品川心中
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上
ここでは話の前半を上、後半を下に分けて説明する。
品川の女郎「お染」は、行事の金が出来ないために下の女から馬鹿にされるので、死ぬことを決断する。1人で死ぬのは嫌なので誰か道連れをつくることを考える。なじみの客から道連れを選び、少々ぼんやりしている貸本屋の金蔵と一緒に死ぬことに決める。早速金蔵を呼び出したお染は無理やり金蔵に心中を承知させる。
翌日の晩、いざ心中という時にカミソリで首を斬るのを金蔵が嫌がるので、外の桟橋から身投げをすることにする。桟橋でなかなか飛び込もうとしない金蔵をお染が突き落とし、自分も飛び込もうとしたところに、店の若い衆が「金が出来た」という知らせを伝えに来る。お染は死ぬのが馬鹿馬鹿しくなって店へ戻ってしまう。
遠浅だったため死にそびれた金蔵は親方のところへ行くが、親方の家では博打をしており、戸を叩く音で「役人だ」と早合点して全員大騒ぎ。尋ねてきたのが金蔵と分かり安心するが、1人びくともしない者がいた。その者を褒めると「いやとっくに腰が抜けております」。
下
翌朝、金蔵が親方に経緯を話し、怒った親方は金蔵とともに、お染への仕返しを考える。
金蔵は、お染を訪ねていき、部屋で「白い団子が食いてえ」などと、気味の悪い話をする。しばらくして、お染を訪ねて来た人があると店の者が呼びに来る。出て行くと、親方と金蔵の弟という二人連れが来ており、金蔵の通夜に来てもらいたい、という。
驚いたお染が、そんなはずはない、と、親方を連れて部屋に戻ると金蔵の姿はなく、蒲団に金蔵の位牌が入っている。親方は金蔵が化けて出た、このままではお前は取り殺される、頭を丸めたほうがいい、と脅し、お染の髪を剃ってしまう。そこに金蔵が現れる。悔しがるお染に「お前があんまり客を釣るから、魚篭に(比丘尼)されたんだ」。
バリエーション
武藤禎夫が『定本 古典落語三百題』で紹介しているあらすじでは、前記とは以下の点が異なっている[1]。
- お染が心中を決意する経緯は、年齢を重ねて客がつかなくなったので死ぬことにしたが、貧窮が理由でというのは嫌なので、相手を見つければ心中と浮名が立つと考える。
- 金蔵は「この世の別れ」と宴会を開き、心中のことを忘れて寝る。それをお染が起こして桟橋に連れて行く。
- 親方(武藤は「親分」と表現)ともう一人がお染をだますために訪ねた理由は「金蔵の死体が上がった時、お前さんと交わした起請が出てきた」。
- 金蔵のいた座敷でお染が見たのは戒名を書いた紙。
- お染は回向料も親方に出す。
3代目三遊亭圓馬は後半まで演じ、お染が「よく見やがれ。これはかもじ(入れ髪)だ」と言い返すサゲを用いて『入れ髪』の演目で演じていた。この「下ろしたと見せかけて実はかもじ」という展開は、類似する『星野屋』のくだりにもあり、こちらでは「かもじ」以降も策略の応酬が続くようになっている。[要出典]