災厄の町
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エラリー・クイーンがライツヴィルで借りた家具付き住宅は、町一番の旧家で地元銀行の頭取が、次女のノーラの結婚祝いとして自宅の隣に立ててやった家だった。ところがノーラの結婚相手ジム・ヘイトは、結婚式の前日に姿を消してしまった。3年後、そのジム・ヘイトが突然、故郷ライツヴィルに戻ってきた。戻ってから一週間後の8月31日に、ジムは彼の帰りを待ち、独身でいたノーラと結婚した。ある日、ノーラと彼女の妹のパットはジムの書斎の準備中、夫の読みかけの本の間に夫が書いたと思われる未投函の古ぼけた封筒を発見する。ノーラはその手紙を隠したが、エラリーとパットはそれを発見する。日付は11月28日、12月25日、1月1日、宛名はミス・ローズマリー・ヘイト、ジムの姉である。手紙には妻の病状が悪化したことと、三通目には妻の死を知らせる文面が載っていた。封筒が挟まっていた本はエッジカムの『毒物学』。これは予定された殺人計画なのか、自分はこんなにも愛している夫に殺されるのだろうかとノーラは不安を抱く。
11月8日、ジムの姉ローズマリーがライツヴィルにやってくる。ジムは街の居酒屋で飲んだくれて、エラリーとパットが家まで連れ帰る。ジムは酔っぱらいの戯言として「ぼくの妻、あの女、ちくしょう、憎たらしい妻」「見ていやがれ! ぼくはあの女を始末してやる!」と口走る。警察署長と郡検事もそこに居合わせる。エラリーは殺人事件を事前に防ごうとするが、手紙に描かれていた通り、11月28日、12月25日とノーラが毒をもられ、1月1日には何とローズマリーが毒殺される。三通の手紙はこの事件を予告していたのか? あの手紙を書いたのは、本当にジムなのか。そして、彼の3年間の失踪は何だったのか。エラリーは愛憎が入り組んだ謎に挑む。
主な登場人物
- ジム・ヘイト - ライツヴィルに戻ってきた失踪花婿。ノーラの夫となる。
- ノーラ・ヘイト - ジムの帰りを待つ花嫁。ライト家の次女。
- ハンター - 2人のために新しく建てられた家を買い取ったボストンの資産家。引っ越しの最中に心臓麻痺で死亡した。
- ローラ・ライト - ライト家の長女。駆け落ちして、夫に先立たれる。ライト家に帰ることができず郊外に住んで、飲んだくれている。
- パトリシア(パット)・ライト - ノーラの妹でライト家の三女。活発な十代の娘。
- ジョン・F・ライト - ライト家の家長。ライツヴィル・ナショナル銀行の頭取。
- ハーマイオニ―・ライト - ジョン・Fの妻。ノーラたちの母親。
- タビサ・ライト - ジョン・Fの妹。
- ローズマリー・ヘイト - ジムの姉。ライト家に招かれるが何者かに毒殺された。
- エミリーン・デュプレ - ハイト夫妻の隣人。“町の宣伝屋”。
- フランク・ロイド - レコード新聞社社長。
- J・C・ペティグルー - 不動産周旋屋。
- カーメル・ベティグルー - J・Cの娘。パトリシアの友人。
- ルーディー - ライト家の老家政婦。
- ヘンリー・クレイ・ジャクソン - ライト家の執事。
- マイロ・ウイロビー - 産婦人科医。ライト家の娘たちも取り上げた。
- エリー・マーチン - 判事。痩せて小柄な、眠たげな目とぶっきらぼうな態度の男。
- クラリス・マーチン - エリーの妻。
- ロバータ・ロバーツ - 婦人通信員。ジムの無罪を強硬に主張する。
- カーター・ブラッドフォード - ライト郡の検事。聡明、長身の青年。パトリシアの恋人。
- ライサンダー・ニューボルド - 裁判長。
- デイキン署長 - ライツヴィル警察の署長。
- ブレイディ巡査 - ライツヴィル警察の巡査。
- ロレンツォ・グレンヴィル- 筆跡鑑定家。目がしょぼしょぼして両ほほがくぼんだ小男。
- エラリー・クイーン - 推理作家の名探偵。ライツヴィルの名家であるライト一家から部屋を借り、エラリー・スミスと名乗って新作執筆に務める。
提示される謎
- 進行中の殺人
特記事項
- 裁判所でエラリーが、「犯人たりうる最重要容疑者」として、とんでもない人物の名前をあげる。
- エラリーのライツヴィル来訪が8月で、事件発生は10月。事件が防止できず、解決までその後さらに7ヵ月もかかっている。