森田同値
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環はその環上の加群を通じて研究されることが一般的である。これは加群が環の表現と見做せるからである。すべての環 R は環の積による作用によって自然に R 加群の構造を持つので、加群論的な研究方法はより一般的で有益な情報をもたらす。このような訳で、環についての研究はその環上の加群の成す圏を研究することによってしばしば為される。
この視点からの自然な帰結として、環が森田同値であるとはその環上の加群の成す圏が圏同値であることと定めた。
この表記方法は非可換環を扱っている場合にのみ興味の対象となる。なぜなら可換環が森田同値である必要十分条件は環同型であるからである。これは一般に森田同値な環の中心が環同型なことから従う。
定義
例
同値の判定法
森田同値は次のように特徴付けられる[3]。もし F : R-Mod → S-Mod と G : S-Mod → R-Mod が加法的(共変)関手ならば、F, G が森田同値を定める必要十分条件は、ある平衡 (S, R) 両側加群 P が存在して SP と PR が有限生成射影的生成素で、 さらに関手の自然同型 F(–) ≅ P ⊗R – と G(–) ≅ Hom(SP, –) が存在することである。有限生成射影的生成素はその加群の圏の射影生成素(英: progenerators)と呼ばれることもある[4]。
左 R 加群の圏から左 S 加群の圏への直和と可換なすべての右完全関手 F に対して、Eilenberg-Wattsの定理よりある (S, R) 両側加群 E が存在して、関手 F(–) は関手 E ⊗R – と自然同型である[5]。同値は完全で直和と可換なことが必要なので、このことは R と S が森田同値である必要十分条件はある両側加群 RMS と SNR が存在して、 (R, R) 両側加群としての同型 M ⊗S N ≅ R と (S, S) 両側加群としての同型 N ⊗R M ≅ S が成り立つことを示している。さらに N と M は (S, R) 両側加群としての同型 N ≅ Hom(MS, SS) によって関連づけられる。