タイカ・ワイティティ

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本名 タイカ・デイヴィッド・コーエン
Taika David Cohen
生年月日 (1975-08-16) 1975年8月16日(50歳)
職業 映画監督、脚本家、俳優、コメディアン
タイカ・ワイティティ
Taika Waititi
Taika Waititi
本名 タイカ・デイヴィッド・コーエン
Taika David Cohen
生年月日 (1975-08-16) 1975年8月16日(50歳)
出生地 ニュージーランドの旗 ニュージーランド ウェリントン
職業 映画監督、脚本家、俳優、コメディアン
活動期間 1999年 
配偶者 チェルシー・ウィンスタンリー(2012年 - 2018年)
リタ・オラ
主な作品
監督兼出演
ボーイ英語版』(原題)
シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア英語版
ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル英語版
マイティ・ソー』シリーズ
ジョジョ・ラビット
マンダロリアン
海賊になった貴族
出演
アベンジャーズ/エンドゲーム
ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
フリー・ガイ
バズ・ライトイヤー
受賞
アカデミー賞
脚色賞
2019年ジョジョ・ラビット
ベルリン国際映画祭
パノラマ観客賞
2004年トゥー・カーズ、ワン・ナイト
英国アカデミー賞
脚色賞
2019年『ジョジョ・ラビット』
グラミー賞
最優秀編集サウンドトラック・アルバム賞(映画・テレビ・その他映像部門)
2020年『ジョジョ・ラビット』
その他の賞
インド国際映画祭
審査員特別賞

2010年ボーイ
トロント国際映画祭
観客賞
2019年『ジョジョ・ラビット』
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タイカ・ワイティティ: Taika Waititi [ˈtkə wˈtti] ( 音声ファイル)[1])こと、タイカ・デイヴィッド・コーエン: Taika David Cohen ONZM, 1975年8月16日 - )は、ニュージーランド映画監督テレビディレクター脚本家俳優コメディアン

アカデミー賞BAFTA賞グラミー賞を受賞し、プライムタイム・エミー賞にも2回ノミネートされている。長編映画『ボーイ英語版』(2010年)と『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル英語版』(2016年)は、それぞれニュージーランド映画史上最も高い興行収入を更新した。

2004年の短編映画『トゥー・カーズ、ワン・ナイト英語版』で、アカデミー賞短編映画賞にノミネートされた。ホラー・コメディ映画『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア英語版』(2014年)では、ジェマイン・クレメントと共同で脚本・共同監督・主演を務め、テレビシリーズ化された。同シリーズは、プライムタイム・エミー賞卓越したコメディ・シリーズにノミネートされた。ブラックコメディ映画『ジョジョ・ラビット』(2019年)では、脚本と主演も担当した。『ジョジョ・ラビット』は、アカデミー賞に6つノミネートされ、脚色賞を受賞した。また、同作のサウンドトラックをプロデュースしてグラミー賞を受賞した。テレビシリーズ『マンダロリアン』(2019年 - )では、エピソードの監督と「IG-11」の声を担当した。

生い立ち

タイカ・デイヴィッド・コーエン[2][3][4]は、ニュージーランド北島ベイ・オブ・プレンティ地域のラウココア英語版で生まれ[5]ウェリントンで育った[6][7]。父親はテ・ファーナウ=アー=アパヌイ英語版系のアーティストで、母親のロビン・コーエン[8]は学校の教師である[9]。ワイティティは、母方の家系はロシアユダヤ人で、「アイルランド人が少し混じっている」などヨーロッパの血が流れており、父方の家系は「マオリフランス系カナダ人が少し混じっている」と語っている[10]。ワイティティは自身を「ポリネシア系ユダヤ人」と表現しているが、「積極的にユダヤ教を信仰する家庭で育ったことはない」と語っている[11][12][13]

ワイティティの両親は彼が5歳の頃に離婚し[14]、主に母親に育てられた[15]。 彼はオンズロー・カレッジに通い、その後ヴィクトリア大学ウェリントン校で演劇を学び、1997年に芸術学士を取得した[16]。 もともと、映画や執筆の仕事には母親の姓であるコーエンを使い[17][18]、視覚芸術の仕事には父親の姓であるワイティティを使っていた[19]

経歴キャリア

コメディと俳優業

ヴィクトリア大学ウェリントンの演劇学生だった頃、ワイティティはブレット・マッケンジージェマイン・クレメントとともに5人組アンサンブルのコメディ劇団「ソー・ユーアー・ア・マン英語版」の一員として活動し、ニュージーランドやオーストラリアでツアーを行って成功を得た[20]。またジェマイン・クレメントとコメディ・デュオ「ザ・ユーモアビースツ」("The Humourbeasts") を結成し、ニュージーランド喜劇の最高峰であるビリー・T賞英語版1999年に獲得した[21]

ワイティティは俳優としても活動しており、ダニーデンを舞台にした低予算映画『スカーフィーズ英語版』(原題、1999年)では地元の映画賞を獲得した。また2001年のロードムービースネークスキン英語版』(原題)や、テレビ番組『ザ・ストリップ英語版』(原題、2002年  2003年)にも端役で出演している。2011年のスーパーヒーロー映画『グリーン・ランタン』ではトーマス・カルマク英語版を演じたほか[22]、自身の映画『ボーイ英語版』(原題、2010年)と『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア英語版』(2014年)では主役級を演じた。2017年の監督作・スーパーヒーロー映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』では、モーションキャプチャコーグ英語版の演技を担当した[23]

映画製作

様々なものに芸術的興味を示した中で、ワイティティは、ニュージーランドで毎年開かれている映画祭・48アワーズ英語版用の短編喜劇映画を製作するようになった[24]。2005年には、自身の短編映画『トゥー・カーズ、ワン・ナイト英語版』(原題)で第77回アカデミー賞短編映画賞にノミネートされた[25]。授賞式ではノミネート作品読み上げ時に、寝たふりをして会場を沸かせたことで有名になった[26][注釈 1]。ワイティティはこの一件について、ノミニー全員で寝たふりをしていれば面白いだろうと示し合わせていたのに、結局実行したのは自分だけだったと語っている[27]

最初の長編映画となった風変わりなロマンティック・コメディ映画『イーグル VS シャーク英語版』は、アメリカ合衆国で2007年に限定公開された[28]。リリー役は当時のパートナーだったローレン・ホースリー英語版が演じている[29]。同じ年には、ジェマイン・クレメントらが出演したテレビ番組『フライト・オブ・ザ・コンコルズ英語版』で脚本・監督を務めた[30]

2本目の長編映画『ボーイ英語版』(原題)は2010年1月にサンダンス映画祭でプレミア上映を迎えたが[31]、同時に映画祭のグランプリ部門にもノミネートされた。ワイティティは監督だけでなく、家族の元へ帰る前科者の父親役も演じた。ニュージーランドでの封切り後、作品には熱狂的な批評がいくつも寄せられ[32]、国内最高の興行収入をあげるなど、いくつもの記録を打ち立てた[33][34][35][36]。この作品の成功後、ワイティティは作中で重要な意味を持った曲『ポイ・エ英語版』が、国内チャートで1位に返り咲くのではないかと述べ、新たなミュージックビデオも制作した[37][注釈 2]。曲はチャート3位まで上昇したほか、iTunesのランキングでは1位を獲得した[40]

2015年サンダンス映画祭にて

2011年には、ニュージーランドのテレビ番組『スーパー・シティ英語版』(原題)で監督を務めたが、主役のマデレーン・サミ英語版は作中で1つの街に住む5人の人物を演じ分けた[41]

ワイティティは2016年のディズニー映画『モアナと伝説の海』の初期稿を執筆していたが[42]、その内容はジェンダーや家族に焦点を当てたものだった[43]。これらの要素は実際の最終稿では無視された[44]。初期稿離脱後の2013年には[43]、友人のコメディアン、ジェマイン・クレメントと共同監督・脚本で、吸血鬼が登場するコメディ・モキュメンタリー映画『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア英語版』を製作した[45]。作品は2014年1月にサンダンス映画祭でプレミアを迎えた[46]。ワイティティとクレメントは、現代のウェリントンに住む吸血鬼の役も演じた。

ワイティティにとって4作目となる長編映画『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル英語版』(原題)も、2016年のサンダンス映画祭でプレミアを迎えた[47]。作品はニュージーランドで公開されると、ワイティティが『ボーイ』で打ち立てていた公開初週末の興行収入記録を塗り替えた[48]。この作品は、ニュージーランドの作家バリー・クランプ英語版の小説を元に、少年とサム・ニール演じる気難しい男が森の中で交流を深める様を主軸に置いている。

2017年にはニュージーランダー・オブ・ザ・イヤー英語版を受賞したが、仕事のため授賞式に出席することはできなかった[49]

ワイティティにとって初のハリウッド映画となったマーベル・スタジオの『マイティ・ソー バトルロイヤル』は、2017年10月に公開された[50][51]。予算200万ドル前後の比較的小規模な映画を手掛けてきた監督が、予算1億8000万ドルのハリウッド大作の監督に抜擢されたことでも話題となった。ワイティティはこの作品より前に、クリス・ヘムズワース演じるソーが、オーストラリアでルームメイトのダリル・ジェイコブソンと暮らす短編モキュメンタリー映画『チーム・ソー英語版』(原題)を撮影していた。

2019年には、クリスティン・ルーネンズ英語版の "Caging Skies" を原作とした長編映画『ジョジョ・ラビット』の監督を務め、役者としてもアドルフ・ヒトラーに扮して出演した[52]。作品はトロント国際映画祭 観客賞受賞、第77回ゴールデングローブ賞 映画部門 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)ノミネートなど高く評価され[53]アカデミー脚色賞を受賞した。

ワイティティは、マーク・グスタフソン (Mark Gustafson) と共に、マイケル・ジャクソンの人生をペットのチンパンジーバブルスの視点から描いた、ストップモーション・アニメーション映画 "Bubbles" を監督すると報じられている[54][55]。また大友克洋のSF漫画『AKIRA』の実写化に取り組む予定であること[56]、加えて『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』の続編 "We're Wolves" の共同脚本を準備していることも分かっている[57]

私生活

2012年5月に、妻チェルシー・ウィンスタンリーとの間に長女が誕生した[58][59]。また2015年8月には次女が誕生している[60][61]。チェルシーとは2018年に別居した[62]

ワイティティは、「先住民族のアタッチメント」を入れたり、撮影開始時に「Welcome to Country」のセレモニーを行ったりするなど、マオリの伝統を自身のプロジェクトに取り入れている。彼は、マオリや先住民の映画製作者が監督したニュージーランド映画『ザ・ブレイカー・アッパラーズ』(2018年)、『Baby Done』(2020年)、『Night Raiders』(2021年)の製作総指揮を務めている[63]

2021年には歌手リタ・オラとの交際が報じられ、同年のメットガラや翌年の『ソー:ラブ&サンダー』プレミア公開時にふたりの同席が確認されたほか、2022年8月にはオラと結婚したのではないかと複数誌で報じられた[64][65][66][67]。オラは2023年1月のインタビューで、ワイティティと結婚したことを認めた[68]

フィルモグラフィ

映画

題名 クレジット 備考
監督 製作 脚本 出演
1999 スカーフィーズ英語版(原題)
Scarfies
NoNoNoYes アレックス (Alex) 役
2001 スネークスキン英語版(原題)
Snakeskin
NoNoNoYes ネルソン (Nelson) 役
2001 A New Way Home NoNoNoYes 短編映画、マックス (Max) 役
2002 John and Pogo YesNoYesNo 短編映画
2003 トゥー・カーズ、ワン・ナイト英語版(原題)
Two Cars, One Night
YesNoYesNo 短編映画
第77回アカデミー賞短編映画賞ノミネート
2004 Tama Tu YesNoYesNo 短編映画
フュータイル・アトラクション英語版(原題)
Futile Attraction
NoNoNoYes ウェイター役
2005 What We Do in the Shadows: Interviews with Some Vampires YesNoYesYes 短編映画
ヴィアーゴ (Viago) 役
2007 イーグル VS シャーク英語版[69]
Eagle vs Shark
YesNoYesYes ゴードン (Gordon)役
2010 ボーイ英語版(原題)
Boy
YesNoYesYes アラメイン (Alamein) 役
2011 グリーン・ランタン
Green Lantern
NoNoNoYes トーマス・カルマク英語版
(Thomas Kalmaku)
2013 The Captain NoNoNoYes 短編映画[70]
キャプテン (The Captain) 役
2014 シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア英語版
What We Do in the Shadows
YesYesYesYes ヴィアーゴ (Viago) 役
2016 ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル英語版(原題)
Hunt for the Wilderpeople
YesYesYesYes 神父役
チーム・ソー英語版(原題)
Team Thor
YesYesYesNo 短編映画[71]
2016 ドクター・ストレンジ
Doctor Strange
NoNoNoNo クレジット無し、削除されたミッド・クレジットシーン[72]
モアナと伝説の海
Moana
NoNoNoNo クレジット無し、初期脚本の執筆[73]
2017 マイティ・ソー バトルロイヤル
Thor: Ragnarok
YesNoNoYes コーグ英語版[74]
2018 ザ・ブレイカー・アッパラーズ英語版(原題)
The Breaker Upperers
NoYesNoNo 製作総指揮[75]
2019 アベンジャーズ/エンドゲーム
Avengers: Endgame
NoNoNoYes コーグ役
ジョジョ・ラビット
Jojo Rabbit
YesYesYesYes アドルフ・ヒトラー[76][77]
2021 ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
The Suicide Squad
NoNoNoYes ラットキャッチャー役
フリー・ガイ
Free Guy
NoNoNoYes アントワン役
2022 バズ・ライトイヤー
Lightyear
NoNoNoYes モー・モリソン役
ソー:ラブ&サンダー
Thor: Love and Thunder
YesNoYesYes コーグ役
2023 ネクスト・ゴール・ウィンズ英語版
Next Goal Wins
YesYesYesYes 司祭役
TBA
Klara and the Sun
Yes Yes No No

Judge Dredd
Yes Yes No No

テレビ番組

題名登場話クレジット
2002 ザ・ストリップ英語版(原題)
The Strip
13話モスティン (Mostin) 役
2003Revelations – The Initial Journey (en) エピソード:"Mended Sole"アリ (Ali) 役
フリーキー英語版(原題)
Freaky
エピソード:"Fridge, Cleaner & Sister"清掃員役
2007-2009 フライト・オブ・ザ・コンコルズ英語版
Flight of the Conchords
4話監督・脚本
2009ザ・ジャッキー・ブラウン・ダイアリーズ英語版(原題)
The Jaquie Brown Diaries
エピソード:"Brownward Spiral"フレンドリーなジプシー役
2010Radiradirah (en) 8話複数役
2011スーパー・シティ英語版(原題)
Super City
6話監督
2012ジ・インビトウィーナーズ英語版(原題)
The Inbetweeners
5話
2015Brown Eyeシーズン1脚本、製作総指揮
2018ウェリントン・パラノーマル英語版(原題)
Wellington Paranormal
6話 コー・クリエーター、ヴィアーゴ (Viago) 役[78]
2019マンダロリアン
The Mandalorian
シーズン1第8話監督、IG-11英語版役 (声の出演)
2021RuPaul's Drag Race Down Under (en) 1話ゲスト出演
Reservation Dogs (en) シーズン1、2脚本、製作総指揮
2022海賊になった貴族
Our Flag Means Death
1話監督、製作総指揮、黒髭

ミュージック・ビデオ

コマーシャル

ワイティティは多作なコマーシャル監督でもある。ニュージーランド航空の機内安全ビデオ "The Most Epic Safety Video Ever Made" には、ピーター・ジャクソンイライジャ・ウッドが出演し、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの物語を旅する設定で撮影された[注釈 3][79]。この作品はYouTubeで1900万回以上も再生されている[80]。またテスコのCM "Borg" ではスーパーで買い物するコミカルなトール風の人物を登場させているが[81]、ワイティティはその後マーベル・スタジオの『マイティ・ソー バトルロイヤル』を監督している。

評価

脚注

外部リンク

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