イギリス鉄道897形
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2020年、イギリスの列車運行会社であるロンドン・ノース・イースタン・レールウェイ(LNER)は、イギリス国鉄時代から長期に渡って使用されていた長距離列車向け車両「インターシティ225(Intercity 225)」の完全置き換えや、同社が運行する列車の需要増加を受けた入札を実施し、2023年にスペインのCAFが10両編成10本の製造契約を獲得した旨が発表された。これを基に同社が開発するのが897形である。愛称の「セレンザ(Serenza)」は「静寂」「穏やか」を意味する「Serene」とスペイン語の接尾辞である「enza」を組み合わせたもので、静寂と躍動感、現代性の想起が図られている[1][2][3][5][6]。
897形は、CAFが展開する鉄道車両ブランド「シビティ(英語版)」の1車種として開発される車両で、イギリスの長距離列車向け車両として初めて架線からの電力、充電池、そしてディーゼルエンジンと言う3つの動力源を有するトライモード車両である。そのうち営業運転で主に使用されるのは架線からの電力および充電池からの電力であり、環境負荷の軽減が図られる。編成は10両で、スタンダードクラスとファーストクラスの合計着席定員数は569人である他、車椅子用のスペースや介助用の座席も完備されている。座席はクッションの形状やサイドボルスター、ヘッドクッションの大型化などにより従来の車両(インターシティ225など)と比べて乗り心地が改善されており、ファーストクラスの座席にはリクライニング機構も備わっている。また、各座席には充電用のコンセントや、運行情報や安全情報が表示されるデジタルスクリーンが存在する。これ以外に、車内には自転車を補完可能なスペースや、ウォーターボトル用の給水機が設置されている他、スタンダードクラスの乗客へ向けたカフェバーが一部車両に存在する。バリアフリーに関しても従来の車両から向上しており、盲導犬を始めとした補助犬のための空間が各座席に確保されている他、座席番号には点字も表示される[1][2][3][5]。
製造は2編成がスペインのCAFの工場で行われる一方、残りの8編成はウェールズの都市・ニューポートに立地する工場で実施され、2028年を目途に営業運転に投入される予定となっている。また、897形はイギリスの鉄道路線で進められている再国営化(GBR)に伴い、同事業者が導入する初の新形式の鉄道車両となる。ただし、これらの車両は出資を実施したポーターブルーク(英語版)(Porterbrook)が所有し、列車を運行する事業者へリースする形が用いられる事になっている[1][3][4][5]。
脚注
注釈
出典
- 1 2 3 4 “The Next Generation: LNER Reveals Exciting New Details of Upcoming East Coast Main Line Trains”. London North Eastern Railway (2026年2月2日). 2026年2月20日閲覧。
- 1 2 3 4 “CAF will supply LNER with tri-mode Civity UK trains”. Railvoluton (2023年11月9日). 2026年2月20日閲覧。
- 1 2 3 4 Kevin Smith (2023年11月9日). “LNER orders 10 tri-mode trains from CAF”. International Railway Journal. 2026年2月20日閲覧。
- 1 2 3 @todaysrailway (2 February 2026). “Enter “Serenza””. X(旧Twitter)より2026年2月20日閲覧.
- 1 2 3 4 5 “Serenza - the new trains for LNER”. Railvoluton (2026年2月5日). 2026年2月20日閲覧。
- ↑ Roger Ford. “LNER Procurement - Welcome to the '80s”. Modern Railways 78 (869): 26.