管絃
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概要
名称
雅楽における位置づけ
雅楽には、日本古来の神楽歌・倭舞などのほか、外来の唐楽・高麗楽、さらに催馬楽・朗詠などが含まれる[3]。アジア各地から雅楽が伝来する以前から日本列島には国風歌舞と呼ばれる歌舞が存在し、神楽歌、東遊、五節舞、大和舞、久米舞などは宮廷祭祀や神事と関係していた[7]。
外来系の楽舞は、平安時代に左方と右方に整理された。左方は中国・唐系の楽舞を中心とする唐楽、右方は朝鮮半島系の楽舞を中心とする高麗楽に対応する[8]。現在の管絃で演奏されるのは、主として左方の唐楽に由来する楽曲である[2]。
左方と右方では、用いられる楽器にも違いがある。左方の楽には笙・篳篥・龍笛、鞨鼓・太鼓・鉦鼓、琵琶・箏が用いられ、このような楽器編成で行われる器楽合奏の形態が「管絃」と称され、9世紀ごろから盛行した[9]。一方、右方の楽では絃楽器を用いず、管楽器・打楽器を中心とする編成がとられた[10]。
編成
管絃の基本編成は、三管・両絃・三鼓であり、「三管両絃三鼓」と称される[1]。
雅楽で用いられる楽器は、管楽器、絃楽器、打楽器に大別される。管楽器には笙・篳篥・龍笛・高麗笛・神楽笛、絃楽器には楽箏・楽琵琶・和琴、打楽器には鞨鼓・太鼓・鉦鼓・三ノ鼓が含まれる[10]。このうち、管絃では笙・篳篥・龍笛、琵琶・箏、鞨鼓・太鼓・鉦鼓が用いられる。
三管
三管は、笙、篳篥、龍笛である[11]。これらは、琵琶・箏から成る両絃、鞨鼓・太鼓・鉦鼓から成る三鼓とともに、管絃の基本編成である三管両絃三鼓を構成する。
両絃
両絃は、琵琶と箏である[11]。舞楽では原則として絃楽器を用いないため、琵琶と箏を含むことは管絃の編成上の特色である[11]。
三鼓
三鼓は、鞨鼓、太鼓、鉦鼓である[11]。雅楽に用いられる打楽器には鞨鼓、太鼓、鉦鼓、三ノ鼓があるが、このうち管絃で用いられる打楽器は鞨鼓・太鼓・鉦鼓である[10]。
演奏形態
調子
舞楽との違い
歴史
成立の背景
管絃の基盤となる唐楽は、古代から中世にかけて日本に受容された外来系楽舞を源流とする。5世紀から10世紀にかけて中国大陸や朝鮮半島方面から伝えられた楽舞は、仁明天皇の時代に、中国・唐系の楽舞を中心とする左方と、朝鮮半島方面の楽舞を中心とする右方に大別された[8]。
左方の楽には、舞を伴わない楽曲もみられた。左方の楽に用いられた笙・篳篥・龍笛、鞨鼓・太鼓・鉦鼓、琵琶・箏による器楽合奏は「管絃」と称され、9世紀ごろから盛行した[9]。
平安時代と御遊
平安時代には、唐楽などの外来系音楽が宮廷貴族の教養として受容され、舞を伴わずに楽曲を演奏する管絃も宮廷文化の中で発展した。嵯峨天皇のころから雅楽の改変が進み、後世「楽制改革」と呼ばれる整理が行われた。その内容には、六調子の整理、唐楽と高麗楽への二分化、管絃が天皇参加の雅楽の会である御遊で行われるようになったことが含まれる[6]。
御遊は、天皇の臨席のもとで行われる管絃の遊びであり、管絃が宮廷社会における儀礼・宴遊・教養の一部として受容されたことを示す演奏形態である[5]。後世には、御遊における楽器や演奏者について記した『御遊抄』も成立し、宮廷における管絃享受の伝統が受け継がれた[6]。