芋粥
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時代は平安時代の元慶か仁和年間の頃。主人公の五位[3]は、摂政・藤原基経の役所に勤務する、歳も四十を越した風采のあがらない小役人である。彼は才覚もなければ見た目も貧相で、日ごろ同僚からも馬鹿にされ、道で遊ぶ子供に罵られても笑ってごまかす、情けない日常を送っている。しかし、そんな彼にも夢があった。それは芋粥[4]を、いつか飽きるほど食べたいというものだった。
ある集まりの際、五位は、「いつになったら、芋粥に飽きることができるだろう」とつぶやいてしまう。 そのつぶやきを耳にした藤原利仁が、「ならば私が、あきるほどご馳走しましょう。」と申し出、五位は戸惑いながらその申し出に応じる。 後日、彼に連れられて旅路に着くと、予告もなく、利仁の領地である敦賀まで連れられる。旅路の末、ようやく利仁の館までたどり着いたにも関わらず、五位の心はどこか曇っていた。 翌朝、利仁の館で用意された、大鍋に一杯の大量の芋粥を実際に目にして、五位はなぜか食欲が失せてしまうのであった。