上昇する気球
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| ドイツ語: Der Ballonaufstieg 英語: Hot-Air Balloon Rising | |
| 作者 | フランチェスコ・グアルディ |
|---|---|
| 製作年 | 1784年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 70 cm × 53.7 cm (28 in × 21.1 in) |
| 所蔵 | ベルリン、絵画館 |
『上昇する気球』(じょうしょうするききゅう、独: Der Ballonaufstieg、英: Hot-Air Balloon Rising)は、18世紀イタリアの画家フランチェスコ・グアルディが1784年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。当時の出来事をルポルタージュとして表した画家晩年の作品の1つとなっている[1]。1901年にヴェネツィアで購入されて以来[1]、ベルリン絵画館に所蔵されている[1][2][3]。

グアルディは、1735年から1743年にかけて都市景観画 (ヴェドゥータ) のミケーレ・マリエスキの下で修業を積み、1760年に兄のジャン・アントニオが死去すると、もっぱらヴェネツィアの景観画を描くようになった。彼は束の間、15歳年上であったカナレットを手本にし、カナレットの死後はヴェネツィアの景観画の後継者となった[4]。しかし、グアルディが重視したのはカナレットのような精密さではなく、光に満ちたヴェネツィアの雰囲気であった。彼は印象派風の自由な筆致によってカナレットの地誌的な風景画の限界を破り、主観的なものの見方や感じ方を導入することで近代風景画の先駆者の1人となっている[5]。
作品
1783年にモンゴルフィエ兄弟が気球での初飛行を行ったが、本作は翌1784年にヴェネツィアで最初に上げられた気球を描いている[1][3]。気球はサン・マルコの検察官フランチェスコ・ペーザロ (Francesco Pesaro) の指示でザンキ (Zanchi) 兄弟により造られたもので、2時間浮遊した後にサン・マルコ湾のラグーン (潟) に着地した[1]。
この出来事は、雑誌、エングレービング、詩、記念メダルなど主題となった。エングレービングの1つによれば、気球はサン・マルコ広場からカナル・グランデの辺りを飛行した[1]。しかし、グアルディは、場面をジュデッカ運河の入り口に設定している。鑑賞者は、カナル・グランデとジュデッカ運河の交差する地プンタ・デッラ・ドガーナにある税関建物内のポルチコから気球の上昇を見ている[1][2]。
後ろ姿で表された多数の観客がこの出来事を見ている[1]。気球は多くのゴンドラに囲まれた木の足場から放たれ、空中に舞い上がったところである[1][3]。前景の反対側のジュデッカ島河岸には、建築家アンドレーア・パッラーディオが設計したレデントーレ教会とレ・ツィテッレ教会が見える[1][2]。本作の魅力は、前景の建物が形作る暗色の枠組みと雲が浮かぶ青空の広がりとの対比である[1]。