有機パラジウム化合物

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有機パラジウム化合物(ゆうきパラジウムかごうぶつ、: Organopalladium compound)は有機金属化合物の一種で、パラジウムを含む有機化合物の一群である。パラジウムはアルケンアルキン水素で還元する際の触媒に用いられる。このプロセスには、パラジウムと炭素の共有結合の生成が関与している。パラジウムはカスケード反応英語版で示されるように多くのカップリング反応パラジウム触媒カップリング反応)を触媒する[1]

PdCl2(1,5-シクロオクタジエン)英語版

パラジウム(II)

アルケン錯体

Ni(II) とは異なり、Pt(II) と同様にPd(II) の塩化物は様々なアルケン錯体をつくる。先にあげたジクロロ(1,5-シクロオクタジエン)パラジウム英語版では、ジエンが容易に置き換わり望まれた触媒前駆体を合成することができる。工業的にはヒドロキシドがエチレンを求核攻撃してアセトアルデヒドが生成するワッカー酸化が重要である。この反応ではPd(II)-エチレン中間体が生成し、その後にビニルアルコール錯体ができる。フラーレン配位子もPd(II)に配位することができる。

エチレンがアセトアルデヒドに変換されるワッカー酸化の触媒サイクル

塩基性下ではカルボキシ基はよい脱離基であるため、酢酸パラジウム(II)などが用いられることが多い。例えばトリフルオロ酢酸パラジウムは芳香族脱炭酸に有効であることが示されている[3]

アリル錯体

パラジウムのアリル錯体の代表例としてπ-アリルパラジウム錯体が挙げられる。脱離基を持ったアリル化合物はパラジウム(II)の塩と反応してハプト数3の遷移金属アリル錯体英語版をつくる。これらの中間体もマロン酸エステルから誘導されるカルバニオン[4]やアリル位アミノ化によって生成したアミンなどの求核剤などと反応する[5][6]

Allylic amination

アリルパラジウム中間体は辻・トロスト反応キャロル転位三枝・伊藤酸化などでも見られる。

パラジウム-炭素σ結合錯体

様々な官能基がパラジウムに結合し、安定なσ結合をもつ錯体を形成できる。この結合安定性(結合エネルギー)は以下のような順となっている。

Pd-アルケニル > Pd-ビニル ≈ Pd-アリール > Pd-アルキル

また、金属と炭素の結合長はこの逆順となっている。

Pd-アルケニル < Pd-ビニル ≈ Pd-アリール < Pd-アルキル[7]

パラジウム(0)錯体

有機パラジウム(IV)

脚注

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