2025年J2最終節
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本項目では、2025年11月29日に行われた2025 明治安田J2リーグ第38節(最終節)について記す。
この年のJ2リーグは最終節の時点で10クラブが優勝争い・J1昇格プレーオフ進出争い・残留争いに絡む大混戦となり、最終節に行われた10試合のうち8試合までがこれらに絡む重要な試合となった[1]ことから、本項目では特にこれら8試合の試合結果並びに最終節直前の昇格争い・残留争いの経緯について記す。
この年のJ2リーグで序盤に抜け出したのは、11試合で開幕6連勝を含む10勝1敗とスタートダッシュを決めたジェフユナイテッド千葉(千葉)と10試合で開幕4連勝を含む6勝2分2敗のRB大宮アルディージャ(大宮)、さらには中盤からの8連勝で急浮上してきた水戸ホーリーホック(水戸)、これをベガルタ仙台(仙台)、徳島ヴォルティス(徳島)、ジュビロ磐田(磐田)の各クラブが追走する展開で前半を折り返す[2]。折り返し時点で2位だった水戸は無敗記録を15まで伸ばして首位を奪い[3]、そのまま独走態勢に入るかと思われたが、シーズン前に大型補強を敢行し優勝争いの本命と目されていたが、序盤からなかなか調子が上がらず、第19節終了後に監督の下平隆宏を解任し、3年ぶりの現場復帰となる高木琢也を迎えて[4]一気に勝ち星を重ねた長崎が急浮上し、水戸をも捉えて首位に浮上[5]、水戸を超える16戦無敗で優勝戦線に食い込む。その後の上位直接対決を経た結果、第36節終了時点では1位水戸・2位長崎・3位大宮・4位千葉・5位徳島・6位仙台までに優勝の可能性を残し、さらに7位磐田までに自動昇格の可能性、8位サガン鳥栖(鳥栖)までにプレーオフ進出の可能性を残した[6]。
一方の残留争いでは、シーズンを通じて愛媛FC(愛媛)が低迷し、第34節で磐田に敗戦したことで18位以下となることが決定[7]。第36節終了時点で、15位藤枝MYFC(藤枝)、16位大分トリニータ(大分)、17位ロアッソ熊本(熊本)、18位レノファ山口FC(山口)、19位カターレ富山(富山)に降格の可能性が残る状態となった[6]。
| 順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | 昇格または降格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 水戸ホーリーホック | 36 | 19 | 10 | 7 | 52 | 32 | +20 | 67 | J1 2026/27へ昇格 |
| 2 | V・ファーレン長崎 | 36 | 18 | 12 | 6 | 60 | 42 | +18 | 66 | |
| 3 | RB大宮アルディージャ | 36 | 18 | 9 | 9 | 57 | 34 | +23 | 63 | J1昇格プレーオフ進出 |
| 4 | ジェフユナイテッド千葉 | 36 | 18 | 9 | 9 | 50 | 34 | +16 | 63 | |
| 5 | 徳島ヴォルティス | 36 | 17 | 10 | 9 | 42 | 22 | +20 | 61 | |
| 6 | ベガルタ仙台 | 36 | 16 | 13 | 7 | 47 | 35 | +12 | 61 | |
| 7 | ジュビロ磐田 | 36 | 18 | 6 | 12 | 55 | 48 | +7 | 60 | |
| 8 | サガン鳥栖 | 36 | 16 | 9 | 11 | 45 | 41 | +4 | 57 | |
| 9 | いわきFC | 36 | 14 | 10 | 12 | 54 | 44 | +10 | 52 | J2残留 |
| 14 | ブラウブリッツ秋田 | 36 | 11 | 9 | 16 | 42 | 55 | −13 | 42 | J2残留 |
| 15 | 藤枝MYFC | 36 | 9 | 11 | 16 | 40 | 48 | −8 | 38 | |
| 16 | 大分トリニータ | 36 | 8 | 14 | 14 | 27 | 41 | −14 | 38 | |
| 17 | ロアッソ熊本 | 36 | 9 | 8 | 19 | 40 | 56 | −16 | 35 | |
| 18 | レノファ山口FC | 36 | 6 | 14 | 16 | 33 | 45 | −12 | 32 | J3 2026/27へ降格 |
| 19 | カターレ富山 | 36 | 7 | 10 | 19 | 29 | 48 | −19 | 31 | |
| 20 | 愛媛FC (R) | 36 | 3 | 12 | 21 | 34 | 67 | −33 | 21 |
順位の決定基準: 1) 勝点、2) 得失点差、3) 総得点、4)直接対決の勝点、5) 直接対決の得失点差、6) 直接対決の得点数、7) 抽選
(R) 降格.
第37節
11月23日に迎えた第37節は2位長崎対首位水戸という首位攻防直接対決の他、大宮対徳島というプレーオフ圏内同士の直接対決も組まれた[8]。
どちらも勝てば自動昇格確定の可能性が生じる長崎対水戸の試合は、前半6分にMFディエゴ・ピトゥカのフリーキックの流れからDF新井一耀がボレーシュートを叩き込んで長崎が先制。34分に左からのグラウンダークロスに合わせたMF山本隼大のゴールで水戸が追いつく。後半に入って63分に長崎MF米田隼也がペナルティエリア内でファウルをもらってPKを獲得すると、マテウス・ジェズスがこれを決めて長崎が勝ち越し。そのまま勝利を収めて長崎が首位に立つ[9]。
3位大宮と5位徳島の直接対決では、前半14分に大宮MF小島幹敏の浮き球パスに反応したFWオリオラ・サンデーがボレーシュートを決めて先制するも、前半30分に徳島MF高木友也のパスを受けたFW渡大生がシュートを決めて同点に追いつき、その4分後には中盤でMF児玉駿斗がカットしたボールをFW渡、FWトニー・アンデルソンと渡ったボールをMFルーカス・バルセロスがゴールを決めて逆転。堅守の徳島が大宮の再逆転を許さず、2-1で勝利を収めて徳島が4位に浮上、大宮は5位に後退して自動昇格の可能性が消滅する[10]。
| RB大宮アルディージャ | 1 - 2 | 徳島ヴォルティス |
|---|---|---|
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レポート |
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この他、アウェイで大分と対戦した千葉はDF河野貴志のゴールを守り切って勝利し、優勝・自動昇格の可能性を残す。仙台はブラウブリッツ秋田とスコアレスドローに終わり自動昇格の可能性が消滅[11]。磐田はモンテディオ山形との対戦で試合終了間際にDFヤン・ファンデンベルフのゴールで引き分けに持ち込みプレーオフ進出の可能性を残す[12]一方、鳥栖は藤枝と引き分けた結果プレーオフ進出の可能性が消滅。残留争いでは、富山が90+5分のDF香川勇気の決勝弾でヴァンフォーレ甲府に勝利し、いわきFCと引き分けた山口を上回って18位に浮上(この時点で藤枝と大分の残留が決定)。他の試合より遅れて始まり、勝てば残留が決まる熊本だったが、愛媛と痛恨のドローで残留を確定できなかった[13]。
| 2025年11月23日 | ジュビロ磐田 | 2 - 2 | モンテディオ山形 | 磐田市 |
| 14:03 |
|
レポート | 競技場: ヤマハスタジアム(磐田) 観客数: 14,071人 主審: 窪田陽輔 |
| 2025年11月23日 | ヴァンフォーレ甲府 | 0 - 1 | カターレ富山 | 甲府市 |
| 14:04 | レポート | 香川勇気 |
競技場: JIT リサイクルインク スタジアム 観客数: 9,541 人 主審: 田中玲匡 |
この結果、最終節を前にして優勝・J1自動昇格・プレーオフ出場・J3降格(2枠)が確定しないという混戦模様となった[13][14]。
| 順 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 敗 | 得 | 失 | 差 | 点 | 昇格または降格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | V・ファーレン長崎 | 37 | 19 | 12 | 6 | 62 | 43 | +19 | 69 | J1 2026/27へ昇格 |
| 2 | 水戸ホーリーホック | 37 | 19 | 10 | 8 | 53 | 34 | +19 | 67 | |
| 3 | ジェフユナイテッド千葉 | 37 | 19 | 9 | 9 | 51 | 34 | +17 | 66 | J1昇格プレーオフ進出 |
| 4 | 徳島ヴォルティス | 37 | 18 | 10 | 9 | 44 | 23 | +21 | 64 | |
| 5 | RB大宮アルディージャ | 37 | 18 | 9 | 10 | 58 | 36 | +22 | 63 | |
| 6 | ベガルタ仙台 | 37 | 16 | 14 | 7 | 47 | 35 | +12 | 62 | |
| 7 | ジュビロ磐田 | 37 | 18 | 7 | 12 | 57 | 50 | +7 | 61 | |
| 8 | サガン鳥栖 | 37 | 16 | 10 | 11 | 45 | 41 | +4 | 58 | J2残留 |
| 15 | 藤枝MYFC | 37 | 9 | 12 | 16 | 40 | 48 | −8 | 39 | J2残留 |
| 16 | 大分トリニータ | 37 | 8 | 14 | 15 | 27 | 42 | −15 | 38 | |
| 17 | ロアッソ熊本 | 37 | 9 | 9 | 19 | 41 | 57 | −16 | 36 | |
| 18 | カターレ富山 | 37 | 8 | 10 | 19 | 30 | 48 | −18 | 34 | J3 2026/27へ降格 |
| 19 | レノファ山口FC | 37 | 6 | 15 | 16 | 33 | 45 | −12 | 33 | |
| 20 | 愛媛FC (R) | 37 | 3 | 13 | 21 | 35 | 68 | −33 | 22 |
順位の決定基準: 1) 勝点、2) 得失点差、3) 総得点、4)直接対決の勝点、5) 直接対決の得失点差、6) 直接対決の得点数、7) 抽選
(R) 降格.
最終節の対戦カード
最終節の対戦カードのうち、昇格争い・残留争いに関わるカードは以下のとおり[1]。太字が昇降格に関わるクラブ。全てのカードが14時キックオフの同時開催となった。
- 徳島ヴォルティス - V・ファーレン長崎(鳴門・大塚スポーツパークポカリスエットスタジアム)
- 水戸ホーリーホック - 大分トリニータ(ケーズデンキスタジアム水戸)
- ジェフユナイテッド千葉 - FC今治(フクダ電子アリーナ)
- レノファ山口FC - RB大宮アルディージャ(維新みらいふスタジアム)
- ベガルタ仙台 - いわきFC(ユアテックスタジアム仙台)
- サガン鳥栖 - ジュビロ磐田(駅前不動産スタジアム)
- ロアッソ熊本 - ヴァンフォーレ甲府(えがお健康スタジアム)
- カターレ富山 - ブラウブリッツ秋田(富山県総合運動公園陸上競技場)
徳島対長崎と山口対大宮のゲームは昇格争い・残留争いに関わるクラブ同士の対戦となった。
優勝条件
優勝の可能性は長崎・水戸・千葉の3クラブに残されており、各クラブの優勝条件は以下のとおり[15]。
- 長崎:勝利で無条件、引き分けの場合は水戸が引き分け以下、敗戦の場合は水戸と千葉が共に引き分け以下もしくは水戸が引き分け以下で千葉に得失点差で上回られないこと
- 水戸:勝利の上で長崎が引き分け以下(引き分け以下の場合優勝可能性が消滅)
- 千葉:2点差以上の勝利で長崎が敗戦(もしくは1点差勝利で長崎が2点差以上で敗戦)かつ水戸が引き分け以下(引き分け以下の場合優勝可能性が消滅)
長崎のみが自力で優勝を決められる一方、勝てなかった場合には水戸と千葉に優勝の可能性が生じることになった。
自動昇格条件
自動昇格の可能性は長崎・水戸・千葉・徳島の4クラブに残されており、各クラブの自動昇格条件は以下のとおり[15]。
- 長崎:引き分け以上で無条件、敗戦の場合は「水戸が引き分け以下」「千葉が引き分け以下」「千葉が1点差勝利(長崎が1点差敗戦の場合)」のいずれかを満たすこと
- 水戸:勝利で無条件、引き分けの場合は千葉が引き分け以下、敗戦の場合は千葉が敗戦かつ徳島が引き分け以下
- 千葉:勝利の場合は「長崎が2点差以上の敗戦」「水戸が引き分け以下」のいずれかを満たすこと、引き分けの場合は水戸が敗戦かつ徳島が引き分け以下(敗戦の場合は自動昇格消滅)
- 徳島:勝利の上で水戸が敗戦かつ千葉が引き分け以下(引き分け以下の場合は自動昇格消滅)
長崎と水戸のみが自力での自動昇格を決められる状況に合った。
プレーオフ進出条件
最終節を前に、長崎・水戸・千葉の3クラブは少なくともプレーオフ進出を確定させており、徳島も7位磐田と勝ち点が3、得失点差が14離れているためプレーオフ進出以上はほぼ決定的になっていた。残る大宮・仙台・磐田のプレーオフ進出条件は得失点差を踏まえると実質的に以下のとおり[16]。
- 大宮:引き分け以上で無条件、敗戦の場合は「仙台が引き分け以下」「磐田が引き分け以下」のいずれかを満たすこと
- 仙台:勝利で無条件、引き分け以下の場合は磐田が引き分け以下(仙台が5点差以上で敗戦の場合には磐田が敗戦)
- 磐田:勝利の上で「大宮が敗戦」「仙台が引き分け以下」のいずれかを満たすこと、引き分けの場合は仙台が大敗して得失点差を逆転すること
大宮・仙台の2クラブが自力でプレーオフ進出を決められる一方、磐田は勝利の上で他チームの結果待ちという厳しい条件となった。
残留条件
熊本・富山・山口の残留条件は以下のとおり[17]。
- 熊本:勝利で無条件、引き分けの場合は「富山が引き分け以下」「富山が2点差以下での勝利」のいずれかを満たすこと、敗戦の場合は富山と山口が共に引き分け以下
- 富山:勝利の上で熊本が敗戦、もしくは3点差以上で勝利の上で熊本が引き分け以下(引き分け以下の場合は降格)
- 山口:勝利の上で熊本が敗戦かつ富山が引き分け以下(引き分け以下の場合は降格)
熊本は引き分けても自力で残留を決められる可能性がある一方で、富山と山口は勝利した上で上位の結果次第となる厳しい条件が突きつけられていた。
前半
後半
試合結果
挿話
- 磐田は第36節の山口との試合で終盤までリードを許す展開から相手のオウンゴールと試合終了直前のMF金子大毅のゴールで逆転勝ちを収めており[28]、37節の山形戦、最終節の鳥栖戦と3試合続けて試合最終盤でのゴールで局面をひっくり返してのプレーオフ進出であった。
- 富山は第34節の山口との残留争い直接対決に敗れて以降は試合結果次第で降格の可能性が生じ、第35節は最下位愛媛とリードを許す展開から後半アディショナルタイムのDF深澤壯太のゴールで追いつく[29]もこの試合終了時点で17位との勝ち点差が7あり、残留に向けて崖っぷちに立たされていた。しかし、第36節で鳥栖に勝利すると、第37節は後半アディショナルタイムのゴールで甲府に勝利し(前述)、最終節も土壇場で熊本との得失点差2をひっくり返す勝利となり、結果的に3連勝で奇跡的に残留を決めた[30]。