聖ペテロ (エル・グレコ)
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| スペイン語: San Pedro 英語: Saint Peter | |
| 作者 | エル・グレコ |
|---|---|
| 製作年 | 1608年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 207 cm × 105 cm (81 in × 41 in) |
| 所蔵 | エル・エスコリアル修道院、マドリード近郊 |
『聖ペテロ』(せいペテロ、西: San Pedro、英: Saint Peter)は、ギリシア・クレタ島出身で主にマニエリスム期のスペインで活動した画家エル・グレコが晩年の1608年に制作したキャンバス上の油彩画である。この絵画と対作の『聖イルデフォンソ』は、トレドのサン・ビセンテ教会のために制作された。作品は現在、マドリード近郊のエル・エスコリアル修道院に所蔵されている[1]。

この絵画は、使徒ペテロが山の上に立っている姿を現わしている。彼は鍵束を持っているが、それは『マタイによる福音書』 (16章18-19) でイエス・キリストがペテロを (岩として)「この岩の上にわたしの教会を建てる...わたしはあなたに天の国の鍵を授ける」 [2]といったことを示す。重い衣服の布地、そして頭部と身体の不自然なプロポーションは、エル・グレコに典型的なものである。
聖ペテロはエル・グレコの数多くの作品に登場し、驚くべき一貫性で描かれている[1]。必ず白髪と白い髭とともに表され、しばしば青色のチュニックの上に黄色い外套を羽織っている。本作に見られる無限に上昇する動きの感覚、力強いリズムにより、「使徒たちの王子」、「教会が建てられる岩」の精神的な意味合いが表現されている。本作は、エル・グレコが描いた最後の聖ペテロ像であり、彼の晩年様式の見事な作例である[1]。
上述のように、本作と『聖イルデフォンソ』は対作品であるが、初代のローマ教皇聖ペテロと、初代のトレド司教聖イルデフォンソは対作品として表されるのにふさわしい。ペテロは右側から照明を当てられている。一方、『聖イルデフォンソ』には左側から光が当たっている[1]。このことに加え、両作品の上部がアーチ型 (部分的に切断されている) になっていることは、両作品が窓、あるいは中央の絵画の左右両脇に祭壇画を構成するべく配置されたことを示唆する。祭壇画であれば、中央の絵画はほぼ間違いなく「無原罪の御宿りの聖母」であったと思われる[1]。かくして、本作『聖ペテロ』はその中央の絵画の左側、そして『聖イルデフォンソ』は右側に掛けられたことであろう。しかし、当初からこれら2作品は複製によって置き換えられたため、一度でもサン・ビセンテ教会の礼拝堂に掛けられたとは思えない[1]。