糖衣錠

From Wikipedia, the free encyclopedia

糖衣錠(とういじょう)は、白糖[注釈 1]糖アルコールの緻密な結晶の層で被覆した錠剤である[2]。砂糖でコーティングした菓子をフランス語でドラジェ: dragée)と呼ぶが、薬学の世界では糖衣錠をドラジェと呼ぶこともある[3]

外観を良くし、有効成分の持つ不快な匂いや苦味をマスキング[注釈 2]して服用しやすくする[5]だけではなく、湿気[5]や光から保護したり、識別性を高めるために行われることもある[6]。新規の医薬品に採用されるケースは多くなく、既存の総合ビタミン剤[7]や、不快臭を持つL-システイン製剤[8]などに適用される。

被覆の重量は総重量の10%に上ることもあり[5]、錠剤が大型化する欠点がある[8]。美麗に仕上がる反面、コーティング工程に短くて1日、長い場合には5日間の時間を要する[7]。工程は複雑で、医薬品製造のアウトソーシングを行う際には糖衣錠の移管は難しい部類に入る。1990年頃までは糖衣錠の技術研究が盛んにおこなわれたが、その後はヒドロキシプロピルセルロースヒプロメロース英語版、さらに腸溶性コーティング英語版を行うことのできるセラセフェート英語版ヒプロメロースフタル酸エステルなど[5]によるフィルムコーティング錠の研究へと移っていった。しかし、美しい外観や不快臭のマスキング能の高さから、糖衣錠が完全にフィルムコーティング錠に取って代わられることはなかった[6]

1995年頃から、口腔内崩壊錠 (en) が実用化され、医薬品添加物として糖アルコールが盛んに利用されるようになった。従来の糖衣錠の持つカロリーの高さや、水分量の多さにより成分が不安定になる課題を解決すべく武田薬品工業により「シュガーレス糖衣錠」が研究され、エリトリトールのミストをスプレーすることにより、従来の糖衣錠の特長であるマスキング能や防湿性に加え、シュガーレスにすることによる低カロリー化や錠剤の小型化による服用しやすさ、低水分化による安定性の向上の利点を持つシュガーレス薄層糖衣技術が開発された[8]

製造方法

脚注

参考文献

Related Articles

Wikiwand AI