日本式ローマ字
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物理学者の田中舘愛橘が考案[1]した表記法であり、それまでは恣意的に表記されていたローマ字を、五十音図に基づいて系統立った表記法としたものである。1885年(明治18年)に発表された後、明治・大正・昭和を通した50年近くの研究(映画フィルムのサウンドトラックに記録した音声を切り張りしたり逆転再生させたりして「音素」を分析するなど)で、日本式ローマ字は音韻論の立場から理にかなったものであることが判明した[2]。
1937年に、日本式ローマ字を基礎として、それに改変を加えた訓令式ローマ字が公認されたことで、表記法もしくは正書法(言語を文字で表す方法)としては、日本式ローマ字は訓令式ローマ字に発展的解消したとみなされる(ただし、古くからローマ字表記が存在した固有名詞には、今でも日本式ローマ字が使われているケースがある)。ちなみに、翻字法(元の文字と転写後の文字が1対1に対応し、元言語の音は必ずしも反映されない、文字転写)としては現在でも使われており、ISO 3602[3]にも収録されている(「ゐ wi」と「ゑ we」と「くゎ kwa」と「ぐゎ gwa」は現代日本語では廃れた文字であるとの注記付きで)。
現行の訓令式との大きな違いは、「だ行」の表記法である。また、仮名のない「や行い yi」「や行え ye」「わ行う wu」が載っているが、学習容易性を重視して収録した由で、1936年のフランス語での講演[2]では無くしている(ただし、訓令式とは異なり、仮名のある「ゐ wi」と「ゑ we」と「を wo」は残っている)。