好きなことをさせようと考えている一方、無連絡外泊を咎めるなど人並みの母親としての厳しさも持っている。
承認欲求と自信の塊だったかつての恒星については「別れた夫にそっくり」と思っている。恒星の挫折がトラウマになっており、プロ試験を受けることには反対の意思を示しているが、止めることなく見守っている。
岡野 環(おかの たまき)
女性。短髪オレンジ髪で眼鏡をかけていてニットワンピースを着ている。不敵な性格で、四元村雨曰く「自分が正しいと思ってる」。恒星が通っていた囲碁教室のお姉さんで恒星が再び囲碁を始めた時、ハンディキャップをもらって対戦した。本人の棋力はそれほどでもない。麦茶を作るのはうまい。
村井(むらい)
葉月のマネージャーの女性。長髪黒髪で眼鏡をかけている。渋谷で彼女をスカウトし、彼女の囲碁大会や配信にも付き添っている。

制作背景

本作発案のきっかけは、才能のある少年が入った近所の野球教室に大谷翔平が5人いたら、その少年は自身には才能が無いと思うのではないか、という蓮尾のアイデア[5]。蓮尾は連載開始の8年前に友人の勧めもあって囲碁を覚えており、言葉がなくとも盤上で会話できるのが囲碁の魅力であることから、『ヒカルの碁』という成功例があったことも踏まえ、題材に囲碁を選んだ[5][6]。連載開始前には囲碁という題材は読者に分かりにくいのではないか、という声もあったというが、蓮尾の表現力が評価されて連載が決まった[5]。編集担当の森奏太は、「少年漫画のような、間口の広い“王道”を行く漫画にしたい」としている[7]

蓮尾は週刊連載は初めて。仕事や育児の傍らで作品の構想を練っていたが、本作の連載開始前年に脱サラし、漫画家業に専念[5]。自身の持ち味については「良くも悪くも、極端なキャラづくりが自分の特徴」と語っている[5]

囲碁の描写については日本棋院がバックアップ。作品の発表は2025年1月5日の日本棋院打ち初め式で行われた[8][9]。監修には棋士の井山裕太寺山怜が付き、作中の盤面は寺山が監修[5]。展開やキャラクターに合った棋譜を都度選定・作成し、江戸時代の名局の棋譜を引用するなどの小ネタもしばしば挟まれている[5]

普及が課題の日本囲碁界からは、かつて『ヒカルの碁』で囲碁ブームが起こった過去があることから、本作を機に囲碁に興味を持ってもらおうという期待も注がれている[6][10]。2025年10月5日には、日本棋院において作品名を冠した「「伍と碁」杯ハイスクール囲碁フェスティバル2025」も開催された[11]

書誌情報

  • 原作:蓮尾トウト、漫画:仲里はるな『伍と碁』講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉、既刊5巻(2026年3月6日現在)
    1. 2025年5月7日発売[12][13]ISBN 978-4-06-538729-0
    2. 2025年7月4日発売[14]ISBN 978-4-06-540176-7
    3. 2025年10月6日発売[15]ISBN 978-4-06-541141-4
    4. 2025年12月5日発売[16]ISBN 978-4-06-541764-5
    5. 2026年3月6日発売[17]ISBN 978-4-06-542882-5

脚注

外部リンク

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