神戸電鉄6500系電車

From Wikipedia, the free encyclopedia

運用者 神戸電鉄
製造年 2016年 -
製造数 8編成24両
神戸電鉄6500系電車
神戸電鉄6500系6513F
(2022年6月11日 木幡駅付近)
基本情報
運用者 神戸電鉄
製造所 川崎重工業車両カンパニー
製造年 2016年 -
製造数 8編成24両
運用開始 2016年5月21日
主要諸元
編成 3両編成(2Ⅿc先頭車両 1T中間車両)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 80km/h
設計最高速度 100 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.3 km/h/s
編成定員 354名
全長 18,290 mm (先頭車)
18,140 mm(中間車)
全幅 2,700 mm
全高 4,030 mm
車体 ステンレス
主電動機 全閉式かご形三相誘導電動機
主電動機出力 140 kW × 4個
駆動方式 WNドライブ
編成出力 1,120 kW
制御方式 三菱電機SiC適用MOSFET素子VVVFインバータ制御
制御装置 MAP-144-15VD283
制動装置 MBSA形電気指令式電磁直通ブレーキ(電力回生・発電ブレーキ付き)・保安ブレーキ
保安装置 神鉄形ATS 防護無線
テンプレートを表示

神戸電鉄6500系電車(こうべでんてつ6500けいでんしゃ)は、神戸電鉄が保有する通勤形電車である。

本記事では、個々の編成を指し示す場合は、有馬温泉・三田・粟生方の先頭車の車両番号で代表し、6515編成のように表記する。

既存車両の代替として、2015年平成27年)6月9日に導入が発表され[1][2]2016年(平成28年)5月21日より営業運転を開始した[3]。建造は川崎重工業車両カンパニーである。

日本の鉄道史上初となるフルSiC採用新造車両として[4]、「人と環境にやさしく、安全・快適な車両」をコンセプトに積極的に新型機器を採用した[5]

2025年度(令和7年度)より4編成の増備を予定している(増備計画については後述)[6][7]

営業開始当初のポスター類に用いられたキャッチコピーは「みんなに。やさしさを届けたいから。」「新しい“しんてつ”が走り出す」である。

車体

外観やデザインは2010年(平成22年)に導入した6000系2次車を踏襲し、ステンレス車体で片側3扉とした[5]。構体と台枠はステンレスであるが、先頭車の前頭部は普通鋼を使用している[5]。 側面はステンレスそのものの特徴を活かし[5]、前頭部はブラックを基調にゴールドとレッドを組み合わせたデザインとしている[5]

車内

客室

全体インテリア

定員は先頭車115名(座席定員37名)、中間車124名(座席定員43名)である[8]。内装デザインは、室内全体を木目調の化粧板でまとめ[8]、天井部に白色の化粧板を採用して従来車両の車内空間を継承している[5]。車内照明をLED照明とすることで「神戸電鉄沿線の豊かな緑をイメージさせる明るい車内空間」を演出させている[8]

座席

座席はロングシートで扉間の8人掛け座席は4人ずつに仕切り板が設置されている[5]。モケット表地は、輸入品のアンゴラ山羊モヘアを使用したゴールデンオリーブ色のテレンプで、大型袖仕切りにも同様のモヘアを採用し、急ブレーキや衝突時の乗客の保護を高めているほか[5]、袖仕切り上部を透明強化ガラスとすることで[5]、高級感と開放感あふれる車内空間を演出させている[5]2026年(令和8年)新造車(6515編成)では、視認性向上を目的に優先座席のモケットをオレンジ色に変更しており[9]、他編成についても順次交換される[9]

設備

大型袖仕切り部と座席間の中仕切り部にはスタンションポールが新設され、高齢者の座席からの立ち上がりの負担軽減などが配慮されている[5]

つり革は従来の高・低の2段に加え、更に低い段を追加した3段階で設置された[5]。また出入り口部には枕木方向にもつり革を設置している[5]2026年(令和8年)新造車(6515編成)以降は、視認性向上を目的に優先座席付近の吊り革のカラーリングをオレンジ色に変更しており[9]、他編成についても順次交換される[9]

貫通扉は自動ドアを継続して採用しており、客用側引戸(側面ドア)の上部には32インチハーフサイズディスプレイが1両に3台ずつ千鳥配置されている(主要機器の節で後述)[4][1]

日除けは引き下げ式のフリーストップカーテンを採用し[8]、優先座席部の日除けには「優先座席」の表示を生地に印刷している[8]

防犯カメラ

2026年(令和8年)新造車(6515編成)は、列車内のセキュリティ向上と非常時の車内状況の迅速な把握を目的として[10]、車内の客用引戸上部に1両につき3か所防犯カメラを設置している[9][10]

乗務員室

主幹制御器は従来のツーハンドル式を採用、各スイッチ類やモニタ表示器などの機器類は、ワンマン運転時の操作性を考慮した配置となっている[11]

車内外表示装置、自動放送装置、空調装置などの操作は、モニタ表示器のタッチ画面による一括操作が可能になっている[11]

主要機器

台車・駆動方式

台車は従来車と同様、軸梁式でダイレクトマウント構造の空気ばね方式とし、駆動方式はWN継手によるカルダン駆動方式を採用した[12]

制御装置・主電動機

制御装置は、SiC適用のMOSFET素子による2レベルVVVFインバータ制御装置(三菱電機製MAP-144-15VD283)を新形式車両では日本で初めて本格採用して省エネルギー化を図り[4]、1C4M方式のユニットを両先頭車に搭載する[4]主電動機は定格出力140 kWの全密閉かご形三相誘導電動機を採用、高効率化による電力損失の低減や低騒音化、保守性の向上が図られた[4]

なお新形式車両でフルSiCを本格採用したのは、本形式が日本初である(更新での関西初採用は神鉄グループ北神急行7000系)。

車内案内装置

車内案内表示器は、32インチハーフサイズの大型ディスプレイを1両あたり3か所千鳥状に配置し視認性の向上を図っている[4][2]。停車駅や扉の開く方向の案内のほか、駅間では2画面に分割して旅客案内と映像の再生を行う[4]インバウンド対応として日本語英語中国語韓国語の4か国語で表記される[4]

冷暖房装置

冷房装置は、24.42 kWの「セミ集中式クーラ」を1両あたり2台搭載している[4]。また「低騒音型ラインデリア」を天井部に設置し、冷風を拡散させることで室内温度の均一化を図っている[4]。 

暖房装置は片持ち式の座席に吊り下げる構造とし、足元スペース拡大と暖房効率向上を目指した設計としている[4]

また冬季の車両仕立て時には、乗務員室から「急速暖房」操作を行い、客室温度を急速に上昇させることができるようになっている[4]

冷暖房制御は、外気温・車内温度・車内湿度・乗車率等から快適な車内温度を保つ「マイコン制御方式」としている[4]

照明装置

車内灯は色温度5000ケルビンLED灯を採用、前照灯もLED灯を採用して視認性向上と長寿命化を図った[4]。また、標識灯や計器灯など他の照明設備についてもLED灯としている[4]

放送装置

放送装置は「自動音量調節機能」により客室内に適切な音量で放送できるようになっている[4]。またワンマン運転に対応した自動放送装置を搭載し、モニタ装置で設定した運行情報により自動案内放送を行う。

消費電力

これらの環境面が配慮された機器類の採用によって、消費電力抵抗制御の1000系と比べ約60%低減された[2]

車種構成

2M1T(Mc1 - T - Mc2)の3両編成で、以下の2形式により組成される[5]

6500形(Mc1・Mc2)

制御電動車VVVFインバータ制御装置電動空気圧縮機(CP)を搭載。集電装置(シングルアームパンタグラフ)を中間車側妻面寄りに設置している。奇数番号の車両は有馬温泉・三田・粟生方、偶数番号の車両は新開地・ウッディタウン中央方の先頭車となる。自重34.2t。

6600形(T)

付随車。静止形インバータ(SIV)と蓄電池が搭載されている。

6500系の車種構成および主要諸元
 
号車 123
形式
6500形(奇)
(Mc1)●
 
6600形
●(T)

6500形(偶)
●(Mc2)
搭載機器 VVVF,CPSIV×2VVVF,CP
自重 34.2 t 29.6 t 34.2 t
定員
(座席)
115
(37)
124
(43)
115
(37)
車両番号 6501

6515
6601

6608
6502

6516

凡例・備考

  • VVVF:主制御器(VVVFインバータ/1C4M)  
  • SIV:補助電源装置(静止形インバータ) 
  • CP:空気圧縮機
  • <>:集電装置(シングルアームパンタグラフ)
  • ●:車椅子スペース設置箇所
6501 2017年2月10日 鈴蘭台駅
6601 2017年2月10日 鈴蘭台駅
6502 2017年2月10日 鈴蘭台駅

編成表

2025年(令和7年)4月1日現在[13]

有馬温泉・三田・粟生
新開地・ウッディタウン中央
竣工 備考
Mc1 T Mc2
650166016502 2016年2月29日[14]
650366026504 2017年2月1日[15]
650566036506 2018年2月1日[16]
650766046508 2018年3月12日[16]
650966056510 2019年2月15日[17] 国家試験用メーター装備
651166066512 2019年3月5日[17]
651366076514 2020年2月27日[18] 架線検測装置取付け可能編成
6515 6608 6516 2025年12月

導入状況

2016年(平成28年)2月23日から翌24日に第1編成(6501編成)が市場保線基地(1990年〈平成2年〉の完成当時は「鉄道総合施設」と呼称されていたがここでは近年の通称に倣う)にトレーラーで搬入され、鈴蘭台車両工場まで回送されたのち各種整備を受けて同年2月29日付けで竣工している[15]。その後各種試験・試運転が実施され、同年5月21日に営業運転を開始した[3]。初日は公園都市線系統で運用され[3]、営業開始3日目には全線での走破を達成している。

デビュー後はしばらくの間、車内広告・ポスターが3両とも異なる記念装飾(「“しんてつ”に新しい風が吹き出す。“やさしさ”あふれる4つのポイント。Series 6500 Début‼︎」と題した紹介コーナー)が施されており、通常の広告は掲出されていない状態が続いていた。

その後、2017年(平成29年)2月に第2編成(6503編成)が営業運転を開始し[15]、竣工同日にデ1100形・サ1200形の1101編成が除籍された[15]

また、2018年(平成30年)は2月1日・3月12日に第3・4編成(6505・6507編成)が竣工し[16]、同年2月1日付けで3000系の3003編成が除籍されたほか[16]、デ1100形・サ1200形の1121編成が同年3月に運用を離脱している。

2019年(平成31年)には2月15日・3月5日に第5・6編成(6509・6511編成)が竣工し[17]、同年3月31日付けでデ1100形・サ1200形の1115・1119編成が除籍された[15]

2020年(令和2年)2月27日に第7編成(6513編成)が竣工し[18]、同年3月16日にデ1070形・デ1100形・サ1200形の1075編成が除籍されている[18]

2026年 (令和8年)3月17日に第8編成(6515編成)が営業運転を開始した。

増備計画

2022年(令和4年)12月に策定された「神戸電鉄粟生線地域公共交通計画」において[6]2024年度(令和6年度)から2027年度(令和9年度)までの4か年度間でさらに4編成の増備を計画中であることが[6]、同時に公開された「新型車両の導入スケジュール(案)」では1か年度あたり1編成ずつの増備が目標とされていることが明らかにされた[6]

この時点では、各資料内において「新型車両」として6500系の画像を用いているものの、導入予定の新型車両の明確な形式名については言及されていなかった[6]。しかしその後、神戸電鉄の運賃改定(2025年1月実施)に対するパブリックコメントにおいて「インバウンド対応型の新造車両6500系の導入を進める」と回答したことから、増備車両が6500系となることが明らかとなった[19]

その後、2023年(令和5年)・2024年(令和6年)に公表された神戸電鉄粟生線活性化協議会(第50・53回)の資料内で[20]、半導体不足によって他設備の更新・改良が遅れていることから、新造車両の導入も2025年度(令和7年度)以降になるとの見通しが示された[20]

2025年(令和7年)5月13日に発表された決算資料において、同年度の投資内容欄に「電車車両1編成」の記述が登場し[21]、このほか「令和6年度移動等円滑化取組計画書」においても「2025年度 旧型車両の新造車置き換えにより(後略)」の記述が確認できる[7]

以上の増備計画が進めば、本形式は計11編成となる。

その後、2026年3月17日に本計画の一部とみられる6515編成が導入された。

当該車両から、優先座席の配色変更、車いす・ベビーカーマークの車外掲出、車内乗降口へのステッカー表示、防犯カメラの設置、車いすスペースへ追加で非常通報装置を設置する等、よりバリアフリー・安全・安心かつ、セキュリティの向上した車両になった。

運用

脚注

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI