フォーミュラ4
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FIA-F4
国際自動車連盟 (FIA) 制定によるフォーミュラ4(通称:FIA-F4)は、FIAシングルシーター委員会会長(当時)のゲルハルト・ベルガーが主導するジュニアフォーミュラ再編プログラムの一環として、カートとF3の間をつなぐ新たな入門カテゴリとして設立され[1]、2013年3月6日の世界モータースポーツ評議会で承認された[2]。
2014年にイタリアシリーズ[3]が開幕したのを皮切りに、2015年より世界各国・各地域において選手権がスタートした。FIAの基準に従い行われるF4シリーズについては「Certified by FIA」の認可が与えられ[4]、原則として国ごとのモータースポーツ統括団体 (ASN) の主催で開催される。
レースはワンメイクで開催されるが、各選手権ごとにシャシーとエンジンの銘柄を選択できることが特徴となっている。参入するシャシーコンストラクター・エンジンメーカーは登録制となっている。
2016年に導入されたスーパーライセンスポイント制度では、各国の国内F3選手権よりも配点が高く設定されている。
おもなレギュレーション
- シャーシ・エンジンは各選手権ごとにFIAから許諾を得たワンメイクとする。同程度の性能になるようFIAのホモロゲーションによって調整が行われる。
- シャシーはカーボンモノコック製で、F3と同等レベルの安全性を有する。
- エンジンは140〜160馬力程度。排気量や過給・非過給の選択は自由。年間10,000kmをオーバーホールなしで走ることが出来る仕様とする。
- イコールコンディション確保ため、パーツのほとんどは指定制とする。
- 参戦費用を抑えるため厳しいコストキャップが設定される。シャシー販売価格は38,000ユーロ(5,320,000円)以下、エンジンの1年間の費用は7,500ユーロ(1,050,000円)以下[5]。
- ドライバーの年齢は15歳以上。
- レーススケジュールやポイントシステム等を「FIAヨーロッパF3選手権に準じたものとする」よう推奨している。
- レースは距離にして60km、もしくは30分以内。
公認モデル
- シャシー
- エンジン
- タトゥース・F4-T014
- ミゲール・M14-F4
- 童夢・F110
- クロフォード・F4-16
世界各国・各地域のFIA-F4
FIA公認選手権
| 開催年 | シリーズ | 国/地域 | シャシー | エンジン | タイヤ |
|---|---|---|---|---|---|
| 2014 - 現在 | イタリアF4選手権 | イタリア | タトゥース・F4-T014 (2014 - 2021) タトゥース・F4-T421 (2022 - ) |
アバルト・414TF 1.4 L ターボ | ピレリ |
| フォーミュラ・アバルトから再編。WSK Promotionが運営する。 | |||||
| 2015 - 現在 | FIA-F4選手権 | 日本 | 童夢・F110 (2015 - 2023) 東レ・カーボンマジック・MCS4-24 (2024 - ) |
トムス・TZR42 2.0 L トムス・TMA43 2.0 L |
ダンロップ |
| SUPER GTと併催。GTアソシエイションが運営する。 | |||||
| イギリスF4選手権 | イギリス | ミゲール・M14-F4 (2015 – 2021) タトゥース・F4-T421 (2022 - ) |
フォード・エコブースト 1.6 L (2015 – 2021) アバルト・414TF 1.4 L ターボ (2022 - ) |
ハンコック | |
| イギリス・フォーミュラ・フォード選手権から再編(初年度はMSA Formula)。 イギリスツーリングカー選手権 (BTCC) と併催。 | |||||
| 中国F4選手権 | 中国 | ミゲール・M14-F4 (2015 - 2023) ミゲール・M21-F4 (2024 - ) |
ジーリー・G-Power JLD-4G20 2.0 L | クムホ | |
| チャイナ・フォーミュラグランプリ(CFGP) の主催団体が運営。 | |||||
| NACAM F4選手権 | メキシコ | ミゲール・M14-F4 (2015 - 2023) タトゥース・F4-T421 (2024 - ) |
フォード・エコブースト 1.6 L (2015 – 2023) アバルト・414TF 1.4 L ターボ (2024 - ) |
ピレリ | |
| シーズン開幕戦はF1メキシコGPと併催。Road to Indyスカラシップ選考と提携している[13]。 | |||||
| オーストラリアF4選手権 | オーストラリア | ミゲール・M14-F4 (2015 - 2019) タトゥース・F4-T421 (2024 - ) |
フォード・エコブースト 1.6 L (2015 – 2019) アバルト・414TF 1.4 L ターボ (2024 - ) |
ハンコック (2015 - 2019) ジティ (2024 - ) | |
| オーストラリア・モータースポーツ(CAMS)が運営。スーパーカー選手権と併催。 参加台数不足が続き、2019年一杯で終了[14]。 | |||||
| 2016 - 現在 | スペインF4選手権 | スペイン | タトゥース・F4-T014 (2016 - 2021) タトゥース・F4-T421 (2022 - ) |
アバルト・414TF 1.4 L ターボ | ハンコック |
| コイラネンGPが運営。 | |||||
| アメリカF4選手権 | アメリカ合衆国 | クロフォード・F4-16 (2016 - 2023) リジェ・JS F422 (2024 - ) |
ホンダ・K20C2 2.0 L ターボ (2016 - 2023) リジェ・ストーム 1.65 L (2024 - ) |
ハンコック | |
| SCCAプロレーシングが運営。 クロフォード・コンポジット製シャーシにHPD製エンジンを搭載[15]。 | |||||
| 東南アジアF4選手権 | 東南アジア | ミゲール・M14-F4 (2016 – 2019) タトゥース・F4-T421 (2023 - ) |
ルノー・F4R 2.0 L ターボ (2016 – 2019) アバルト・414TF 1.4 L ターボ (2023) |
ハンコック | |
| 東南アジア地域対象。 | |||||
| UAE F4選手権 | アラブ首長国連邦 | タトゥース・F4-T014 (2016 - 2021) タトゥース・F4-T421 (2022 - ) |
アバルト・414TF 1.4 L ターボ | ハンコック | |
| Automobile & Touring Club of the United Arab Emirates主催、AUHモータースポーツ運営。 ヤス・マリーナ・サーキットとドバイ・オートドロームで開催。 | |||||
| 2017 - 2023 | デンマークF4選手権 | デンマーク | ミゲール・M14-F4 (2017 – 2023) | ルノー・F4R 2.0 L ターボ (2017 – 2023) | ピレリ |
| DASU主催。フォーミュラ5(旧フォーミュラ・フォード)と混走。 デンマーク・サンダースポーツ選手権、デンマーク耐久選手権と併催。 | |||||
| 2018 - 現在 | フランスF4選手権 | フランス | ミゲール・M14-F4 (2018 – 2021) ミゲール・M21-F4 (2022 – ) |
ルノー・F4R 2.0 L ターボ (2018 – 2019) ルノー・HR13 1.3 L ターボ (2020 – 2021) アルピーヌ (2022 - ) |
クムホ |
| FFSAアカデミー主催。2018年よりFIA-F4規定で開催。 | |||||
| 2022 - 現在 | ブラジルF4選手権 | ブラジル | タトゥース・F4-T421 (2022 - ) | アバルト・414TF 1.4 L ターボ | ハンコック |
| ブラジル自動車レース連盟とストックカー・プロシリーズのプロモーターVicarが主催。 | |||||
FIA-F4規格のシリーズ
| シリーズ | 開催年 | 国/地域 | シャシー | エンジン | タイヤ | 公式サイト |
|---|---|---|---|---|---|---|
| フォーミュラ・アカデミー・フィンランド (Formula Academy Finland) |
2018〜 | タトゥース・F4-T104 | アバルト1.4Lターボ | ハンコック | ||
| コイラネンGPが運営。2020年よりフォーミュラ・オープン・フィンランドに編入される。 | ||||||
| フォーミュラ・プロ・アメリカ西選手権 (Formula Pro USA Western Championships) |
2018〜 | リジェ・JS-F4 | ホンダ2.0L | ハンコック | ||
| アメリカF4選手権と同じくSCCAプロレーシング (SCCA Pro Racing) が運営(マシンパッケージも同等)。西海岸地域で開催。 | ||||||
各選手権の歴代勝者
国別のF4
日本(フォーミュラ4選手権)
フランスF4
フランスF4選手権(French F4 Championship)は、フォーミュラ・ルノーの下位カテゴリーであるフォーミュラ・ルノー・キャンパス (Formula Renault Campus) を2011年に名称変更したものである。
元々はフォーミュラ・ルノーへのステップアップカテゴリーとして1993年に創設。2010年にはF4 ユーロカップ1.6 (F4 Eurocup 1.6) と名称を改めワールドシリーズ・バイ・ルノーの下位カテゴリーとなったが、同年限りで同シリーズから離脱。2011年より主催者であるフランスモータースポーツ連盟 (FFSA) が「若手ドライバーの育成アカデミー」として同カテゴリーを再編したことから現在の名称に改められた。
マシンはシグナテック製シャーシにルノー製1.6リッターエンジンを搭載したワンメイク。また若手ドライバー育成を目的とするため、「1月1日時点で満15歳から23歳までのドライバー」に参加資格を限定している。
2017年一杯で独自路線を終了し、2018年より後述のFIA-F4国際規格を受け入れ、イギリス・ドイツ・イタリアなど近隣国と同じくFIA公認シリーズとなった。マシンはミゲール製シャーシにルノー製2.0リッターエンジンを搭載するワンメイク。
イギリス(BRDC F4)
イギリスではブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ (BRDC) の主催で、2013年よりBRDC Formula 4 (BRDC F4) の名称でレースが行われた。
元々は2006年より同国の750 Motor Clubが主催していたレースが前身。2013年にBRDCとモータースポーツ・ビジョン (MSV) が主催を引き継ぎ、Ralph Firman Racing(RFR)[16]が製造するシャシーに2リッターエンジンを搭載したワンメイクレースである。
2015年にFIA-F4公認シリーズのMSAフォーミュラ(後述)がスタートすると、2016年3月、BRDC F4はBRDC イギリスF3選手権 (BRDC British Formula 3 Championship) として再出発することになった[17]。タトゥース製MSV F4-016シャーシにコスワース製2リッターエンジンを搭載し、F4とF3・GP3の間のギャップを埋める位置付けになる。これにより、MSAフォーミュラが2016年シーズンから「イギリスF4選手権」を名乗ることになった。
なお、伝統のイギリスF3選手権は2014年末にヨーロッパF3選手権へ統合されており、BRDC イギリスF3はその系統ではない。
カナダ(CASC F4)
カナダではパイプフレームシャーシにオートバイの750ccエンジンを搭載するローカルマシンをフォーミュラ4と呼んでいる。カナダ自動車スポーツクラブ(Canadian Auto Sport Clubs)のオンタリオ支部(CASC-OR)が運営するロードレースシリーズでF4クラスが走行する[18]。
南米

2014年にフォーミュラ4スダメリカーナ (Fórmula 4 Sudamericana) がスタート。ウルグアイを中心に、ブラジル・アルゼンチンを転戦した。マシンは2010-2011年にブラジルで開催されたフォーミュラ・フューチャー・フィアット (Formula Future Fiat) と同じく、シグナテック製ワンメイクシャーシにフィアット製1.8リッターエンジンというパッケージを使用した。
2016年まで3シーズン続いたあと4年目の2017年は開催されず、2018年よりフォーミュラ・アカデミー・スダメリカーナ (Fórmula Academy Sudamericana) と改称して、ブラジルを中心に再スタートした[19]。
