イクサガミ
日本の今村翔吾による長編小説
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『イクサガミ』は、今村翔吾による日本の小説シリーズ。講談社より文庫オリジナルの長編小説として刊行され、のちに漫画、Webドラマなど幅広いメディアミックスがなされている。
| イクサガミ | |
|---|---|
| ジャンル | 時代小説、デスゲーム[1] |
| 小説 | |
| 著者 | 今村翔吾 |
| 出版社 | 講談社 |
| 掲載誌 | 小説現代 |
| レーベル | 講談社文庫 |
| 掲載号 | 2022年1月・2月合併号 (2021年12月22日発売[2]) 2022年4月号(3月22日発売[3]) 2025年11月号(10月22日発売[4]) |
| 刊行期間 | 2022年2月15日 - 2025年8月8日 |
| 巻数 | 全4巻 |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 今村翔吾 |
| 作画 | 立沢克美 |
| 出版社 | 講談社 |
| 掲載誌 | モーニング |
| レーベル | モーニング KC |
| 発表号 | 2023年2月・3月合併号 - |
| 巻数 | 既刊6巻(2025年11月21日現在) |
| ドラマ | |
| 原作 | 今村翔吾 |
| 監督 | 藤井道人、山口健人、山本透 |
| 脚本 | 藤井道人、山口健人、八代理沙 |
| 音楽 | 大間々昂 |
| 制作 | オフィス・シロウズ |
| 製作 | Netflix |
| 配信サイト | Netflix |
| 配信期間 | 2025年11月13日 - |
| 話数 | 全6話 |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | 漫画 |
| ポータル | 文学・漫画・ドラマ |
概要
明治時代を舞台に侍たちが繰り広げるデスゲーム「蠱毒」を描くエンターテインメント時代小説[5]。
文庫オリジナルとして講談社文庫から刊行され、『天・地・人・神』の四部作で完結。カバーイラストは『東京喰種』や『超人X』の作者である石田スイが手掛けた。
初出は『小説現代』2022年1月・2月合併号で、文庫本発売前に第1巻『イクサガミ 天』が全編掲載された[2][注 1]。『小説現代』2022年4月号には第2巻『イクサガミ 地』の一部が掲載されている[3]。
面白さを追求した王道時代小説で、今村は山田風太郎を意識したとインタビューで答えており、最古剣術『京八流』の奥義が登場し、派手なアクションシーンが描かれるなど、躍動感があるストーリー展開が特徴[5]。
オーディオブック化されている他、2022年『モーニング』(講談社)で漫画化[6]、2025年にNetflixでWebドラマ化[7]されるなど、メディアミックスが展開されている。
『小説現代』2025年11月号にシリーズのスピンオフ作品となる外伝『イクサガミ 無』が発表された[4]。
制作背景(小説)
『イクサガミ』シリーズの企画は、著者・今村翔吾が長編歴史小説『じんかん』を刊行した直後の2020年、講談社文庫編集部の担当編集者が新たな時代小説シリーズを依頼したことに始まる。当時の今村は多忙で新規シリーズの執筆は困難と見られていたが、両者が同じ奈良の中高出身で、祖父母の生地も同じ町であるという個人的な縁が後押しとなり、担当編集者が手紙によって依頼を行ったことが契機となった。結果として今村は2021年春に執筆を正式に引き受け、『イクサガミ 天』が翌年刊行された[8][9][10]。
物語の原案は、今村が編集者へ語った「侍たちが点数を奪い合いながら東海道を逆走する」という着想に基づくもので、これがシリーズ化の土台となった[10]。シリーズの発端には、講談社文庫50周年企画に合わせ、今村自身が「エンターテインメント性に振り切った作品」に挑戦したいという意図があり、当初は3巻構成で完結させる予定であったが、物語の拡張により最終的に4巻となった[5]。
執筆にあたり今村は、山田風太郎作品に代表される荒唐無稽な時代小説の系譜を意識しており、明治という時代を「武士の時代の終わり」と位置づけることで、近代化がもたらす価値観や武力の変容を物語の主題に据えた。また、登場人物が移動しながら成長する構成について、荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン』からの影響を公言している[5]。
作中のデスゲーム「蟲毒」は、数百人規模で展開する能力バトルとして構想され、さらに「京八流」の秘剣伝承、および明治政府内部の駅逓局と警察の対立を加えた三層構造で物語が設計された。これらは長編シリーズとしての持続性を確保する狙いがあったとしている[5]。また作中ではガス灯・鉄道・電話など文明開化期の技術を取り入れつつ、銃火器がいかなる武芸をも凌駕するという時代性が強調されている[5]。
「蟲毒」の参加者が総勢292人いることから、今村は参加者の旅の工程表を作成したうえで登場人物たちの旅の進捗状況、一体誰がどこにいるのかスケジュール管理しながら執筆している[11]。
シリーズ執筆時から今村は映像化を強く意識しており、担当編集へ「Netflixと岡田准一でなければ実写化は難しい」と語り、実際に2022年末、Netflix による映像化が決定し、藤井道人監督・岡田准一主演で制作が進められることが発表された[8][5]。
今村は原作シリーズの完結前にNetflixから実写化オファーを受けているが、主要人物の剣士・天明刀弥のキャラクターについて執筆初期から俳優・横浜流星を想定してアクション描写を行ったとXで明かしている[12]。今村は横浜の過去作のアクションを参照しながら、「横浜なら映える動き」を意識して構築したと述べており、刀弥の一瞬の登場でも際立つ強さや狂気性は、この当て書きに基づくものとされる[12]。
今村は歴史小説に馴染みのない読者にも読みやすい構成を心がけ、用語の丁寧な説明や登場人物への異名付与など、理解を助ける仕掛けを意識した。シリーズ完結後は若年層にも読者が拡大し、サイン会には小中高生や20代読者が多く訪れるようになった。また、主要人物である愁二郎および貫地谷無骨の過去を描くスピンオフ作品の執筆も進められている[5]。
あらすじ
登場人物
主要人物
- 嵯峨 愁二郎(さが しゅうじろう)
- 本作の主人公。28歳。神奈川県府中在住。五尺八寸。武器は刀。札番号は百八。五条大橋に捨てられていたのを師匠に拾われ、鞍馬山の山中で育つ。
- 「京八流」の後継者の一人。奥義「武曲」と、一貫から譲り受けた「北辰」を会得している。
- 鞍馬での継承戦を逃げ出した後、東京を経て京へ。『刻舟(こくしゅう)』と呼ばれる剣客として活躍し、戊辰戦争や上野戦争にも参加した。明治維新後は刀を捨てた生活を過ごしていた。
- 家族のために大金が必要となり、豊国新聞の存在を知る。半信半疑ながら再び刀を手にし、単身京都・天龍寺へと向かった。
- 香月 双葉(かつき ふたば)
- 本作のヒロイン。12歳。丹波の亀岡(旧亀山藩)出身の少女。西南の役で父親を失い、次いで母親が虎狼痢に倒れてしまったことで少しでも治療費を稼げればとの思いから「蠱毒」に参加した。
- 武術指南役であった父親の手ほどきで多少は剣の心得があるものの、殺人はおろか戦闘の経験も皆無。天龍寺では身が竦んで動けなくなっていたところを愁二郎に助けられ、何としてでも生き延びて母を助けたいとの想いから共に「蠱毒」の旅をするようになる。札番号は百二十。
- 柘植 響陣(つげ きょうじん)
- 「蠱毒」参加者の一人で元伊賀同心。身の丈は五尺八寸(約176cm)と大柄。目は大きく二重で、なめし革のように日焼けした肌と白い歯が印象的な男性。年齢は愁二郎と同じぐらいで、散切り頭に野良袴、脛当て、脚絆、手甲、胴乱を身に着けている。
- 武器は銑鋧(せんけん、手裏剣の意)をはじめとした暗器類。苦無や小刀の他、鎖文胴なども使用する。札番号は九十九。
- 普段は上方訛りで話すが、声音や話し方を自由に変えることが出来る特技を持つ。変装も得意。
- 女性を助けるため、京都・天龍寺へと向かった。
- 狭山 進次郎(さやま しんじろう)
- 元御家人の跡取り。23歳。札番号は二百六十九。
- 父が居酒屋を始めたが虎狼痢のために客足が途絶え、日々の生活のために高利貸しに金を借りた。借金は膨らんでいき、店が取り上げられそうな時に豊国新聞の存在を知り、お金を得るために京へと向かった。
- 「蠱毒」開始直後に番場に脅され子分として従う羽目になっていたところを愁二郎たちと出会い、行動を共にすることになる。
- 特出した剣技を持ち合わせておらず、実力は「蠱毒」参加者の中では双葉と並んで最底辺ではあるが、銃砲店を営む叔父の仕事の手伝いをしていたため、銃器の扱いに精通している。
京八流関係者
- 赤池 一貫(あかいけ いっかん)
- 京八流継承者候補の一人。目の奥義「北辰」の使い手。愁二郎が天龍寺を訪れる四年前に既に亡くなっており、死ぬ前に「北辰」を愁二郎に託したことだけが語られている。
- 祇園 三助(ぎおん さんすけ)
- 京八流継承者候補の一人。耳の奥義「禄存」の使い手。常人では聞こえない遠く小さな音でも聴き分け、さらには自身が発する音を消し去ることもできる。年齢は26、7歳ほどで、身長は五尺五寸(約167cm)。
- 「蠱毒」参加者の一人でもあり、札番号は百九十九番。参加した理由は愁二郎の逃亡によって中断となっていた継承戦を終わらせるため。
- 化野 四蔵(あだしの しくら)
- 京八流継承者候補の一人で愁二郎の義弟。腕の奥義「破軍」のほか、「廉貞」と「巨門」の二つの奥義も所持している。愁二郎いわく、兄弟の中で最も才があった男。
- 「蠱毒」参加者の一人でもあり、札番号は七番。
- 「蠱毒」に参加した理由は幻刀斎を討つため。
- 壬生 風五郎(みぶ ふうごろう)
- 京八流継承者候補の一人。胴の奥義「巨門」の使い手で、身丈六尺三寸(約190cm)と京八流の兄弟の中でも一際大柄な体躯の持ち主。
- 愁二郎の逃亡によって継承戦が中断となったあとは自身も山を下り、長野の諏訪に定住。一時期行動を共にしていた四蔵とは定期的に文のやり取りをしており、軍に入った四蔵が近々戦地に赴かねばならないことを知った際には、身を守る助けになればと「巨門」を四蔵に譲渡した。
- その半年後、幻刀斎は実在しているという内容の文を四蔵に送り、自身は幻刀斎に襲撃され死亡した。
- 蹴上 甚六(けあげ じんろく)
- 京八流継承者候補の一人。肌の奥義「貪狼」の使い手。空気の流れを読み取り、自身に向かうどんな攻撃にも自動的に噛みつき叩き落とす。年齢は20代半ばほど。褐色の肌に牙を彷彿とさせる八重歯が特徴。着物と股引きの上にフロックコートという和洋チグハグな格好をしている。
- 「蠱毒」参加者の一人でもあり、札番号は二百九十二番。参加理由は四蔵と同じく幻刀斎を討つため。
- 愁二郎の逃亡によって継承戦が中断となったあとは山を下りて軍に所属。仙台鎮台歩兵第四連隊に所属し兵舎に住まっていたが、四蔵から風五郎と七弥が幻刀斎に殺されたことを伝えられ、幻刀斎を誘い込み倒すべく「蠱毒」に参加した。
- 烏丸 七弥(からすま しちや)
- 京八流継承者候補の一人。口の奥義「廉貞」の使い手。京八流の兄弟の中でも一際優しい性格の持ち主。
- 愁二郎の逃亡によって継承戦が中断となったあとは自身も下山。しばらく三助と共に東京で職探しをしていた際、たまたま佐賀から東京へやって来ていた役人の娘を暴漢から救った縁で婿養子となる。その後は佐賀県の唐津で役人として働きながら、妻子と共に幸せに暮らしていた。
- しかし後に幻刀斎が姿を表し義父を殺害。事前に四蔵から幻刀斎について警告を受けていたため四倉と三助に救援の文を送るが間に合わず、死の間際に駆けつけた四蔵に「廉貞」を託して死亡した。
- 衣笠 彩八(きぬがさ いろは)
- 京八流継承者候補者の一人。指の奥義「文曲」の使い手。陽炎のように剣の軌道を前後左右に捻じ曲げる。23歳。身丈は五尺(約150cm)ほど。
- 「蠱毒」参加者の一人でもあり、札番号は百六十八番。
- 岡部 幻刀斎(おかべ げんとうさい)
- 代々京八流の継承戦を見届け、継承戦から逃亡する者がいればその者の抹殺する役割を務めているという「朧流」の継承者。70歳ほどの老人。
- 「蠱毒」の参加者でもあり、札番号は百四十二。
「蠱毒」参加者
- カムイコチャ
- 二百七十七番。北の大地に暮らす先住民族アイヌ出身の青年。22歳。くっきりとした二重の目に、睫毛は離れていても分かるほどに長く、肌は抜けるように白い。頭にはアイヌ特有の文様をあしらった幅広の鉢巻のようなものを巻いており、耳には動物の骨を加工した耳飾りもしている。
- 主な武器は弓。通常の弓のほか、腰にはアイヌに伝わる仕掛け弓・アマッポを改造した弩のようなものと、装飾が施された剣も下げている。
- 「蠱毒」の参加理由は和人によって(勝手に)買い占められた故郷の地を買い戻すため。
- カムイコチャとは「神の子」という意味を持つ通り名。本名はイソンノアシで「狩人の名人」という意。
- ギルバート・カペル・コールマン
- 元英国陸軍第十三竜騎兵隊。武器は手斧と刀。札番号は九十二。
- 天明 刀弥(てんみょう とうや)
- 二十二、三歳ぐらい。女と見紛うほどの端麗な容貌で、涼やかなような、全ての感情を失したような無の顔。背がすらりと高く、細身ではあるが引き締まった躰。肌の色は白い。どこか子どもっぽい話し方をする。札番号は二百二十二。
- 貫地谷 無骨(かんじや ぶこつ)
- 「乱切りの無骨」という二つ名で呼ばれ、戊辰戦争で戦死したと思われていたが、京都・天龍寺に姿を現す。
- 出生は播州姫路と記載されているが、備中訛りがあり定かではない。札番号は六十六。
- 菊臣 右京(きくおみ うきょう)
- 十九番。33歳。総髪で一重の美形。六尺近い。武器は三尺を超える野太刀。
- 汚名を雪ぎたい者たちのために大金を求めている。命懸けの闘いの中でも卑怯な行為はせず、正々堂々と勝つことに拘っている。
- 花山院家の家僕で、花山院家に伝わる太刀の秘伝『太刀四十二ケ条』を習得している。
- 陸乾(ルーチェン、りくけん)
- 百三十九番。清国の拳術使いで京八旗の武術師範。字は叙光。陸家の龍と呼ばれる。
- 眠(ミフティ)
- 二百十五番。台湾の排湾族に古くから伝わる伝説の女神。美麗な顔立ちで、身丈が四尺七寸ほどの小柄。
- 秋津 楓(あきつ かえで)
- 薙刀を携えた白襷に袴姿の女性。年齢は22歳。旧会津藩の出身で、言葉の端々に会津の訛りがある。
- 「蠱毒」の参加理由は父親の仇討ち。9歳の頃に京で役目に就いていた父親が何者かの手によって惨殺され、以来その仇討ちのために薙刀の腕を磨き続けてきた。後に下手人を突き止め、仇討ちの機会を狙って動向を追い続けるうちに「蠱毒」に参加することを知り、自身も参加した。札番号は百十一番。
- 中桐 傭馬(なかぎり ようま)
- 二十四番。元岡山藩士で直猶心流中興の祖、井上猶心斎の直弟子。鎖鎌を操る。
- 郷間 玄治(ごうま げんじ)
- 八十四番。下野で知らない人はいないと言われているほどの豪傑。
- 自見 隼人(じけん はやと)
- 二百五十一番。元久留里藩士。武器はヤタガン式の銃剣。
- 轟 重左衛門(とどろき じゅうざえもん)
- 百六十番。元幕臣で伝習隊一番の使い手。上野戦争で聴覚を失っている。
- 軸丸 鈴介(じくまる すずすけ)
- 一番。大分有終館出身。人斬り河上彦斎の最後にして最強の弟子と言われている。
- 伊刈 武虎(いかり たけとら)
- 十一番。東京を活動拠点にしている博徒『伊刈組』の頭。
- 石井 音三郎(いしい おとさぶろう)
- 百八十六番。元郡上八幡藩士で、凌霜隊の副隊長。今武蔵と呼ばれ、二刀を使う。
- 宝蔵院 哀駿(ほうぞういん えいしゅん)
- 頭を青々と剃り上げた奈良出身の僧。槍使いであり、宝蔵院流槍術の使い手。政府の廃仏毀釈によって各地で仏像が破壊されていることに心を痛め、仏像を隠すための資金を求めて「蠱毒」に参加した。札番号は四十八番。
- 坂巻伝内(さかまき でんない)
- 元新発田藩士。身丈六尺二寸(約188cm)の大男で直心影流剣術の使い手。札番号は二百二番。
- 楼順(ろうじゅん)
- 琉球王国出身の小柄な男。第十九代国王尚泰王に仕える親雲上(中級士族)。トンファーを武器とする。札番号は百七十八番。
- 竿本 嘉一郎(さおもと かいちろう)
- 旧紀州藩出身、和歌山県の役人。浅山一伝流の目録を得ているほか、船の操舵、および泳術を行う小池流水芸を得意としている。
- 「蠱毒」への参加理由は、大型船の登場によって現在衰退の一途を辿っている小池流水芸を存続させ、ひいては自分たちを見出し出世の糸口を用意してくれた小池家を救うため。札番号は百六十一番。
- 竿本勇次郎(さおもと ゆうじろう)
- 竿本嘉一郎の三つ下の弟。兄と同じく小池流水芸を得意とし、兄と共に和歌山県で官職に就いている。参加理由も兄と同じ。札番号は百六十三番。
- 赤山 宋適(あかやま そうてき)
- ヒゲを蓄えた洋装の男。年齢は42歳。伊予国今治の出身で、家は代々今治藩に仕えてきた医者の家系。自身も愛媛県の官医という職に就いているが、天性の博打好きが祟って借金で首が回らなくなり、金を工面するため「蠱毒」に参加した。札番号は二百三十番。
- 川本 寅松(かわもと とらまつ)
- 赤山宋適と行動を共にしている洋装の男。年齢は32歳。赤山が金を借りている一味の下っ端であり、一味の親分から赤山の監視を命じられているため赤山に同行、その流れで「蠱毒」に参加した。札番号は二百三十一番。
- 立川 孝右衛門(たちかわ こうえもん)
- 旧加賀藩士。愁二郎が天龍寺を訪れて最初に出会った男。年齢は30代半ばほど。気さくな性格で、金沢で豊国新聞を手に入れ天龍寺へとやってきたと愁二郎に話しかけた。札番号は百七番。
- 安藤 神兵衛(あんどう じんべえ)
- 京都府庁第四課所属の警官。旧淀藩出身。年齢は20代前半。警察内で行われた剣術試合で好成績を残し、一時期「疾風の安神」との異名で巷で騒がれていた有名人。もう少し生まれるのが早ければ新選組や有名な人斬りたちにも負けなかったと公言して憚らない自信家な性格。札番号は四番。
- 尾鷲 孫太郎(おわせ まごたろう)
- 三重県庁第四課所属の警官。天龍寺を脱した愁二郎らが身を寄せた宿屋・薊屋にたまたま宿泊していた。札番号は十五番。
- 木田 源左衛門(きだ げんざえもん)
- 元狭山藩士。札番号は六十七番。
- 番場 大悟郎(ばんば だいごろう)
- 紀伊国熊野出身の色黒の男。表向きには漁師だが裏では海賊働きをしており、和歌山の田辺で豊国新聞を手に入れ「蠱毒」に参加した。札を餌に他の参加者を従え、七里の渡しにて船に乗って進む愁二郎らを襲撃した。札番号は三十番。
- 上米良 尊(かんめら たける)
- 飫肥藩出身。家は代々馬廻を務める上士の家柄で、自身も幼い頃から文武共に才能に恵まれ、通っていた藩校・振徳堂でも周囲から神童として持て囃されていた。
- しかし後に入学してきた小村寿太郎に勉学で追い抜かれ、土俵を変えて剣術の腕に磨きをかけるも活躍の機会に恵まれず、廃藩置県によって飫肥藩が飫肥県になった際には上士の出身であったにも関わらず素行が原因で官職からあぶれ、それが元で縁組も破断、さらには両親からも勘当されるという転落の一途を辿る。
- 家を追い出される際に手渡された金を元手に商いを始めるもこれも失敗し、最終的に用心棒のようなことをしながら食いつないでいたところ豊国新聞を目にし、一発逆転を狙って「蠱毒」に参加した。札番号は二百二十一番。
- 黒木 太進(くろき たしん)
- 上米良尊の仲間。尊とは振徳堂の同門であり、彼に誘われて「蠱毒」に参加した。札番号は二百二十四番。
- 尾前 傅一(おまえ でんいち)
- 上米良尊の仲間。尊とは用心棒仲間であり、彼に誘われて「蠱毒」に参加した。札番号は二百二十番。
- 尾前 傅次(おまえ でんじ)
- 上米良尊の仲間で尾前傅一の弟。兄と同じく尊の用心棒仲間であり、彼に誘われて「蠱毒」に参加した。札番号は二百二十三番。
- 阿久根 国光(あくね くにみつ)
- 旧名、篠塚峰蔵(しのづか みねぞう)。旧薩摩藩士で、秋津楓が生涯を懸けて追っていた父親の仇。人を刺す感覚が好きだと言い、切り捨てたあとの死体を何度も刺して弄ぶ悪辣な性格。
- かつて篠塚峰蔵の名で新選組の隊士となり、池田屋事件の時は土方隊に属して褒章を受けたが、旧主の要請により帰参したことになっている。
- 「蠱毒」の参加理由は博打で作ってしまった借金の返済。札番後は二百九十番。
- 吉田 直人(よしだ なおと)
- 二百番。槍使い。二百一番の生司とは実の兄弟。原作では名前のみの登場だったが、Webドラマ板では生司と共に登場している。
- 吉田 生司(よしだ しょうじ)
- 二百一番。槍使い。二百番の直人とは実の兄弟。
- 金子 次郎作(かねこ じろさく)
- 漫画版オリジナルキャラクター。元新撰組七番大砲組平士。過去に愁二郎によって右手を斬り落とされており、義手を装着している。武器は刀。
- 村岡(むらおか)
- 漫画版オリジナルキャラクター。「蠱毒」が始まる前、百七番の孝右衛門が天龍寺で会話していた参加者の一人。
- 徳良 阮太(とくら げんた)、徳良 庄二(とくら しょうじ)、徳良 兵三(とくら へいざ)
- 漫画版オリジナルキャラクター。三位一体の秘術と呼ばれる『三ツ者』を得意とする三兄弟。武器は阮太が弓、庄二が長棒、兵三が手甲鉤。
「蠱毒」主催者
- 槐(えんじゅ)
- 瓜実顔で鼻は低く、能面のような男。 京都・天龍寺にて、「蠱毒」の開始を告げる。
- 橡(つるばみ)
- 愁二郎と双葉の監視担当。五尺四寸。
- 栂(つが)
- カムイコチャの監視担当。粗野で口調が荒々しい。
- 椒(はじかみ)
- 甚六の監視担当。歳の頃、二十三、四の女。
- 杜(やまなし)
- 狭山進次郎の監視担当。
- 柙(はこ)
- 池鯉鮒からの響陣の監視担当。その出身にしては異様なまでに誇り高い。
- 櫻(さくら)
- 監視者の一人。天龍寺にて一刀で剣客の首を刎ねた強者。その太刀筋は速いだけでなく恐ろしいほどに正確。
- 平岸(ひらぎし)
- 7人の秘書をまとめる秘書長。
- 諸沢 俊助(もろさわ しゅんすけ)
- 住友財閥関係者。
- 神保 圭次郎(じんぼ けいじろう)
- 三井財閥関係者。
- 近山 彦一(ちかやま ひこいち)
- 安田財閥関係者。
- 榊原 庄蔵(さかきばら しょうぞう)
- 三菱財閥関係者。小山藩出身。
- 中瀬 重蔵(なかせ じゅうぞう)
- 「蠱毒」主催者たちの本拠地を護衛している伊賀出身の忍。
明治政府関係者
- 大久保 利通(おおくぼ としみち)
- 内務卿。愁二郎が土佐藩から薩摩藩に移った際、大久保の外出時に愁二郎が護衛役を務める様になったことから親しくなる。
- 川路 利良(かわじ としよし)
- 内務省警視局長、階級は大警視。大久保の右腕の様な男。
- 前島 密(まえじま ひそか)
- 内務省駅逓局長。開成所の講師をしていたころ、尊攘派からの襲撃から守るための護衛として薩摩藩に呼ばれた愁二郎と知り合う。
- 維新後、刀を握ることを辞めた愁二郎に郵便局員としての仕事を紹介する。
- 船波 一之介(ふなみ いちのすけ)
- 駅逓局局長上級秘書。前島の護衛。
- 粳間 隆造(うるま りゅうぞう)
- 前島の護衛。武器はS&Wモデル3。
- 不破 鳴一(ふわ なるいち)
- 内務省駅逓局直轄・機密郵便特別逓送掛(特送)の隊長。表の顔は駅逓局長の秘書室長。齢六十二。身丈六尺。元大垣藩士で、大垣の「雷神」との異名を取る達人。船波と粳間の上司であり師であり親代わり。
その他の登場人物
- 志乃(しの)
- 愁二郎の妻。200年以上続く医者の家系で生まれた。父親は京都で開業している医者で、志乃自ら医術を志した。
- 緒方洪庵が開いた大阪にある適塾で医術を学び、町医者となった。
- 十也(とおや)
- 愁二郎の息子。7歳。
- 香月 栄太郎(かつき えいたろう)
- 双葉の父親で旧亀山藩士。人格者であり、旧亀山藩に伝わる有名な武術の流派・天道流の武芸指南役でもあった。しかし御一新の際には他の元藩士の様に官職に就くとこは叶わず、妻と娘の双葉と共に帰農。後に銃手を敵の剣士から守る警視隊の一人として取り立てられ戦場で活躍するも、西南の役にて戦死したとされている。
- イワケシ
- カムイコチャの村の隣村の長。年齢はカムイコチャより30歳ほど上。和人の持つ武力の恐ろしさを知っていたため、入植してきた和人から村の立ち退きを求められた際には抵抗せず恭順する意を示していた。
- ウタリアン
- カムイコチャの村の隣村の長。年齢はカムイコチャより1つ上で幼馴染の関係。和人からの立ち退き要請には断固として抵抗する姿勢を見せ戦いを挑むが、結果として村は壊滅してしまった。
- シバウ
- 元イワケシの村にいた男。和人たちの町に住まい、アイヌとの交易の仲立ちをしている。
- カムイコチャが金を求めていると知り、豊国新聞のことを知らせた。
- 花山院 家理(かざんいん いえのり)
- 花山院家の当主。
- 仏生寺 弥助(ぶっしょうじ やすけ)
- 仏生寺村の百姓の次男で、本名は豊次郎。練兵館の雑用係から、岡田利貞に見いだされて門弟となり、二年後に神道無念流の免許皆伝を得る。酒癖や素行の悪さもあり、斎藤塾の閻魔鬼神と呼ばれる。
- 沢村 陽奈(さわむら ひな)
- 響陣の幼馴染。吉原の遊女。武器を買う銭のために女衒に売られた。一万円ほどの借財を負っている。
- 弥兵衛(やへえ)
- 高倉通にある宿「薊屋(あざみや)」の主人。
- 愁二郎が洛中に滞在していたころよく利用していたので顔なじみ。愁二郎には娘を助けてもらった恩がある。
- 姉小路 公知(あねこうじ きんとも)
- 禁裏朔平門外の猿ケ辻で襲撃される。
- 田中 新兵衛(たなか しんべえ)
- 薩摩藩士。人斬りとの異名が高い。
- 姉小路公知の下手人と疑われ、京都町奉行所に捕らえられる。だが尋問が行われる前に切腹した。
- 佐田 秀(さだ ひずる)
- 長府報国隊(長州藩の支藩である長府藩に属する隊)にいたが、真に国に報いたいという気持ちから離脱する。
- 故郷である豊前宇佐(ぶぜんうさ)にて挙兵準備を進め、花山院隊と名乗るようになる。
- 熊野 直介(くまの なおすけ)
- 長州藩の藩士。長府報国隊。
- 福原 和勝(ふくばら かずかつ)
- 長州藩の藩士。長府報国隊。
- 平野 平左衛門(ひらの へいざえもん)
- 蒸気機関の火夫(機関助手)。
用語
- 京八流
- 鬼一法眼なる人物が編んだとされる流派。最古の剣術ともいわれ、その起原は七百年前の源平の頃にまで遡ると言われている。
- 必ず八人の継承者候補を立て、九分九厘同じことを教えたあと、それぞれの候補者に一つずつ異なる奥義を伝授するのが特徴。
- この流派の存在を知っているのは時の権力者のみであり、京八流を庇護する代わりに生涯一度だけ権力者の敵となる人物を誰であれ屠るという盟約を交わし、誰にも知られることなく生き延びてきた。
- 継承戦
- 京八流の修行の最終段階で行われる試練。八人の継承者候補で殺し合いを行い、それぞれが持つ八つの奥義を全て揃えた者が次の京八流継承者となる。
- 継承戦を拒否することは許されず、逃亡した者は、「朧流」の始末人、幻刀斎に消されると言われている。
- これにより七百年もの間、京八流は一子相伝で継承されてきた[11]。
- 京八流の奥義
- 八人の継承者候補がそれぞれ習得する八つの奥義。名前は北極星と北斗七星に由来する。
- ある文言を伝えることで口伝のみで他の継承者候補に奥義を譲渡することができ、譲渡すると譲渡した者は一刻ほどで奥義が使えなくなる。これには暗示のようなものが用いられているのではと愁二郎は考察している。
- 北辰(ほくしん)
- 眼の奥義。視力を極限まで高め、360度全周を見通す視界に加え、常人では見えない遥か遠くのものや暗闇の中の足跡すら見分けることができる。さらには相手の筋の動きを見極め、瞬間的な先読みをすることも可能。
- 武曲(ぶきょく)
- 脚の奥義。舞のような軽やかな足さばきで敵を翻弄する技。攻守ともにバランスが優れている。
- 禄存(ろくぞん)
- 耳の奥義。聴力を極限まで高め、遥か遠くの小さな音すらも聞き分ける。転じて自分から発する音も消すこともできる。
- 正面切っての戦いにはあまり向かない一方、暗殺や諜報に長け、京八流の奥義の中で最も汎用力に優れている。
- 破軍(はぐん)
- 腕の奥義。京八流の奥義の中で最も攻撃に特化した技であり、破軍が乗った斬撃は受けた武器をことごとく破壊し、掠めただけでも大きな傷を生みだす。
- 巨門(こもん)
- 胴の奥義。全身の筋を硬化させて攻撃を防ぐ守りの技。
- 貪狼(とんろう)
- 肌の奥義。空気の流れを読み、自身に向かう攻撃に自動的に反応し撃墜する鉄壁の技。誰かに触れている場合、触れている相手も自身の身体の延長と見なして守ろうとするが、逆に攻撃してくる相手が自身に触れていた場合は貪狼が反応しないという弱点がある。
- 廉貞(れんじょう)
- 口の奥義。独自の呼吸法を用いて身体能力を大幅に向上させる技。
- 文曲(ぶんきょく)
- 指の奥義。剣の動きをありえない方向に曲げる[11]。
- 朧流
- 秘伝の京八流を唯一知る流派。当主は代々「幻刀斎(げんとうさい)」と呼ばれ、京八流継承者に匹敵する実力を持つ。
- 毎年一度、京八流の継承者と幻刀斎は面会をしており、幻刀斎は京八流の継承戦から逃げ出した者を狩る役割がある。
- その奥義は南斗六星の名を冠する。
- 天機(てんき)
- 骨の奥義。
- 天相(てんそう)
- 鼻の奥義。
- 天同(てんどう)
- 心臓の奥義。
- 天梁(てんりょう)
- 血の奥義。
- 七殺(しちさつ)
- 筋の奥義。
- 天府(てんふ)
- 脳漿の奥義。
- 蠱毒(こどく)
- 大陸の呪術。古来、五月五日に行われるとされている。
- 蛇、蛙、百足、蛾、虱など百の虫を一つの壺に入れ、放置して共食いをさせる。
- 最後に勝ち残ったものが神気を帯びるとされ、これを祀れば思い通りの富貴を得られるとも、どんな壮健な者でも殺める毒を作れるともいう。
- 七つの掟(ななつのおきて)
- 蠱毒の参加者に課せられた七つの掟。掟を破れば「相応の処罰」が待っている。
- 十二支隊
- 戊辰戦争のとき、新政府軍の中で腕の立つ者だけを集めた十二隊。
- それぞれ十二支の名を冠する。巳から未までは諸藩の寄せ集めが中心、申から亥までは浪士が中心、子から辰までは薩摩・長州・土佐・肥後・芸州が中心。
シリーズ一覧
イクサガミ
『イクサガミ 天』
- シリーズ第1作。文庫オリジナル。
- 明治11年、京都・天龍寺に集められた嵯峨愁二郎をはじめとする総勢292人が、大金を賭けた残酷なデスゲーム「蠱毒」に参加する。
- 文庫本:2022年2月15日発売[13]、講談社文庫 ISBN 978-4-06-526986-2
『イクサガミ 地』
- シリーズ第2作。文庫オリジナル。
- 少女・双葉の誘拐をきっかけに、剣客・愁二郎は13年ぶりに義弟・三助と再会、大金を巡る死闘「蠱毒」に兄弟の宿命が絡み合う。
- 文庫本:2023年5月16日発売[14]、講談社文庫 ISBN 978-4-06-528012-6
- 初出:『小説現代』2022年4月号(一部掲載)[3]
『イクサガミ 人』
- シリーズ第3作。文庫書き下ろし。
- 東海道を舞台に23人が生き残る殺し合いの中、島田宿で人外級の侍たちが激突。そこへ「台湾の伝説」と呼ばれる存在が乱入し、戦いは激化する。
- 文庫本:2024年11月15日発売[15]、講談社文庫 ISBN 978-4-06-531163-9
『イクサガミ 神』
- シリーズ第4作。文庫書き下ろし。
- 8人の怪物と1人の少女による最終決戦が始まり地獄と化した東京で、双葉は宿敵・幻刀斎と対峙し、愁二郎も最強の剣士との戦いに臨む。
- 文庫本:2025年8月8日発売[16]、講談社文庫 ISBN 978-4-06-540457-7
外伝 イクサガミ
『イクサガミ 無』
- 外伝シリーズ第1作。文庫本未収録。
- 嵯峨愁二郎が天龍寺に行くまでの本編の前日譚[5]。
漫画
『モーニング』(講談社)2023年2・3合併号から立沢克美の作画によるコミカライズ版が連載されている[6]。
書誌情報(漫画)
- 今村翔吾(原作) / 立沢克美(作画)『イクサガミ』講談社〈モーニングKC〉、既刊6巻(2025年11月21日現在)
- 2023年4月21日発売[講 1]、ISBN 978-4-06-531334-3
- 2023年7月21日発売[講 2]、ISBN 978-4-06-532393-9
- 2023年12月21日発売[講 3]、ISBN 978-4-06-534013-4
- 2024年5月22日発売[講 4]、ISBN 978-4-06-535583-1
- 2025年10月23日発売[講 5]、ISBN 978-4-06-538847-1
- 2025年11月21日発売[講 6]、ISBN 978-4-06-541410-1
Webドラマ
Netflixにてドラマ化され2025年11月13日に配信された(英題:Last Samurai Standing)[7][18][19][20]。主演は岡田准一[7]。シーズン2の制作が発表されている。
制作背景(Webドラマ)
2024年に制作が発表された[21]本作の映像化は、Netflix東京オフィスの髙橋信一エグゼクティブ・プロデューサーの発案により進められた。発売直後に原作を手に取った髙橋は、作品の面白さを確信し、主演兼プロデューサー兼アクションプランナーとして岡田准一を内諾のうえで迎えた後、正式に映像化の許諾を得た[22][23]。Netflix側では、全体の方向性を決定するエグゼクティブ・プロデューサーと、現場の制作を統括するプロデューサーという役割分担が行われた。岡田准一はプロデューサーとして現場指揮や予算管理を担当している[21]。
日本国内では時代劇の観客が限定的になってきたことから、映像化にはリスクが伴い、Netflixとしても日本オリジナル作品としての時代劇は初挑戦だったため不安は大きかった。しかし、原作の持つ現代的テーマとデスゲーム要素、さらに原作の構造が映像向きであることを確認した上で、製作が決定された[24]。今村自身もNetflix配信と岡田准一の主演を想定し、話のテンポや緊張感を意識した構成で原作を執筆している[25]。
物語は明治11年の京都を中心に展開され、廃刀令による武士の没落や社会の変革期を背景に、292人の剣客が「蠱毒」と呼ばれるデスゲームに参加する内容である[26]。日本全国に残る時代劇セットや街並みを活用し、約300人の出演者とスタッフを含む1000人規模で撮影が行われた[27]。原作の細部にわたるキャラクター設定や武具・衣装も忠実に再現し、アクションシーンはカメラワークを意識して構成された[28]。
海外展開を前提としているため、字幕・吹き替えを多言語で用意し、俳優の口の動きに合わせる技術も導入された[29]。公開直前には原作者の今村自身も作品を確認し、「見たことがない映像」と評価した[28]。
2025年12月19日、シーズン2の制作が発表された[30]。
キャスト(Webドラマ)
- 嵯峨愁二郎 - 岡田准一
- 香月双葉 - 藤﨑ゆみあ[18]
- 衣笠彩八 - 清原果耶[18]
- 柘植響陣 - 東出昌大[18]
- カムイコチャ - 染谷将太[18]
- 化野四蔵 - 早乙女太一[18]
- 祇園三助 - 遠藤雄弥[18]
- 蹴上甚六 - 岡崎体育[31]
- 狭山進之介 - 城桧吏[18]
- 櫻 - 淵上泰史[18]
- 諸沢(住友財閥関係者) - 榎木孝明[31]
- 神保(三井財閥関係者) - 酒向芳[31]
- 近山(安田財閥関係者) - 松尾諭[31]
- 榊原(三菱財閥関係者) - 矢柴俊博[31]
- 平岸 - 黒田大輔[31]
- 橡 - 吉原光夫[31]
- 柙 - 根岸拓哉[31]
- 立花雷蔵 - 一ノ瀬ワタル[18]
- 弥兵衛 - 笹野高史[31]
- 立川孝右衛門 - 松浦祐也[31]
- 京八流の師 - 宇崎竜童[31]
- 大久保利通 - 井浦新[31]
- 前島密 - 田中哲司[31]
- 永瀬心平 - 中島歩[31]
- 安藤神兵衛 - 山田孝之[18]
- 嵯峨志乃 - 吉岡里帆[18]
- 槐 - 二宮和也[18]
- 菊臣右京 - 玉木宏[18]
- 貫地谷無骨 - 伊藤英明[18]
- 川路利良 - 濱田岳[31]
- 岡部幻刀斎 - 阿部寛[31]
- 赤山宋適 - 山中崇[32]
- 天明刀弥 - 横浜流星[33]
スタッフ(Webドラマ)
- 原作 - 今村翔吾『イクサガミ』シリーズ(講談社文庫刊)
- プロデューサー・アクションプランナー - 岡田准一
- 監督 - 藤井道人、山口健人、山本透
- 脚本 - 藤井道人、山口健人、八代理沙
- 脚本協力 - 佐藤寿洋、横尾千智
- 音楽 - 大間々昂
- 撮影 - 今村圭佑、山田弘樹
- 照明 - 平山達弥、野田真基
- プロダクションデザイナー - 宮守由衣
- 衣装デザイン - 宮本まさ江
- キャラクタースーパーバイザー - 橋本申二
- VFX - 横石淳
- 助監督 - 山本透、平林克理
- エグゼクティブ・プロデューサー - 高橋信一
- プロデューサー - 押田興将
- 制作プロダクション - オフィス・シロウズ
- 企画・製作 - Netflix
配信日程(Webドラマ)
関連商品(Webドラ)
- Netflixシリーズ イクサガミ Official Book
- 通常版: 2025年11月13日発売[36]、講談社 ISBN 978-4-06-540881-0
- 特別版: 2025年11月13日発売[37]、講談社 ISBN 978-4-06-540882-7
評価(Webドラマ)
シーズン1
- Netflix週間グローバルTOP10(非英語シリーズ)で1位を獲得。88の国と地域で週間TOP10入りし、初週を上回る勢いで視聴もされている[38]。
- またアメリカの映画レビューサイトのロッテントマトでは配信直後から批評家スコア100%になった[39]。
- 2025年12月17日に、FILMARKS AWARDS 2025 配信ドラマ部門 優秀賞を受賞した[40]。
- 2026年のクリティクス・チョイス・アワード 最優秀外国語シリーズ部門に、日本作品として初めてノミネートされた[41][42][43]。
その他
作曲家・山田竜平による小説をイメージして書き下ろしたオリジナル楽曲がある[44]。