十和田火山

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標高 1054m(十和田山[2]
1011m(御鼻部山[1]
690m(御倉山)[1] m
位置 北緯40度30分 東経140度53分 / 北緯40.500度 東経140.883度 / 40.500; 140.883座標: 北緯40度30分 東経140度53分 / 北緯40.500度 東経140.883度 / 40.500; 140.883
最新噴火 915年[1]
十和田[1]
十和田カルデラの陰影段彩図
標高 1054m(十和田山[2]
1011m(御鼻部山[1]
690m(御倉山)[1] m
所在地 青森県十和田市秋田県鹿角市小坂町
位置 北緯40度30分 東経140度53分 / 北緯40.500度 東経140.883度 / 40.500; 140.883座標: 北緯40度30分 東経140度53分 / 北緯40.500度 東経140.883度 / 40.500; 140.883
最新噴火 915年[1]
プロジェクト 山
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十和田(とわだ)[1]または十和田火山(とわだかざん)[3]は、青森県秋田県県境に位置する活火山である。

カルデラ壁

中世以降は噴火の記録が無いものの、「十和田火山」として防災行政の監視対象になっている[4]。山頂部には水がたまってカルデラ湖となっており、十和田湖として知られている。大規模な噴火が将来起きた場合、火砕流岩手県北西部を含む最大30 km圏内に到達し、火山灰噴石はさらに広範囲に被害を与えるとのハザードマップが公表されている[5]

噴火史

先十和田火山の活動が約160万年前~60万年前以前に見られる。約40万年の活動空白期を挟んで、十和田火山が約22万年前から活動を開始した。その活動ステージは22万年前~6.1万年前の先カルデラ期、6.1万年前~1.55万年前のカルデラ形成期、1.55万年前~現在の後カルデラ期に分けられる。

22万年前から6.1万年前の先カルデラ期は、安山岩の溶岩流や軽石・スコリアを噴出した。

約10万年前からマグマの噴出量が増加し、約6.1万年前の噴火エピソードQ(奥瀬火砕流, 4.76 DRE km3以上)から低頻度で、流紋岩の大規模な火砕流を伴うカルデラ形成期となった。この活動期のうち、約3.6万年前の噴火エピソードNと(大不動火砕流, 17.87 DRE km3)、約1.55万年前の噴火エピソードL(八戸火砕流, 20.34 DRE km3)は特に規模の大きな噴火で、大不動火砕流や八戸火砕流は現在の青森市街まで到達している[6]

噴火エピソードLから現在は後カルデラ期と定義されている。この後カルデラ期では、カルデラ形成期と比べると噴火の発生が高頻度で、1イベントの噴出量が数km3DRE以下の活動となっており、デイサイトプリニー式噴火溶岩ドーム形成が主となっている[7]

約1万年前に十和田カルデラの東南部で噴火によってカルデラ内部に五色岩(または五色台)火山が形成された[注釈 1]。五色岩火山は初期に玄武岩を噴出し山体を成長させた。その後、安山岩・デイサイトを経て流紋岩を噴出するようになった。それに伴い爆発的噴火が多発し火口を拡大していった。そして、約6200年前の噴火エピソードC(中掫軽石, 2.52 DRE km3)で火口壁が崩壊し第一カルデラの湖水が火口に流入した。これにより中湖ができたと考えられている。

噴火エピソードA

915年延喜15年)、大噴火(噴火エピソードA, To-a, 平安噴火)を起こした。マグマ噴出量は2.1 DRE km3[8]火山爆発指数はVEI5。この噴火は過去2000年間、日本国内で起きた最大規模の噴火であったと見られる[9]。この噴火を直接記録した文献記録は現地では見つかっていないとされている[9]。京都で著された『扶桑略記』には朝日に輝きがなく月のようだったという記録がある[10]

この噴火により大規模な火砕流(毛馬内火砕流)が生じ周囲20 kmを焼払った[9]。噴出物(主に火山灰)は東北地方一帯を広く覆い、甚大な被害をもたらしたと推定される。十和田火山の噴出物は通常偏西風に乗り十和田湖の東側に流れるが、この年の噴火では十和田湖の西側に流れている。これは夏のこの地方の気象現象であるやませが原因であると考えられている[11]。東の三本木原は昔の十和田火山の噴出物でできているが、やませのため西側に降下した噴出物はラハールとなって米代川を流れ下り、流域の人家を埋没させた。胡桃舘遺跡は、この折に埋没した住居の跡である。これら大災害を人々は三湖伝説として語り継いだと考えられている。一方で、噴出物により広大な砂地が形成された結果、人々の居住に適した環境が整い居住者の増加に影響を与えた[12]と考える研究者もいる。

平安噴火噴出物 (下位から)[13]

  • 大湯火砕堆積物-1 (OYU-1):中湖を給源とする軽石層。軽石火山礫の1~3割がカリフラワー状軽石。一定の噴出率を持ったプリニー式噴火が数時間程度続き、南西方向を軸に軽石が降り注いで形成したとされる。噴出量約0.21km3
  • 大湯火砕堆積物-2 (OYU-2):細粒火山灰層。マグマ水蒸気噴火が発生し、降下火山灰層 (OYU-2a)とベースサージ堆積物 (OYU-2b)が形成されたとみられる。噴出量はOYU-2aが凡そ0.012km3、OYU-2bが凡そ0.041km3。OYU-2bによってタフコーンが形成され、一時的に外来水が遮断された可能性がある。
  • 大湯火砕堆積物-3 (OYU-3):OYU-1とよく似た軽石層。OYU-1同様プリニー式噴火によって形成したとされる。噴出量約0.006km3
  • 大湯火砕堆積物-4 (OYU-4):OYU-2bとよく似た細粒火山灰層。OYU-2b同様マグマ水蒸気噴火によって形成したと考えられる。噴出量約0.017km3
  • 大湯火砕堆積物-S (OYU-S):軽石火山礫と軽石質火山灰の互層。明瞭な層理を示し、一部は斜交層理を示す。下部 (OYU-SL)は多量の炭化木片が含まれる。マグマ水蒸気噴火によって高温・高速の乾燥したベースサージが発生し形成したとみられる。噴出量約0.24km3
  • 毛馬内火砕流堆積物 (KPf):平安噴火噴出物の最上位層をなす軽石流堆積物。溢流型火砕流によって形成されたとみられる。黒曜石片を含むことが特徴。カルデラリム低所から軽石流がカルデラ外に流出した。噴出量は2.5km3以上。
  • 十和田-a火山灰 (To-a):東北地方全域に分布する広域テフラ。黒曜石片を含むことからKPfのco-ignimbrite ashと考えられる。噴出量約2.2km3

近年の活動

噴火自体は10世紀以降は起きていない。しかし、2024年6月14日に火山性微動が生じるなど、依然として火山活動がみられる。火山性地震も恒常的に起こっている[14]

防災

2014年1月27日より、火山性地震と火山性微動の観測が開始された[15]2016年3月30日十和田火山防災協議会が発足[16]。同年12月1日より気象庁常時観測火山となった[17]2018年1月24日、噴火を想定したハザードマップが公表された[3]2022年3月24日14時から、噴火警戒レベルの運用を開始した[18]

脚注

関連項目

外部リンク

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