第1ステージが何とチームTT、山岳、平地の三部構成という形になったが、メルクスが早くもマイヨ・ジョーヌをキープ。しかし序盤から山岳ステージが組まれていたにもかかわらず、他選手も踏ん張り、メルクスは思ったほどの差を広げることができない。
第8ステージをオカーニャが制し、この時点でメルクスはマイヨをキープするも、2位ヨープ・ズートメルクとは36秒、3位に浮上したオカーニャとは37秒の差しかなかった。
アルプスステージとなる第10ステージ。この区間はベルナール・テブネが制し、ズートメルク、オカーニャがテブネと同タイムで入る。一方、メルクスはズートメルク、オカーニャらに遅れること1分36秒。ついにマイヨはズートメルクに移動し、オカーニャがわずか1秒差の2位。対してメルクスは総合4位に転落。
さらにオカーニャは第11ステージにおいて中盤から先頭に立つとそのまま押し切り。ズートメルク、メルクスに対し何とこのステージだけで8分42秒の差をつけ、当然のことながらマイヨを奪取。メルクスはオカーニャに遅れること9分46秒差の5位という信じられない展開となった。
しかしこのままでは当然終われないメルクスは続く山下りステージとなる第12ステージにおいて決死のアタックを仕掛け、平均時速46.272Kmという高速レースに持ち込んで区間優勝のアルマーニと同タイムゴール。総合2位に浮上した。対して、スピードレースは得意でないオカーニャもズートメルクらとともに何とか1分56秒差の大集団ゴールに持ち込んだが、メルクスとの差を7分34秒差にまで縮められる。
そしてピレネーステージ緒戦の第14ステージにおいて、死闘の末の悲劇を生むことになる。
レベからルションまでの214.5Kmで行われたステージは雨にたたられたばかりか、嵐が吹き荒れ、視界が悪い状況となった。メンテ峠を通過し、2番手集団にいたメルクス、オカーニャ、シリル・ギマールらだったが、峠を通過した直後のヘアピンともいうべき下りのカーブでメルクスがバランスを崩し、激しくメルクスと競っていた状態のオカーニャが乗り上げ、オカーニャは崖下に転落。
マイヨ・ジョーヌを身にまとったまま、オカーニャは瀕死の重傷を負い無念のリタイア。しかしレースはこのまま続行され、メルクスは2位集団でゴール。マイヨをついに奪回した。
ピレネーステージが終了した時点では総合2位のルシアン・バンインプ、同3位のズートメルクは2分台の差で続き、まだまだ挽回可能なタイム差をキープしていたが、第17ステージの平坦ステージでメルクスが果敢にアタックをかけると他を圧倒。このステージでメルクスは総合2位のバンインプに5分38秒、同3位のズートメルクに5分46秒の差をつけ、最終ステージの個人タイムトライアルも圧勝し、激闘の末、3連覇を達成した。